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介護資格の取り方を種類別に解説!費用や期間も紹介

介護資格の取り方を種類別に解説!費用や期間も紹介

介護士を目指している方は資格の取得が必須です。

しかし、資格の種類が多い上に独学で取得を目指せるのか、スクールや専門学校に通わなければ取得を目指せないのか疑問に思っている方もいるでしょう。

本記事では、資格の種類や取り方を詳しく解説していきます。

かかる費用や、取得できるまでにかかる時間や期間も解説しているので、参考にしてください。

介護資格の取り方や順番は?

介護の資格を取得する際に明確な順番は決まっていませんが、未経験者と経験者では目指すべき資格が異なります。

効率よくキャリアアップするためにも、目的別におすすめの資格や順番を解説していきます。

未経験者:介護職員初任者研修

 

介護職員初任者研修は、未経験から介護職を目指す方は必見の資格です。

介護の基礎知識や基本的な技術を学ぶことができ、訪問介護や施設介護の現場で働くための基礎を身に付けられます。

この研修を修了すると認知症介護基礎研修の受講が免除され、実務者研修を受講する際には一部カリキュラムの免除が受けられます。

講座の受講時間は130時間程度で、通信講座と通学を組み合わせた形式が一般的です。

介護業界に興味があり、まずは基礎を学びたい方におすすめです。

介護福祉士を志望:実務者研修

 

実務者研修は介護職員初任者研修の内容をさらに発展させ、専門的な知識や技術を身に付けるための資格です。

特に、介護福祉士の国家試験を受験する際には、この研修の修了が必須となります。

受講時間は450時間と長めですが、すでに初任者研修を修了している場合は一部のカリキュラムが免除されるため、効率的に学ぶことが可能です。

この資格を取得すると介護の現場でのスキルが向上し、キャリアアップや給与の増加につながります。

介護福祉士を目指す方や、将来的にリーダーや管理職を目指したい方に適しています。

国家資格を目指す:介護福祉士

 

介護福祉士は介護職の国家資格であり、専門的な知識と実践スキルを学べます。

資格を取得すると介護現場での指導的な役割を担えるため、キャリアアップの大きな一歩になるでしょう。

介護福祉士の国家試験に合格すると資格手当が付く職場も多く、給与アップの可能性が高まります。

また、施設内でのリーダーとしての役割を担ったり、利用者やその家族と関わる機会が増えたりするため、よりやりがいのある仕事ができるでしょう。

種類別|介護資格の取り方

資格別に介護資格の取得方法や費用、所要時間を紹介していきます。

どの資格を取得するか考える際にも役立つため、チェックしておきましょう。

認知症介護基礎研修

 

認知症介護基礎研修は、認知症の方に適切なケアを提供するための基礎知識を学ぶ研修です。

介護業界で働くすべての職員が対象となり、無資格の方は受講が義務付けられました。

研修は基本的にeラーニングで受講しますが、自治体によっては集合研修やオンライン配信を実施している場合もあります。

受講費用は自治体ごとに異なりますが、相場は3,000~5,000円程度です。

動画視聴時間は150分程度で、講義終了後に確認テストが実施され、合格すると修了証が発行されます。

介護職員初任者研修

 

介護職員初任者研修は、前述のとおり介護職に必要な基礎知識とスキルを身に付けるための入門資格です。

研修は介護専門のスクールや、自治体が実施する職業訓練で受講可能です。

スクールで受講する場合は、修了後にそのまま就職につながるケースもあります。

ハローワークの職業訓練を利用すると給付金制度を活用でき、条件を満たせば無料もしくはリーズナブルな価格で受講できます。

受講費用はスクールや地域によって異なりますが、約4万~10万円とさまざまです。

ただし、都道府県や市区町村の助成金制度を活用することで、費用を抑えられる場合があります。

施設や事業所によっては、職員のスキルアップの一環として受講費を負担する制度を設けているところもあるため、勤務先で確認するのもおすすめです。

研修時間は130時間で、修了までに1~3カ月程度かかるでしょう。

受講方法は通学制や通信制など、ライフスタイルに合わせて受講スタイルを選択できます。

ただし、通信制の場合は一定期間のスクーリングが必要です。

介護福祉士実務者研修

 

介護福祉士実務者研修は、介護福祉士国家試験の受験資格を得るために必要な研修です。

スクールやハローワークの職業訓練で受講でき、指定の養成施設で実施されることが一般的です。

費用はスクールによって異なりますが、2万~20万円と幅広くなっています。

介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度を活用できますが、各自治体によって条件が異なるため事前に確認しましょう。

研修の修了までにかかる時間は、保有している資格によって異なります。

無資格の方は6カ月(450時間以上)、介護職員初任者研修を修了している方は320時間、介護職員基礎研修を修了している場合は50時間で完了します。

介護福祉士

 

介護福祉士は介護職としての国家資格であり、専門性を証明する資格です。

受験資格を得る方法には、以下の3つのルートがあります。

  • 実務経験ルート:実務経験3年+実務者研修修了後に国家試験を受験
  • 養成施設ルート:養成施設を卒業後に国家試験を受験
  • 福祉系高校ルート:福祉系高校を卒業後に国家試験を受験

 

取得までの期間はルートによって異なり、実務経験ルートと福祉系高校ルートでは最短3年、養成施設ルートでは最短1年です。

国家試験の受験料は年度ごとに異なるため、最新の情報を確認しましょう。

認定介護福祉士

 

認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格として位置づけられ、介護現場での指導やマネジメント能力を備えた専門職を養成するための資格です。

受講するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 介護福祉士の資格を保有していること
  • 介護福祉士資格を取得後、実務経験5年以上あること
  • 介護職員を対象とした現任研修の研修歴が100時間以上あること
  • 研修実施団体が課すレポート課題もしくは受講試験において一定水準の成績を修めていること

 

費用は研修を実施する団体によって異なりますが、相場は60万円程度です。

取得までに必要な時間は、合計600時間とされています。

ケアマネジャー

 

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、要介護者の自立を支援するためにケアプランを管理する専門職です。

受験資格は法定資格の保有と、5年以上かつ900日以上の実務経験があることです。

試験合格後に介護支援専門員実務研修を87時間受講し、修了後に登録申請を行うことで資格が交付されます。

無資格の方が資格取得を目指す場合は、介護職員初任者研修や介護福祉士の資格を取得した上で実務経験を積む必要があるため、取得までに8年前後かかることもあります。

福祉用具専門相談員

 

福祉用具専門相談員指定講習は、都道府県知事が指定した研修事業者が実施しています。

研修時間は50時間となっており、修了すれば福祉用具専門相談員としての職務に就くことが可能です。

なお、社会福祉士・介護福祉士・准看護師・看護師・保健師・義肢装具士・理学療法士・作業療法士のいずれかを保有している方は、研修の受講が免除されます。

受講資格の要件は特になく、無資格・未経験でも受講することができます。

費用は5万円前後が相場で、資格を取得するまでに必要な時間は最短50時間です。

喀痰吸引研修

 

喀痰吸引研修はスクールで受講できる研修で、第1号から第3号までの区分があります。

第1号・第2号研修は、不特定の方に対して喀痰吸引を実施する場合に必要です。

基本研修では50時間の講義に加え、シミュレーター講習や実地研修が含まれます。

実地研修の内容は第1号と第2号で異なり、第2号は選択制となっています。

第3号研修は特定の方に対して喀痰吸引を行う場合に必要で、基本研修の講義時間は9時間と短めです。

しかし、シミュレーター講習や実地研修が含まれ、研修修了後には筆記試験や演習評価を受ける必要があります。

費用は研修を実施する団体や受講する研修の種類によって異なり、15,000円から23万円程度です。

認知症ケア専門士

 

認知症ケア専門士資格を取得するには試験に合格し、申請手続きを完了させる必要があります。

受験資格として、認知症ケアに関する業務に3年以上従事していることが求められます。

認知症ケアを専門とする職場である必要はなく、業務の一環として携わっていれば対象ですが、ボランティア活動は実務経験に含まれないため注意しましょう。

試験は、一般社団法人日本認知症ケア学会が実施するものを受験します。

第1次試験はWeb試験で合格後に第2次試験の論述試験を受け、2つの試験に合格して登録申請を行うことで資格が取得できます。

受験料は第1次試験が3,000円×受験分野数、第2次試験が8,000円、認定料が15,000円です。

レクリエーション介護士

 

レクリエーション介護士資格は2級と1級の2つの階級があり、それぞれ取得方法が異なります。

2級を取得するには通学または通信講座を受講し、試験に合格する必要があります。

通信講座の場合は約3カ月にわたって学習を進め、筆記試験を自宅で受験し提出する方式です。

一方で通学講座は12時間程度の講座を受講し、筆記試験に合格すれば取得できます。

1級を取得する場合は約4日間の通学もしくは通信講座に加え、筆記試験と実技試験を受ける必要があります。

受講費用の相場は2級の通信・通学講座ともに35,000~40,000円程度、1級は91,300円です。

重度訪問介護従業者

 

重度訪問介護従業者資格を取得するには、重度訪問介護従業者養成研修を受講して修了します。

研修は「基礎課程」「追加課程」「統合課程」の3種類があります。

基礎課程を修了すると障害程度区分4・5の利用者、追加課程を修了すると障害程度区分6の利用者に対してサービスを提供することが可能です。

基礎課程では3時間の講義+7時間の実習、追加課程では7時間の講義+3時間の実習が必要です。

そして「統合課程」は基礎課程と追加課程を両方受講する形式で、喀痰吸引研修も追加されます。

11時間の講義と8.5時間の実習に加え、1時間の演習が含まれます。

受講費用の相場は基礎課程・追加課程が15,000~20,000円、統合課程が30,000円程度です。

研修内容は実施する団体によって異なるため、受講前に確認しておくことが重要です。

介護の資格取得を目指す4つのメリット

最後に、介護の資格取得を目指す4つのメリットを紹介していきます。

資格に挑戦しようか悩んでいる方は、確認しておきましょう。

専門性の幅が広がる

 

介護資格を取得することで、専門的な知識やスキルを体系的に習得できます。

資格の取得を通じて得た知識や技術は、現場での対応力を向上させるだけでなく、より専門性の高い分野へステップアップする近道となります。

資格の学習や研修を通じて最新の介護技術や知識を身に付け、さまざまな現場で活躍できる人材を目指しましょう。

待遇がよくなる可能性がある

 

資格を取得すると資格手当が支給される場合があり、待遇が向上する可能性があります。

介護業界では人手不足が深刻化しており、特に経験豊富で専門性の高い人材の確保が課題です。

そのため、資格を取得してスキルを高めた介護職員は、事業所や施設にとって貴重な存在となります。

施設によっては資格手当の制度が設けられており、例えば介護福祉士を取得すると月額1万円以上の手当が支給されるケースもあります。

また、資格の有無によって基本給が異なることもあり、無資格の状態よりも収入アップが見込めるでしょう。

ただし、資格手当の有無や金額は事業所ごとに異なるため、転職を考える際には待遇面も確認することが大切です。

キャリアアップを目指せる

 

介護資格を取得することで、キャリアアップの道が開けます。

例えば介護福祉士を取得すれば、チームリーダーや施設の責任者として活躍できる可能性が高まります。

認定介護福祉士を取得すれば、より高度な介護技術を習得し、職場全体のケアの質を向上させる役割を担うことが可能です。

また、ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指す道もあります。

資格を取得することで自分の目指すキャリアに応じた選択肢が増え、より理想的な働き方が実現しやすくなるでしょう。

転職に成功しやすくなる

 

介護資格を持っていることで転職活動がスムーズに進み、よりよい条件の職場に就職しやすくなるでしょう。

介護業界は慢性的な人手不足に悩まされているため、多くの施設や事業所では即戦力となる人材を求めています。

資格を持っていることで「一定のスキルを持っている人材」として評価され、採用される可能性が高まります。

特に、介護福祉士やケアマネジャーなどの上位資格を取得していると、転職に有利です。

また、資格を取得することでスキルアップを目指す意欲をアピールできるため、採用担当者に好印象を与えることができます。

まとめ

資格を取得することで専門性が向上し、待遇の改善やキャリアアップの可能性が広がります。

転職時にも有利に働くため、介護業界で長く活躍したいと考えている方は、自分のキャリアプランに合わせて資格取得を検討するとよいでしょう。

取得までに時間がかかる資格もあるため、早めに計画を立てて着実にステップアップしていくことが大切です。