介護ロボットが、世界から期待されるニッポン

毎度の介護ロボットネタなのですが、こんなニュースを見つけました。

アニメ大国ニッポンは介護もロボットで 高齢化する世界をリード(出典; ニューズウィーク日本版)

米国人のジャーナリストが書いた記事の翻訳なので、海外から日本の介護や介護ロボットがどう見られているのかがわかる、興味深い記事です。

記事の内容について

まず取り上げられていたのが、特別養護老人ホーム「新とみ」さん。
この施設では、アザラシ型のコミュニケーションロボット「パロ」や、歩行リハビリ支援ツールTree など、数多くの介護ロボットを導入しているそうです。

興味があったのでHPを拝見したところ、マッスルスーツ、見守り機器、コミュニケーションロボやCARETEXでも紹介されていたパナソニックのリショーネなど、実に様々なロボットが導入されているようです。(社会福祉法人シルヴァーウィング)

また、面白かったのがこの1文。

ロボットによる高齢者の介護は、欧米では抵抗感があり、あくまで介護は人の手で、という考え方が根強い。ただ、日本では以前から人気アニメなどで描かれることも多く、受け入れられやすいのではないかとみられている。

欧米ではロボットに抵抗があり、日本はアニメで慣れているから受け入れやすいのでは?という考察なのですが、この視点は驚きでした 笑
むしろ我々からすると、欧米の方が効率化重視で、日本の方がどちらかというと精神論やおもてなしにこだわる、みたいなイメージがあったのですが、どうやらこういった見方を逆に海外からはされていたようです。

ロボット導入の壁

記事の中では続いてロボット普及の壁が3つ紹介されていたのですが、そのうち一つは費用の問題、もう一つは操作が難しいという問題が挙げられていました。
これらはまあ納得の内容なのですが、もう一つの問題が、かなり深刻かつ根本的な問題だと感じています。

それは、ロボット導入後も介護職員の負担や労働時間は必ずしも削減されない、という問題です。
上記の「新とみ」さんによると、ロボットを導入しても実は労働時間は削減されていないとのこと。導入した効果は、スタッフの負担が減ること、顧客の満足感である、というのです。

一般的には、人手不足を補うための施策として、ロボットができる作業はロボットに、といった文脈でよく語られます。ただ、確かに考えてみれば、ドラえもんや鉄腕アトムみたいな人型のロボットでない限り、コミュニケーションロボットやマッスルスーツがいくらあったとしても作業量自体は減るはずがありませんよね。。。

結構これは普及にあたって深刻な問題だと感じています。ロボットはそもそも上記の通り、費用負担は非常に大きいと言えます。これだけ費用をかけても結局は労働時間が一緒、となると、人件費を減らすこともできませんので、純粋に経営が圧迫されてしまいます。

確かに社員の肉体的負担が軽くなるというのは良いことではありますが、数字上明確な経営上のインセンティブがないということは、結局のところ導入は各施設の良心・善意に完全に依存することになります。

ただもちろん、導入によって採用が増えたり、入居者が増える、という効果が明確になれば、経営にもプラスということがわかり、導入に前向きな企業も増えるでしょう。
なので、ロボット導入が具体的に職員の採用や入居に繋がったような事例や数字を積み重ねていくことが、今後のロボットの普及には重要と言えるかもしれません。

世界をリードする日本の介護ロボット

世界の介護ロボット市場はまだ20億円規模と言われ、ほぼないに等しい状態のようです。しかも、供給側は現状ほぼ日本製となっており、パロはデンマークへ、リショーネは台湾への輸出が始まっているようです。

経済産業省の資産によれば、2035年には日本国内で4000億市場とも見込まれる介護ロボット市場。
高齢化も日本が世界の中で一番進んでいる状況なのは周知の事実。

確かに普及へのハードルはあるものの、今後日本における介護ロボット市場は、世界をリードする一大産業になる可能性を秘めているのではないでしょうか。

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。