ヘルパーの資格を種類別に紹介!費用を抑えて取得する方法も解説

ヘルパーとして働きたいけれど「どのような資格が必要なのか」「取得方法が分からない」と疑問に思うでしょう。
ヘルパーに関する資格はいくつかあるため、それぞれの違いや取得の流れを知ることが大切です。
本記事ではヘルパーの資格を種類別に分かりやすく紹介し、さらに費用を抑えて取得する方法も解説していきます。
ぜひ参考にして、ヘルパーとしての一歩を踏み出しましょう。
【種類別】ヘルパーの資格内容と取得方法
ヘルパーとして働くには、雇用形態に関わらず資格を取得する必要があります。
ヘルパーの主な資格は以下の3つです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
ここでは、それぞれの資格内容と取得方法を紹介していきます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職を始める方が初めに取得するのにおすすめな資格です。
受験資格はないため誰でも挑戦でき、合格率は90%と難易度も比較的低いといえます。
取得費用は取得場所によって異なりますが、3万〜5万円程度が相場です。
【資格内容】
介護職員としての基礎知識やスキルを身につけることができる、介護職のスタートライン資格です。
主に身体介護の方法や、コミュニケーション技術などを学習します。
【取得方法】
介護職員初任者研修は130時間の講義や演習を受講し、修了テストに合格すると取得できます。
カリキュラムは自治体や民間団体、社会福祉協議会などで幅広く実施されていますが、基本的な学習内容は同じです。
介護の資格や経験がなくとも誰でも受講可能で、最短2ヶ月程度で取得できるため、多くの方が受講しています。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護職で唯一の国家資格である「介護福祉士」になるために、必ず取得しなければならない資格です。
介護職員初任者研修の内容を理解していれば回答できる問題が中心となっているため、合格率は100%近いといわれています。
【資格内容】
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格です。
より質の高い介護サービスを提供するために、専門性の高い知識やスキルを学習します。
サービス提供責任者の職種に就くこともできるようになるなど、職場の選択肢が広がり、キャリアアップを目指せます。
【取得方法】
国から認定されたスクールで受講が可能で、通信コースと通学コースがあります。
カリキュラムは20科目からなり、合計450時間の履修が必要です。
ただし、保有資格によっては、一部のカリキュラムが免除されます。
取得目安は6ヶ月~1年間程度とされていますが、保有資格によっては最短で2ヶ月程度で取得できる場合もあります。
介護福祉士
介護福祉士は、介護職で唯一の国家資格です。
資格取得要件を満たさなければなりませんが、合格率は70~80%程度で、国家資格の中では比較的難易度は低いといえます。
【資格内容】
介護福祉士は、介護の専門的な知識やスキルがあることを証明する資格です。
転職にも有利で、資格手当により給料がアップする職場も多くあります。
資格を持っていることでスキルアップも期待できるため、興味がある方はチェックしましょう。
【取得方法】
介護福祉士の取得方法は、以下の4つがあります。
- 実務経験ルート
- 養成学校ルート
- 福祉系高校ルート
- 経済連携協定ルート
上記のいずれかに定められている資格要件を満たさなければ、受験できません。
なお、働きながら資格を取得する「実務経験ルート」で受験資格を取得するのが一般的です。
ただし、実務経験が必要なことから、最短でも3年程度かかることを覚えておきましょう。
廃止されたホームヘルパー1級・2級の資格とは?
ここでは、2013年に廃止されたヘルパー1級と2級について解説していきます。
ホームヘルパー1級と2級は2013年に廃止された
ホームヘルパー1級・2級が廃止された理由は、介護の質向上と資格制度の簡素化が主な目的です。
2013年3月にこれらの資格が廃止され、代わりに「介護職員初任者研修」と「介護職員実務者研修」が導入されました。
まず、介護福祉士の資格取得に必要な実務経験ルートでは、研修が不要で受験資格を得られる仕組みが批判されていたため、介護知識や技術の向上を目的に介護職員初任者研修が登場しました。
とくにホームヘルパー2級に代わるこの研修は、技術重視のカリキュラムや筆記試験が加わり、より専門性が求められる内容となっています。
さらに複雑化していた資格制度の統一を図るため、キャリアパスを「初任者研修」→「実務者研修」→「介護福祉士」と一本化するのも目的です。
これにより、次に取得すべき資格が明確になり、効率的にキャリアを積める仕組みが整備されました。
このように、質の安定と明確なキャリアパスを実現するため、ホームヘルパー資格は廃止され、新たな研修制度へと移行しました。
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い
ホームヘルパーでは30時間の施設実習が必須でしたが、介護職員初任者研修ではこの実習がなくなり、その代わりに実技実習の時間が2倍に増加しました。
これにより、現場で必要とされる技術を実践的に学べる機会が増えました。
また新たに筆記試験が導入されましたが、研修内容を振り返る形式のため難易度は高く設定されていません。
このような変更により実技に重点を置きつつ、知識の確認も行えるカリキュラムが整備されました。
結果として介護職員初任者研修はより実践的で分かりやすい研修制度となり、介護職員が効率的に成長できる基盤を提供しています。
ホームヘルパー1級と介護福祉実務者研修の違い
両者はほぼ同様の内容を扱いますが、大きな違いとして「医療的ケア」や「介護課程Ⅱ」の学習が加えられています。
そのため、ホームヘルパー1級を取得済みの方が介護福祉実務者研修を受講する場合、新設された科目を受講しなければいけません。
ヘルパーの資格を取得するメリット
ヘルパーの資格を取得するメリットは以下のとおりです。
- 就職先の選択肢が増える
- 知識を取得できる
- キャリアアップできる
- 収入増加が期待できる
それぞれのメリットを解説していきます。
就職先の選択肢が増える
1つ目のメリットは、就職先の選択肢が増えることです。
無資格から働ける介護施設だけよりも、応募できる求人の幅が広がるでしょう。
就職先が広がることで、より自分に合った職場を見つけやすくなるのもポイントです。
知識を取得できる
2つめのメリットは、知識を取得できることです。
介護職の基本的な知識を身に着けられるだけでなく、あなたが介護職に向いているかどうかの判断材料にもなります。
また、介護職に関する知識のほかに心理学や高齢者の病気、法律などの幅広い知識が身につきます。
キャリアアップできる
3つ目のメリットは、キャリアアップできることです。
介護業界は保有資格によって、さまざまなキャリア選択が可能です。
たとえば介護福祉士の資格を取得すれば、現場でのリーダーや責任を任されるポジションに就くことができるかもしれません。
そのほかにも保有資格によって違う働き方ができるため、介護職でキャリアアップを目指す場合は、資格を取得するのがおすすめです。
収入増加が期待できる
4つ目のメリットは、収入増加が期待できることです。
保有資格に応じて給料が高く設定されていることが多く、無資格者よりも給料の高い求人に応募できる可能性が高まります。
なお、施設によって資格による給与の設定は異なるため、あくまで参考としてご覧ください。
ヘルパーの資格取得費用を抑える方法
ヘルパーの資格取得を検討しているものの、費用が気になるという方もいるでしょう。
工夫次第では、資格取得にかかる費用を抑えることも可能です。
ヘルパーの資格取得費用を抑える方法は以下のとおりです。
- ハローワークの職業訓練を活用する
- 資格支援制度を利用する
- キャンペーン中の資格スクールに通う
- 資格取得支援のある施設で働く
それぞれの方法を解説していきます。
ハローワークの職業訓練を活用する
1つ目の方法は、ハローワークの職業訓練を活用することです。
ハローワークの職業訓練は国が行っている支援のことで、テキスト代の負担のみで介護職員初任者研修や介護福祉実務者研修を受講できます。
対象者はハローワークに求職登録しており、筆記試験と面接で合格した方です。
また特定の条件を満たす場合には支援訓練受講手当を受け取れるため、よりお得に資格を取得できるでしょう。
資格支援制度を利用する
2つ目の方法は、資格支援制度を利用することです。
労働者のキャリアアップ支援として、国が「教育訓練給付」を行っています。
ただし、雇用保険の加入期間や離職していた期間など、さまざまな条件を満たす必要があるため確認しましょう。
介護職員初任者研修は「特定一般教育訓練」の対象で、20万円を上限とした受講費の4割が訓練終了後にキャッシュバックされます。
介護福祉実務者研修は「専門実践教育給付訓練」の対象で、最大で受講費の7割がキャッシュバックされます。
ほかにも、都道府県や市町村などが独自に資格取得支援制度を設けていることもあるため、自治体のホームページなどを確認してみましょう。
キャンペーン中の資格スクールに通う
3つ目の方法は、キャンペーン中の資格スクールに通うことです。
介護事業者や転職サービスの運営する資格スクールでは、お得に資格取得を目指せるキャンペーンを開催することがあります。
定期的に資格スクールのキャンペーンがないか、チェックしておくと良いでしょう。
資格取得支援のある施設で働く
4つ目の方法は、資格取得支援のある施設で働くことです。
介護職員の教育や定着を目的として、資格取得支援を行っている介護施設も存在します。
なかには、介護職員初任者研修や介護福祉実務者研修を無料で取得できるだけでなく、受講日が出勤扱いになる場合もあります。
職場で知識やスキルを身に付けられるだけでなく、先輩にアドバイスをもらえるのもメリットです。
転職や就職する場合には、資格視線制度の有無もチェックするのがおすすめです。
まとめ
ヘルパーの主な資格は介護職員初任者研修、介護福祉実務者研修、介護福祉士の3つです。
資格を取得することで就職先の選択肢が増えることや、キャリアアップ・収入増加なども期待できます。
ヘルパーに関する資格の取得を、前向きに検討してみましょう。