ソラストが、訪問介護のタブレット活用でITビジネス賞を受賞

ケアリッツでもITによる業務効率化、といったことを日々考えているのですが、訪問介護を中心にビジネスを展開しているソラストが2016年末に作成した「TPO-Care」というシステムが、介護業界のITシステムとしては初めて、公益社団法人企業情報化協会(IT 協会)主催の平成 30 年度(第 36 回)IT 賞において、「IT ビジネス賞」を受賞したというプレスリリースがありました。

株式会社ソラスト、訪問介護におけるタブレット活用でITビジネス賞を受賞

いったいどんなシステムなのでしょうか?

システムの概要

訪問介護において、大きな事務負担となるのが、請求周りの部分です。

通常の訪問介護スタッフは、シフトと呼ばれるスケジュール表に従って、1日に何件もお客様の家を回って、サービスを行っていきます。サービスを行った場合には、複写式の用紙を使って記録表を1枚1枚手書きで書いて、1枚を持ち帰ってきます。この持ち帰った記録表を、今度は月末に介護請求ソフトに打ち込んでいき、請求を行う、という流れです。

記録票の枚数は、一つの事業所で1000枚単位で発生するため、この記録票の整理と入力作業が大きな負担となるわけです。

今回の「TPO-care」では、シフトやサービス実施状況をリアルタイムで事業所側が把握でき、スケジュール変更などがあったときもリアルタイムでそれが反映されます。

今まででは、スケジュール変更があった時には、メールや電話で各ヘルパーに連絡をする必要がありました。

また、ヘルパーは、複写式の記録表を書く代わりにタブレットを使って簡単に記録をつけることができる、という仕組です。

ソラストでは65事業所に1606台のタブレットを導入し、それをヘルパーに貸与しているようです。登録ヘルパーと言われる、掛け持ちをしているパート社員が多く働いているため、セキュリティのところもかなり気を配っているようで、スケジュール通りの時間にお客様のところにいる場合のみ、タブレットから情報が閲覧できる仕組みとなっているようです。

今後の展開とケアリッツのITについて

ソラストは、みずほ情報総研と共に作ったこのシステムを、現状では特に外販する予定はないようです。

実はケアリッツでも、来年4月リリース予定でシフトと記録の電子化システム「Caregate」(ケアゲイト)というものを開発しています。うちの場合には、他社とは組まず、社内のエンジニアたちを活用し、完全内製化しています。

基本的な発想は近いのですが、正社員比率が多い、スケジュール管理を現状Excelで行っている、といったうちの実情に合わせ、スケジュールの管理がよりしやすく、またより使いやすいUIとなるような仕組みを構築しています。
うちの場合には、タブレットを配布するのではなく持っているスマホを活用(今スマホを持っていない人には、買い替え費用を負担しています)してもらい、そこから簡単に入力できる仕組みとしています。

そして正直なところ、うちも外販は当面のところ予定していません。

ちなみにソラストもうちもなぜ外販しないかというと、人材採用といった面で、こうした事務作業が少ないことが他社との差別化になる部分でもあり競争の源泉となること、また、高いお金を払ってこういったシステムを導入してくれる会社がそもそもあまりないことがあげられます。

介護業界のIT化が進まない一番の理由は、ツールそのものがないからではなく、リスクをとってIT投資してまでこういったシステムを導入する会社がないからだと思います。

訪問介護においては非常に客も多く、固定費がかからないビジネスなので、経済的に倒産する心配はあまりありません。そして、ほとんどの会社は超零細規模であり、彼らはリスクを取ってまで拡大する気はありませんし、資金もありません。
そうなると、現状なんとかアナログなやり方で業務が回っている場合、それを維持できれば十分なのです。

業界構造がこういった形になっている限り、業界全体で見てIT化は、なかなか進んでいかないのが現状、と言えるかもしれません・・・

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。