ケアマネのケアプラン作成に、自己負担はありなのか?

介護事業者の大規模化、要介護1, 2に対する生活援助の地方自治体への移行、外国人人材の拡大など、いろいろなものを含んだ骨太方針ですが、その中の一つに大きな議論を呼ぶであろう施策が入っていました。

それは、居宅介護支援の利用料の導入です。

財務省などが提示したアイデアでは、いわゆる介護保険サービスと同様に、1割負担、2割負担、というのを提案していたのですが、それに対して全国老人福祉施設協議会が対案を示したようです。

「例えば1000円」 老施協、居宅介護支援の利用料導入で提案 「定額の負担を」(出典; Joint介護)

記事によると、老施協は、自己負担が発生する必要性についてはある程度認めた上で、その金額を定額かつ安価にすべし、という論調のようです。

居宅介護支援の自己負担発生により、予想されること

そもそもの発想として、なぜ居宅介護支援に自己負担を発生させようとしているのでしょうか?
一つの理由としては単純に、コスト削減、という理由が挙げられるでしょう。

概ね居宅介護支援にかかっているお金は、年間4000億円強。ここを1割負担にするだけで、年間400億円の削減につながります。

では、実際居宅介護支援に自己負担が発生することによって、どのようなことが起きると予想されるでしょうか。

ポジティブな意見としては、コスト削減だけでなく

  • ケアプランがただ与えられるものではなくなるため、利用者も主体的に考えるようになり、自立支援型のケアマネジメントが推進される
  • 自己負担となれば慎重にケアマネジャーを選ぶようになり、サービスの質が高まる

こんな意見が上がっているようです。一応、説得力のある意見ではあると個人的には思います。

しかし、日本介護支援専門員協会を中心に反対意見も多く上がっています。反対派の一番主な意見としては、ケアマネジメントのフリーアクセスが阻害されることによって、介護が本当に必要な人が介護を受けられないという事態を招きかねない、というものです。

実際、自己負担が1割と仮定すると、月に1500円弱の費用負担増、となるわけなのですが、月1500円というコストによってどのくらい介護保険の利用者が減り得るのでしょう。ここは正直予想が難しいところです。
おそらくは、まったく減らない、ということはありえず、一定数は介護保険を利用するのを諦めるようになる可能性はあるでしょう。ただ、個人的にはそこまで大きなインパクトはないのではないか?とは思っています。ちなみに厚労省は、ほぼ利用者減はありえない、と見込んでいるようです。

セルフプランの拡大?

もう一つの可能性としては、セルフプランが推進される、というもの。

今でも実は、一定のルールに則れば自分でケアプランを作成する、セルフプラン、ということが可能だったりします。ただ、今は経済的なインセンティブもないため、やっている人は0.1%以下、と言われています。

これが、もしケアプラン作成を依頼するとコストが発生する、となった場合には、爆発的に増える可能性が考えられます。
そもそも何のためにケアマネがケアプランを作ることが必須となっていたか考えてみると、建前ではありますが、専門家の目で、過剰なサービスを行うことなく必要十分な量・質のサービスを計画する、という名目だったはずです。その仮定を踏まえて考えると、これがセルフプランが大量に横行するようになった場合、むしろ過剰なサービスが増え、介護保険給付費が増大する可能性も考えられるのではないでしょうか?

また、セルフプランが増えてきた場合、ケアマネではない人間がセルフプラン作成を援助する形で、実質ケアマネ的な業務ができてしまう可能性があります。
そうなると、例えば自社の訪問介護に有利なようにサービスを組んだりする事業者が出てこないとも限りません。

一応、そういったことも念頭において、老施協の提案では、「ケアプラン作成を介護支援専門員の業務独占とすることも念頭に、セルフケアプランに関して仲介業者などの関与の可能性について抑止する必要がある」というものも含まれているようです。

ケアプランの自己負担、最終的にどういったジャッジが下されるのか注目ですね。

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。