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【ROOTS】サプリメントのような存在になりたくて

【ROOTS】サプリメントのような存在になりたくて

【ROOTS】は、当社で働いている社員の方を紹介するコーナーです。

 

ケアリッツには毎月大勢の方が入社されています。どのような方がどのように活躍しているのか、インタビュー形式で紹介します。これから介護職へ転職を考えている方や、経験は無いものの介護に興味がある方々は、是非参考にしてください!

 

今回紹介するのは 目黒事業所 山﨑 和之さん(ヤマザキ カズユキ)さん

2015年5月に正社員入社。転々と環境を変えながら、施設介護で13年ほどキャリアを積んだうえで、満を持して訪問介護の道に進まれた山﨑さん。10年以上に渡って一つのところに根っこを張れている理由や、訪問介護に対する想いなど、色々とお話を伺ってきました。

ターニングポイント

-なぜ介護に興味を持つようになったのですか?-

同居していた祖母に介護が必要で、その面倒をずっと見ていました。当時は居酒屋を中心に飲食関係の仕事をしていて、夜働いて、日中は介護という生活だったんですが、鍼灸師をしている友人がその様子を見て、「介護向いてるんじゃない?」って声をかけてくれたんです。もともと人と触れ合うことが好きで飲食関係の仕事をしていたので、それが介護になったとしても特に抵抗感はなかったですし、それと、声をかけてくれた鍼灸師の友人が、見返りを求めて施術するのではなく、自分が関わることで人が元気になっていくことで得られる幸福感を大事にするタイプで、「介護でも同様のやりがいを感じられるんじゃないか」って話をしているうちに、職種がどうとかっていうよりも、そういう生き方ができる環境の方に魅力を感じて、転職をすることにしたんです。そこから13年くらい、派遣職員という形で、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)といった、いわゆる箱物で介護経験を積んでいきました。

専門職としてのこれまで

-実際に介護の世界に飛び込んでみてどうでしたか?-

いちばん最初に勤めた有料老人ホームでは、資格取得見込みでもご入居者と接することができたので、ヘルパー2級(現在の初任者研修相当)の資格を取りながら働かせてもらっていました。働き始めたばかりのころは、ほぼ寝たきりのような重介護の方とどう関わっていくかで悩むことが多かったです。祖母の介護の経験はありましたが、ご利用者の数だけ個性があるので、どこまで体を動かしても大丈夫なのかとか、どうやれば負担をかけずに済むのかとか、どうすれば自分のことを認識してもらえるのかといったことを、限られたコミュニケーション方法、例えば、瞬きをする回数や腕をぎゅっと握ってくるときの力加減とかから推し量りながら、「たぶん大丈夫だろう」という肌感覚を頼りに実践していました。それでも、なかなか正解を選択できているという実感は得にくくて、それこそ円形脱毛症ができるくらい思い悩んだりもしましたね。言い換えればそれくらいのめりこんでしまったということでもあるんですが、「自分のメンタルコントロールも大切にしないといけない仕事なんだな」って、改めて反省した記憶があります。そんな中で、やはり心の支えというか、いちいち励みになったのは、「ありがとう」の一言ですね。すごく印象的なエピソードがあって、認知症のある入居者さんで、何回自己紹介をしても一向に僕の名前を覚えてもらえない方がいたんです。有料老人ホームで生活を続けていくには経済的に厳しくなってしまって、別の施設に移ることになったんですが、最終日に、「山﨑君今までありがとう!」って。あれは刺さりました。思わず涙がこみあげてくるくらい、別格の「ありがとう」でしたね。

施設勤務を続けるうちに、入ってこられる方のご家族から、ご自宅でのエピソードを伺う機会が増えていったんですが、どの方も基本的には、在宅での生活が厳しくなったからという理由に変わりはないものの、「まだ手の打ちようもあったんじゃないかな」って思うようなケースも多くありました。専門職が介入してさえいれば、ご自宅での生活をあきらめないで済んだ可能性がある方に多く触れるうちに、在宅系サービスへの思いが膨らんでいきました。なんというか、薬って悪くなってから飲むものだと思うんですけど、サプリメントって悪くならないように、普段を大事にするために飲むじゃないですか。そういうサプリメントのような存在になって在宅生活を支えていくことができれば、今以上に個別性を大切にしたかかわり方ができるし、関係も深く構築できるんじゃないかって思って、訪問介護という選択をすることにしました。それに、そろそろ正社員で働ける環境も探したかったので、ケアリッツへの転職を決めました。

ケアリッツへの転職

-ケアリッツに転職してみていかがですか-

訪問介護を始めて最初に思ったのは、かなりアウェー感があるなということですね。個人のお宅に上がらせていただくので、行った先ならではのルールがあったり、ご家族が濃厚に関わってきたりとか、施設時代の、「こちらのルールに則って生活してください」っていう働き方とは全くの逆でした。そんな目新しいことだらけの環境でも、これまで長く、充実して働いてくることが出来たのは、職場環境に恵まれているからだと思います。入社当初の管理者は、新卒で入社して間もない方でしたが、「若いのにこんなにしっかりした人いるの?」って驚かされるくらいきちんとしていて、職員一人一人への気配りも丁寧にできる人でした。そこから7人くらい管理者が代わっていますが、事業所のカラーは変わっていないというか、居心地の良さはずっと維持されているんですよね。良い意味で緩い、なんというか、「よし、今日も仕事するぞ!」ってモードにはちゃんとなれるような誠実な空気がベースにありつつも、煩わしい上下関係のような厳しさがないので、職歴や役職関係なく和気あいあいと日々が過ぎていく、そんな環境なんです。僕はずっと目黒事業所なのでここのことしか分かりませんが、これだけ管理者が変わっても居心地が変わらないということは、社風そのものがあらわれている証拠なんだと思います。

これから

-今後の目標を聞かせてください-

継続は力なので、これからもサ責(サービス提供責任者)として精進していきたいと思っています。もともと出世欲みたいなものはないのでポジションにはこだわりはないんですが、管理者はどうしても異動がつきものなので、地域のケアマネ(介護支援専門員)さんからは、「また代わるの?」といった声はどうしても漏れてくるんです。それに、職員も動揺しないわけではないと思うので、「目黒には山﨑がいるから大丈夫!」って、誰からもそう思ってもらえるような存在になっていきたいと思っています。ありがたいことにそういった声を聴く機会も増えてきているので、やりがいを感じています。そこから先については、まだ何とも・・・・・・。時々よぎることはあるんですよ、例えば社会福祉士を取って相談援助業務にあたるのも良いな、とか。でも、まだそちらに目を向けることが出来るほど訪問介護をやり切ったという実感が得られていないので、まだまだ現場最前線で頑張っていこうと思います!ただ、もう円形脱毛症にはなりたくないので、家族やペットたちと過ごす時間も大切にしながらですけどね。

 

キャリアを重ねれば重ねるほど、うっかり忘れそうになってしまいがちな福祉の基本的なマインドや大切な初心を、いつでもご自身の軸に据えてご利用者と向き合い続けている山﨑さん。未経験で入社された方でも、山﨑さんのような方がいれば心強い限りでしょうね。貴重なお話、ありがとうございました!