介護職員初任者研修は働きながら取得できる?効果的な学習方法も解説!

介護職員初任者研修とは、厚生労働省の認定を受けた資格の名称です。
すでに介護職として働いており、取得したいと考えている方もいるでしょう。
本記事では、介護職員初任者研修は働きながらでも取得できるのか、また取得方法について分かりやすく解説していきます。
今後、資格の取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
介護職員初任者研修は働きながらでも取得しやすい!
介護職員初任者研修が働きながらでも取得しやすい理由について、解説していきます。
開講しているスクールが多い
介護職員初任者研修は、全国で多くのスクールや専門学校が開講しています。
これにより、仕事の休みやライフスタイルに合わせてスクールを選ぶことができ、柔軟に学習を進めやすいというメリットがあります。
例えば、週末だけのコースや夜間コースを提供しているスクールもあるため、フルタイムで働いている人でも自分の都合に合わせて受講が可能です。
スクールごとにカリキュラムや開講時間が異なるため、自分に合ったスクールを選ぶことで無理なく学習を進められるでしょう。
比較的短期間で取得できる
介護職員初任者研修は、比較的短期間で資格を取得できるのも特徴です。
通常の受講期間は約1~4カ月程度で、仕事を続けながらでも十分に修了できる期間です。
研修の内容は基礎的なものから実践的な技術まで広がっており、忙しい日常生活の中でも効率よく学ぶことができます。
短期間で資格を取得できるので、介護の仕事を早く始めたい人にとっては大きな魅力です。
修了試験の合格率が高い
介護職員初任者研修の修了試験の合格率は高いとされています。
試験の内容は難しすぎるわけではないため、研修をきちんと受けていればほとんどの受講生が合格することができます。
試験では学んだ知識や技術をもとにした筆記試験が行われますが、しっかりとカリキュラムに沿って学習を進めていれば合格が期待できるレベルです。
また、試験に落ちてしまった場合も再試験を受けることができるので、安心して臨むことができます。
通信講座と併用しながら学ぶことも可能
介護職員初任者研修の講座は、大きく以下の2つの方法に分けられます。
- 通学講座:スクールに通いながら、実技を含めた研修を受ける
- 通信+通学講座:自宅学習(オンラインやテキスト学習)+実技演習の組み合わせ
さらにスクールによっては、平日(週1~4日)コースや「土日コース」「日曜コース」など、細かい通学方法の調整が可能な場合があります。
中でも主流となっているのが、通信講座との併用で学べる通信+通学コースです。
初任者研修の受講時間である130時間のカリキュラムのうち、40.5時間を自宅で学習できるため、仕事をしている場合も学習時間を確保しやすいからです。
なお、研修でのカリキュラムは、以下のように構成されています。
- 職務の理解:6時間
- 介護における尊厳の保持・自立支援:9時間
- 介護の基本:6時間
- 介護福祉サービスの理解と医療の連携:9時間
- 介護におけるコミュニケーションの技術:6時間
- 老化の理解:6時間
- 認知症の理解:6時間
- 障害の理解:3時間
- こころとからだのしくみと生活支援技術:75時間
- 振り返り:4時間
ただし、カリキュラムのうち「1.職務の理解」「10.振り返り」は通信講座で自宅学習ができません。
「2.介護・福祉における尊厳の保持」と「4.介護福祉サービスの理解と医療との連携」については、講座の半分以上を自宅で学習することが可能です。
働きながら介護職員初任者研修を取得するメリット
働きながら介護職員初任者研修を取得するメリットを、すでに介護職で働いている場合と転職を考えている場合に分けて解説していきます。
すでに介護職で働いている場合
すでに介護職で働いている場合は、介護職員初任者研修を受講することでスキルアップが可能です。
資格を保有していない状態で勤務している場合でも、資格を取得することでより専門的な知識や技術を身に付けられます。
資格取得によって業務の幅が広がり、責任ある役割を任されることも期待できるでしょう。
さらに、給与アップや資格手当の支給を受けられる場合もあり、職場での待遇改善が見込めます。
研修を受けることで自信を持って業務に取り組めるようになり、自己成長にもつながります。
なお、介護施設によっては介護職員初任者研修の受講費用を負担してくれる場合もあるため、確認してみましょう。
介護職への転職を考えている場合
介護職への転職を考えている場合、介護職員初任者研修を受講して資格を取得することで、転職活動を有利に進められます。
無資格での転職よりも、資格を持っているほうが採用担当者に与える印象がよく、求人の幅も広がります。
また、介護職員初任者研修は多くの介護施設で採用条件として求められる資格であり、資格を持っていなければ応募できない求人も少なくありません。
資格を取得することで転職先の選択肢を増やすことができ、希望の職場に就職しやすくなります。
さらに転職後のスムーズな業務スタートにもつながり、新しい環境でも自信を持って仕事を進められるでしょう。
特に訪問介護の仕事をしたい場合は、基本的に介護職員初任者研修を修了していることが条件となっているため注意しましょう。
介護職員初任者研修を取得するタイミング
続いては、介護職員初任者研修を取得するタイミングについて、解説していきます。
介護職の仕事をしている場合
介護職の仕事をしているタイミングで介護職員初任者研修の取得を目指す場合、キャリアアップにつながるでしょう。
介護施設の中には、資格保有者に対し資格手当を支給していることがあり、介護職員初任者研修が該当する場合は月給がアップします。
一方で、仕事と学習の両立を図る必要があり、忙しくなる可能性があるので、働きながら受講する人に向けたスクール選びが重要です。
介護職以外の仕事をしている場合
介護職以外の仕事をしているタイミングで介護職員初任者研修の取得を目指す場合は、実際に仕事に就く前の段階で仕事内容を学ぶことできます。
受講をしながら、自分がどのような施設や事業所に向いているのかを分析することも可能です。
また、自分に合わないと感じた場合は別の道を考え直すこともできるでしょう。
ただし、仕事と学習の両立で忙しくなってしまうことと、現在の職場からの理解が得られない可能性もあるため注意が必要です。
転職活動中の場合
就業しておらず、転職活動中に介護職員初任者研修の取得を目指す場合は、時間に余裕ができるため学習に集中しやすくなります。
介護職員初任者研修の受講内容だけでなく、介護に関する書籍や動画に触れることで、より深い知識を得られます。
また、業界の最新情報を調べながら、自分に合った職場を探す時間も確保できるでしょう。
しかし、仕事をしていない状態のため、金銭的な問題が発生する可能性があります。
失業手当やハローワークの給付金をもらえる場合もありますが、収入が減ることを考慮して計画的に受講を進める必要があります。
できるだけ費用負担を抑えるために、補助金制度のあるスクールを選ぶのも一つの方法です。
経済的な負担を軽減しながら、スムーズに資格取得を目指しましょう。
介護職員初任者研修のスクールを選ぶ際に確認すべきこと
スクール選びで確認しておきたいことを、4つ解説していきます。
通いやすさ
介護職員初任者研修を受講するスクールで通学講座を選択した場合に、もっとも重要なのが通いやすさです。
自宅から近い場所にあるスクールを選ぶことで通学の負担を減らせるため、継続的に通いやすくなります。
また、アクセスがよい場所にあるかどうかもチェックポイントです。
駅から徒歩圏内であったり、公共交通機関でのアクセスが便利だったりするスクールを選ぶと、移動時間や交通費も節約できます。
スケジュール
スクールのスケジュールも重要な確認項目です。
仕事をしながら受講する場合は、自分のライフスタイルに合わせたスケジュールが組めるかどうかをチェックしましょう。
例えば、平日夜間コースや週末集中コースを提供しているスクールを選ぶことで、働きながらでも無理なく通学できます。
さらに、短期間で集中的に学べるコースもあるので、早く資格を取得したい場合は検討するとよいでしょう。
また、急な仕事の都合により通学日に出席ができなかった場合でも振替が可能なスクールもあるため、受講前にはよく確認しておくことが大切です。
サポート体制
介護職員初任者研修を受講するスクールのサポート体制も、大切な要素です。
中でも、学習(実技)や修了試験に関する質問対応や、就職や転職を考えている場合の就業サポートが充実しているスクールがおすすめです。
就職先を紹介してもらったり、履歴書の書き方や面接対策についても教えてもらえたりする場合があるため、調べておきましょう。
費用面
スクール選びにおいて、費用も大きなポイントです。
介護職員初任者研修の受講費用はおおよそ5万~10万円程度といわれていますが、実際の費用はスクールによって異なるため、事前に調べておく必要があります。
なお、割引キャンペーンを実施しているスクールもあるので、コストパフォーマンスを意識して選ぶことも大切です。
費用に含まれる内容(テキスト代、試験料、教材費など)を確認し、追加費用がないかもチェックしましょう。
また、ハローワークでの職業訓練など受講費を負担してくれる制度もあるので、現在の自分の状況に合ったものを利用しましょう。
働きながら介護職員初任者研修の学習を行う効果的な方法
働きながら学習を進めるには、自分の性格や生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
無理のない学習計画を立てることで、仕事と両立しながら効率よく資格取得を目指せます。
最後に、効果的な学習方法について解説していきます。
通学講座と通信講座のどちらが適しているか考える
介護職員初任者研修を受講する際、通学講座と通信+通学講座のどちらが自分に合っているかを考えることが重要です。
通学講座では直接講師に質問できる機会が多いため、実技や理解が深まりやすいというメリットがあります。
一方で、通学+通信講座は講師と関わる時間が少ない分、自宅で自由な時間に学習ができるため、仕事で忙しい人に向いているでしょう。
どちらが今の自分の生活スタイルに適しているかを考え、選択することが重要です。
夜間コースも検討する
昼間に用事がある方や仕事が終わった後に学ぶ時間を確保したい場合は、夜間コースを検討するのも選択肢の一つです。
フルタイムで働いている人にとって、夜間コースは時間を有効に使えるでしょう。
ただし、夜間コースはデメリットがあるため検討する際は注意が必要です。
夜間コースのメリットとデメリットを、詳しく見ていきましょう。
【夜間コースのメリット】
夜間コースは、仕事や日中の予定と両立しやすいのがメリットです。
夜の時間に通えるため昼間は仕事や家事に専念でき、スケジュールを調整しやすくなります。
また、基本的に週2日の通学で修了できるケースが多く、スクールに足を運ぶ回数が少ないのも特徴です。
さらに受講者の人数が少ないことが多く、落ち着いた環境で集中して学習しやすい点もメリットでしょう。
特にフルタイムで働いている人にとっては、仕事を続けながら無理なく受講できるのが大きな魅力です。
【夜間コースのデメリット】
一方で、夜間コースにはいくつかのデメリットもあります。
昼間の仕事や家事で疲れがたまっていると、授業中に集中力が低下しやすくなる可能性があります。
また、授業の終了時間が遅いため十分な休息をとりにくく、翌日に疲れを持ち越してしまうかもしれません。
さらに、夜間コースを開講しているスクール自体が少ないため、通える範囲で受講できるスクールを見つけるのが難しい点も課題です。
自分の体力や生活リズムを考慮し、無理のないスケジュールで受講できるかを事前にしっかり検討することが大切です。
スケジュールを立てて学習する
働きながら学ぶには、スケジュールをしっかり立てて学習することが欠かせません。
毎日の学習時間を確保するために、まずは計画的に時間を割り振りましょう。
仕事の合間や通勤時間を有効に使う方法を考えて、短時間でもこまめに進めることが大切です。
計画的に進めることで、ストレスなく学習を進められます。
アプリを活用する
学習効率を高めるために、アプリを活用するのもおすすめです。
スマホで学べる介護職員初任者研修用の試験対策アプリや問題集アプリがいくつかあるため、通勤時間やスキマ時間を利用して効率よく学習ができます。
さらに普段の学習と併用することで、より理解が深まるでしょう。
テキストでの学習に飽きてしまう人にとっては、よい刺激となるおすすめな方法です。
メリハリを付ける
仕事と学習を両立させるためには、メリハリを付けることが大切です。
仕事の後に学習するときにはリラックスして集中できる環境をつくり、学習後はしっかり休息をとることを心がけましょう。
メリハリを付けることで無理なく学習を続けやすくなり、集中力を維持できます。
モチベーションを保つ工夫をする
長期間にわたる学習を続けるためには、モチベーションを保つ工夫をしましょう。
例えば目標設定をして、達成感を得ながら学ぶことが効果的です。
また、小さな進捗を記録して、自分の成長を実感できるようにするのもよい方法です。
さらに、一緒に学習する仲間をつくったり周りの人に進捗を報告したりすることで、モチベーションを維持できるでしょう。
まとめ
介護職員初任者研修を働きながら取得するためには、学習方法にも工夫が必要です。
通学講座と通信+通学講座のどちらが適しているかを自分で考え、夜間コースなど柔軟な選択肢を活用することが重要です。
自分に合った講座が見つかった後は、学習計画を立ててスケジュールを調整したり、アプリを使ったりして学習を進めるのがよいでしょう。
また、学習のメリハリを付けてモチベーションを保つための工夫をすることで、長期間にわたり学習を続けやすくなります。
これらのポイントを踏まえ、介護職員初任者研修を働きながら効果的に学びましょう。
資格を取得することは、キャリアアップのスタートに大きな助けとなります。
学習方法やスクール選び、モチベーション維持などの工夫をしながら、無理なく資格取得を目指しましょう。