介護職の給与事情~ほんとのところはどうなの?
世の中における介護職の給与とは、どんなイメージでしょうか。
やはり介護職については、年収が低い割に仕事がきつくて大変、というイメージで語られることも多いため、「給与が安い!」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。
では、実際の状況としてはどうなっているのでしょうか?
今回は、イメージではなく客観的な数値をもとに、介護職の給与の実態について解説してみたいと思います。
さっそく、厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」を元に、東洋経済新聞社が作成した全129職種のランキングを見ていきましょう。
「職業別年収ランキング」1位~10位
1位 医師(1,237万)
2位 航空機操縦士(1,192万)
3位 大学教授(1,051万)
4位 公認会計士、税理士(1,042万)
5位 弁護士(1,029万)
6位 大学准教授(861万)
7位 記者(822万)
8位 不動産鑑定士(777万)
9位 歯科医師(757万)
10位 大学講師(708万)
さすがTOP10 ともなると給与も高額ですね。
医師を筆頭に、「先生」と言われる職業や難関資格が必要な職業がずらりと並びます。
では、介護職の給与はどうなっているでしょうか?
介護士だけでなく、介護に関係のある職種を拾ってみました。
「職業別年収ランキング」介護関連職種
20位 薬剤師(543万)
36位 看護師(478万)
72位 准看護師(405万)
74位 理学療法士、作業療法士(404万)
87位 ケアマネージャー(377万)
95位 栄養士(345万)
106位 福祉施設介護員(329万)
116位 ホームヘルパー(313万)
残念ながら医療系の資格者を除くと、やはりイメージ通り(?)、介護職の年収は129職種の中で下位の方に位置しているようです。
何とかワースト10は免れた、といったところでしょうか。
ちなみにすぐ下の順位の職業としては、117位警備員(308万)、119位に理容・美容師(295万)といった、わりと日常生活に身近な職種が並んでいます。
さて、こうなるとついつい気になってしまうワースト5を見てみましょう!
「職業別年収ランキング」ワースト5
125位 調理師見習(252万)
126位 スーパー店チェッカー(251万)
127位 ビル清掃員(241万)
128位 洋裁工(232万)
129位 ミシン縫製工(208万)
さすがに年収250万以下となると、なかなか思うような生活を送るのは難しいですよね。
あまりなじみのない職種もありますが、現実にはこういった給与帯の職業も存在しているのが現状、ということです。
介護職の年収が低いのは男女比が原因?
さて、こうしてランキングだけを見ていくと、やはりイメージ通り、介護職は実際に他の職種と比べて年収が低い、という結論になってしまいそうです。
しかし、男女比に注目すると、ちょっと違った見方もできるようです。
まず、男女別平均年収を比べてみましょう。
正規男性社員 532万
正規女性社員 359万
このように、実は男女間では170万円以上もの格差が存在しています。
ちなみに、TOP10 で見てきた職業は圧倒的に男性比率が高いのが特徴です。
一方、介護職は訪問介護で(男性1:女性9)施設職員で(男性2:女性8)と言われており、女性比率が非常に高い職種です。
男女の給与差が大きいことについては、それはそれで問題であり議論が必要と言えますが、ともかく正規女性社員の平均359万円と比べてみた場合、極端に介護職の年収が他職種よりも低い、というわけではないようです。
介護事業者によって年収も違う?
介護職全体としての給与については、これまで見てきた通りですが、では同じ介護職同士では給与の差はあるのでしょうか?
実は、上場企業などの公開されている介護事業者の平均年収を見てみると、多い企業と少ない企業では150万円以上の開きがあるのです。
もちろん、同じ介護職と言っても業態により給与は異なります。
例えば施設系は夜勤があるので高くなりがちですが、同じ業態の企業で比べてみても年収にして100万円近くの差があったりします。
ではどうしてこういった差が生まれるのでしょうか?
大きな要因としては、会社の規模と業務の効率性、また社員に対する還元方針が考えられます。
多くの皆さんが感じられている通り、介護業界はIT化が遅れており、いまだに記録や連絡は紙やFAXが主流です。
そのような業務をしっかり効率化できている企業は、必然的に無駄な業務コストが削減でき、利益を上げやすくなります。
そしてそうして上がった利益をどこまで社員に人件費として還元するか、これは会社の経営方針によってきます。
また、最初からある程度高い給与を出すがその後も一定、といった方針の会社もあれば、逆に給与が低いところからスタートするものの活躍や在籍期間に応じて、ぐんぐん給与が伸びる方針の会社もあったりします。
一般的に前者は比較的規模が一定で、人が入ってもすぐに入れ替わっている企業に多く、後者は人の数が増え、拡大している企業に多いと言えます。
人の数を増やして拡大したい、という会社の方針であれば、そのためには社員に長く働いてもらう必要があるため、そういった制度設計になるわけです。
まとめ
ここまで見てきた通り、介護職の給与は、男女比を鑑みるとそこまで他職種に劣るわけではなく、また同じ業種内でも会社の経営方針などによって給与が大きく異なる、ということがわかりましたね。
介護職で転職しようという際には、初任給だけでなく会社の業績の伸びや今後の給与の見通し、経営ビジョンや方針といったところまでよく見て、選びたいですね。
ちなみに弊社ケアリッツ・アンド・パートナーズでは、自社開発のシステムを導入し、スマホを活用しシフト作成や記録票管理、請求業務などを効率化しています。
また、設立以来、毎年140%以上の成長率で伸びており、売上1000億を目指して現在も拡大中となっています。
利益は人件費に還元し、『夜勤なし』で年収340万~450万円という高待遇を実現していますので、もし、転職を考えておられる方がおりましたら、ぜひ弊社の求人も参考にしてみてくださいね!
WRITER
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。
ペーパー薬剤師。