財務省の新たな提案 – 介護保険の自己負担、一律2割に

医療費に関する財務省の施策

以前にこのマガジンでも紹介した通り、財務省が増え続ける社会保障費にメスを入れようと、積極的に動き出しています。

以前の記事; 財務省の考える社会保障費の削減案とは・・・

ここで紹介した、風邪など軽い病気による受診の場合に自己負担率を引き上げる、かかりつけ医以外の受診について自己負担率をさらに上げる、といった施策に加え、75歳以上の医療費の負担割合を2割負担にするという提案も出ているようです。

75歳以上の医療費負担「2割に引き上げ」提案(出典; 毎日新聞)

実際、風邪をひいて病院に行くと高齢者がずらりと待合室に並んでいるのをよく見ますし、海外と比べても高齢者が病院に行く頻度が非常に高い、と言われています。
軽い病気の場合の自己負担率を上げよう、という提案も同時に行われていることを考えると、今回の施策の狙いとしては国の医療費負担割合を減らす以上に、病院に行く頻度を減らす目的の方が大きいといえるでしょう。

高齢者でにぎわうクリニックにとっては、経営に大きな影響が出てくるかもしれません。

介護保険に関する財務省の施策

一方、介護保険に関してもメスを入れようとしており、自治体の判断で地域の住民やボランティアを活用して安い費用でサービスを提供できるようにするべき、という案を出して物議を醸しました。

今回さらに財務省が、介護の自己負担を全員2割にすべき、という案を正式に提案したというニュースがありました。

介護の自己負担、原則2割に 財務省が提案 次期改正、引き上げラインが焦点(出典; Joint介護)

ただ、今回のものはあくまで審議会への提案、であり、もちろんそのまま採用されるわけではありません。
現在でも収入に応じて行われている2割負担、3割負担のラインをどこまで下げるか、といった議論が行われていくことになるでしょう。

介護保険については、毎月固定でかかる費用となっていくため、医療費よりも実は深刻な家計へのダメージとなりえます。
介護の利用控えなどが起きることも考えられ、特に競争の激しいサービス付き高齢者向け住宅、デイサービスにとっては大きな打撃となる可能性があります。

社会保障費削減に関する私案

ちなみに個人的には、生活保護の方について、医療費や介護保険の費用を5%でも負担させるようにしては?と思っています。あるいはちょっと制度的に面倒ではありますが、いったん自己負担させた後で還付する方法でもよいかもしれません。

人間は、1円も出さないでサービスが受けられる、となると、サービスのありがたみを感じずに乱用してしまう傾向があると感じています。
例えば私の以前勤めていた会社では、タクシー移動が認められていたのですが、タクシーチケット(チケットに金額を書くだけで自由に乗れ、請求はまとめて会社に届く仕組み)を廃止して、領収書で精算するようにしたところ、タクシー利用が大幅に減った、ということがありました。

会社負担なのは変わりませんが、いったん懐から支払う、ということが発生しただけで、利用を控えるようになったのです。

同じように、生活保護に関しても、少しでも負担をさせる、あるいはいったん自己負担させるなど、懐から一度でもお金を出させる仕組みにすると、利用抑制につながる可能性があるのではないでしょうか。

今後どのような攻防が行われるのか、介護事業者としては目の離せない状況です。

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。