認知症高齢者における運転免許の更新

昨今、高齢者の交通事故のニュースが後を絶ちません。
よく目にするのが、アクセルとブレーキを踏み間違えた、逆走してしまった、といったようなケース。コンビニに突っ込んでしまったり、道路で正面衝突してしまったりと、死傷者を出すような事故もよく目にするようになりました。

そんな中で、恐ろしいニュースがありました。

「認知症の恐れ」7000人、免許更新に新たな課題 (出典; 日本経済新聞)

記事によると、事故防止の強化として、警察庁が2017年3月、認知機能検査で早期発見を進めた結果、「今後、認知症の恐れ」のドライバーが約7000人に上ることが判明したとのこと。

最初記事をパッと見た時には、免許持っている人のなかで7000人も認知症予備軍がいるのか、怖いなぁ、という感想だったのですが、実はよくよく記事を見てみると、もっと恐ろしい内容だということがわかりました。

以下が正しい記事の内容です。

本当の記事の内容

17年3月の改正道路交通法施行から、3年ごとの免許更新時に行ってきた75歳以上の認知機能検査を強化したそうです。
その結果、認知症の恐れがある「第1分類」、認知機能低下の恐れの「第2分類」、認知機能に問題ないとする「第3分類」に振り分けをしたところ、17年末までに検査を受けた人の中で、「第1分類」の判定は約4万6900人いた、ということです。

つまり、7000人の人が認知症の恐れがあった、のではなくて、17年3月~12月に免許更新をした後期高齢者の中で、認知症の恐れがある方が5万人近くいた、ということなのです!

そしてそのうち、7000人はなんと免許の更新が認められた、という記事なのです。

明白な認知症ではなかったとはいえ、認知症の恐れが十分にある高齢者なのに、なぜ免許の更新が許されるのでしょうか?
認知症と運転の危険性の因果関係が医療でも確立されていないから、というのが理由のようです。特に物忘れが多くなった程度で、運転能力に支障が出るのかどうかは確かではない、ということのようです。

確かに、見当識障害などが出て、どこを走っているかがわからない、といったような状況でなければ、運転へのリスクというのは通常の高齢者と比べても有意な差がないのかもしれません。
認知症のない高齢者であっても、注意力が落ちたり、反射神経が落ちたり、ということは普通に老化現象としてありえることです。

とはいえ、20年末の75歳以上のドライバーは推計600万人にも上るとのこと。
現状は免許を取り上げることは極力せずに、あくまで自主返納の推進を進めている状況ですが、やはり何かしらの対策が必要となってくることでしょう。

免許返納を推進するために

免許の返納をしてしまうと生活ができない、という方が、都市部以外の場合には多いかもしれません。しかし、ここで純粋に、週に3日ほどタクシーに乗った場合とコストを比較してみましょう。

タクシーで毎回2000円使ったとすると、年間でのコストは概ね30万程度、ということになります。2000円だとだいたい5-6kmなので、ざっくり年間7500km程度の走行距離、といった感じでしょうか。

一方、軽自動車に1年乗るとどうでしょう。根拠は省きますが、ガソリン代、駐車場代、保険料、税金、車検、消耗品などもろもろ合わせると、同じく7500km程度の走行距離の場合、概ね30-35万程度となるようです。

あれ、ほぼコストが変わりませんね!結構意外じゃありませんか?
タクシーの方がかなりコストがかかるというイメージをお持ちの人が、かなり多いのではないでしょうか?

この結果を踏まえると、よっぽどヘビーに車を乗り倒している人でなければ、すべてタクシー移動にしてしまっても実は経済的にほぼ変わらない、ということがわかります。

こういった事実をしっかり啓もうしていきつつ、返納者に何か特典をつけていくことで、少しでも免許の返納が進むのではないでしょうか?

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。