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【介護コラム】利用者プロフェッショナル①「僕の車椅子が出来るまで」

【介護コラム】利用者プロフェッショナル①「僕の車椅子が出来るまで」

障害の制度はルールが非常に分かりにくい!実際僕も理解して活用できるようになるまで相当の歳月を費やしてきました。ネットで調べても本当に分かりやすく解説しているものが見当たらないので、僕の実体験をとおして、障害サービスを活用するための解説を少しずつしていこうと思います。

僕は自分で歩くことが出来ないので、どこかに行くためには①車椅子、②車椅子を押してくれる人、の2つが必要になります。①の車椅子は、身体の特性上オーダーメイドで作らなければならないのですが、ここで活躍するのが障害者手帳です。障害者手帳を持っていると「補装具支給制度」を利用することが出来るようになります。補装具は簡単に言うと「自分の身体の代わりをしてくれる道具」のことです。僕の場合は足の代わりをしてくれる車椅子が該当します。

先ずは役所に申し込みをするのですが、窓口をしてくれる方(以下担当者)と必要性を判定してくれる方(以下判定員)は別になっていて、僕から直接判定員さんに連絡をすることが出来ない仕組みになっていました。判定員さんに直接会うためのアポは常に担当者の方経由でとらなければならず、この手間だけで3ヶ月ほど要した記憶があります。

車椅子製作の許可が下りたら、次は業者さん探しです。オーダーメイドの車椅子製作をしている業者さんはあまり数がないので、探すだけで一苦労でした。無事に見つかった後は希望等のヒアリングと、採寸をしてもらい制作に移っていきます。オーダーしてから届くまでに要する期間は6ヶ月ほど。役所への申し込みや業者さん探しの期間も含めると、1年近くかかってようやく手元に届くということになります。こうしてやっと外に出るために必要な①車椅子の準備が整いました。残るは②車イスを押してくれる人です。

【イメージソング】
EXILE -道(2007)-

コラム原案/安部隼人
障害者の目線から、社内での研修講師をしたり、啓蒙活動のためのレポート作成等を担当しています。
晩酌のお供はカニカマ派です。
Illustrator/エム・コウノ