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介護職は副業が可能?おすすめの副業や注意点も解説!

介護職は副業が可能?おすすめの副業や注意点も解説!

近年では働き方の多様化が進み、副業を認める介護施設も増えてきました。

しかし、実際に副業を始めるとなると、法律の制限や職場の就業規則、体力的な負担など注意すべき点も多く存在します。

本記事では、介護職が副業をすることは可能かを法律面・実務面から分かりやすく解説するとともに、介護職におすすめの副業や、副業を行う際に気をつけたいポイントも紹介します。

自分に合った副業を見つけたい方、収入アップを目指したい方はぜひ参考にしてみてください。

介護職は副業が可能なのか

まずは、介護職に就いている方が副業を行うことが可能かどうか、詳しく解説していきます。

副業とは?

 

副業とは、一般的に「本業」とされる主要な仕事や職業とは別に、収入を得ることを目的として行う仕事全般を指します。

この副業という言葉には、法律や制度における明確な定義は存在しませんが、現在では多様な働き方の広がりとともに、さまざまな形態の就業スタイルが含まれるようになっています。

例えば、企業や店舗などで時間単位で働くアルバイトも副業の一つです。

兼業・副業・ダブルワークとの違い

 

「兼業」「副業」「ダブルワーク」は似た意味で使われることもありますが、それぞれ働き方や収入の得方に違いがあります。

「副業」とは通常の本業に加えて行う収入活動のことで、一般的には本業の合間や空いた時間を活用して行う“サイドビジネス”のような位置づけです。

「兼業」は副業よりも比重が大きく、本業と同程度の時間や労力をかけて収入を得る働き方を指すことが多いです。

「ダブルワーク」は2つ以上の仕事をどちらも本業として行っている状態を指し、昼は会社員、夜は別の事業を運営しているようなケースが該当します。

副業とダブルワークの違いは、本業が1つか複数かという点にあります。

副業が可能な条件

 

近年の働き方改革の推進により、副業を容認する企業が徐々に増えてきました。

特に正社員であっても、副業を行える職場が以前に比べて広がってきている傾向にあります。

ここでは「副業が認められる条件」について、具体的かつ丁寧に解説していきます。

 

【就業規則で認められている】

副業が可能かどうかは、まず職場の就業規則を確認することが大切です。

同じ職場で働いていても、正社員は不可・アルバイトは可といったように、雇用形態によって副業の扱いが異なる場合があります。

もし副業が禁止されている職場で無断で行っていた場合、減給や降格などの処分を受ける可能性もあります。

法律上、副業自体を制限する規定はありませんが、雇用契約や社内規定に従うのが基本です。

 

【副業先の職場も副業が認められている】

副業を始めるにあたっては、副業先の就業規則にも注意を払うことが重要です。

本業の勤務先が副業を許可していたとしても、副業先の企業や組織がダブルワークを禁止している場合、そちらで働くことはできません。

特に医療・介護・教育などの分野では、副業による勤務時間の重複や労働管理の観点から、兼業を制限している職場もあります。

安心して副業を行うためにも、本業・副業の両方の職場で就業規則や労働条件をしっかりと確認し、必要であれば事前に相談しておくことが大切です。

介護職の副業の実態

次に、介護職に従事している人たちが実際にどのような形で副業を行っているのかについて、厚生労働省のデータをもとに詳しく見ていきましょう。

具体的な副業のスタイルや傾向を把握することで、これから副業を始めようと考えている方にとっても、参考になる情報をお届けします。

介護職の副業の割合

 

厚生労働省の調査によれば、日本全体における副業実施率は9.7%となっています。

その中でも「医療・福祉」分野に限って見ると、副業をしている人の割合は9.9%と、全体平均をわずかに上回る結果が出ています。

この数値からも分かる通り、介護職に従事している方が副業を行うことは、決して珍しいことではありません。

参照:厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について

介護職が副業をする理由

 

同じ調査データによると、副業を行う理由として最も多く挙げられたのは「収入を増やしたい」で、全体の56.6%を占めていました。

「1つの仕事だけでは収入が少なすぎて、生活自体ができないから」と回答した人も39.7%にのぼっており、副業に踏み出す背景には金銭的な事情が大きく関わっていることがうかがえます。

一方で金銭面以外の理由としては「自分の活躍の場を広げたい(19.8%)」や「時間に余裕がある(18.6%)」といった回答も見られ、スキルアップや経験の幅を広げたいと考える前向きな動機で副業を選ぶ人も一定数存在します。

参照:厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について

介護職の副業の業種

 

介護職をはじめとする福祉・医療業界で働く人たちが選ぶ副業の多くは、現在の職種と同じ「同業種」に分類されるものが多い傾向にあります。

その理由としては、介護福祉士やヘルパーといった専門資格や、これまでに培ってきた実務経験をそのまま活かせる点が挙げられます。

さらに、介護や医療分野は慢性的な人手不足が続いており、求人が多く需要も高いため、比較的スムーズに副業を始められるのもメリットです。

このような背景から、同業種での副業は介護職の方々にとって現実的かつ始めやすい選択肢となっているのです。

介護職の副業の働き方

 

厚生労働省の調査によれば、副業をしている人の本業または副業における就業形態として最も多いのは「自由業・フリーランス・個人請負」で、全体の29.8%を占めています。

次いで多いのは「自営業(19.4%)」、そして「パート・アルバイト(13.5%)」と続きます。

これらは、いずれも働く時間に柔軟性を持てる職種であることが特徴です。

一方で「正社員」として副業を行っている人の割合は5.9%と比較的低い水準にとどまっており、時間的な制約がある働き方では副業が難しい現状もうかがえます。

参照:厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について

介護職が副業する際の注意点

続いては、介護職に就いている方が副業をする際の注意点について解説します。

介護の仕事は体力的・精神的に負担が大きく、勤務時間も不規則になりがちなため、副業を始める際には、労働時間の管理や健康面への配慮、職場のルールの確認など、事前に押さえておくべきポイントがあります。

本業に支障をきたさないよう、無理のない範囲で副業を進めることが大切です。

確定申告を忘れない

 

副業をする場合は確定申告が必要になるケースがあるため、あらかじめ注意が必要です。

確定申告とは、1年間に得た所得を税務署に申告し、納税するための手続きです。

本業の所得は会社が源泉徴収するため申告の必要はありませんが、副業収入が年間20万円を超えると、自分で申告する義務が発生します。

申告を怠ると、延滞税や加算税などのペナルティが発生する可能性もあるため、注意してください。

副業を始める際は税務のルールを事前に確認し、正しい手続きを心がけましょう。

労働時間に注意する

 

労働基準法では、原則として労働時間は「1日8時間・週40時間」までと定められています。

この法定労働時間の上限は、勤務先が複数あっても変わることはありません。

つまり、本業で1日8時間働いている場合、副業で働く時間はすべて法定時間外労働となります。

よくある誤解として「本業と副業それぞれで週40時間まで働ける」と思われがちですが、実際には労働時間は通算で管理されるべきものです。

無理な働き方は体調を崩す原因にもなりかねないため、自分の労働時間をしっかり把握し、健康を第一に考えて行動しましょう。

社会保険の加入条件に注意する

 

副業を行う際、社会保険の加入条件に注意しましょう。

雇用保険では、週20時間以上の所定労働時間と31日以上の雇用見込みがある場合に加入義務が発生します。(※生計を主たる会社でのみ加入)

健康保険・厚生年金についても、週20時間以上の労働や月額賃金88,000円以上などの条件をすべて満たすと、加入が必要です。

社会保険の加入条件を満たす場合は、別途手続きが必要になる可能性があるため気を付けましょう。

副業のことを本業先で話さない

 

副業をしていることが、本業の職場で必ずしも好意的に受け入れられるとは限りません。

「本業に支障が出るのでは」と懸念されたり、ちょっとしたミスや成果不足を副業のせいにされたりする可能性もあります。

その結果、職場での立場が不安定になったり、余計なプレッシャーを感じたりすることもあるでしょう。

たとえ副業が認められている職場であっても、むやみに公言せずに慎重に対応することが大切です。

周囲との信頼関係を保ちつつ、副業に取り組みましょう。

健康管理に気をつける

 

長時間労働が続けば、体調を崩したり、本業に悪影響が出たりする恐れもあります。

本業に集中するためにも日頃から体調の変化に気を配り、無理のないスケジュールを心がけましょう。

もし疲れが取れにくいと感じたら身体への負担が少ない副業に切り替えるなど、働き方を見直すことも大切です。

介護職の副業がばれたら?

介護職に就いている方が副業をしていることが職場に知られてしまった場合に、どのような対応を取るべきかについて詳しく解説していきます。

副業が発覚したときには焦りや不安を感じる方も多いと思いますが、落ち着いて状況を把握し、適切に対処することが大切です。

副業がばれるケースはあるのか

 

介護職でも就業規則で禁止されていなければ副業は可能ですが、職場には知られたくないと考える方も多いでしょう。

基本的に、自分から話さない限り副業が知られることは少ないですが、確定申告を通じて発覚するケースがあります。

副業の年間収入が20万円を超えると確定申告が必要となり、結果的に住民税が増えてしまうことで副業がばれてしまう可能性があります。

これを防ぐには、確定申告の際に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に設定しておくことが重要です。

また、接客業など外で人と接する仕事では職場の人に見られてしまうリスクもあるため、副業の内容にも配慮しましょう。

副業がばれた時の対処法

 

万が一、副業していることが職場に知られてしまった場合、戸惑いや不安を感じる方も多いでしょう。

ここでは、副業が発覚した際に取るべき対処法についてご紹介します。

落ち着いて対応するためにも、事前に知っておくことが大切です。

 

【職場に謝罪する】

副業が禁止されている職場で副業が発覚してしまった場合は、まずは素直に事実を認め、誠意を持って謝罪することが大切です。

言い訳をしたり開き直ったりすると、かえって印象を悪くしてしまう可能性があるため、正直に非を認めたうえで謝るほうが、相手の心象もよくなります。

また、副業に関して必要な手続きがまだ完了していない場合は、速やかに対応を済ませておきましょう。

いずれにしても、自身の行動を反省している姿勢をきちんと示すことが、今後の信頼回復につながります。

 

【収入に困っていることを説明する】

「家庭の事情で一時的に副業が必要だった」など、経済的な背景を説明することで、状況を理解してもらえる可能性があります。

単に「お金が欲しかった」という理由ではなく、「家族の介護費用がかかった」「子どもの進学資金が必要だった」といった、やむを得ない事情を具体的に伝えることで、相手の受け止め方も柔らかくなるでしょう。

情に訴えることにはなりますが、切実な事情があったことを正直に話せば、一定の理解を得られる可能性もあります。

副業がばれない方法はあるのか

 

基本的なポイントを押さえていれば、職場にばれることはないでしょう。

主な原因としては、口外することや住民税の増額のため、他言を避けつつ住民税を自分で納める「普通徴収」にすれば、ばれにくくなります。

ただし、派遣やアルバイトなどの給与所得は特別徴収になる場合が多く、自分で納められないこともあります。

その際は市区町村に相談し、普通徴収に変更できるか確認しましょう。

自治体が対応しない場合は、副業先に事情を伝えるのも一つの方法です。

介護職におすすめの副業

ここでは、介護職に従事している方におすすめの副業について、具体的な働き方や選び方のポイントも交えながら紹介していきます。

在宅ワーク

 

介護職にとっておすすめの副業のひとつが「在宅ワーク」です。

副業を始める際は、本業に支障をきたさないことが何よりも大切ですが、その点在宅ワークは肉体的な負担が少なく自分のペースで進められるため、介護の仕事と両立しやすいのが特徴です。

ハンドメイド制作やWebライター、アンケートモニターなど多様なジャンルがあり、自分に合った分野を見つけやすい点も魅力です。

別の介護施設や訪問介護で働く

 

副業として、ほかの介護施設や訪問介護の現場で働くという選択肢もあります。

これまでの経験や資格をそのまま活かせるため、介護士として副業を考えるうえで比較的始めやすい方法のひとつといえるでしょう。

ここでは、介護職の副業として代表的な「夜勤」と「日勤」のアルバイトについて、解説していきます。

 

【夜勤のアルバイト】

短時間や単発での勤務を募集している介護施設や訪問介護事業所で副業を行うのも、有力な選択肢のひとつです。

こうした働き方であれば自分の空き時間を有効に使いやすく、スケジュールの調整もしやすいため、副業として取り入れやすいというメリットがあります。

特に夜勤のアルバイトは高収入が見込めることから人気があり、本業で身につけた介護スキルや知識をそのまま活かせる点も魅力です。

そのぶん即戦力としての経験や一定の知識が求められるケースが多いため、すでにある程度の現場経験を積んでいる方におすすめの副業スタイルといえるでしょう。

 

【日勤のアルバイト】

本業の勤務日数が少ない方や夜勤専従で働いている方にとっては、介護関連の副業として日勤の介護施設や訪問介護のアルバイトが適しています。

なかでも、訪問介護の「登録ヘルパー」は短時間での勤務が基本となるため、自分のライフスタイルや空き時間に合わせて仕事量を柔軟に調整できるのが特徴です。

夜勤のアルバイトに比べると、夜勤手当がつかない分収入はやや少なくなりますが、日中の業務を通して利用者との関わり方や介護スキルを高めることができるなど、スキルアップを目指す方には魅力的な働き方といえるでしょう。

家事代行

 

家事代行は忙しくて家事に手が回らない人に代わり、掃除・洗濯・料理など日常的な家事を行う仕事です。

特別な資格は不要で家庭での家事経験があれば始めやすく、未経験者でも取り組みやすいのが魅力です。

時給は比較的高めで勤務時間の自由度も高いため、副業としても人気があります。

顧客からの評価や勤務実績によって昇給のチャンスもあり、やりがいも感じやすい仕事です。

週1日から働ける企業も多く、土日や平日の空き時間を活用して副業をしたい人にも適しています。

覆面調査

 

覆面調査とは、調査員が一般客として店舗やサービスを利用し、接客や雰囲気、サービスの質などを評価・報告する仕事です。

内容は細かいものの、指示があるため難しくはありません。

複数のサイトに登録すれば案件を見つけやすく、休日に無理なく取り組める副業としてもおすすめです。

コンビニ・飲食店

 

コンビニや飲食店のアルバイトはシフトの自由度が高く、介護職の副業としても取り入れやすい働き方です。

コンビニの夜勤は夜10時ごろから始まることが多く、介護の勤務が終わったあとでも無理なくシフトに入ることができます。

夜勤手当が加算されるため、週に1回の勤務でも効率よく収入を得られるのが特徴です。

フードデリバリー

 

フードデリバリーは、空き時間を活用しやすい副業です。

お店に雇われるのではなく、業務委託として自転車やバイクを使って働くため、時間に縛られず自分のペースで働けるのが特徴です。

テレワークの普及により需要も増えており、気軽に始めやすい副業のひとつです。

スキルシェアサービス

 

スキルシェアサービスとは自分の持つ知識や技術、経験を必要とする人に提供できる仕組みのことです。

現在は多様な業界で活用されており、介護業界でも日中支援やレクリエーション分野で導入が進んでいます。

このサービスは、特別な資格や設備がなくても気軽に登録・利用できるのが特徴です。

新たな施設や利用者と関わることで視野が広がり、介護職としてのスキルアップにもつながるでしょう。

副業以外で介護職の方が収入を増やす方法

介護職で収入を増やすには、副業以外にもいくつかの方法があります。

ここでは4つの方法を紹介します。

資格を取得する

 

介護職で安定した収入アップを目指すなら、資格取得が効果的です。

初任者研修から実務者研修、介護福祉士など段階的にステップアップできる資格が多数あります。

資格を取得することで業務の幅が広がり、より専門的な業務を任されるようになります。

資格手当がある職場では収入アップも期待できるため、積極的にチャレンジしていきましょう。

夜勤勤務を増やす

 

夜勤勤務を増やすことも、収入を効率よく増やす手段のひとつです。

夜勤には1回ごとに手当が支給されるのが一般的で、月に数回入るだけでも給料を増やせるでしょう。

ただし、生活リズムが乱れやすい点には注意が必要です。

スキルアップ・昇進を目指す

 

スキルアップや昇進を目指すことは、収入の安定と向上に直結します。

業務に真摯に取り組み、周囲との連携やチームワークに貢献することで、信頼を得て役職に抜擢されるチャンスが広がります。

サービス提供責任者やユニットリーダーといった管理職に就くことで、基本給の上昇や役職手当の支給も見込めるでしょう。

転職を検討する

 

現在の職場で給与や待遇に不満を感じている場合は、転職も選択肢のひとつです。

介護業界は人材不足が続いているため求人数も比較的多く、経験者を優遇する施設も少なくありません。

転職は大きな決断ではありますが、今後のキャリアや生活を見直す良い機会にもなります。

まとめ

介護職であっても副業は十分に可能ですが、就業規則や労働時間、確定申告など守るべきルールや注意点をしっかり押さえておくことが大切です。

介護の経験を活かせる副業から、在宅ワークや短時間勤務が可能な仕事まで、介護職に適した副業の選択肢は多く存在します。

無理なく本業と両立できる働き方を見つけることで、収入面の安定だけでなくスキルアップや視野の拡大にもつながるでしょう。

自分のライフスタイルや体力に合わせて、前向きに副業を取り入れてみてはいかがでしょうか。