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ボケ防止に役立つ10つのポイント!日常で取り入れたい対策も紹介

ボケ防止に役立つ10つのポイント!日常で取り入れたい対策も紹介

年齢を重ねるとともに心配になってくるのが、ボケ(物忘れ)や認知症の兆しです。

しかし、現代の医学ではまだ認知症の確立した治療法はなく、日常生活の中で「ボケ防止」を意識した対策が重要視されています。

「最近、家族の物忘れが気になる」「自分も将来が不安…」そんなお悩みがある方に向けて、本記事では日常でできるボケ防止に役立つ10つのポイントや、日常で取り入れたい対策をご紹介します。

ご本人はもちろん、ご家族にも今から始められる対策も記載しますので、ぜひ参考にしてください。

ボケ(物忘れ)が多くなることで起こる問題

ボケ(物忘れ)が多くなると、健康面や日常生活全般に問題が起こる可能性が非常に高くなります。

厚生労働省によると、2012年には462万人の高齢者が認知症と診断されており、さらに2025年には65歳以上の5人に1人に達すると予測されています。

そのため、診断される前の予防が重要視されており、早めの対策と継続的なケアが必要です。

認知症になると治療法がない

 

現代の医療では、認知症の治療法はありません。

一度発症すると、記憶力や判断力の低下が徐々に進行し、日常生活に支障をきたすようになります。

最初は些細な物忘れやうっかりが目立つ程度でも、次第に会話が成立しにくくなったり、家族の顔が分からなくなったりと、本人だけでなく家族や周囲の人々にも大きな負担がかかってしまいます。

そのため、未然に防ぐための対策や日々の生活習慣を見直すことがとても重要です。

認知症になることで起こるリスク

 

認知症の進行によって、本人の生活機能だけでなく、社会生活や健康面でもさまざまなリスクが伴います。

以下は代表的なリスクの一部です。

  • 思考力や判断力が鈍くなる
  • 社会的に孤立してしまう
  • 感染症のリスクが高くなる
  • ケガのリスクが高くなる
  • 家族や周囲の人の負担が増加する
  • 医療や介護にかかるお金の負担が増加する

 

思考力や判断力が鈍くなると、外出したいといった意欲も下がってくるため、人との関わりも少なくなってきます。

また、体を動かす機会や衛生面を保つ意識も少なくなってくるため、感染症やケガのリスクも増加します。

そのため、家族や周囲の方の負担や、医療や介護にかかるお金の負担が増加する可能性が高まるでしょう。

若い方もボケ防止対策が必要

 

まれなケースですが、20代や30代でも認知症を発症するケースはあります。

厚生労働省が2020年3月に公表したデータでは、若年性認知症の患者数は全国で3万5,700人にのぼり、18~64歳の人口10万人あたりでは50.9人が診断を受けているとのことです。

また、診断される方の多くが、初発症状が一般的な認知症と異なるため診断しにくく、異常に気づくのが遅れてしまうことが現状です。

さらに、就労中に発症することが多く、経済的な問題や親の介護と重なるといった問題が出てきます。

ボケ・認知症のサインや症状

 

ボケ(物忘れ)や認知症のサインや症状には、記憶障害や理解力、判断力の減退などが見られ、行動や心理状態にも大きな変化が現れます。

具体的には、以下のようなサインや症状が現れます。

 

症状サイン
記憶障害(もの忘れ)●     直前の会話や行動を覚えていられない

●     聞いたことを何度も質問してしまう

●     物の置き場所を忘れて探すことが多くなる

●     人との約束をうっかり忘れてしまう

●     身近な人の名前が出てこない

●     同じ物を何度も買ってしまう

見当識障害(場所や時間が分からない)●     日付をすぐに忘れてしまう

●     なじみの場所でも方向が分からなくなる

●     出来事の流れが整理できなくなる

理解力・判断力の低下●     お金の管理や手続きが難しくなる

●     人の話や説明が理解しづらくなる

●     運転中の小さなミスが目立つようになる

仕事や日常の家事ができなくなる●     家事や趣味が以前より手間取るようになる

●     料理や家事にミスが目立つようになる

●     身だしなみを整えるのが面倒になる

●     食事中にこぼすことが多くなる

●     お風呂や洗面を避けるようになる

●     排泄のコントロールが難しくなる

行動や心理状態が変わる●     一人でいると不安や心細さを感じやすくなる

●     好きだったことにも関心を持たなくなる

●     すぐに怒ることが増える

●     見えないはずの人や物が見えると言う

●     物を失くすと「誰かに盗まれた」と疑うようになる

●     出かけた理由を忘れて、道に迷ってしまう

 

ボケ防止に役立つ10つのポイント

ここまで紹介してきたように、ボケ(物忘れ)が多くなると、健康面や日常生活全般に問題が起こる可能性が非常に高くなります。

そのため、若いうちからボケ防止を始めておくことが大切です。

生活習慣病を治療・予防する

 

生活習慣病は、もの忘れや判断力の機能の減退を引き起こすおそれがあるといわれています。

そのため、糖尿病や高血圧、脂質異常症などをお持ちの方や予備軍といわれている方は、早期の治療や未然に防ぐ意識が必要です。

原因としては、偏った食生活や運動不足、過度なストレスといった生活習慣が影響していますので、毎日のちょっとした習慣を見直すだけでも、発症リスクを下げることが可能です。

食生活を改善する

 

食事は毎日行う習慣であることから、改善すればボケ防止に有効です。

食生活は以下の4つを意識しましょう。

  • バランスよく栄養をとる
  • 腹8分目に抑える
  • 間食はできるだけ控える
  • 塩分は1日6g程度に制限する

 

偏った食事や食べすぎは、糖尿病や高血圧はもちろん、生活習慣病の原因になります。

毎日の食事は「糖質」「脂質」「タンパク質」「食物繊維」を意識して摂取しましょう。

体を動かす習慣を付ける

 

体を動かす習慣は、体だけではなく脳にもよい影響を与えてくれます。

散歩やストレッチといった簡単なものから始め、可能であればランニングやサイクリングなどにも挑戦してみましょう。

特に散歩やジョギングといった「有酸素運動」は、ボケ防止に効果を示したという研究結果もあるため、積極的に取り入れてみるのをおすすめします。

運動する時間がない方は、出勤時などの日常習慣の中で階段を使ったり、1駅分歩いて帰ったりする方法がおすすめです。

睡眠を改善する

 

睡眠は、運動習慣と同様に体だけではなく脳にも大きな影響を与えていますので、改善すればボケ防止が期待できます。

ボケ防止にベストな睡眠時間は、一般的に約7~8時間といわれています。

また、睡眠は質も重要といわれており、ぐっすりと深く眠ることが、ボケ防止の改善によいといわれています。

睡眠の質を向上させるには、以下の4つを意識するのがおすすめです。

  • 寝室の温度と湿度を適切に設定する
  • 体に合った寝具やパジャマを使用する
  • スマートフォンやテレビを見るのは寝る1~2時間前までにする
  • 昼寝は14時までで30分以内に収める

 

睡眠に適した温度は、夏は25~28℃、冬は20~22℃、湿度は50~60%が最適といわれています。

また、体の負担にならない寝具やパジャマを使用し、寝る前のスマートフォンやテレビもできる限りやめておきましょう。

過度の飲酒・喫煙に注意する

 

過度の飲酒や喫煙は、脳の働きを低下させ、物忘れの原因になります。

飲酒は記憶力に悪影響を与え、長期的にはアルコール性認知症の発症につながるケースもあるので注意が必要です。

さらに、タバコを吸うことで血の巡りが悪くなり、脳の働きに悪影響を及ぼすおそれがあります。

完全にやめる必要はありませんが、どちらもほどほどにしましょう。

視力や聴力の改善

 

年を重ねると視力や聴力が減退するのは当たり前のことですが、治療しないままでいると、脳に入る情報が少なくなり、ボケ(物忘れ)が進行していく可能性が非常に高くなります。

例えば、耳が聞こえづらいとコミュニケーションを取りづらくなり、他者との関わりが減り、脳への刺激が少なくなります。

また、目が見えにくくなると、本や新聞を見る機会が減り、これも脳の働きを鈍らせる一因となります。

「テレビの音が聞こえにくい」「近くのものが見えにくい」といった症状がある場合は、補聴器や老眼鏡などを活用し、視力や聴力を改善してみることをおすすめします。

できた喜びを感じる

 

達成感を得たり、何かにチャレンジすることは、脳内の神経ネットワークが増えることからボケ防止が期待できるといわれています。

初めから「できない」と思わず、小さなことにチャレンジしてみることが大切です。

今までやってこなかったけど挑戦したいものなど、積極的にやってみて、同時にできた喜びも感じましょう。

人とのつながりを大切にする

 

人とのコミュニケーションは、脳の働きが高まると同時に、気持ちも明るくさせてくれます。

仲のよい仲間や家族、近所の方といった人たちと積極的にコミュニケーションを取りましょう。

また、地域活動など新しい出会いの場に行くのもおすすめです。

地域によってはコミュニケーションの場として、さまざまなイベントを開催しているところもありますので、積極的に参加することをおすすめします。

ストレス発散方法を身に付ける

 

ストレスをためることは、脳に悪影響を及ぼし、ボケ(物忘れ)を進行させるといわれています。

また、不安や嫉妬といった感情が多かった方は、認知症になるリスクが約2倍になるといった研究結果もあります。

そのため、自分なりのストレス発散方法を身に付けておきましょう。

自分の好きなことを積極的に行う

 

趣味や勉強といった自分の好きなことを、積極的に行うこともボケ防止に有効です。

ある調査結果では、趣味を持っている高齢者は、持っていない人に比べて認知症になる可能性が低いことが分かっています。

特に知的活動は、前頭葉の働きが活発になり、やる気の向上や認知機能の防止につながります。

日常で取り入れたいボケ防止対策

ここまで、ボケ防止に役立つポイントを紹介してきましたが、具体的にどのように改善したらよいのか分からない方も多いでしょう。

この章では、3つの視点からボケ防止に役立つ対策を詳しく見ていきましょう。

食事におけるボケ防止

 

日々の食事を整えることは、ボケ防止にも役立つといわれています。

日常で積極的にとりたい食事と、避けたほうがよい食事は次のとおりです。

 

【積極的にとりたい食事】

積極的にとりたい食事は以下のとおりです。

  • 全粒穀物:玄米、大麦、そば、ライ麦、オーツ麦など
  • 青魚:サンマ、イワシ、サバなど
  • 大豆:豆腐、納豆、みそなど
  • 野菜:キャベツ、ほうれん草、小松菜、人参など
  • 果物: ブルーベリー、イチゴ、キウイ、カキなど
  • 飲み物:緑茶、ワイン
  • そのほか:オリーブオイル、ココナッツオイル、ナッツ類

 

ボケを防止するためには、上記の食材をバランスよく摂取することが重要です。

また、料理する行為もボケ防止につながりますので、チャレンジしてみることをおすすめします。

 

【避けたほうがよい食事】

反対に避けたほうがよい食事は以下のとおりです。

  • 菓子パン、スイーツ
  • ラード、マーガリン、バター
  • 赤身の肉、加工肉
  • チーズ
  • 揚げ物などのファストフード

 

上記の食べ物には、脳の健康を損なう可能性のあるトランス脂肪酸や多量の添加物が多く含まれています。

また、必要以上の塩分も含まれている食品もあるため、日常的にとっている場合は、早めに改善しましょう。

 

【よくかむこともボケ防止につながる】

食事中の咀嚼は、脳の働きが活発になり、物事を覚えたり判断したりする力が向上するため、ボケ防止に効果的といわれています。

一口30回を目安に、しっかり咀嚼しましょう。

また、歯の本数も認知症に関係しており、少ない人ほど発症しやすいといわれています。

そのため、毎日の歯のケアも適切に行い、歯周病や虫歯がある場合は早めに治療しておきましょう。

運動におけるボケ防止

 

運動は体以外に脳にもよい影響があることは先述したとおりですが、特に有効なのが「有酸素運動」です。

具体的には以下のものが挙げられます。

  • 散歩
  • サイクリング
  • ジョギング
  • 水泳
  • 縄跳び
  • ハイキング
  • 庭仕事

 

有酸素運動は、息が切れない程度の動きが脳によい影響を与えますので、自分の体力と相談しながら、ゆっくりとしたペースで行うことが大切です。

また、趣味にできればより楽しんで行えますので、自分が取り入れやすいものからチャレンジしてみましょう。

社会活動におけるボケ防止

 

定年後に人との関わりが少なくなると、寂しさや孤立が進み、物忘れや認知症の原因になることがあります。

実際に、WHOの報告では、日常的に孤独な時間が多い方は、一日15本喫煙するほどの健康被害があるという研究結果があります。

地域の体操教室や趣味の集まりなどに参加して、人と話したり、新しい刺激を受けたりすることが大切です。

ボケ防止対策におすすめなゲーム・エクササイズ・習い物

ボケの防止対策には、ゲームやエクササイズ、体操などもおすすめです。

複数人で楽しめるものなら、人とのコミュニケーションも増えるので、ボケ防止により期待ができます。

ながら運動(デュアルタスク)

 

ながら運動(デュアルタスク)とは、2つのことを同時に行うことです。

単体で行う運動よりも脳によい影響を与えてくれるといわれており、ボケ防止にも有効です。

具体的には、「歩きながら話す」「水の入ったコップを持ったまま歩く」といった簡単なものから、「テレビを見ながら料理する」「複数の料理を同時進行で作る」などが含まれます。

コグニサイズ

 

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが発案した、コグニション(認知力)とエクササイズ(運動)を組み合わせたものです。

具体的には、足踏みや散歩といった運動をしながら、計算やしりとりを同時に行います。

コグニサイズは、体と脳を同時に動かすので、脳の働きが活発になりボケ防止に役立つといわれています。

テレビゲーム

 

テレビゲームは、画面を見ながら手を動かすことから、脳によい影響を与えてくれます。

特に素早い動きが試されるアクションゲームや、楽しみつつ脳を鍛えられる脳トレがおすすめです。

ボードゲーム

 

ボードゲームは、意思決定して進めるところに、物忘れや判断力の減退を軽減する作用があるといわれています。

また、対戦相手がいることでコミュニケーションも取れるので、より楽しく行えるところもメリットです。

囲碁や将棋といった昔から存在するゲームはもちろん、最近では海外のボードゲームも注目されており、ルールが簡単で気軽に始められるものも多くあります。

脳トレ

 

脳トレは、ボケや認知症の発症を防ぐために活用されることの多いゲームで、その名のとおり脳の働きを高めるのに役立ちます。

例えば、以下の内容が当てはまります。

  • クイズ
  • パズル
  • 簡単な計算ゲーム
  • 折り紙
  • 塗り絵

 

特に、2つ同時行えるものなら、デュアルタスクにもなるので、より効果的といえるでしょう。

指体操

 

指を動かすことは、脳によい影響を与えてくれるといわれており、記憶をつかさどる前頭前野や、空間の位置を認識する前頭葉の働きが高まるといわれています。

具体的には、指を親指から順番に折り曲げていく「指体操」や、両手の指先を合わせて一つずつ指を回していく「指回し」など、豊富な方法から選べますので、ゲーム感覚で取り入れてみましょう。

料理や楽器の演奏

 

体操やゲームなどに抵抗がある方は、趣味でも取り入れやすい「料理」や「楽器の演奏」がおすすめです。

料理や楽器の演奏は、考えながら指先を使うことが多いので、脳によい影響を与えてくれます。

そのほかにも指先を使う「編み物」や「刺繍」なども効果が期待できます。

知的活動

 

知的活動とは認知機能を使う社会活動のことをいいます。

具体的には、以下の内容が当てはまります。

  • 園芸
  • お絵描き
  • 映画鑑賞
  • 楽器演奏
  • カラオケ
  • 語学学習

 

これらの知的活動は趣味として取り入れやすく、好きな活動として楽しみながら実践すれば、脳機能の向上も期待できます。

【年代別】ボケ防止対策

ボケ防止は年齢を問わず、早めの意識が大切です。年代ごとにできる対策を知って、今の生活に合った予防を始めましょう。

20~30代

 

20~30代は、規則正しい生活を整えることがカギとなります。

具体的には、健康的な食生活と定期的な運動、7~8時間程度の睡眠を心がけることが大切です。

反対に過度な食事摂取や制限、多量の飲酒や喫煙はボケの進行を促すことに加えて、高血圧や動脈硬化などの疾患につながりますので注意しましょう。

40~50代

 

40~50代は、適切な食事や運動習慣、睡眠を心がけることに加えて、健康診断や人間ドックなどを受けて自分の健康状態を把握するのが大切です。

健康診断や人間ドックを受けることで、自分の生活習慣の悪いところが明白になり、病気を早期に発見できます。

60代以降

 

60代以降は、認知症を発症する確率が高くなると同時に、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の発症も高くなる時期です。

特に喫煙は発症を早めるといわれていますので、早期の禁煙をおすすめします。

また、定年を迎えた方は自宅にいることが多くなるケースもありますので、外出や散歩するといった外に出る機会を意識的に確保することも重要です。

まとめ

本記事では、ボケ防止に役立つ10つのポイントや日常でできる対策を紹介してきました。

ボケ(物忘れ)が多くなると、健康面や日常生活全般に問題が起こる可能性が非常に高くなります。

そのため、早めの予防や対策が大切です。

本記事の内容が、これからの生活の中で少しでもお役に立てれば幸いです。