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特定疾患とは?指定難病との違いや特定疾病16種類を一覧で紹介

特定疾患とは?指定難病との違いや特定疾病16種類を一覧で紹介

特定疾患とは、どのような病気のことを指すのでしょうか。

本記事では、特定疾患の基礎知識や、指定難病・特定疾病の違いについて解説しています。

特定疾病に該当する病気を一覧で紹介しているので、40~65歳未満で介護保険サービスの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。

特定疾患とは

 

まずは、特定疾患の基礎知識や指定難病、特定疾病との違いについて解説します。

これらは混同されやすいですが、対象となる病気や支援制度には違いがあります。

それぞれの定義を整理して正しく理解していきましょう。

長期療養が必要な病気のこと

 

特定疾患とは、厚生労働省によって1972年に制定された「特定疾患治療研究事業」の対象疾患のことを指します。

症状が安定している期間を含めて、長期間の療養が必要です。

特定疾患の代表的な疾患を一例として紹介します。

 

  • もやもや病
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • サルコイドーシス
  • パーキンソン病

 

これらの病気は原因が不明で、根本的な治療法が見つかっていません。

社会復帰が困難になる後遺症がある疾患や、患者数の少なさから研究が進んでいない疾患も含まれていますが、医学上の明確な定義はないとされています。

医療費の助成が受けられる

 

特定疾患は治療が難しく医療費が高額になりがちなため、患者やご家族の経済的負担を軽減する目的で、医療費の一部または全額を公費で助成する制度が整えられています。

医療費の助成を受けるためには、特定疾患治療研究事業の受給資格の認定を受け、特定疾患医療受給者証の交付を受けることが必要です。

主治医から診断基準に基づいた調査票を作成してもらい、最寄りの保健所に提出しましょう。

認定後は医療費の自己負担に上限が設定されるため、長期入院や通院が必要な方の大きな支えになります。

指定難病との違い

 

特定疾患に似ている言葉として、指定難病というものがあります。

指定難病とは、2015年に施行された難病法に基づいて定められた疾病のことです。

指定難病の代表的な疾患を一例として紹介します。

 

  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病(消化器系疾患)
  • 全身性エリテマトーデス
  • 全身性強皮症(自己免疫疾患)
  • パーキンソン病
  • 重症筋無力症(神経・筋疾患)
  • 多系統萎縮症(MSA)
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

 

指定難病の種類は、2025年4月に追加されたものも含めて348種類あります。

医療費助成の相談や申請については、都道府県の相談窓口(保健所など)に問い合わせましょう。

出典:厚生労働省「指定難病

特定疾病との違い

 

特定疾患や指定難病のほかに「特定疾病」と呼ばれるものがあります。

特定疾病とは、介護保険施行令第2条によって定められた16種類の病気のことです。

65歳以上で発症する割合が多く、40~64歳でも発症することがあります。

3~6カ月以上継続して、要介護や要支援の状態になる可能性が高い病気が多いです。

特定疾病に該当する16種類の病気一覧

 

ここでは、16種類の特定疾病を一覧で紹介するので、各疾患の名称をチェックしてみましょう。

がん

 

がんは悪性腫瘍とも呼ばれており、体の中の細胞が無秩序に増える病気です。

特定疾病として位置づけられているのは、末期がんと定義される場合のみです。

特定疾病に該当するがんは、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限られています。

回復の見込みがない状態とは、余命が6カ月程度と判断される場合です。

抗がん剤などの治療が行われている場合でも症状の緩和など、直接治癒が目的でない場合は特定疾病に該当します。

関節リウマチ

 

関節リウマチは全身の関節が炎症を起こし、手足の変形や痛み、こわばりが生じる病気です。

症状が長期間に及んだり、根本原因として免疫異常が関与していたりするのが特徴です。

患者の多くは軽症のまま経過しますが、長期間かけて全身の関節が破壊されるケースや、急速に進行して多くの関節が破壊されるケースがあります。

近年では早期発見により早期治療を開始することで、症状の進行を最小限に抑えられることが判明してきています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

 

筋萎縮性側索硬化症は、運動神経細胞の異常により、筋肉の萎縮や筋力低下が発生する進行性の難病です。

原因は解明されていませんが、手足や顔、喉などで発症するのが特徴です。

手指の使いにくさや話しにくさ、飲み込みにくさ、足の動かしにくさといった初期症状があり、やがてほかの部位の筋肉が侵され、自力での呼吸が困難になるケースが多くなります。

特定疾病として認定されるためには、成人発症であることや進行性であることといった条件を満たす必要があります。

後縦靱帯骨化症

 

後縦靱帯骨化症とは、背骨の中を縦に通る後縦靱帯が骨化して脊髄や神経根を圧迫し、さまざまな神経症状が発生する病気です。

靱帯が骨化する原因は解明されていませんが、家族内で発症するケースが多いことから、遺伝子が関連していることが有力視されています。

主な症状は四肢の痺れや知覚障害、運動障害などで、排尿や排便障害が起こることも珍しくありません。

後縦靱帯骨化症と判断されるためにはX線撮影が必要ですが、初期ではっきりと分からない場合は、CTによる撮影で大きさや部位を見極めます。

骨折を伴う骨粗鬆症

 

骨粗鬆症は骨の内部がスカスカになり、もろくなって骨折しやすくなる病気です。

直接的に命を脅かす病気ではありませんが、骨折をきっかけに寝たきりとなり、介護が必要になるケースも珍しくありません。

主な原因は、加齢に伴う骨量の減少や、栄養不足、運動不足などです。

痛みなどの自覚症状がほとんどなく、骨の強度が低下すると、つまずいて手をついたり、くしゃみをしたりといった、日常生活の些細な衝撃だけで骨折してしまうことがあります。

なお、介護保険制度において特定疾病と認められるのは、単なる骨量の低下だけでなく、骨粗鬆症による骨折が見られる場合のみです。

初老期における認知症

 

認知症は脳の障がいにより認知機能が低下して、日常生活や社会生活に支障を及ぼす病気です。

いくつかの病型がありますが、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、脳血管性認知症が特に多いです。

記憶障害や見当識障害、判断力・理解力が低下する中核症状と、幻覚や妄想、徘徊、介護への抵抗、興奮などの周辺症状があります。

症状の有無はご本人の性格や周辺環境、人間関係によるところが大きいとされており、40~64歳の初老期に発症した認知症が特定疾病に該当します。

なお、頭部外傷等の外傷性疾患やアルコールによる中毒性疾患、甲状腺機能低下症等の内分泌疾患、ビタミンB12欠乏症等の栄養障害による認知症は、特定疾病には該当しません。

進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)

 

進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病は、静止しているときに筋肉の震えやこわばりが起こる病気です。

動きが鈍くなる無動や、倒れやすくなる姿勢反射障がいなどのパーキンソン症状も特徴の一つです。

脳の神経細胞が減少することによって発症しますが、詳しい原因は判明していません。

特効薬はありませんが、症状に対応するための薬はあります。

特定疾病に認定されるためには、病気の進行や日常動作がうまくできない失行などの条件を満たすことが必要です。

脊髄小脳変性症

 

脊髄小脳変性症は、後頭部にある小脳の障がいによって脳から指令が阻害され、体が思うように動かせなくなってしまう病気です。

原因は遺伝性と孤発性(非遺伝性)に分かれますが、約3割は遺伝性とされています。

30~40代にかけて発症するケースが多く、症状の進行がとてもゆっくりな点が特徴です。

進行するとろれつが回らなくなったり、歩行時にふらつきが見られるようになったりして、寝たきりになってしまう病気です。

特定疾病の診断は、専門医が総合的に判断して行います。

脊柱管狭窄症

 

脊柱管狭窄症は、脊椎にある脊柱管が狭くなって神経が圧迫されたことにより、痛みや痺れなどの症状を発生させる病気です。

歩行時に腰痛や足の痺れが生じ、休憩すると一時的に回復する間欠性跛行が特徴の疾患です。

症状が進行すると、筋力の低下や排尿・排便障害を伴うケースもあります。

主に中高年の方に多く見られる疾患で、加齢に伴う背骨の変形や長年の労働による負担、過去の脊椎疾患などが主な原因となって発症します。

異変を感じたら放置せず、早期に発見して適切な治療やリハビリを始めることが大切です。

頚椎、胸椎、腰椎のうち、いずれか1つ以上に脊柱管狭小化が認められるものが、特定疾病として指定されます。

早老症

 

早老症は若年性白内障や白髪、脱毛、鳥様顔貌、皮膚の硬化など、実際の年齢よりも早く老化の兆候が全身にあらわれる病気です。

遺伝子の突然変異によって発症することが分かっていますが、発症に至るメカニズムは解明されていません。

早老症の代表疾患であるウェルナー症候群は、世界の発症者の約6割が日本人です。

症状が進行すると、骨粗鬆症や糖尿病、脂質異常症、悪性腫瘍などの合併症が発症するおそれがあります。

早老症を治す根本的な治療法は見つかっておらず、合併症への対症療法が中心です。

多系統萎縮症

 

多系統萎縮症(MSA)とは、自律神経症状、パーキンソン症状、小脳症状などの症状が組み合わさった疾患の総称です。

シャイ・ドレーガー症候群と線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症が代表的な疾患です。

中枢神経が広範囲に障害される進行性の神経変性疾患で、寝たきりになることもあります。

遺伝性ではないとされていますが、はっきりとした原因や根本的な治療法はまだ見つかっていません。

対症療法と、リハビリが中心となります。

糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

 

糖尿病性神経障害や糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症は、糖尿病の進行が原因で発症する3大合併症です。

糖尿病による血糖値が高い状態が長期間続くと、血管が傷ついてこれらの合併症が引き起こされます。

どの部位の神経が傷ついたのかによって症状が異なるのが特徴で、これらの病気が発症すると生活の質が著しく低下します。

合併症が進行すると足の壊死や腎機能の低下、失明などの症状が起こるので、進行させないことが何より大切です。

それぞれの病気の診断基準が満たされた場合に、特定疾病として認定されます。

脳血管疾患

 

脳血管疾患とは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など、脳の血管トラブルによって引き起こされる疾患の総称です。

手足の麻痺や言語障がい、記憶障がいなどの「高次脳機能障害」と呼ばれる後遺症が残りやすいのが特徴です。

発症後数時間以内に治療が受けられれば、後遺症が残るのを高確率で防げるといわれています。

脳血管疾患は60代以上の方に多く、主に高血圧や生活習慣病が原因です。

特定疾病として認められるのは、外傷が原因で発症したもの以外です。

閉塞性動脈硬化症

 

閉塞性動脈硬化症とは、足の動脈が硬化により閉塞・狭窄し、栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる病気です。

手足に痺れや冷感、痛みがあり、一定距離を歩くと痛みが生じるものの、休むと回復する「間欠性跛行」が特徴です。

症状の進行により心臓の冠動脈が閉塞・狭窄すると、狭心症や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。

動脈硬化の原因は、高血圧や高コレステロールなどの生活習慣病です。

間欠性跛行や壊死、潰瘍があることが特定疾病の診断基準になり、閉塞性動脈硬化症が軽症の場合は認められません。

慢性閉塞性肺疾患

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、肺に炎症が発生することで、肺の働きが著しく低下する病気です。

息切れや咳、痰などが主な症状で、喘息のような症状があらわれる場合もあります。

タバコなどの有害物質を長期間吸入することで発症するため、患者は40代以上の喫煙者が多くなっています。

原因の大半がタバコによるものですが、PM2.5や粉塵、化学物質が原因で発症することも少なくありません。

進行すると筋力の低下や低栄養、心不全、骨粗鬆症、うつ病、糖尿病、貧血などの病気を併発しやすくなります。

両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

変形性関節症とは、膝や股関節の軟骨がすり減ったことによる痛みや炎症で、歩行不能になってしまう病気です。

原因は、肥満や加齢、ケガのほか、感染症による炎症などが挙げられます。

変形は数十年かけて進行し、最終的には股関節の可動に制限が生じて、日常生活に支障をきたすようになります。

特定疾病としての診断基準は、両側の膝関節や股関節に著しい変形が見られるかどうかが重要であり、併せて可動域や関節機能のチェックも行われます。

介護保険の被保険者

 

介護保険の被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分類されています。

それぞれの特徴や、特定疾病との関係をチェックしていきましょう。

第1号被保険者

 

第1号被保険者は65歳以上の方が対象で、毎月決まった保険料を納めます。

保険料の金額は市区町村ごとの条例で定められた基準額をもとに、被保険者ご本人や世帯の所得などにより段階的に設定されるのが基本です。

第1号被保険者は、要介護認定または要支援認定を受けたときに、介護保険サービスを受けることが可能になります。

なお、要介護認定または要支援認定の原因は問われません。

第2号被保険者

 

第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者が対象で、毎月決まった介護保険料を納めます。

第1号被保険者と異なるのは、加入している医療保険の保険料に介護保険料が上乗せされて一括徴収される点です。

第2号被保険者は、特定疾病が原因で要介護認定または要支援認定を受けたときに限り、介護保険サービスを受けることが可能になります。

介護保険で利用できるサービス

 

特定疾病になった場合、介護保険サービスが利用可能です。

ここでは、利用できる介護サービスを詳しく解説します。

自宅で介護サービスを受ける

 

自宅で受けられる介護サービスは「居宅介護サービス」と呼ばれています。

代表的な居宅介護サービスは、以下のとおりです。

 

  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問入浴
  • 訪問リハビリ
  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 居宅療養管理指導

 

居宅介護サービスでは、介護される方の自宅に介護士やヘルパー、看護師が訪問して介護サービスを提供します。

このサービスを利用するメリットは、自宅で介護を担当するご家族の負担が減らせることです。

施設に通って介護サービスを受ける

 

施設に通って介護サービスを受けることを「通所サービス」と呼びます。

代表的な通所サービスは、以下のとおりです。

 

  • 通所介護
  • 通所リハビリ
  • 療養通所介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護

 

通所サービスは利用される方が直接施設に通い、そこでサービスを利用します。

このサービスを利用するメリットは、設備の整った施設で、重点的なケアを受けられることです。

地域密着型のサービスを利用する

 

地域密着型のサービスは、原則としてその地域に住んでいる方だけが利用できます。

代表的な地域密着型のサービスは、以下のとおりです。

 

  • 小規模多機能型居宅介護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 認知症対応型通所介護
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)

 

地域密着型のサービスには、通所型と訪問型、認知症対応型、特定施設型があります。

このサービスを利用するメリットは、住み慣れた地域で生活を継続できることです。

 

施設へ入所する

自宅での介護が難しい場合は、施設へ入所することもできます。

入所可能な介護保険施設は、次のとおりです。

 

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム・軽費老人ホームなど)
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院

 

なお、要支援1~2の場合は施設に入所できません。

入所条件は原則要介護1以上ですが、特別養護老人ホームの場合は原則として要介護3以上となっています。

短期間宿泊する

 

施設に短期間入所して生活することも可能で、代表的な短期間の宿泊サービスは以下のとおりです。

 

  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

 

これらのサービスは利用者の自立した生活をサポートするとともに、毎日介護にあたっているご家族の負担を減らす目的もあります。

福祉用具をレンタルする

 

福祉用具の利用に関するサービスも受けられます。

福祉用具貸与の対象は、以下の品目です。

 

  • 特殊寝台および付属品
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 手すり
  • スロープ
  • 車いすおよび付属品
  • 歩行器
  • 歩行補助杖
  • 移動用リフト
  • 徘徊感知機器
  • 自動排泄処理装置

 

ただし、すべての用具を自由に借りられるわけではなく、要介護度によってレンタル可能な品目が決められている点に注意が必要です。

一部の福祉用具については、レンタルではなく購入を選択することも可能です。

特定疾病で介護保険サービスを利用するまでの手順

 

特定疾病になった方が介護保険サービスを利用するためには、要介護認定の申請が必要です。

ここでは、介護保険サービス利用開始までの手順を解説します。

要介護認定を申請する

 

特定疾病の診断を受けたら、なるべく早く自治体で要介護認定を受けるための手続きを行いましょう。

申請から要介護の認定までは、およそ30日かかります。

次の必要書類を準備して、自治体の担当窓口に提出してください。

 

  • 申請書
  • 健康保険被保険者証
  • 印鑑
  • マイナンバーカード(または通知書)
  • 本人確認書類(顔写真つきのもの)
  • かかりつけ医の診察券など(主治医の情報が確認できるもの)

 

申請書は自治体の公式ホームページからダウンロードするか、市区町村の窓口で入手できます。

また、65歳以上の方の場合は、健康保険被保険者証ではなく介護保険被保険者証が必要です。

印鑑は自治体によって必要ない場合があるので、事前に確認しておきましょう。

結果が通知される

 

申請後に、自治体の担当者やケアマネジャーによる認定調査が行われます。

ご家族の同席は必須ではありませんが、正しく状態を伝えられるようになるべく同席するのが望ましいでしょう。

調査の結果と主治医による意見書がそろうと、コンピュータによる一次判定と、専門家が審査する二次判定の二段階を経て、最終的な区分が決定されます。

要介護認定は要支援1と2、要介護1~5までの7段階と非該当に分類されます。

ケアプランを作成する

 

要介護認定の結果が出た後は、どのような介護をどれくらい利用するかを決めるケアプランを作成する必要があります。

ケアプランはケアマネジャーに相談しながら、ご本人の状態やご家族の希望に合わせて作成してもらうのが一般的です。

作成したプランを自治体に提出することで、介護保険のサービスを正式に利用できる仕組みになっています。

ケアプランの作成を依頼しても、利用者がその費用を自己負担することはなく、全額が介護保険でまかなわれます。

費用を気にせず相談できるからこそ、納得がいくまで話し合い、ご本人やご家族の意向をしっかりとくみ取ってくれるケアマネジャーを見つけることが大切です。

事業所を選んで介護サービスを受ける

 

ケアプランの作成が完了したら、実際に利用する介護サービス事業所を選択します。

事業者を選ぶポイントは人によって異なりますが、主な内容は以下のとおりです。

 

  • 自宅から近い
  • 信頼できるケアマネジャーが在籍している
  • 希望するサービスを提供している
  • 特定事業所加算を受けている

 

契約する介護サービス事業所が決まったら、ケアプランに基づいたサービスの利用が開始されます。

介護保険サービスの自己負担を軽減する制度

 

介護保険サービスには自己負担額を軽減できる次のような制度があります。

 

  • 支給限度額制度
  • 高額介護サービス費支給制度
  • 高額医療・高額介護合算療養費制度
  • 民間介護保険

 

制度の仕組みや、利用方法をチェックしていきましょう。

支給限度額制度

 

介護保険の居宅サービスを利用するときは、1カ月あたりの利用限度額が要介護度別に定められています。

限度額の範囲内でサービスを利用した場合は原則1割の自己負担ですが、一定以上の所得がある場合は2~3割になります。

要介護度別の利用限度額は、以下のとおりです。

 

要介護度利用限度額
要支援150,320円
要支援2105,310円
要介護1167,650円
要介護2197,050円
要介護3270,480円
要介護4309,380円
要介護5362,170円

 

介護保険施設を利用する場合は、サービスの利用料のほかに居住費や食費、日常生活費の負担も必要です。

ただし、所得の低い方や1カ月の利用料が高額になった方は、別の軽減措置を利用できる場合があります。

出典:厚生労働省「サービスにかかる利用料

高額介護サービス費支給制度

 

高額介護サービス費支給制度とは、1カ月の利用者負担合計額が、所得に応じて区分された上限額を超えた場合に、超過分が介護保険から支給される仕組みです。

負担上限額は、以下のとおりです。

 

対象者負担の上限額(月額)
生活保護を受給されている方等15,000円(世帯)
世帯の全員が市町村民税非課税24,600円(世帯)
前年の公的年金等収入金額

+そのほかの合計所得金額の合計が80万円以下の方等

24,600円(世帯)

15,000円(個人)

  1. 市区町村民税課税世帯~課税所得380万円(年収約770万円)未満
  2. 課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満
  3. 課税所得690万円(年収約1,160万円)以上
  1. 44,400円(世帯)
  2. 93,000円(世帯)
  3. 140,100円(世帯)

 

在宅サービスの利用限度額を超えた自費負担額は、介護保険の適用外となるため、高額介護サービス費支給制度の対象とはなりません。

出典:厚生労働省

令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます

高額医療・高額介護合算療養費制度

 

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険の両方に自己負担が生じた場合に、合算後の負担額が軽減される仕組みです。

決められた限度額(年額)を500円以上超えた場合に、医療保険者に申請すると超えた分が支給されます。

民間介護保険

 

公的な介護保険制度は充実していますが、利用できる限度額やサービスの内容には一定のルールや制限があります。

こうした公的保険だけでカバーしきれない費用や、毎月の自己負担分を補うための備えとして、民間の介護保険を併せて活用するのも有効な手段です。

民間の保険は、一定の要介護状態になった際に現金で給付金を受け取れるタイプが多く、その使い道はご本人の希望に合わせて自由に決められる点もメリットです。

特定疾病に関するよくある質問

 

最後に、特定疾病に関するよくある質問と、その回答を紹介します。

特定疾病以外の原因で寝たきりになった場合は?

 

40歳~65歳未満までの第2号被保険者の方が介護サービスを利用できるのは、特定疾病を原因とする場合に限られます。

仮に交通事故により寝たきりの状態になった場合でも、介護サービスは受けられません。

65歳以上の第1号被保険者の方は介護サービスを受けられますが、事故の場合は「第三者行為による傷病届」の提出が必要です。

40歳未満で特定疾病になった場合は?

 

介護保険制度は40歳以上の方が加入する仕組みであり、40歳未満の方は特定疾病を発症したとしても、介護保険の申請を行うことはできません。

日常生活でサポートが必要になった場合は、医療保険や障がい福祉サービスを利用して支援を受けることになります。

ただし、自治体によっては独自のサービスが受けられる可能性もあります。

まずは地域の相談窓口へ現状を伝えて、どのようなサポートが受けられるか確認してみるのがよいでしょう。

要介護認定の申請が困難な場合は?

 

特定疾病によっては、歩行が困難になったり、入院したりして、要介護認定の申請ができない場合もあるでしょう。

ご本人が直接自治体まで行けない場合は、代理で申請してもらうことが可能です。

代理人として認められるのはご家族のほか、地域包括支援センター、居宅介護支援事業者などの職員です。

まとめ

 

特定疾病とは、3~6カ月以上の長期間にわたって介護や支援が必要になると認められた、16種類の病気のことです。

通常、介護保険は65歳から利用するものですが、これらの病気に該当する場合は40歳からサービスを受けることが可能となります。

特定疾病は療養が長引きやすく、医療費や介護費の自己負担が大きくなる傾向があるため、負担を軽減する制度を知って活用することが大切です。

制度の内容を正しく理解し、適切な介護サービスを組み合わせて利用することで、ご本人だけでなく支えるご家族の負担も大きく減らせるでしょう。