歩行介助の具体的な方法を詳しく解説!種類や安心して行うためのポイントも紹介

転倒防止や安全な歩行をサポートするため、歩行介助は欠かせない重要なスキルです。
しかし、歩行の特徴や身体状況は一人ひとり異なるため、「どのような介助方法が適切なのか」「注意点はどこにあるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、歩行介助の具体的な方法をわかりやすく解説し、種類や安全に行うためのポイントも詳しく紹介します。
介助がスムーズに行えず悩んでいる方や、実際の現場で活かしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも歩行介助とは?目的やメリットは?
歩行介助とは、下半身における身体機能が低下し、歩行が困難な方に対して行う介助のことを指します。
具体的には、対象者の目指す目的地までの歩行をサポートしたり、リハビリのために介助したりします。
では、その目的や得られるメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。
歩行介助の目的
歩行介助の最大の目的は、転倒によるケガを防ぐことです。
高齢者の方や何かしらの理由により歩行困難である方は、歩行時にバランスを崩しやすく、転倒リスクが非常に高いです。
転倒はケガや骨折につながることもあり、最悪の場合、寝たきりの生活になる可能性もあるのです。
こういったリスクを防ぐためにも、歩行介助は安心・安全な歩行をサポートする重要な役割を果たします。
また、身体機能を維持できることも大きな目的です。
歩行介助をすることで、対象者が自らの足で歩く機会を持ち続けられるため、筋力や体力の維持にもつながります。
寝たきりや車椅子生活のリスクを軽減し、生活の質(QOL)の向上を目指せます。
歩行介助で得られるメリット
歩行介助は、歩行を安全にできるようサポートするだけでなく、身体機能の維持や健康増進にもつながる多くのメリットがあります。
ここでは、高齢者の方が歩行介助を受けることで得られるメリットを紹介していきます。
【活動範囲が広がりリハビリにもなる】
歩行する機会が減ってしまうと、身体機能だけでなく、脳の低下も招いてしまいます。
しかし、歩くことで活動範囲を広げ、他者や社会とのつながりを増やせば、身体や脳の刺激を増やす機会となります。
人との関わりが増えることで脳が活性化し、日常生活への意欲向上にもつながるでしょう。
さらに、活動範囲が広がることで体を動かす機会が増え、リハビリ効果も期待できます。
【転倒や寝たきりのリスクを減らせる】
高齢者の方は歩行の機会が少なくなると、下半身の身体機能が低下しやすくなり、転倒の危険性が高まります。
転倒はケガや骨折だけでなく、寝たきりの生活になるリスクもあります。
しかし、歩行介助により日々の歩数が増えると、筋肉を動かす機会が増え身体機能の維持にもつながるので、転倒や寝たきりのリスクを減らせるでしょう。
【生活習慣病のリスクを軽減できる】
歩行は、リハビリや転倒を減らすだけではなく、生活習慣病の予防も期待できます。
厚生労働省によると、1日1時間歩くだけで生活習慣病のリスクを数パーセント減らすことが期待できると発表しています。
歩くということは有酸素運動になりますので、心肺機能の向上や血圧の安定などの効果が期待でき、生活習慣病のリスクを軽減できるでしょう。
また、身体を動かすことはストレス解消などにもなりますので、精神的なメリットも大きくなります。
歩行介助の種類と具体的な介助方法
歩行介助といっても、その種類はいくつかあり、それぞれ介助方法も大きく異なります。
主な歩行介助の種類は以下の通りです。
- 見守り歩行介助
- 寄り添い歩行介助
- 手引き歩行介助
- 階段昇降時の歩行介助
- 杖を使った歩行介助
- 歩行器具を使った歩行介助
この章では、それぞれの特徴や具体的な介助方法について詳しく解説します。
見守り歩行介助
見守り歩行介助は、対象者に直接触れず、側で見守る介助のことをいいます。
比較的介助度やサポートが低めの方に行う方法です。
具体的な介助方法は以下の通りです。
- 対象者の「斜め後ろ」に立つ
- 対象者が足を出すタイミングに応じてケア提供者も同様に足を動かす
- 右足、左足、右足の順でリズムよく繰り返す
このとき歩行ペースに合わせて「いち、に、いち、に」と声掛けすると、リズム良く足を出しやすくなります。
また、側で見守りながら転倒に対応できるように、備えておくことも重要です。
寄り添い歩行介助
寄り添い歩行介助は、ふらつきや転倒の際に対応しやすく、麻痺をお持ちの方や安定した歩行が難しい方に有効な方法です。
具体的な介助方法は以下の通りです。
- ケア提供者は対象者の利き手と反対側に立つ ※麻痺をお持ちの方は患側に立つ
- 対象者の「脇の下」と「手首もしくは前腕」を下から支える
- お互いが同じ進行方向を向く
- 対象者のペースに合わせて一緒に歩く
ポイントとしては、ケア提供者は対象者を支えすぎないように、サポートをする程度と意識することです。
ただし、対象者は体をあずけることとなるため、ケア提供者は自分の姿勢や体勢に気をつける必要があります。
手引き歩行介助
手引き歩行介助は、対象者とケア提供者が向き合う形で、両腕を下から補助しながら介助します。
比較的転倒リスクが高く、1人では歩行バランスがとりにくい方に有効です。
具体的な介助方法は以下の通りです。
- 対象者とケア提供者が向き合う形で立つ
- ケア提供者は対象者の肘を下から持つ
- 対象者はケア提供者の肘を上から支えてもらうイメージで持つ
- ケア提供者の後方に向かって誘導するように歩く
- 対象者の足の動きに対しケア提供者は逆側の足を動かす
手引き歩行介助は、ケア提供者の後方に向かって歩くことになるので、周りに障害物がないか確認することがポイントです。
また、対象者の手を持つ方もいますが、前方に転倒しそうになったときに支えられなくなるため、必ず肘を下から支えるように介助しましょう。
階段昇降時における歩行介助
階段を昇降する際の介助は、特に転倒の危険が増すため、細心の注意を払いながらサポートする必要があります。
具体的な方法は以下の通りです。
【昇段時】
- 対象者は杖もしくは手すりを持つ
- ケア提供者は対象者の斜め後ろ(1段下)に立ち腰や前腕を支える
- 杖もしくは手すりを1段上げ、その後に健側、次に患側を出すの順で進む
【降段時】
- 対象者は杖もしくは手すりを持つ
- ケア提供者は対象者の斜め前(1段下)に立ち、腰や前腕を支える
- 杖もしくは手すりを1段下げ、その後に患側、次に健側を出すの順で進む
ケア提供者は、基本的に転倒や転落に備えて1段下に立ちます。
また、階段昇降は体力を使いやすいので、対象者の様子に応じて無理しないように気をつけましょう。
杖を使用している方の歩行介助
杖の場合は、持ち手と反対側の体をサポートします。
具体的な方法は以下の通りです。
- 杖の長さを肘が軽く30度曲がるくらいの高さに合わせる
- 対象者は動きづらい足とは逆の手で杖を握る
- ケア提供者は杖を持っていない方に立ち、対象者の脇や肘、腰に手を添える ※このとき右側なら右手を肘、左手を腰にすると安定しやすいです。左側なら左手を肘、右手を腰にすると良いでしょう。
- 杖を先に、その後に患側、次に健側を出す順で進む
杖を使う際は、先端部分が摩耗して滑りやすくなっていないか、定期的な点検が必要です。
また、使用方法を指導する目的もありますので、初めて杖を使う方には丁寧に指導しましょう。
歩行補助器具を使う際の介助方法と注意点
杖などの補助器具にもいくつか種類があり、使用する方の状態に応じた選び方が大切です。
また、それぞれ特徴や手順が異なりますので、ここで確認していきましょう。
歩行器の場合の歩行介助
歩行器は、体を囲むような作りになっており、4本の足でバランス良く体を支えられるのが特徴です。
上半身を歩行器に預けられるので、転倒によるケガのリスクを減らせ、加えて足腰の負担も抑えられます。
具体的な方法は以下の通りです。
- 対象者が歩きやすいように高さを調整する
- ケア提供者は対象者の斜め後ろに立つ
- 「歩行器→患側→健側」順番で進む
介助する際は、障害物や段差がないか注意を払い、必要であれば声掛けしましょう。
四点杖の場合の介助方法
四点杖は、先端が4つに分かれている杖のことで、一般的な杖よりも支持力が強く、立位保持しやすいところが特徴です。
具体的な方法は以下の通りです。
- 立った状態で杖を握った際に肘が30°程度曲がる長さに調節する
- 対象者は動きづらい足とは逆の手で杖を握る
- ケア提供者は患側に立ち腰や肘に手を添える ※このとき右側なら右手を肘、左手を腰にすると安定しやすいです ※左側なら左手を肘、右手を腰にすると良いでしょう
- 杖を先に、その後に患側、次に健側を出す順で進む
屋外の場合は、段差や凹凸などの路面状況を確認しながらサポートしましょう。
ロフストランド杖の介助方法
ロフストランド杖は、体重を支えるグリップと、上部に腕を通すカフ(輪っか)が付いている杖のことです。
体重分散がしやすく、握力の弱い方や手首に力が入りにくい方に適しています。
具体的な介助方法は以下の通りです。
- 立ったまま足先前側15cm、外側15cmのところに杖を置き、肘関節下にカフがくるように長さを調節する
- 対象者は健側の腕にロフストランド杖を持つ ※カフに腕を入れ手の甲が上に向くように持ち手を握ります
- ケア提供者は患側に立ち背中に手を添える ※場合によっては脇や前腕を支える
- 杖を先に、その後に患側、次に健側を出す順で進む
ロフストランド杖は、一般的な杖と同様に、杖の長さやサポートは身体機能に合わせて調節する必要があります。
タイヤあり歩行器の場合の歩行介助
タイヤあり歩行器は、一般的な歩行器と異なり前方にも後方にも進める特徴を持っています。
タイヤなしの歩行器よりも自由度は高くなりますが、その分転倒に気をつける必要があります。
具体的な方法は以下の通りです。
- 対象者が歩きやすいように高さを調整する
- ケア提供者は対象者の後方に立ち、腰や両脇に手を添える
- 対象者が進むペースと同様にケア提供者も進む
屋外で使用する場合は、段差や凹凸などの路面状況に注意しながら、必要であれば声掛けしましょう。
シルバーカーの場合の歩行介助
シルバーカーは、歩行は比較的安定しているが、物を持った状態での歩行が難しい方や、膝や腰に痛みがある方におすすめです。
手押し車とも呼ばれており、物を収納できるカゴが付いているタイプや、カゴの上に座って休めるタイプなどがあります。
具体的な使用方法や介助手順は以下の通りです。
- 対象者が歩きやすいようにハンドルの高さを調整する
- ブレーキが利くか確認する
- ケア提供者は対象者の斜め後ろに立ち、脇や腰に手を添える
- 状況に応じて対象者の脇をサポートする
対象者は、姿勢が前のめりになりすぎないよう気をつける必要があります。
また、使用する際は段差や斜面に注意し、座って休憩する際はロックのかけ忘れに気をつけましょう。
歩行補助器具を使用する際の注意点
歩行補助器具を使用する際は、「立ち位置」「手順」「歩幅」の3つに気をつける必要があります。
具体的には以下のポイントに気をつけましょう。
- 立ち位置:基本的に対象者の「斜め後ろ」
- 手順:「補助器具→患側→健側」
- 歩幅:対象者のペースに合わせてサポート
ケア提供者は、転倒を避けるために、すぐに対応できる準備をしておくことが重要です。
また、密着しすぎたり離れすぎたりすることを避け、適切な距離を保ちましょう。
身体状況に応じた歩行介助の方法
歩行介助は、種類によって手順や方法が異なりますが、加えて対象者の身体の状態によっても大きく異なります。
高齢者の方に多い4つの疾患に添った介助方法を紹介しますので、一緒に確認していきましょう。
片麻痺をお持ちの方への介助方法
片麻痺をお持ちの方への介助方法は、健側をうまく活用しつつ麻痺側をサポートするのがポイントです。
具体的には以下の方法で行います。
- 装具が必要な場合、正しく装着されているか確認する
- 患側で、ある程度踏ん張れるか確認する
- ケア提供者は麻痺側に立って、腰や脇を支える
- 杖を先に、その後に患側、次に健側を出す順で進む
介助する前に、麻痺のある足で、ある程度力を入れて踏ん張れるか確認しますが、これを行う理由は、踏ん張りがきかないと転倒してしまう恐れがあるからです。
パーキンソン病の方への介助方法
パーキンソン病の方の場合は、いくつかの特徴的な症状に気をつけてサポートする必要があります。
主な症状には以下が挙げられます。
- すくみ足(歩き出しの1歩目が踏み出せない)
- 前かがみ姿勢
- 小刻みすり足
- 加速歩行(歩く速度が少しずつ速くなる)
これらの症状に合わせて適切にサポートする必要があります。
すくみ足の場合は、一歩目の足あたりに線を引いたり、歩行のガイドラインとなるものを置いたりすることが有効です。
また、「いち、に、いち、に」のようなリズムの取りやすい声掛けを行うと、歩行のテンポが取りやすくなります。
前かがみ姿勢や小刻みすり足の場合は、体を真っ直ぐするよう声掛けしたり、できるだけ大股で歩くよう促したりすることが有効です。
加速歩行の場合は、一緒に横に立ち、一定の速度で歩くよう促すのが良いでしょう。
また、歩行速度が速くなってきたら、1度止まってから再び歩き出すことも効果的です。
半側空間無視の方への介助方法
半側空間無視とは、片側の視覚が見えているにもかかわらず、その側の物を見落としたり、存在に気づかなかったりする症状のことです。
半側空間無視の方への介助方法は、対象者が認識しづらい側に立ち、その方向から何があるかなどの声掛けをします。
特に見づらい側にある障害物や段差などは、積極的に声掛けしていきましょう。
ただし、声掛けのしすぎは逆にストレスとなりますので、適度なタイミングを見極めながら行うことが重要です。
認知症の方への介助方法
認知症の方への介助方法は、言葉だけでなく、目的地に目印を付けたり、歩く方向に矢印を付けたりするのが有効です。
認知症の方は言葉だけで介助すると、認識や判断能力の低下から不安が強くなりやすいです。
そのため、ケア提供者と対象者の双方が認識できる目的地を作っておくのが良いでしょう。
また、認知症をお持ちの方は、突然行動が変わったり、不安になったりするため、ケア提供者は常に笑顔や穏やかな雰囲気を持つ意識を持ちましょう。
歩行介助する際に注意すべきポイント
ここまで、歩行介助の種類や状態別の介助方法を紹介してきましたが、具体的な注意すべきポイントを知りたい方も多いと思います。
ここからは、歩行介助する際に特に注意しておきたいポイントを紹介していきます。
身体の状態を把握し転倒リスクを減らす
歩行介助といっても、対象者一人ひとりの身体の状態によって介助方法は異なります。
たとえば、以下のような状態が挙げられます。
- 「上半身に力が入りやすく腕の力で支えやすい」
- 「上半身と下半身とともに力が入りにくい」
- 「長い距離は難しい」 など
上記のように、ここまで紹介してきた種類や状態とは別に、対象者の身体の状態を把握する必要があります。
身体の状態を把握しておけば、負担のない介助ができ、さらに転倒リスクも減らせるでしょう。
歩行の妨げになる障害物を取り除いておく
歩行介助は、場所によって足元や進行方向にある障害物などに注意する必要があります。
具体的には、室内であれば電気コードや敷物、屋外であれば凹凸や段差などです。
特に手引き介助や階段の昇降時は、ケア提供者の背中方向に歩きますので、事前に確認しておきましょう。
歩きやすい靴や服装を選ぶ
介助歩行を行う際は、安定感のある靴や適切な服装を選ぶことが欠かせません。
たとえば、スリッパやサンダルだと滑ったり脱げたりするので、非常に危険です。
また、動きづらい服装だと転びそうになったときに迅速に対応できません。
そのため、足のサイズが合っている靴や滑り止めが付いている靴、ストレッチ性のある服装などを選ぶようにしましょう。
体調と歩行する意志を確認する
いくらケア提供者に意欲があっても、対象者の意志がないとお互いの負担が増えるだけです。
また、身体の疲れや痛みなど、体調不良により歩きたくないという日もあるでしょう。
介助が必要な方は、あくまで人間ですので「今日は気分が乗らない」「歩きたくない」というのは普通のことです。
無理だけはせず、状況に応じて車椅子などの別の手段を使うことも検討しましょう。
自然な動きを意識する
歩行は、「片足に重心を乗せる→もう片方の足を出す」が基本動作で、その際、体の関節や筋肉がバランスをとりながら1歩1歩進みます。
そのため、介助する際は動きを妨げないように、人の歩く動きを正しく理解しておくことが重要です。
また、対象者の体の状態を把握する際に、どの部分に補助が必要か、どの程度の支えが必要なのかを理解しておくことも必要です。
立ち位置に注意する
歩行介助の立ち位置は、対象者の「斜め後ろ」が基本で、加えて転びそうになったときに、迅速に対応できる距離感にも注意が必要です。
また、階段の昇降時は、昇るときは「後ろ」、降りるときは「前」の位置に立ちましょう。
ただし、距離が近すぎると歩行の妨げになる可能性があるため、適切な距離感を把握しておくと良いでしょう。
声掛けも行う
ケア提供者は対象者の動きに応じた声掛けが必要です。
具体的には、「いち、に、いち、に」と歩きやすいリズムの声掛けをすると、スムーズに動きやすくなります。
また、事前に「◯◯まで行きましょう」「疲れたときはおっしゃってくださいね」などと伝えておくと、対象者も安心できるでしょう。
対象者に合わせた歩行ペースを心がける
対象者は、病気や身体の状態によって足を出すスピードや歩き方の特徴が異なってきます。
体の状態を把握すると同時に、本人のペースに応じた補助が必要です。
間違っても体や腕を引っ張って、急かしたり無理に促したりすることは、転倒やケガにつながりますので、絶対にやめましょう。
ズボンなど衣類を持っての介助はやめる
介助する際、ズボンなどの衣類を持って介助する方もいるかもしれませんが、歩行を妨げる可能性があるため絶対にやめておきましょう。
また、ふらつきや転びそうなときに、咄嗟に衣類を持つ状況も考えられますが、ズボンが擦れて傷になったり破れたりしてしまう可能性があります。
ふらつきや転びそうになったときは、衣類ではなく腰に手を添えると、転倒のリスクの際にすぐに対応できます。
歩行器具はこまめな点検を行う
介助が必要な方の多くが歩行器具を使用しますが、長期間使用している場合は、滑りやすかったり動かしにくくなったりします。
そのため、こまめな点検は欠かさず行いましょう。
また、使用する方の身体の状態が変わる可能性もあるため、器具が適しているかこまめなチェックが必要です。
野外で歩行介助する際は事前に休息場所を把握する
室内であれば、どこかしらに座るスペースがあるので問題ありませんが、屋外で介助する際は、座って休める場所をあらかじめ把握しておく必要があります。
また、対象者の体調によっては急に歩けなくなる可能性もあるため、休憩場所は複数用意しておくと安心できます。
万が一休憩場所が確保できない場合は、他のスタッフを呼べるようにしておいたり、車椅子を準備したりしておくなどすると良いでしょう。
気になるところがあればすぐに相談・共有する
ケア提供者が歩行介助するうえで、もっとも重要といえるのが転倒を避けることです。
いつものやり方で介助していたときに、「転びそうになった」「いつもより歩きにくそうだった」など、ちょっとした変化があるときは、すぐに相談や共有をしましょう。
「大丈夫だろう」といった個人的な判断は、その後の事故につながるよくあるケースです。
大きな事故を避けるためにも、気づいたことがあれば、その場で相談や共有をするように意識しましょう。
まとめ
本記事では、歩行介助の目的やメリット、種類や状態別の具体的な介助方法、安心して行うためのポイントを紹介しました。
歩行介助は、安全な歩行を手助けするだけでなく、転倒リスクの軽減や身体機能の維持、生活の質向上にも大きく関わってきます。
対象者の身体の状態や状況に応じた適切な介助を行うことで、安心感を与えるだけでなく、日常生活への意欲向上にもつながるでしょう。
今回紹介したポイントを参考に、より安全で効果的な歩行介助を実践してみてください。