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【介護コラム】 目と目を合わせて - 第10回- 利用者としてのモチベーション

【介護コラム】 目と目を合わせて - 第10回- 利用者としてのモチベーション

どうしてヘルパーの仕事をしているのか、その理由は人によって様々あるようです。

「お金のため」、「ライフワークの一環」、「勉強のため」などなど、モチベーションの形は十人十色です。僕自身、仕事から得られるものが多く、成長させられているなとよく感じているので、僕と関わったことでヘルパーさんにとって何かプラスになればと、いつも考えるようにしています。

そのためにしている僕なりの工夫、それは、来る人やその時の調子を見ながら、利用者意識と自分意識の比率を意識的に変えるということです。

例えば、事務的に淡々と仕事をこなす方に対しては、利用者意識100パーセントで、反対に、業務そっちのけ(ケアの手を止めることがないのが前提です)で他愛もない話をたくさんしてくる方に対しては利用者意識0パーセント(素の自分100パーセント)で接するようにしています。

そうすることで、ヘルパーさんがその時その時の自分らしさを出しやすくなるので、その人が仕事から何を得たいのかが探りやすくなり、「僕だからプラスになることは何だろう?」ということが考えやすくなります。

生きていく上での一番のモチベーションは、必要とされているということです。

僕は身の回りのことを手伝ってもらわないと暮らしていけないので、ヘルパーさんたちが必要です。
同じくらい、僕のことも必要だと思ってもらえるように、来たいと思って来てもらえるように、これからも「僕だからできることは何か?」を模索し続けていこうと思います。

コラム原案/安部隼人
障害者の目線から、社内での研修講師をしたり、啓蒙活動のためのレポート作成等を担当しています。
晩酌のお供はカニカマ派です。
Illustrator/エム・コウノ