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【新卒ブログ】辛い時辛いと言えたらいいのになぁ(中山)

【新卒ブログ】辛い時辛いと言えたらいいのになぁ(中山)

こんにちは!成増事業所の中山です。

写真は上野のゴリラです。
哀愁漂う背中がいいですね。

ところで・・・
花粉、花粉、花粉、飛んでます、飛びまくりです。
風邪ひとつひかない健康体で、
体調崩したことと言ったら自作のカレーで食当たりしたことぐらいなのに。

なのに!
微動だにしない鼻詰まり、終わりが見えない鼻垂れ、
頭痛、酸欠、寝不足・・・
これが「花の粉」のせいだなんて。
自己免疫疾患。
花粉に害はないんだよと体を説得したいです。
過剰反応しすぎです。

堪えられず、病院で薬もらいました。だいぶ楽になりました。
現代医学ありがとう。

悲しい!

ある日の支援のことです。
利用者様から買い物を頼まれましたが、計画上行えず、お断りしました。
が、どうしても納得してもらえず、
「どうして?あんなにすぐ近くにお店があるのに。臨機応変というものを知らない。ひどいヘルパーだ。・・・」
と延々とお叱りを受けました。

悲しいやら悔しいやらで、事務所に帰って先輩に話しました。
「そんなこんなで、本当に、びっくりしました。散々言われて、悲しかったです・・・。」

先輩はうんうんと聞いてくださった後、
「そっか〜まだ慣れないんだね。そういうの、そのうちなんともなくなるよ。」
と呟きました。

利用者様の精神状態

「あらこんにちは、いつもありがとう」
訪問すると笑顔で迎えてくれる利用者様ですが、
心の内はどうでしょうか。
思うように体が動かなくなっていくことを実感しながら
これからどうなっていくんだろう、
という不安を抱えている方も多いでしょう。
認知機能が低下している方は、
状況の理解が難しく、混乱してしまうこともあります。
常に不安で、些細なことにも敏感になっています。

そのような状態にある方々を支援する者として、
ただ単純に、決められた支援をすればいいというわけにはいきません。
内なる不安が、時に怒りや攻撃的な言動になって表れることもあります。
そんな時、ヘルパーとして私たちはどう対応したら良いのでしょうか。

一喜一憂するのはプロじゃない?

「何言われても、全然平気だよ、もう慣れちゃった。」
冒頭の先輩のように、そう言う方は多いです。

うまく受け流すことが必要な時もあるかもしれません。
感情のスイッチを切ったり、別人格を作るのは、
自分を守るための手段として有効ではあります。
しかし、何を言われても毅然としていちいち傷つかないことがプロなのでしょうか。

感情は、気づかないふりをしていると、気づけなくなります。
自分の心を感じられなくなれば、相手の心も見えなくなってしまいます。

今自分はどんな気持ちでいるんだろう。
どうしてイライラするんだろう。
どうして悲しいんだろう。
そうして自分の気持ちに向き合うことが、
相手の気持ちと周波数を合わせる助けになります。
そうして相手の気持ちを知って初めて、適切な支援ができるのではないでしょうか。

なぜ悲しかったのか

冒頭の出来事の際、私はとても悲しかった。
利用者様にはそれまで、
「いつもありがとう、あなたがいて助かった。」と言っていただけていました。
そんなふうに、良い関係を築けていると思っていた方に、
「ひどいヘルパーだ。」と言われてしまった。
それで余計、辛かったんだと思います。

一方で、利用者様は、一人で買い物に行けないのに、必要なものが足りなくなっている。
無くなってしまったらどうしよう。
そんな不安の中、依頼に答えてもらえなかったことに苛立ち、ヘルパーに向けたのでしょう。
買い物の支援についても見直す必要がありました。
伝え方も、きっともっと良い方法があったでしょう。

後日、ご本人様も落ち着いて、ご理解いただけました。
また引き続き私も訪問させていただきました。
やり直すチャンスがあるのは、訪問介護のありがたいところです。

統制された情緒的関与の原則

アメリカの社会福祉学者、バイステックが、
支援者が相談援助を進めていく上で心得るべき法則として、
「バイステックの7つの原則」を提唱しています。
その一つに「統制された情緒的関与の原則」というものがあります。
上記に書いたようなことと通じるので、ここで紹介いたします。

援助者は自分自身の感情を適切にコントロールし、
感受性をはたらかせることによって、
利用者の感情の意味を理解し、意図的にその感情に反応し、援助に役立てる。
(2015年『介護職員実務者研修テキスト』p116(ミネルヴァ書房)より引用)

「意図的にその(利用者の)感情に反応し」とあります。
利用者さまの「怒り」や「悲しみ」といった感情を受け止めた上で、
自分の中に生まれる感情と向き合い、そしてそれを支援に役立てる。
なかなか、身(心?)を呈した手法と思いますが、
実際日々現場にいると、確かに必要な手段だとわかります。

気持ちが綻ぶ瞬間

日常的に顔を合わせることができるのはヘルパーの特権です。
いざ、話し合いをしましょう、という場では誰だって身構えてしまうでしょう。
慣れ親しんだヘルパーに対しては、ふとした時に感情が表れやすくなります。

なんだか一生懸命掃除機をかけているヘルパーの背中を見たとき、
デイサービスの車を待って外を眺めている時、
お風呂に入って一息ついた時、
ふと「実はね・・・」「そう言えばね・・・」と言葉が出てくることがあります。
その瞬間を見逃さないで、受け止められるように。
そうしてご本人が「聞いてもらえた」と感じられたら、それはとても大きな一歩です。
残念ながら記録表にチェックできる項目はありませんが、大事な実績です。

何年経っても・・・

もうすぐまる4年経ちます。いまだに、
初回訪問の冷たい視線には緊張するし、
ご家族の苦労と愛には涙が出るし、
利用者様の笑顔を見るのは死ぬほど嬉しいです。
これからもハートフルに仕事していきたいです。
なんて楽しい仕事なんでしょうね。

いよいよ本格的に就職活動が始まった頃でしょうか。
不安なこともあるかと思いますが、体に気をつけて、楽しんで、頑張ってください。
もし少しでも介護に興味が湧いたら、ぜひケアリッツを覗きに来てください!
ではまた!

中山