介護職の退職理由には何がある?円満退職する方法や退職時に確認すべきポイントを紹介

介護職を退職する人は多いと耳にしたことがある人もいると思いますが、実際どのような退職理由があるのかを紹介しています。スムーズに退職するためにはポイントを押さえて行動することが重要です。
今回は、「介護職で退職を決めたらとるべき行動」や「今の職場を退職するときに確認すべきポイント」を紹介しています。自分の人生を後悔しないためにも、今の介護職の現場から退職したいと思っている人は参考にしてください。
介護職の退職理由を紹介!
介護職は需要がある職業ですが、退職を考える人も少なくありません。退職を決めるのはネガティブなことが原因となることも多く、いくつかの要因が重なっていることもあります。
ここでは、具体的な退職理由を紹介しています。今、介護職の職場を退職したいと考えているなら理由がマッチしているか確認してください。
辛いと感じる場所に身を置き続けるのは、身体にも心にも影響を及ぼす可能性があるため対策が必要です。
職場の人間関係がよくない
介護職の退職理由として多く挙がるのが人間関係の問題です。介護職は人と接する機会が多く、コミュニケーションを取りながらおこなう業務です。
介護職の人が関わる人たちは以下のとおりです。
- 利用者
- 利用者の家族
- 他職種の職員
利用者と関わることはもちろん、その家族や同僚や上司以外にもさまざまな職種の人たちと接します。ほかの職種の職員には、医師や看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、生活相談員、福祉用具専門相談員などあらゆる職種や部署の人たちとの関りが必要不可欠です。
それぞれの職種などで連携が取れていなかったり、要望などが異なったりすれば関係が上手くいかず業務にも影響が及ぶことも。また、経営者と現場では重視していることなどに違いがありストレスが溜まることもあります。
多くの人たちと連携しなければならない職種なので、そのような人間関係によるストレスがあったり、苦手と感じる人がいたりすると退職したいと感じるでしょう。なかには、仕事を押し付けたり、理不尽なことで怒られたりなどパワハラなどをおこなう人もいます。
そのような人がいる限りストレスは溜まり続けます。過度にストレスが溜まった状態を続けるとうつや、適応障害などの病気になる可能性も。
自分を守るためにもそのような環境からは離れることも1つの手段です。
収入や待遇面が業務内容と合っていない
介護職は体力を使う仕事で、自身の身体に負担がかかることも多いです。また、需要に対して職員が足りていない人手不足が問題となっていますが、その分職員たちがカバーしているため忙しくハードな現場も珍しくありません。
仕事がハードであっても、給料はほかの職種と比較して低い傾向です。そうなると、ここまで自分を犠牲にしているのに収入が業務量と合っていないと感じます。
介護職はなくてはならない職業で今後もさらなる需要の増加が考えられており、2024年には介護職員等処遇改善加算が導入されています。それでも業務量を考えると退職を選択せざるを得ないと感じる人も多いようです。
今の職場でこのまま働き続けた場合キャリアアップができるのか、給料などが上がる見込みがあるのかなどを確認するのもありです。どのくらいの収入や待遇であれば納得できるかなど、自分の気持ちと向き合ってみるのもよいでしょう。
業務内容に不満がある
介護職の業務は多岐にわたりますが、職場によっては業務に大きく偏りがある場合もあります。身体的に負担が大きい仕事ばかり担当しなければならないなど業務内容に不満があると、仕事を退職しなければ現状が変わらないと感じるでしょう。
また、希望していた業務に関われなかったり、思っていたような業務内容と大きく違いが見られた場合なども仕事へのやる気がなくなり退職を考えるようです。仕事は人生において大きなウエイトを占めているので、やりがいが感じられなかったりネガティブな思いが強くなったりすると精神的にも追い込まれます。
入職時に聞いていた業務内容と異なる場合などは、職場自体に不信感を抱くことにもつながります。
ほかによい条件の職場を見つけた
介護職といっても職場によって業務内容や、職員にかかる負担割合なども大きく異なります。同じような給料で現状よりも負担が少ない、働きやすい環境が整っている職場があるとほかの職場で働きたいと思うことは当然です。
とくに、今の職場に不満を抱えているときに条件のよい職場を見つけたらチャンスと感じ転職を考える人も多いです。やりがいが感じられず不満を抱えたまま働き続けるよりも、自分の能力を活かせる場所がほかにあるなら違うところへ転職するのも1つの方法といえます。
退職を決めたらとるべき行動
退職をしたいと思っても数日で辞めることは難しいです。手順を踏みながら1つずつ退職に向けた行動が必要となるので、退職を決めたらどのような行動をしなければならないか紹介しています。
適切な行動がとれなければ、退職するまでに時間がかかる可能性もあるため注意しましょう。退職の報告、次の仕事への準備、引継ぎなどを同時並行する場合もあり大変になることも念頭に置いておきましょう。
直属の上司へ退職することを伝える
退職をすると決めたら退職する意思を伝えなければなりませんが、伝える人にも注意が必要です。退職することは、直属の上司へ伝えましょう。
伝えるタイミングや伝え方も重要で、しっかりと話ができるタイミングに直接伝えます。繁忙期などのとくに忙しい時期などは避けた方が無難です。
また、退職に向けた内容の確認などもあるため、メールや電話などで間接的に伝えるのはよくありません。
伝えづらいと感じるかもしれませんが、対面で話をしましょう。ほかの職員がいる環境では話さず、話したいことがあることを伝え時間を設けてもらいます。
退職することを伝えるときは感情的にならず、ネガティブな発言は控えましょう。ここでのポイントは、退職する意志が固まっているとわかってもらうことです。“退職しようと思っている”など迷っている様子などが伝われば、引き止められたりほかの方法を打診されたりと退職できない環境に追い込まれます。そのため、退職を伝えるのは自分のなかで退職する意志がしっかりと決まってからがよいです。
将来のプランなども考えてからどうしたいという思いを持っていると、上司から聞かれたときもスムーズに答えられます。
退職日を明確にする
入職したときに契約書などをもらっていると思いますが、どのような雇用契約を結んでいるか確認し退職について把握しましょう。引継ぎなども考慮して退職を希望するおおよそ1ヵ月程前には報告するのが望ましいです。
退職する旨を伝えたら、同時に退職日も確認しましょう。そのときに、退職する意思がしっかり固まっていないと引き止められなかなか退職できないこともあるので、退職日がいつ頃になるかはっきりとした日付も確認します。
次の職場が決まっていれば意思の固さもアピールできます。
業務の引継ぎを相談する
職場に不満があって退職する場合でも、業務の引継ぎはしっかりおこないましょう。とくに、担当してる利用者がいれば引継ぎをおこなっていないと迷惑をかけてしまうので注意が必要です。
上司に判断を仰ぎだれに引き継ぐか、どのように引継ぎをおこなうかを相談します。ほかにも受け持っている仕事があれば、すべて引継ぎを終わらせてから退職日を迎えましょう。
今の職場を退職するときに確認すべきポイント
さまざまな理由から今の職場を退職したいと感じたら、確認しておいた方がよいポイントがあります。退職を考えるなら、退職をした後のことも考えておくべきです。
どうしたいかプランを立ててから、行動にうつしましょう。次の職場を見つけるときは退職理由となった原因がない場所を選ぶとよいです。
退職をしたからといって次の職場が必ず納得できるとは限りません。少しでも希望に合った環境で働けるように、今の職場を退職すると決めた段階から行動に移しましょう。
介護職を続けるか転職するか
まず、考えるべきことは現在の職場を退職した後に介護職を続けるか、介護職自体を辞めて転職するかです。介護職を続ける場合は、介護職の違う職場を見つけることになります。
介護職自体を辞めてほかの職種に挑戦する場合は、未経験の分野となるため新たな勉強の必要性や難しさがあることも把握しておきましょう。資格などが必要な職種であればすぐに働くことはできず、資格取得をしてから転職活動が必要になります。
介護職を続けるときは働き先を決めてから現在の職場を退職すると、退職後も間を空けずに仕事がおこなえます。
仕事を探すときはハローワークや、転職サイトなどの利用や求人情報を集めるなどの方法があるので並行して利用するのもありです。ネットなどからもさまざまな情報を集められるため、リサーチは徹底しておこないましょう。
自己分析をおこない今後のプランを立てる
退職を決めたら次の職場が同じような原因で辞めたいと感じないように、徹底した自己分析をおこなうとよいです。なぜ退職したいかを明確にしておかないと転職したとしても同じような理由に苦しむ可能性もあります。
退職したい理由が明確だと、そのような原因がクリアできる場所を見つければよいです。また、どのような仕事がしたいかをはっきりさせましょう。
とくに、業務内容に不満があって退職を考えているなら、どのような業務内容なら納得して仕事が続けられるか考えておきます。新しい仕事を探す場合は、仕事内容などにも着目して探すとよいです。
介護職自体を辞め新たな分野の職種へ挑戦するなら、その職種につくための方法をリサーチします。資格取得が必要な場合は、その間に生活できる蓄えがあるかなども考えておきましょう。
資格取得の勉強をしたとしても必ずしも合格できるという保証はないので、そのような可能性があることも念頭に置いておきます。また、退職するときは転職活動が上手くいかず、次がなかなか決まらない可能性があることも把握しておかなければなりません。
退職する時期に求人があればよいですが、タイミングによっては希望するような業務内容の求人がない可能性もあるので、現時点でどのような求人が募集されているかリサーチするのを推奨します。
新しい職場を探すときに確認すべきポイント
新しい職場を探すときは、条件面などを決めておくとよいです。最も重視する点や、譲歩できる部分などがわかると条件面にマッチする職場が探しやすいです。
新しい職場を探すときに確認すべき具体的なポイントは以下のとおり。
- 仕事内容
- 給料
- 職場環境
求人票などにはどのような業務内容をおこなうかや、給料や待遇面などが記載されています。すぐに確認できる情報の時点で、その職場が候補になるのかどうかをふるいにかけます。
あまりに条件を厳しく設定していると選択の幅が狭まってしまうため、明らかに考えられない条件でなければ候補としておくとよいです。採用されるまでの一般的な流れは以下のとおり。
- 情報収集
- 書類提出・応募
- 書類選考
- 面接
応募の時点でイメージしていた仕事内容も、面接などで詳細を聞くなかでイメージが違うと感じることも珍しくありません。仮に、気になる点が出てきたらしっかり確認し決めることが重要です。
また、職場環境は可能なら雰囲気を確かめるためにも、見学ができるならしておいた方がよいです。求人サイトなどを使うとその職場で働いていた人の現場の声などがわかることもあります。
できる限りの情報を集めて、後悔しない職場探しをおこなうようにしましょう。
円満に退職できるように伝え方を工夫する
退職を決めたらできる限り円満退職ができるような行動をとりましょう。退職する理由はネガティブなものも多いですが、そのままの理由を伝えるとその後の雰囲気が悪くなる可能性が高いです。
前述したように退職を伝えても1ヵ月程度は勤務する必要があるので、正直に退職理由を伝えることで雰囲気が悪い状態で過ごさなければならなくなります。場合によっては、ほかの部署や系列施設などへの異動を打診される可能性もあります。
それも環境を変える選択肢の1つではありますがほかの職場で働きたい、違う業界へ転職したいという思いがあるならネガティブな発言は控えた方がよいです。できる限り円満に退職したいと考えているなら、以下のような理由を伝えるとよいです。
- 結婚や出産
- 病気
- 家庭の事情
- キャリアアップ
結婚や出産などの環境の変化にともない退職することは珍しくありません。むしろ、おめでたいことでプラスの理由となります。
しかし、事実ではない場合はそれがわかったときに気まずくなることも。病気治療なども納得せざるを得ない退職理由です。
また、家族の介護や家族の転勤などが理由の場合も引き止めづらいため、退職を受け入れてもらえるでしょう。キャリアアップもポジティブな印象で受け取ってもらえます。
“今までとは異なるサービスを提供する環境で学びたい”や“学びたいことができて勉強したい”など前向きな表現だと悪い印象を与えづらいです。
まとめ
介護職で今の職場を退職しようとしているなら、退職理由を明確にしてその条件を満たせる場所を見つけることが重要です。退職をするからといってネガティブな退職理由を伝えると退職までの期間が働きづらくなる可能性があるので、退職理由の伝え方にも気をつけましょう。
やりがいを持って働ける職場を見つけるためにも、退職したいと思った理由を明確にして徹底リサーチすることも忘れずにおこないましょう。