相次ぐ介護事業者の倒産、その理由と対応策は??

以前も同じような記事をご紹介したことがあるのですが、最近また、介護事業者の倒産のニュースを見かけました。

競争の激化で淘汰が加速 介護事業者の倒産、過去最多を更新 (出典; joint介護)

2016、2017の2年はこれまでと比べるとだいぶ倒産数が多いことに気が付きます。

記事によると、2015年の報酬改定がかなり痛手だったのでは?と分析されていました。
確かに、2015年の報酬改定では久々の全体では-2.27%改定となっており、厳しい結果となっていました。

在宅系も、同一建物減算が強化されたり、サービス提供責任者の要件が厳しくなったり、とそこそこの影響はあったように思います。

ただ、やはり原因はそれだけではないのではないか?と個人的には思うのです。

介護業界における倒産の原因?

実際に潰れている会社の内訳をみると、従業員が5人未満のところが全体の60.9%、10人未満のところが80.0%。負債額は1億円未満が80.9%を占めているとのこと。
そして、39.1%は2012年度以降に設立された比較的新しい事業者で、訪問介護事業が40.9%、通所・短期入所介護事業が38.3%で、こうした比較的起業がしやすい在宅系が8割弱を占めているのです。

この結果から、小さな訪問・通所が乱立し、すぐに倒産しているのではないか、という状況が見えてきます。

つまりは、以前の記事でも書いた通り、本来経営ができるようなレベルではない人間が、安易に起業した結果失敗する、といった事態が増えているのではないでしょうか。

会社が倒産した場合、本人はまだ自分のせいなので良いかもしれませんが、問題はそこではたらく社員です。介護職員の不足が叫ばれる昨今の情勢のなかで、こうした会社で働き、給与もろくに払われずに業界から去ってしまうような人が増えるのは業界にとっても大きな損失です。

こうした問題の解決策には二つの方向性があるかと思っています。

一つは、安易な起業を防ぐこと。
例えば派遣会社などは法律が変わり、資産額などが一定額ない場合には作れないような仕組みになりました。この業界も以前は、元手がかからないビジネスであることから安易な独立が相次ぎ、劣悪な環境での労働を強いられる派遣社員も出てきたことから、こうした法律が定められています。

介護においても、命を預かる大事な仕事でもあるため、起業にあたってある程度の制限を付けることはありなのではないでしょうか?普通の人が起業できなくなってしまうようなハードルではなく、本気で覚悟を決めないと起業できない、くらいのハードルが望ましいように思います。

もう一つは、零細企業の経営レベルを向上させること。
これを民間コンサル会社がやってしまうと介護報酬が業界外に吸われてしまうだけで無意味なので、例えば国側がもう少し経営の勉強ができるような支援を行ったり、事務作業などをまとめて請け負うような機関を作るようにすれば、少しは経営の助けになるのではないでしょうか。

実際東京都では、ノウハウのない会社に人材コンサルタントを派遣し、人事考課制度などの設計をサポートする、というような取り組みもやっているようです(ただ知名度が低く、あまり活用されていないようで残念です。)

以前の記事では、健全な競争の元で淘汰されるのはよいことなのでは?と書きましたが、淘汰されるべきは淘汰されつつも、新しい優秀な企業が育っていくような土壌もあると、さらに業界の活性化につながるのかな、と思っております。

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ケアリッツマガジン運営者 Yuri
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