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疲れを残さない夜勤明けの過ごし方とは?タイプ別にリフレッシュ方法を解説

疲れを残さない夜勤明けの過ごし方とは?タイプ別にリフレッシュ方法を解説

過酷な夜勤を乗り切ったあと、自宅でぐっすり寝たはずなのに、なぜか疲れが残っていることはありませんか。

それは、夜勤明けの過ごし方が関係しているかもしれません。

疲労が溜まったままの状態が続くと、心身の健康にも影響を与えます。

一人ひとりに合った過ごし方を取り入れることで、翌日以降も元気で充実した日々を送れるようになるでしょう。

この記事では、夜勤明けの疲労を解消するためのポイントや、有効な時間の使い方についてご紹介します。

夜勤明けで疲れが取れない理由

本来人間は、日中に活動して夜は休む生き物です。

しかし、夜勤従事者は通常寝ている時間に働くため、体内の調節機能に変調をきたし、疲労が蓄積しやすくなります。

さらに悪化すると、肥満や糖尿病、高血圧、動脈硬化といった生活習慣病や、がん、うつ病などの発症リスクを高めるとされており、軽視できません。

まずは、夜勤業務が体内に与える影響について確認しましょう。

体内時計のずれ

 

生物にはそれぞれサーカディアンリズムというものがあり、人間の場合、体内では1日を25時間と認識しています。

この体内時計が調節されるのは、日光を浴びることで分泌されるセロトニン、日中は抑制されて夜になると分泌されるメラトニンの2つのホルモンの作用によるものです。

しかし、夜勤業務によってこのホルモンバランスが崩れることで、体内時計に狂いが生じ、夜勤後の仮眠でも疲れが取れず、ぐったりした状態になるとされています。

また、セロトニンの減少は感情のコントロールを困難にさせ、うつ病の原因にもなるため、注意が必要です。

自律神経の変調

 

夜勤業務は本来休息する時間に活動するため、自律神経の中でも交感神経が働きすぎる状態になります。

交感神経の役割は、血管を収縮させて血圧や脈拍を上昇させることであり、これによって身体は活動優位の状態になります。

しかし、休息を十分に取れないことで活動優位の状態が長時間続くと、自律神経のコントロールが乱れ、ますます疲労が蓄積されることでしょう。

さらに、コントロールが困難になると、不眠やうつ病、自律神経失調症などの原因にもなります。

心身の健康には自律神経のバランスの維持が欠かせません。

睡眠の質の低下がもたらす腰痛や肩こり

 

介護職の職業病とも言われる腰痛や肩こりは、睡眠不足と互いに影響し合う関係です。

不眠や睡眠の質の低下が痛覚を過敏にさせ、腰痛や肩こりの痛みを増強させることが研究によって明らかになっています。

また、腰痛や肩こりによる筋肉のこわばりは交感神経優位の状態を引き起こすため、睡眠の質にも悪影響です。

睡眠を十分に取れないことで肩こりや腰痛は悪化し、さらに睡眠の質を下げてしまうことで悪循環に陥り、容易に抜け出すことができなくなります。

夜勤明けの過ごし方で注意するポイント

体内時計のずれや自律神経の乱れによる心身の疲労は、単に仮眠をとるだけで取り除くことは難しいでしょう。

夜勤後の行動や室内環境によっては睡眠の質を下げてしまい、疲労を感じたまま目覚めることになります。

身体への負担を減らし、回復しやすい状態に調整するためのコツを紹介しますので、参考にしてください。

軽めの食事

 

夜勤明けは胃腸も疲れているため、消化の良いものを摂ることが大切です。

食事の後に仮眠をとるのであれば糖質は控えましょう。

寝る前に炭水化物や糖分を摂っても、エネルギーとして燃焼されず、肥満の原因になったり、消化不良を起こしたりします。

もし空腹で眠れそうになければ、お腹を満たす程度の摂取に抑える程度の軽めの食事にすることが大切です。

食欲がなければ無理して食べる必要はないことも、覚えておいてください。

 

【夜勤明けに適した食事】

スープや雑炊は消化が良く、胃腸にも優しいことから夜勤明けの食事としておすすめです。

ほかにも、バナナなどのフルーツや豆類、チーズやヨーグルトなどの乳製品も胃に負担が少ないため夜勤明けの食事には適しています。

また、疲労回復には玄米や豚肉、大豆に含まれるビタミンB1、レモンや梅干し、キウイ、お酢に含まれるクエン酸を積極的に摂るのも良いでしょう。

 

【夜勤明けに適さない食事】

基本的に仮眠前は、脂っこいものや糖質の多いものは避けるべきです。

夜勤明けの解放感から、甘いものやこってりしたものを食べたくなるかもしれませんが、決して健康に良くありません。

油分や糖分の多い揚げ物や甘いスイーツなどは、肥満の原因になるとともに消化に悪いため控えた方が賢明です。

また、カフェインは睡眠を抑制してしまうため、仮眠前の摂取はおすすめできません。

アルコールを摂取するとよく眠れるのではと思われやすいですが、実際には睡眠の質を下げてしまうため避けましょう。

ぬるめの入浴

 

夜勤明けに軽くシャワーのみで済ませる方も多いでしょう。

それで十分に疲れが取れていないようであれば、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのもおすすめです。

副交感神経の働きを高めるためには、身体を温めて、血管を拡張させる必要があります。

そのためには、38℃~40℃くらいのお湯で20分ほどの入浴が効果的です。

また、半身浴もおすすめで、下半身にのみ水圧がかかることで足の血流を促進し、むくみの軽減にもなります。

反対に41度以上の熱いお湯に入ってしまうと、交感神経が刺激されてしまうため、その後の睡眠に悪影響です。

また、夜勤明けの朝は入浴剤を使用することで、好みの香りで気分のリフレッシュも期待できます。

特に炭酸ガスの入浴剤は血管を広げ、血流を促進させる効果があるので良いでしょう。

仮眠時間

 

仮眠時間は長ければ良いというものでもありません。

睡眠の質を上げるには、睡眠の周期を考慮し、適切なタイミングで起きることが大切です。

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠があり、約1時間半の周期でレム睡眠に入ります。

ノンレム睡眠時は、眠りが深くなっているため、起きようとしても起きづらく、すっきりと目覚めることができません。

理想は入眠から2度目のレム睡眠にあたる3時間後の起床のため、アラームが3時間後に鳴るように調整してみましょう。

心地よい寝室の環境

 

昼間に光が差し込んだり音がうるさかったりすると、睡眠の質が下がり、疲労を残したまま起きることになるでしょう。

睡眠効率が上がる寝室のポイントはいくつかありますので、一つずつ解説します。

 

【光】

光を浴びると身体は体内時計をリセットさせ、覚醒を促してしまうため、夜勤後の仮眠時は光を遮断し、寝室をなるべく暗い状態にするのがポイントです。

遮光率99.99%以上の1級遮光カーテンであれば、人の顔すらも認識できないくらいに室内を暗くすることができます。

すぐに準備ができない場合はアイマスクを使用するなどして、光が感じられないように工夫してみましょう。

また、夜勤明けの帰宅途中にも、なるべく光を浴びないようにすることが大切です。

帽子やサングラスなどの日除けグッズを利用して、身体が目覚めないように心掛けましょう。

 

【音】

寝室は静かであることが理想です。

一般的に睡眠を妨げる音の大きさは40〜50dB以上とされており、どのくらいの大きさかというと、小さめの声や子どもの足音、エアコンの室外機の音などです。

どうしても音を遮断できない時は耳栓を使用するのも一つですが、耳栓が苦手という方もいるかもしれません。

そのような場合は、あえて小さめの音でヒーリングミュージックをかけてみるのも良いでしょう。

雑音で眠れないという方は、試してみてはいかがでしょうか。

 

【香り】

アロマポットなどで室内の香りを調整するのも、睡眠の質向上に期待できます。

ラベンダーやローズマリー、カモミール、スイートオレンジ、ユーカリなどはリラックス作用や疲労回復効果があるのでおすすめです。

寝る前にカモミールやローズマリーのハーブティーを飲むことでも緊張をほぐし、入眠をスムーズにします。

夜勤明けに限らず、普段から寝付きが悪い方は試してみても良いかもしれません。

 

【空調】

快適な睡眠を得るためには、室温と湿度の管理も重要です。

夏は26℃前後、冬は16℃〜20℃が理想とされ、湿度は年間を通して50〜60%が適しています。

エアコンや加湿器、除湿器を活用して、体に負担の少ない環境を整えましょう。

特に夜勤後など、日中に睡眠をとる場合は室温の調整が難しくなることもあるため、タイマー機能や空調機器の自動運転を上手に使って、快適な空間を維持することがポイントです。

夜勤明けのアクティブな過ごし方

夜勤明けは次の勤務までの時間が長く、自由な時間の使い方ができるのが特徴です。

体調を考慮しながら外出の機会を設けることでストレスを解消し、疲労を軽減している方も多く見られます。

夜勤明けをアクティブに過ごしている場合の例をご紹介します。

日用品の買い物やウインドウショッピングを楽しむ

 

夜勤明けの帰宅途中に買い物を済ませておくことで、帰宅後はゆっくりと休息の時間に充てることができます。

また、ウインドウショッピングやランチを楽しむことで、ストレス発散や気分転換にもなり、心身もリフレッシュできるでしょう。

夜勤中のモチベーション維持にも効果があり、勤務後の楽しみがあることで気持ちも前向きになるかもしれません。

医療機関の受診や公的機関での手続きを行う

 

病院や市役所、銀行などは平日の昼間しか開いていないことが多いため、夜勤明けにそのまま立ち寄ると効率よく用事を済ませることができます。

休日を使わずに済むため、自分の自由な時間をしっかり確保できるのも大きなメリットです。

体への負担も比較的軽いため、実行しやすい行動のひとつといえるでしょう。

家事をまとめて行う

 

夜勤明けの午前中は、洗濯や掃除などの家事を片付けるのに適した時間です。

洗濯物は日中のうちに干しておけば乾きも良く、仮眠後に取り込むだけで済みます。

一度にすべてをこなすのではなく、浴室やトイレなど場所ごとに分けて取り組むことで無理なく家を整えることができ、快適な生活環境を維持できるでしょう。

スポーツジムやウォーキングで汗を流す

 

夜勤明けの時間を利用して、スポーツジムやウォーキングなどの運動を取り入れている方もいます。

軽い運動はストレスの発散や気分転換に効果的で、体力維持やダイエットにもなります。

もちろん無理をせず、自分の体調と相談しながら取り組むことが大前提です。

身体を動かすのが好きな方にとっては、リフレッシュのひとつとしておすすめの過ごし方です。

自宅で趣味に没頭する

 

夜勤明けはまとまった自由時間が確保できるため、時間をかけて楽しめる趣味に取り組むには最適なタイミングです

料理や読書、映画鑑賞、アートや推し活など、自分の好きなことに没頭することで、心身ともにリラックスできます。

次の勤務への活力にもなるので、自宅で静かに過ごしたい方にとっては理想的な過ごし方でしょう。

家族で過ごす時間を楽しむ

 

夜勤明けが平日であれば、家族との時間をゆったり過ごせる貴重なチャンスであり、週末ほど混雑しないテーマパークやショッピングモールに出かけるのもおすすめです。

体力が心配な場合は、午前中に仮眠を取って午後から外出したり、自宅で一緒にゆっくり食事をとるなどの過ごし方でも、家族との絆を深められるでしょう。

夜勤明けのリラックスできる過ごし方

夜勤明けは交感神経優位の状態になりやすく、筋肉も緊張していることも多いでしょう。

効率よく疲労を回復するためには、筋肉の緊張を和らげて自律神経のバランスを整え、リラックスして過ごすことが大切です。

最後にリラックスできる夜勤明けの過ごし方を紹介します。

マッサージやエステ、ストレッチ

 

副交感神経を優位にするためには、ゆったりとした時間を過ごすことが大切です。

マッサージやエステで筋肉の緊張をほぐし、心身ともにリラックスすることで副交感神経の働きを高め、疲労の回復を促進します。

毎回マッサージに行くのが難しい場合は、自宅でストレッチやヨガなどを行うのも良いでしょう。

自分のペースでできるほか、心身の緊張を和らげて自律神経の乱れを整える効果が期待できます。

特に、血流が活発になって筋肉がほぐれやすい入浴後に行うのが適切です。

岩盤浴

 

岩盤浴は適度に汗をかきながらゆったりと過ごせるため、夜勤明けで疲れていても問題ありません。

食事施設も併設されていることが多いため、勤務後にそのまま直行できます。

ただし、寝てしまう可能性がある場合は、一旦自宅で仮眠を取ってから利用するのがおすすめです。

自宅で映画やドラマの鑑賞

 

交感神経の高ぶりを抑えるためには、映画やドラマなどで感情を切り替えることも効果的です。

感動したり笑ったり泣いたりすることで、ストレスによってもたらされた負の感情がリセットされ、すっきりとした気持ちになります。

ただし、映画館では照明の暗さから寝てしまう可能性もあるため、動画配信サービスを利用して、適度な明るさにした自宅でゆったりと視聴すると良いでしょう。

まとめ

夜勤による疲労は、体内時計の乱れや自律神経のバランスの崩れが影響し、心身の不調を引き起こす要因になります。

そのため、通常の休息だけでは十分に疲れが取れないことも多く、より意識的なケアが必要です。

しかし、自分に合った方法で疲労をうまく回復できれば、夜勤明けの時間を有効に活用することができ、日々の暮らしに余裕が生まれます。

夜勤明けの過ごし方にしっかりと向き合い、健康を維持しながら、充実した毎日を送れるよう工夫していきましょう。