こんなに違う?介護会社の将来性とキャリアアップ
最近、商店街や街中を歩いていると、結構ヘルパーステーションなどを目にすることが多くないですか?
街を走る車も、デイサービスの車をよく目にしますよね。
実は、介護事業所の数は、コンビニの約5倍もあると言われているのです。
同じ介護業界でも、このように星の数ほどいろんな会社があるなかで、自分のキャリアアップを考えた時にどのような会社を選べば良いのでしょうか?
キャリアパスがある企業、研修制度が充実している企業、という条件を挙げる方も多いと思いますが、実はもっと重要な指標があるのです。
まずは企業の利益率に注目!
2019年に発表された厚生労働省のデータをみると、介護事業者の利益率は平均3.1%となっています。
一方で、菅総理大臣が料金の引き下げを目指すと公言した携帯大手3社の利益率は、20%程度で推移しています。
利益率にしてなんと約7倍!この差はどのようにし生まれてくるのでしょうか?
いろいろな要因が挙げられますが、注目したいのはその業界のプレイヤーの数です。
例えば、携帯電話業界は大手3社が90%を寡占しています。
他にも利益率が高いとされる自動車、金融などの業界も、同じくトッププレイヤーが寡占状態にあると言えるでしょう。
こういった業界構造の中では、過当競争による価格のたたき合いにはなりづらく、また会社の規模が巨大であるために生産性が高くコストが下げられるため、利益率が高くなります。
介護業界の現状
では、介護業界はどのような状況なのでしょうか?
携帯電話では大手3社が90%のシェアを獲得していましたが、介護業界のTOP3社のシェアは、なんと全介護事業所の3%にも満たないのです。
大手企業といっても、他の業界と比べると、その業界内における存在感はかなり低いのです。
このように、ロングテールな業界となってしまった背景には、多くの介護事業者が乱立し、いずれも成長できずに留まっていることが挙げられます。
成長率とキャリアップ
企業は事業拡大だけが目的ではありません。
しかし、キャリアアップを考えた時には、拡大している会社か否かによって大きな違いが出てきます。
例えば、こんな事例を考えてみましょう。
A社:10の事業所があり、毎年1事業所づつ増やしていく企業
B社:10の事業所があり、毎年30%近く事業所(売上)を増やしていく企業
10年後2つの会社はどうなっているでしょうか?A社は20事業所となり2倍の規模になりました。
一方でB社は、10倍の100事業所体制にまで成長します。
その時に考えてもらいたいのが、キャリアアップのためのポストです。
A社が新たに10の管理者が必要なのに対し、B社は90ものポストが生まれています。
つまり、単純計算だとA社よりB社のほうが、9倍もキャリアアップする可能性が高くなるのです。
未来を測る指標
ここまで見てきて分かった通り、介護業界は小さな会社が乱立しており、「成長力」のある企業は現状あまり多くない、と言えます。
しかし、介護業界でキャリアアップを図るためには、もちろん個人の成長も重要ですが、それ以上にその企業の「成長力」が重要となってきます。
「成長力」があるということは、新たにポストが生まれるだけでなく、業務の効率化も進み、コストが抑えられます。結果として利益率も上がり、給与も高くなる傾向があります。
介護業界で長く働き、キャリアアップを目指したいという方は、未来を測る指標である、企業の「成長力」も参考にしてくださいね。
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◎東京都における「訪問介護事業」の法人別事業所数及び成長力実態調査
https://westy.co.jp/pdf/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9200527.pdf
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ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。
ペーパー薬剤師。