【比較表あり】介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)の違いを徹底比較

介護老人保健施設と特別養護老人ホームは、どちらも介護保険法に基づいた介護サービスが受けられる施設です。
しかし「老健と特養の違いがよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護老人保健施設と特別養護老人ホームそれぞれの特徴や違いなどを、分かりやすく解説します。
施設選びで後悔したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)の違い
「介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)は、どう違うの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
どちらも介護保険を利用できる入所施設ですが、目的や役割などが大きく異なります。
ここでは、両者の違いを分かりやすく比較しながら紹介していきます。
老健と特養の比較表
まずは、それぞれの違いを比較表にて紹介します。
| 介護老人保健施設 | 特別養護老人ホーム | |
| 役割 | 自宅での生活復帰を目指すための施設 | 最後の住まいとして生活する施設 |
| 要介護度 | 要介護1以上 | 65歳以上で要介護3以上 |
| 入所期間 | 3ヶ月ごとに更新が必要 | 終身利用可能 |
| サービス | リハビリ・医療ケアが中心 | 生活支援・身体介護が中心 |
| リハビリの有無 | あり | 施設による |
| 居室タイプ | 従来型個室・多床室・ユニット個室・ユニット型個室的多床室 ※いずれも10.65㎡以上 | |
| 医師や診察室 | 1名の常勤が必須 診察室あり | ほとんどが非常勤 診察室なし |
| 介護・看護職員の割合 | 入所者3人あたり1人以上の介護職員 入所者7人に対し2名以上の看護職員 | 入所者3人に対し1人以上の介護職員 入所者100人に対し3名以上の看護職員 |
| 入所待機者 | 比較的多い | 非常に多い |
| 費用 | 月額:約9〜20万円 | 月額:約10〜15万円 |
両者の大きな違いは、介護老人保健施設は「リハビリを通じて自宅への復帰を支援する施設」ですが、特別養護老人ホームは「長期的な生活の場として利用できる施設」です。
それぞれの特徴について、以下で詳しく紹介していきます。
介護老人保健施設は「家に帰るためのリハビリを行う介護施設」
介護老人保健施設は、リハビリや医療的ケアを提供しているところが大きな特徴の施設です。
主に在宅復帰を目的に利用されることが多く、毎日20〜30分程度のリハビリが行われます。
日常生活の中にリハビリが組み込まれているところも特徴の一つです。
入所期間は3ヶ月が基本となっており、続けたい場合は審査にて継続が必要である判断を受けなければなりません。
そのため、ほとんどの方が3ヶ月未満で退所することが多く、一定の期間のみ利用するケースが多い傾向にあります。
特別養護老人ホームは「穏やかな暮らしを最後まで支える施設」
特別養護老人ホームは「人生の最後の時間を穏やかに暮らすための施設」です。
生活支援や身体介護を中心としたサービスを終身まで利用できるところが大きな特徴で、長期的な介護を受けることを目的に利用されます。
レクリエーションや外出などが充実しているところも特徴の一つで、利用者の生活を豊かにするための工夫が施されています。
対象者は65歳以上で要介護3以上となるため、比較的介護度が高めの方が入所されます。
入所期間には定めがなく、基本的に亡くなるまで利用できることから、「看取り」が実施されるところも大きな特徴です。
老健と特養の入所期間の違い
介護老人保健施設と特別養護老人ホームの入所期間は、大きく異なります。
介護老人保健施設は在宅復帰を目指した一時的な利用が中心ですが、特別養護老人ホームは長期的な生活の場として利用されることが多いのが特徴です。
ここでは、それぞれの入所期間の目安について詳しく見ていきましょう。
老健は3ヶ月~1年半程度
介護老人保健施設の入所期間は、通常3ヶ月〜1年半程度となっています。
これは、自宅への復帰を目指す支援を行うのが介護老人保健施設の役割だからです。
基本的には継続の必要がないと判断されれば退所する必要があり、利用する方の身体の状態によっては入所から3ヶ月以内に退所される方も少なくありません。
また、3ヶ月以上の入所が必要な場合は更新する必要があり、審査によりリハビリが必要と判断されなければ退所となります。
特養は入所期限がない
一方、特別養護老人ホームは期間が決まっていません。
これは、利用目的が人生の最後の時間を穏やかに過ごすことだからです。
特別養護老人ホームは、終身利用が可能なところが大きな特徴となっており、看取りサービスを行っている施設もあります。
利用する方も介護度が高い方がほとんどで、入所する施設が人生の最後を過ごす場所となる方も少なくありません。
そのため、利用期間の平均も4年程度と長期間であることがほとんどです。
老健と特養の入所条件や対象者の違い
介護老人保健施設と特別養護老人ホームは、同じ介護施設でも入所できる人の条件が異なります。
ここでは、それぞれの対象者の違いを紹介します。
老健は65歳以上の要介護1以上の方が対象
介護老人保健施設の入所条件や対象者は、以下のようになっています。
| ● 要介護1以上の方 ● 原則65歳以上の方 ● 特定疾患により要介護認定を受けている40〜64歳の方 |
ポイントとしては、要介護1以上の認定を受けている方が対象となることです。
また、パーキンソン病やがんなどの特定疾患により要介護認定を受けている40歳から64歳の方も特例で対象者となります。
機能回復訓練を重点的に行う施設であることから、比較的介護度が低めの方が利用されますが、利用者の身体の状態によっては入所を断られるケースもあります。
特養は65歳以上の要介護度3以上の方が対象
特別養護老人ホームの入所条件や対象者は、以下のようになっています。
| ● 要介護3以上の方 ● 原則65歳以上の方 ● 特定疾患により要介護認定を受けている40〜64歳の方 |
ポイントとしては、要介護3以上の認定を受けている方が対象となることです。
そのため、比較的介護度が高い方が入所対象となります。
また、介護老人保健施設と同様に、パーキンソン病やがんなどの特定疾患により要介護認定を受けている40歳から64歳の方も対象者となります。
老健と特養のサービス内容の違い
介護老人保健施設と特別養護老人ホームは、同じ介護施設であるため、提供されるサービス自体は似ています。
しかし、行われる具体的な内容には異なる点が多くあります。
食事サービスの違い
食事サービスは、常駐者や目的が異なります。
具体的には、次のとおりです。
<老健には管理栄養士が常駐している>
介護老人保健施設は、管理栄養士が最低1名勤務しており、栄養価の高い食事メニューを提供しています。
リハビリに特化していることから、利用者の身体の状態に合わせた食事メニューを用意してくれ、病気をお持ちの方でも対応してくれる施設も存在します。
また、嚥下状態が低下している方に対しても、状態に合わせた形状の食事も提供可能です。
<特養の食事は嚥下や誤嚥に配慮した食事を提供>
特別養護老人ホームは、利用者の多くが介護を必要としているため、嚥下機能や誤嚥に配慮した食事提供が行われています。
また、家庭と同じような食事メニューを提供することが義務付けられているところから、調理や保温の方法などが厳しく管理されています。
利用者のその日の状態に合わせて、時間をずらしたり食事メニューを変えたりすることも可能です。
入浴サービスの違い
入浴サービスは、どちらの施設でも行われていますが、目的や回数などが異なってきます。
具体的には、次のとおりです。
<老健では入浴もリハビリの一環として行う>
介護老人保健施設では、入浴サービスもリハビリの一環として行われます。
基本的には更衣や入浴は利用者自身に行ってもらい、スタッフは必要に応じた介助を行うところが特徴です。
安全面にも配慮しながら、利用者の身体機能や体調に合わせた入浴方法を選択することで、無理なく継続できるリハビリとなっています。
<特養では週2回の介護付き入浴が基本>
特別養護老人ホームの入浴サービスは、基本的に週2回と決められています。
また、介護度が高い方が多いため、利用者はスタッフの介助を受けながら入浴されます。
座位を保てない方でも入浴できる専用の機械を備えている施設もあり、安心安全に入浴できるところも特徴の一つです。
排泄サービスの違い
排泄サービスは、リハビリを通じて行われる場合と、介護を受ける場合に分けられます。
具体的には、次のとおりです。
<老健では排泄動作のリハビリも実施される>
介護老人保健施設は、入浴と同様にリハビリの一環として行われます。
自宅にて1人で排泄する際に問題が起こらないように、一人ひとりの身体の状態に合わせて介助されつつリハビリが行われます。
身体に障害がある方でも専門スタッフが勤務しているため、安心して介助が受けられるでしょう。
<特養は排泄介助を受ける利用者が多い>
特別養護老人ホームは、排泄介助を受ける方がほとんどです。
しかし、できる限り自立した生活をすることも目的の一つとなるため、1人で排泄できる方は見守りのみ行われます。
反対に、寝たきりの方や尿意を感じにくい方などは、定期的にスタッフがトイレ誘導やおむつ交換をしてくれます。
掃除・洗濯サービスの違い
掃除や洗濯サービスは、施設によって大きく異なります。
具体的には、次のとおりです。
<老健の洗濯対応は施設によって異なる>
介護老人保健施設の掃除は、利用料に含まれているため、居室を含めたスペースをスタッフが定期的に行ってくれます。
一方、洗濯に関しては、提供していない施設がほとんどです。
基本的には家族が対応することになりますが、できない場合は外部の洗濯業者に依頼するかたちとなります。
<特養の洗濯は施設側で対応してもらえる>
特別養護老人ホームの掃除と洗濯に関しては、施設側が行ってくれるため、利用者が行うことはほとんどありません。
しかし、クリーニングに出す必要がある衣類や、洗うのが難しい毛布や冬物などは、外部に依頼する必要があり、その場合は別途費用が請求されます。
医療的ケアの違い
医療的ケアは、どちらも提供されますが、医師の有無や特徴が異なります。
具体的には、次のとおりです。
<老健は医療体制とリハビリ環境が整っている>
介護老人保健施設には、理学療法士や作業療法士といったリハビリスタッフが多く勤めています。
また、リハビリ設備も充実しているため、本格的なリハビリを提供しているところが特徴です。
さらに、医師や看護師の配置が義務付けられており、加えて診察室も備えられているため、手厚い医療ケアも受けやすくなっています。
しかし、その分、施設サービス費が加算されやすくなるため、利用料金が高くなる可能性があります。
<日常生活の支援と介護サービスが中心>
特別養護老人ホームは、非常勤や外部に委託した医師が勤めていますが、施設に来るのは月に1〜4回程度です。
また、日常生活の支援や介護を提供しているところが特徴であることから、医療的ケアは受けられるものの、簡単なケアしか受けられません。
ただし、寝たきりや常時医療ケアが必要な方に関しては、医師や看護師の指示のもと、必要な医療を受けられる体制となっています。
リハビリの有無
リハビリは、両施設ともに実施されていますが、対応者や設備などが異なります。
具体的には、次のとおりです。
<老健は専門スタッフによるリハビリを週2回実施>
介護老人保健施設では、理学療法士や作業療法士といったリハビリスタッフの配置が義務付けられています。
また、設備も充実しているため、本格的なリハビリを提供しているところが特徴です。
最低でも週2回以上、20〜30分程度のリハビリが行われます。
<特養のリハビリは施設ごとに異なる>
特別養護老人ホームでは、リハビリスタッフの配置が義務付けられていません。
しかし、施設によって方針が異なることから、専門スタッフが勤務している場合もあります。
また、設備や取り組み内容にも違いがあるため、行えるリハビリの内容や方法も施設ごとに変わります。
レクリエーションの有無
季節的なイベントやレクリエーションに関しては、どちらの施設も実施しています。
しかし、特徴からも分かるように、充実度が異なってきます。
具体的には、次のとおりです。
<老健では通所リハビリ(デイケア)の利用もできる>
介護老人保健施設では、リハビリを中心としたケアが行われていますが、レクリエーションも実施されています。
外出や買い物といった施設外に出ることは、ほとんど行われませんが、施設内でできるゲームや創作活動などは行われます。
また、施設によっては通所リハビリ(デイケア)も行われており、自宅から通いたい方にも対応可能です。
<特養はレクリエーション活動が充実している>
特別養護老人ホームは、生活支援に娯楽や外出などが含まれていることから、充実したレクリエーションが実施されています。
季節的なイベントはもちろん、外出や買い物といった施設外に出ることも定期的に行われています。
寝たきりといった外出が難しい方に対しても、買い物代行や移動販売などを活用し、援助しているところも特徴です。
そのほかのサービスの違い
そのほかのサービスの違いとしては、看取りケアの有無です。
看取りケアとは、残された時間をご本人らしく充実して過ごせるように、サポートすることです。
介護老人保健施設は、入所期間が原則3ヶ月であることから、看取りケアは実施されていません。
一方、特別養護老人ホームは、人生最後の住まいとなることから、看取りケアが実施されています。
老健と特養の設備・居室の違い
介護老人保健施設と特別養護老人ホームの設備や居室は、ほとんど同じですが、施設の方針や特徴によって異なってきます。
設備はどちらの施設も目的によって異なってくる
日常生活に必要なトイレ・浴室・食堂などの設備は、どちらにも完備されています。
しかし、そのほかの設備に関しては、それぞれの目的によって異なります。
介護老人保健施設は、自宅に帰ることを目的としていることから、リハビリに関係する設備が整っているところが特徴です。
一方、特別養護老人ホームでは、介護が必要な方が多く入所されているため、介護がしやすい設備が整っているところが特徴です。
特に浴室は、介助時の危険が伴うことから、機械浴を設けている施設がとても多くなっています。
居室は4タイプに分けられる
居室は、どちらの施設も大きく変わりません。
具体的には、以下に挙げられる4つの居室タイプがあります。
<従来型個室>
従来型個室は、一人が一つの居室を利用できるタイプです。
1人で過ごしたいときは居室で過ごし、誰かと一緒にいたいときは共有スペースで過ごすといった使い分けができます。
廊下の左右に居室が配置されるケースが多く、共用スペースや人の気配を気にする必要がないため、独立した居室で過ごしたい方におすすめです。
<多床室>
多床室は、一つの居室を2〜4人で利用するタイプです。
カーテンやパーテーションなどを設置して、自分の空間が作られます。
効率的なケアが行えるところがメリットですが、プライベートを重視する方には向いていないでしょう。
同室の入所者と自然に交流できるため、孤独を感じにくいというメリットもあります。
<ユニット型個室>
ユニット型個室は、一人が一つの居室を利用できるタイプですが、共有スペースを囲むように配置されているところが特徴です。
少人数制の生活空間となっており、プライベートも確保できることから、近年勧められることの多い居室タイプです。
職員やほかの入所者との距離が近く、家庭的な雰囲気で過ごせるのがメリットです。
<ユニット型個室的多床室>
こちらの居室は、ユニット型個室と多床室を組み合わせたタイプです。
居室自体はカーテンやパーテーションなどを設置して2〜4人で使用しますが、施設によっては壁で仕切られていることもあるため、個室形式になっている場合もあります。
居室自体は共有スペースを囲むように配置されます。
老健と特養の費用の違い
利用する際にかかってくる費用は、どちらも以下の3つに分けられます。
- 入所一時金
- 月額利用料
- そのほかの費用
それぞれ必要な費用の目安を紹介していきます。
入所一時金
入所一時金に関しては、どちらの施設もかかりません。
どちらも公的施設であり、入所金が不要な制度となっているためです。
月額利用料
それぞれの月額にかかる利用料は、次のとおりです。
| 介護老人保健施設 | 特別養護老人ホーム |
| 8.8〜15.1万円 | 10〜14.4万円 |
このように、月額利用料はどちらの施設も大きく変わりません。
しかし、ケースによっては費用が加算される場合もあります。
<老健のほうが特養よりやや費用が高め >
先述したように、月額利用料はどちらの施設も大きく変わりません。
しかし、介護老人保健施設のほうが、リハビリや医療ケアのほかに介護サービス費がかかってくることもあるため、費用がやや高額になる場合が多くあります。
また、リハビリ専門職や医療スタッフが多く配置されており、その人件費や医療設備の分だけ費用が上がる傾向があります。
<特養は10〜14万円前後が目安>
特別養護老人ホームの場合は、10〜14万円前後が目安となります。
そして、こちらの費用とは別に、食費や居住費、日用品などの実費も毎月必要です。
また、寝たきりや医療ケアが常時必要な方は、医療保険の対象となるため、別途費用がかかってきます。
<月額利用料の費目>
それぞれの施設の月額利用料の費目は、次のとおりです。
| ● 食費 ● 居住費 ● 施設サービス費 ● 介護サービス加算 ● 日常生活費 ● 医療費 など |
上記の中でも食費と居住費に関しては、施設によって料金が変わってきます。
また、施設サービス費は地域によって異なりますが、同じ地域にある施設は同一料金です。
そのほかにかかる費用
それぞれの施設は月額利用料のほかに、以下の費用がかかってきます。
| ● 外出や買い物にかかる費用 ● イベント時にかかる費用 ● 医療費(特別養護老人ホームの場合) ● 散髪代 など |
もちろん、上記を実施しなければ費用はかかりませんが、ほとんどの場合で必要となるでしょう。
老健と特養の働くスタッフの違い
介護老人保健施設と特別養護老人ホームでは、各施設の特徴に応じた専門スタッフが配置されています。
老健は医療・リハビリスタッフが中心
介護老人保健施設は、リハビリや医療ケアに特化したスタッフが常駐しています。
具体的には、以下のとおりです。
| ● 医師 ● 看護師 ● リハビリ専門スタッフ ● 栄養士・管理栄養士 ● 薬剤師 ● 歯科衛生士 ● 介護職員 ● ケアマネジャー など |
この中でも医師・看護師・リハビリスタッフは、配置が義務付けられており、特に看護師とリハビリスタッフの割合が多い傾向です。
特養は介護スタッフが中心
特別養護老人ホームは、生活支援サービスや介護に特化したスタッフが常駐しています。
具体的には、以下のとおりです。
| ● 介護職員 ● 医師(非常勤) ● 看護師 ● 機能訓練指導員 ● リハビリ専門スタッフ ● 栄養士・管理栄養士 ● ケアマネジャー・生活相談員 など |
この中でも介護職員は、数多く在籍しています。
看護師に関しては配置基準が決まっており、介護老人保健施設が「入所者7人に対し2名以上」である一方、特別養護老人ホームは「入所者100人に対し3名以上」となっています。
そのため、医療的ケアは介護老人保健施設のほうが受けやすいでしょう。
老健と特養の待機期間の違い
介護老人保健施設と特別養護老人ホームは、同じ介護施設でも待機期間が異なります。
介護老人保健施設は入所期間が比較的短く、特別養護老人ホームは地域差があるのが特徴です。
老健はおよそ3ヶ月〜半年
介護老人保健施設の待機期間は、およそ3ヶ月〜半年が目安となっています。
これは、入所期間が原則3ヶ月であることから、入れ替わりが比較的早いことが理由に挙げられます。
しかし、施設によっては半年以上の待機が必要なケースもあるため、計画的に手続きをしましょう。
特養は地域差がある
特別養護老人ホームの場合は、待機期間が長くなるケースが多いと言われています。
厚生労働省が令和4年に発表した調査では、要介護の認定を受けた方の入所申込者は25.3万人にのぼる結果が出ています。
2015年に行われた介護保険制度改正により待機者は減っているものの、地域によってはまだまだ多いのが現状です。
老健と特養のメリット・デメリット
ここまで、介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いを紹介してきましたが、それぞれ異なるポイントが分かっていただけたかと思います。
ここからは、それぞれのメリットとデメリットを紹介していきます。
老健のメリット・デメリット
介護老人保健施設のメリットとデメリットは、次のとおりです。
| メリット | デメリット |
| ● 自宅に帰るためのリハビリが受けられる ● 手厚い医療ケアが受けられる ● 要介護1から入所できる | ● 入所期間が短い ● やや費用が高い ● 内服薬が制限される可能性がある |
在宅復帰するために手厚いリハビリや医療ケアが受けられるところは、介護老人保健施設の大きなメリットとなります。
反対に、入所期間が短かったり、やや費用が高かったりすることがデメリットとなるため、長い期間入所してリハビリをゆっくり行いたい方には向いていないと言えるでしょう。
特養のメリット・デメリット
特別養護老人ホームのメリットとデメリットは、次のとおりです。
| メリット | デメリット |
| ● 比較的費用が安い ● 終身利用が可能 | ● 待機期間が長い ● 要介護3以上の認定を受ける必要がある ● 医療ケアは手厚くない |
費用が安く終身まで利用できるところは、特別養護老人ホームの大きなメリットです。
反対に、待機期間が長く、加えて要介護3以上といった条件があることから、入所難易度が比較的高めであるところがデメリットとなります。
老健と特養それぞれのおすすめの人
介護老人保健施設と特別養護老人ホームは、利用目的や施設の特徴によって適している方が異なります。
それぞれの施設に向いている方の特徴をご紹介するので、施設選びの参考にしてください。
老健は在宅復帰のためのリハビリを受けたい人
介護老人保健施設がおすすめの人は、次のとおりです。
| ● 手厚いリハビリ・医療ケアが受けたい人 ● 在宅復帰を目指している人 ● 要介護は低いが介護施設を利用したい人 |
在宅復帰を目指したリハビリが受けられるところが特徴であることから、自宅に帰ることを目的としている方におすすめと言えます。
特養は終の住処を探している人
特別養護老人ホームがおすすめの人は、次のとおりです。
| ● 介護を必要としている人 ● 終の住まいを探している人 ● 要介護3以上の認定を受けている人 |
特別養護老人ホームは「人生の最後の時間を穏やかに暮らすための施設」であることから、介護を必要としている方や終の住まいを探している方におすすめと言えます。
老健と特養を検討している方がチェックしたいそのほかの施設
介護老人保健施設と特別養護老人ホームを検討している方は、ほかの介護施設についても知っておくと選択の幅が広がります。
中でも、「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、入所条件やサービス内容が異なり、ライフスタイルに合わせた選択が可能です。
有料老人ホーム(介護付き・住宅型)
有料老人ホームは、入所者が安心して生活できるように、食事や掃除などの生活支援サービスが提供される民間施設です。
介護付きタイプは職員が常駐しており、老健や特養と同様に介護サービスを受けられます。
一方で住宅型は、必要なときに外部の介護サービスを利用できる仕組みで、比較的自由度が高いのが特徴です。
介護の必要度や生活スタイルに合わせて選べるため、自分らしい暮らしを続けたい方におすすめです。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、介護老人保健施設や特別養護老人ホームに比べて「住まい」の側面が強い施設です。
バリアフリーも整っており、スタッフの定期的な見回りサービスや生活相談なども受けられます。
介護スタッフが常駐するわけではありませんが、必要なときに外部の介護サービスを組み合わせることが可能です。
「まだ自立して生活できるけれど、一人暮らしが不安」という方に適した施設と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いを徹底比較してきました。
介護老人保健施設は在宅復帰を目的としたリハビリ中心の施設で、短期間の利用が基本です。
一方、特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が長期的に穏やかに暮らせる「終の住まい」が特徴となります。
目的・費用・入所条件を理解し、自分や家族の今後の暮らしに合った施設を選ぶことが大切です。
ケアリッツでは正社員として訪問介護のスタッフを募集しております。
業界未経験の方や資格をお持ちでない方でも、充実した研修制度と先輩スタッフのサポートがあるため、安心してスタートできます。安定した環境のもとで、一緒に地域の方々の暮らしを支えてみませんか?





