帰宅願望者の対応や声かけとは？原因・事例・徘徊対策なども紹介
「帰宅願望がある利用者に対する対応がうまくできなかった」「丸く収められる対応方法や声かけのポイントが知りたい」このようなお悩みはありませんか？
帰宅願望がある方の多くは認知症患者の利用者です。
原因には「不安」が含まれており、その原因に沿って対応することが重要です。
とはいえ、一人ひとり性格やこれまでの人生も大きく異なるため、どのように対応すべきか悩むこともあるでしょう。
そこで本記事では、共通して押さえておくべき対応のポイントを解説します。
原因の詳細や事例、帰宅願望者の徘徊に対する対策も併せて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
帰宅願望とは？
帰宅願望とは、介護施設などで暮らす高齢者が「家に帰りたい」と強く訴える状態のことです。
認知症の症状の一つとして現れることが多く、本人にとっては「本当に帰る必要がある」と感じるほど強い思い込みが生じます。
中には、施設を抜け出そうとしたり、介護職員や家族に強い口調で訴えたりする場合もあります。
帰宅願望の背景には、安心できる環境を求める心理が隠れています。
本人は「自分の家に帰る」という行動を通じて、不安や混乱を解消しようとしているのです。
そのため、単に「帰れません」と否定するだけでは、気持ちが落ち着かず、かえって不安を強めることもあります。
この帰宅願望を「問題行動」として捉えるのではなく、本人が感じている不安や混乱を理解し、寄り添う姿勢が大切です。
帰宅願望が生まれる原因
帰宅願望が生まれる大きな要因は不安です。
環境の変化や人との関係性の希薄さ、時間や場所の感覚が失われることなどが重なると、安心を求めて「帰りたい」という気持ちが強くなります。
ここでは、その主な原因を詳しく見ていきましょう。
見当識障害や記憶障害によるもの
見当識障害や記憶障害は、帰宅願望の大きな原因の一つです。
見当識障害とは、時間や場所、人の認識があいまいになる症状です。
例えば、現在が昼なのか夜なのか、現在いる場所がどこなのか分からなくなります。
このような混乱が生じると、利用者は「ここは自分の家ではない」「家に帰らなければ」という不安にかられます。
記憶障害とは、出来事や経験を正確に思い出せなくなる症状です。
最近の出来事を忘れてしまう一方で、昔の記憶だけが鮮明に残る傾向があります。
そのため、昔住んでいた家や家族がいる場所へ帰ろうとします。
このような、記憶にない場所への不安は「帰りたい」と思わせるきっかけの一つです。
安心感を求めることにより生まれる願望のため、その気持ちをくんで対応することが大切です。
夕暮れ症候群の発症によるもの
夕暮れ症候群の発症も、原因の一つに挙げられます。
夕暮れ症候群とは、夕方になると不安や焦りが強くなり、落ち着かなくなる症状のことです。
特に認知症の方に多く発症し、日中と比べて周囲が暗くなる時間帯に見られることからこの名前がついています。
特に、ずっと外が暗くなるまで仕事してきた経験がある方は、夕飯の支度や退社時間のために夕方に帰ろうとする傾向があります。
認知症の方は、記憶や時間軸が若い頃に戻ることがあります。
それが原因で「子どもが待っているから帰って夕飯の支度をしなければ」「仕事が終わったから帰宅しよう」という気持ちになるのです。
このような場合は、穏やかな会話で安心感を与えたりすると、落ち着きを取り戻すことがあります。
居心地の悪さ・心理的孤独によるもの
要因の一つに、施設の居心地が悪く感じることや、心理的な孤独を感じることが挙げられます。
居心地の悪さや孤独感を感じる原因の例は、以下のとおりです。
- 知らない人がたくさんいる
- 家族がいない
- 職員や周囲の利用者と関係を作れない
- 施設にいる理由を思い出せない
- 苦手な環境に置かれている（騒がしい・好みの寝具や家具ではないなど）
人見知りの方や家族と離れて過ごすことが初めての方は、心理的な寂しさが強くなります。
周囲に知らない人が多く、家庭のような安心感を得られないと「家に帰りたい」という気持ちが生まれるのです。
また、記憶障害により施設にいる理由が分からない方は「なぜここにいるのか？」と疑問を抱きます。
次に自分の家ではないという違和感から居心地の悪さを覚え、帰ろうとします。
介護施設の生活に慣れていないことも、居心地の悪さや孤独を感じる要因です。
例えば、部屋の雰囲気が好みでない、寝具が眠りにくい、人が多く騒がしいから落ち着かない、など人によってさまざまです。
介護職員は、本人が感じている不安や孤独に寄り添い、安心できる環境を整えていく必要があります。
声かけやスキンシップ、本人の好みに合わせた活動などを通じて、心の安定を支えていきましょう。
帰宅願望による徘徊への対策とポイント
帰宅願望が強くなると、施設を出ようとします。
このような行動は、徘徊として現れることが多く、転倒や事故などの危険を伴います。
徘徊を完全に防ぐことは困難です。
だからといって何も対策をしないのではなく、リスクを減らして安心して生活できる環境を整えることが大切です。
ここでは、徘徊のリスクと具体的な対策について詳しく解説します。
徘徊のリスク
徘徊は、本人にとって目的のある行動であっても、周囲から見ると非常に危険を伴います。
具体的には以下のようなリスクが挙げられます。
- 外出先で転倒しケガをする
- 地域の人とトラブルになる
- 交通事故に遭う
- 道に迷って帰れなくなる
季節によっては、薄着で出てしまい寒さで低体温症になったり、暑さ対策ができず熱中症になったりと命に関わることもあります。
徘徊をきっかけに地域の人とのトラブルが起きる場合もあります。
認知症の種類によっては、せん妄やパニックで暴力を振るってしまうこともあるのです。
認知症の方が踏切内に入ってしまい、人身事故に発展した例も全国で報告されています。
判断力や認知力が鈍るため、危険性に気づかず交通事故を起こす危険性があるのです。
このように、さまざまなリスクがあるため、介護職員や家族が探し回ることになります。
見つかるまでの間、精神的にも大きな負担がかかります。
徘徊は「本人の意思による行動」である一方で、適切に対策して防止することが大切です。
対策
徘徊を防ぐには、物理的な安全対策と心理的な安心を両立させることが大切です。
閉じ込めたりするような対応ではなく「安心して過ごせる環境を整える」という視点で工夫をしましょう。
ベルやセンサーを玄関に設置する
玄関や出入り口に小型のベルやセンサーを設置し、外に出ようとしたときに音で知らせるようにしましょう。
音がすれば介護職員がすぐに対応できるため、安全確保につながります。
センサーはドアの開閉に反応するタイプのほか、人の動きを検知するタイプもあります。
例えば、ワイヤレスチャイムは無線タイプで、人感センサーにより光や音で知らせてくれます。
ワイヤレスは設置が簡単で扱いやすいのがメリットです。
ただし、有線と違ってバッテリー切れがあり、定期的な点検でバッテリー切れがないかチェックする必要があります。
また、ワイヤレスのため電波が突然切れてしまう可能性がある点にも注意が必要です。
センサーを設置する際は、本人が「監視されている」と感じないよう、さりげなく設置することがポイントです。
中にはセンサーに敏感に反応する方もいます。
GPSを持たせる
万が一外に出てしまった場合に備え、GPS機器を活用するのも効果的です。
認知症の徘徊が原因による行方不明事件が後を絶ちません。
そのため、GPSの活用が注目されています。
スマートフォンを使って現在地を確認できるため、迅速な対応が可能です。
機器には、キーホルダー型や靴に取り付けるタイプなど、さまざまな形があります。
抵抗感が少ないものを個々に選択して身に付けてもらうのがおすすめです。
本人が嫌がる場合は「安心のためのお守り」として説明すると受け入れてもらいやすくなります。
運動習慣を作る
体を動かす機会が少ないと、エネルギーが余って徘徊行動につながることがあります。
日中に軽い体操や散歩を取り入れることで、心身のバランスを保ちやすくなります。
運動は、ストレスの軽減や夜間の睡眠改善にも効果的です。
毎日のリズムを整えるために、決まった時間の活動を取り入れていきましょう。
ただし、高齢者は関節の動きに制限がある場合があります。
激しい運動をする必要はなく、ラジオ体操のような体を軽く動かす運動やウォーキングでも効果はあります。
加えて、自然と筋力トレーニングにつながるようなレクリエーションを実施するのもおすすめです。
例えば、風船バレーは二の腕の筋力トレーニングになります。
通常のバレーボールよりも軽量のため負担なくトレーニングできます。
心理的孤独・不安を解消する工夫をする
安心感を持てるように、本人の好きな音楽を流したり、昔の話を聞いたりと、穏やかな時間を作ることが効果的です。
また、職員や家族が優しく声をかけるだけでも、落ち着きを取り戻す場合があります。
本人の気持ちや希望をくみつつ、利用者や職員と関係を作れるようコミュニケーションの場を作るのも大切です。
一人は好きでも、独りは誰だって寂しいと思うものです。
孤立しないための居場所づくりを心がけましょう。
帰宅願望のある利用者に効果的な声かけや対応
帰宅願望のある利用者に対しては、強く止めたり説得したりするよりも「安心できる気持ち」を取り戻せるような対応が大切です。
ここでは、心を落ち着かせるための効果的な声かけや環境づくりのポイントをご紹介します。
気持ちや言葉を受け止める
帰宅を求める言葉の裏には、不安や寂しさ、混乱などさまざまな気持ちが隠れています。
否定せずにまずは受け止めることが大切です。
例えば「そうなんですね。お家が気になりますよね」「今日はどんなことが心配なんですか？」など、共感を込めた言葉で寄り添いましょう。
無理に「ここがあなたの家ですよ」と訂正すると、本人が混乱したり感情的になったりすることがあります。
受け止める姿勢を持つことで、安心感を与え、落ち着きを取り戻しやすくなります。
興味や気持ちをそらす
帰宅への思いが強いときは、話題を切り替えて気持ちを落ち着かせるのも効果的です。
「お茶でも飲みましょうか」 「この花、きれいに咲いてますね」 など、自然に関心をほかへ向けるようにします。
本人の好きな話題（家族、昔の仕事、趣味など）を取り入れると、会話がスムーズに続きやすく、安心感を持ってもらえます。
役割を与える
自分の存在価値を感じられると、落ち着いて過ごせるようになる方もいます。
簡単な手伝いをお願いするのも一つの方法です。
例えば「このタオルをたたむのを手伝ってもらえますか？」「お花の水やりをお願いしてもいいですか？」と声をかけることで、必要とされているという感覚を持ってもらえます。
小さな役割でも「自分の居場所がある」と感じられることで、症状の発症を抑えやすくなります。
施設内の環境を見直す
帰宅願望が強くなる背景には、環境によるストレスや混乱も関係しています。
照明が暗い、時計やカレンダーが見づらい、居室の雰囲気が落ち着かないなど、環境の影響を受けやすい方もいます。
季節感のある飾りを取り入れる、本人の思い出の品を飾るなど、安心できる空間づくりを意識しましょう。
帰宅願望のある利用者にしてはいけない行動
帰宅願望のある利用者に対しては、安全を守ることを最優先にしながらも、本人の尊厳や気持ちを大切にしなければなりません。
焦ってしまうと、かえって不安や混乱を強めてしまうことがあります。
ここでは、避けるべき行動を2つ紹介します。
利用者の行動を制限する
「帰りたい」と言って動こうとする利用者を、力ずくで止めたり、鍵をかけて外に出られないようにしたりと、制限をかける対応は避けましょう。
身体的な拘束や過剰な制止は、利用者に強い恐怖心や抵抗感を与える原因です。
どうしても危険が伴う場合は、やさしく声をかけながら安全な場所へ誘導したり、別の話題に気持ちを向けたりするなど、心理的に落ち着ける方法を優先します。
また、スタッフ間で連携し、徘徊や外出のリスクを減らすための環境調整を行うことも重要です。
不安を増強させる言葉や対応をする
帰宅願望を示す利用者に対して、否定的な言葉や冷たい態度を取ると、不安や混乱をさらに強めてしまいます。
「もう家はないですよ」「帰れませんから」といった現実を突きつける言葉は避けましょう。
本人にとって、帰宅したい気持ちは、過去の安心できる記憶や家族への思いから生じていることが多く、事実を訂正しても納得できない場合がほとんどです。
そのため「そうなんですね」「お家のことが気になりますね」と気持ちを受け止め、穏やかに対応することが大切です。
帰宅願望がある利用者と対応の事例
ここでは、帰宅願望がある利用者と対応の事例を2つご紹介します。
グループホームでの事例
ある女性利用者は、夕方になると「子どもが帰ってくるから家に戻らなきゃ」と繰り返し話していました。
時には「帰らせてもらうまではここを動かない」と、エレベーターの前に座ったり、玄関を探して別の利用者の部屋に入ったりすることもあったようです。
そこで介護職員は、調理の手伝いをしてもらうことを提案し、お願いすることにしました。
その結果、役割意識が生まれ、落ち着いてそのまま過ごせるようになりました。
この事例では、本人の過去の生活習慣を家族に聞き、理解することに努めた結果、解決した例でした。
利用者を問わず、帰宅願望の対策には過去の様子を聞くことが、解決の糸口を見つける助けになります。
特別養護老人ホームでの事例
ある利用者が夕方になると「会社に行かないと」「買い物に行かないと」と言いながら施設を出ようとする場面が見受けられました。
無理に止めると興奮しやすくなるため、穏やかに話を聞く時間を設け、落ち着いたころに興味をそらせるための声かけを行いました。
「今日はお休みですよ」「もう退職されてますよ」と現実を伝えるのではなく、帰宅したい理由について話を広げながら聞き相手になります。
落ち着いてきた頃に「ご飯食べていこう」「ちょっとゆっくりしていこう」などと声をかけ、夕食につなげたところスムーズに誘導できたとのことです。
この事例では、本人の今の世界を否定しない対応が有効でした。
適切な対処のためには認知症の理解を深めることも重要
帰宅願望への対応を適切に行うには、利用者の心理だけでなく認知症そのものへの理解が欠かせません。
認知症には複数の種類があり、それぞれ特徴や進行の仕方が異なります。
認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」に分けられます。
両方の特徴を理解することで、利用者の言動の理由が見えやすくなり、落ち着いた対応につながります。
認知症で見られる症状の種類
認知症の症状は、脳の障害によって直接起こる「中核症状」と、その影響から生活の中で現れる「周辺症状（BPSD）」の2つに分類されます。
どちらも利用者の行動を理解する上で大切な要素です。
中核症状
中核症状は、脳の神経細胞が障害を受けることで生じる症状です。
認知症になると多くの方に見られるのが特徴です。
主な症状は次のとおりです。
- 記憶障害（約束や出来事を忘れる）
- 見当識障害（時間や場所、自分の状況が分かりにくくなる）
- 理解力や判断力の低下
- 実行機能障害（段取りや手順を組み立てるのが難しくなる）
上記の症状は、どの位置にある脳にダメージや機能低下が起きているかによって異なります。
周辺症状
周辺症状は、環境の変化や心理的ストレス、対人関係などの影響で現れる二次的な症状です。
本人の性格や過去の生活歴も影響します。
主な症状は以下のとおりです。
- 不安や焦燥
- 怒りっぽさや暴言
- 幻覚や妄想
- 徘徊や帰宅願望
- 睡眠リズムの乱れ
これらの心理的な症状や行動は、進行すると負担が大きくなるため、どのように対策するか、職員同士で対策を練っておくことが重要です。
なお、環境の整え方や関わり方によって軽減できる場合があります。
認知症の種類と症状・特徴
認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状の現れ方が異なります。
主なタイプは4つです。
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 血管性認知症
- 前頭側頭型認知症
それぞれの特徴を理解しておくと、行動の背景や適した関わり方を考えやすくなります。
しっかりと目を通して特徴をつかみ、帰宅願望や認知症への対応方法のコツを見つけましょう。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、もっとも多く見られるタイプです。
物忘れから始まり、徐々に理解力や判断力に影響が出る進行性の疾患です。
初期のうちは穏やかな性格を保つ場合も多く、変化に気付きにくいことがあります。
アルツハイマー型認知症では、以下のような症状が見られます。
- 新しい出来事を覚えられない
- 同じ質問を繰り返す
- 時間や場所の感覚が混乱する
- 物をなくしたと思い込む
- 手順を要する作業が難しくなる など
原因は、脳内にアミロイドβというたんぱく質が蓄積し、神経細胞が壊れていくためと考えられています。
たんぱく質は、髪や皮膚などさまざまな組織を作る材料ですが、アミロイドβは脳の老廃物です。
レビー型認知症
レビー型認知症は、症状の変動が激しいことが特徴です。
実際には存在しない人や動物が見える幻視が現れやすく、動作が遅くなるなどパーキンソン病に似た症状が見られる場合もあります。
特徴的な症状としては、以下があります。
- 注意力や集中力が日によって変わる
- 動きが遅くなる
- 歩幅が小さくなる
- 睡眠中に体を動かしたり声を出したりする
- 抗精神病薬に過敏に反応する など
原因は、脳の神経細胞にレビー小体という異常なたんぱく質がたまり、神経の働きが妨げられることです。
血管性認知症
血管性認知症は、症状は損傷を受けた脳の部位によって異なり、まだらに現れるのが特徴です。
症状には、以下のようなものが見られます。
- 手足の麻痺やしびれ
- 思考のスピード低下
- 感情の起伏が激しくなる など
このタイプは、脳の血管が詰まったり破れたりして神経細胞が損なわれ、その部分の機能が低下することで起きます。
記憶障害よりも判断力の低下が目立つ場合が多く、脳梗塞を繰り返すと症状が進みやすくなるのも特徴です。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、50～60歳の頃に発症しやすいタイプとされています。
記憶よりも感情や行動の変化が目立ち、社会的なルールを守れなくなる傾向です。
具体的には、以下のような症状が見られます。
- 怒りっぽくなる
- 甘いものを好むようになる
- 社会的マナーを守れなくなる
- 自分の病気を認識できない
- 身だしなみや衛生面に無頓着になる など
原因は、前頭葉や側頭葉の神経細胞が減少し、脳の一部が萎縮することによるものです。
まとめ
帰宅願望は「家に帰りたい」という単純な願いではなく、不安や孤独、混乱から生まれる「安心を求めるサイン」です。
否定したり無理に止めたりするのではなく、気持ちを受け止め、安心できる環境を整えることが何よりも大切です。
声かけの際は「帰りたい」という言葉の裏にある思いをくみ取りましょう。
共感や寄り添いの姿勢を持つことで、本人の心を落ち着かせることができます。
加えて、「ここにいることが安心できる」と感じてもらえるように支援していくことも重要です。
環境の工夫や役割づくり、日中の活動などを通して居場所を作っていきましょう。
また、認知症の症状や種類について理解を深め、帰宅願望をはじめとする行動の背景を知ることも、適切な対応のためには必要です。
