50代女性に適した仕事とは?仕事選びのポイントや注意点を解説

50代を迎え「今の仕事を続けていけるのか」「新しく働きたいけど、何が向いているのか」と悩む女性は少なくありません。
体力や家庭の事情、これまでの経験など、働き方を考える上で優先順位も変化してくる時期です。
本記事では50代女性に適した仕事の特徴や選び方のポイント、働く際に気を付けたい点について詳しく解説します。
無理なく長く続けられる仕事を見つけるために、ぜひ参考にしてください。
50代からでも就職できる?
50代でも転職や再就職を目指す方は、実は少なくありません。
ただし、事前にご自身の体力面やスキル、ライフプランについて見つめ直しておくことが大切です。
求人の多くは募集要件に年齢の制限は設けていないものの、企業によってはミドル層の採用に慎重な姿勢をとっている場合もあります。
まずは、50代女性を取り巻く就職市場の現状を理解しておきましょう。
50代の就職が難しいといわれる理由
人生100年といわれる時代において、50歳はちょうど折り返しといったところです。
しかし、企業側にとっては50代の就職はあまり望まれない現状もあります。
その背景には、若い世代を育てることを重視していたり、50代では定年までが短いことから長期での採用が困難と考えられていたりすることがあるからです。
こういった要因を理解しておくことが、50代からの就職活動には大切です。
労働力ニーズは増加している
一方で、多くの業種では人手不足が問題視されています。
帝国データバンクが公表している「人手不足に対する企業の動向調査(2025年4月)」によると、正社員の人手不足を感じている企業は全体の51.4%にのぼり、近年高止まりの傾向です。
特に医療や介護、飲食店などでは慢性的な人手不足で、年齢に関係なく採用を進めているケースも少なくありません。
そのため、業種によっては50代からの就職も十分に現実的といえるでしょう。
参照:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年4月)」
50代女性も働いている業界
50代女性でも比較的就職しやすいのは医療や介護、IT、清掃や調理スタッフ、人材派遣などでしょう。
これらの業種は人材不足が顕著であることや、定年がないことなどから、50代でも多くの方が就労しています。
また、同世代の方が多く働いていることで、安心して仕事に取り組めるのも魅力の一つです。
ただし、IT業界は即戦力を求める傾向が強く、未経験からの就職は難しい場合もあるため注意が必要です。
女性が50代から働き始める理由
ライフプランの後半を計画する中で、新たに仕事探しをする方は珍しくありません。
これまで専業主婦であった方にとっては、子育てを終えて自由な時間ができたことで、今までにできなかったことや将来の蓄えのために仕事を始めたいと思う方もいるでしょう。
ここでは、50代で仕事を探す主な理由について見ていきます。
老後の資金目的
総務省統計局が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕2024年平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の年金を含めた実収入の平均は月252,818円です。
しかし消費支出は256,521円となっており、収入よりも消費のほうが上回っていることが分かります。
各世帯で収入や支出の金額は異なるため、一概にはいえませんが、多くの世帯では年金だけで老後の生活費を賄うのは難しいと考えられます。
また、近年の物価上昇も、貯蓄を阻む要因となっていることでしょう。
このような背景から、老後の資金目的で50代から仕事を始める女性が増えています。
参照:家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要
社会とのつながり
働く上では、給料の金額だけでなくやりがいも大切です。
例えば、長い間専業主婦として家庭を支えてきた方も、働き始めることで新たな人間関係を築いたり、社会の一員として活躍したりすることが可能になります。
自由な時間を使って社会に貢献できる仕事をすることで、人生がより豊かに感じられることでしょう。
また、一般的な企業では定年が定められているので、引退後の居場所づくりとして定年のない新たな仕事や、誰かの役に立てる仕事に挑戦する方もいます。
50代以降の仕事探しには金銭面だけでなく、社会とのつながりややりがいを目的とすることも、重要な条件の一つです。
雇用側から見た50代のメリット
50代という年齢は就職に不向きともいわれていますが、雇用側にもいくつかのメリットがあります。
面接では自身の経歴とともに、以下のような強みをしっかりアピールすることが大切です。
若年層より離職率が低い
50代ではほかの世代と比べて離職率が低いという傾向があります。
厚生労働省が公表している「令和5年雇用動向調査結果」によると、19歳以下を除くと25~29歳の離職率がもっとも高く、男性が15.6%・女性は19.1%です。
しかし、50~54歳、55~59歳の離職率を見ると、男性ではそれぞれ5.6%、6.6%、女性でも9.0%、7.6%となっており、ほかの世代と比較しても低い数値となっています。
離職が少ないということは、企業側からすると採用コストの削減につながり、長期的な戦力として期待できるため、50代という年齢は就職活動において不利になることばかりではありません。
面接では長く働き続ける意思があることをしっかりと伝えることで、採用されるケースも多くなるでしょう。
時間的な余裕がある
50代女性はほかの世代と比べて子育てがひと段落している方も多く、比較的時間的な余裕を持って働ける場合が多く見られます。
学生や小さな子どもを育てる世代が対応しづらい平日の日中や夜間のシフトにも柔軟に対応できることは、企業にとって大きな魅力です。
急な欠勤やシフトの調整が必要な場面でも協力しやすい人材は、職場の安定運営にとって欠かせない存在となります。
こうした柔軟な勤務が可能な50代は、雇用側からのニーズも高まりやすいといえるでしょう。
コミュニケーション経験が豊富にある
人生経験が豊富な50代女性は、幅広い世代とコミュニケーションをとってきた経験があります。
すでに基本的な礼儀やマナーが身に付いており、顧客対応や社内の人間関係にも柔軟な対応ができると期待されやすいでしょう。
雇用側にとってもマナー研修などの必要がなく、即戦力として活用できることは大きなメリットになります。
50代女性が仕事を始める前に考えておくこと
仕事を始めるにあたって、まずはご自身の希望や条件を明確にしておきましょう。
職種によっては資格の取得が必要になる場合もあり、そのための時間をどれくらい確保できるのか、あらかじめ見通しをつけておくと安心です。
ハローワークやキャリアコンサルタントに仲介を依頼する場合にも、条件がはっきりしていると仕事の紹介をスムーズに進められるため、最初に考えておきましょう。
稼ぎたい金額
老後の資産形成のためであれば、将来の年金額からいくら足りないのかを計算しておく必要があります。
日本年金機構から届く「ねんきん定期便」には将来の年金見込額が記載されているので、確認しておきましょう。
月3万円足りないと想定すると、年間36万円、65歳から95歳までの30年で1,080万円が必要になります。
退職金やお持ちの金融資産で補えない分は、貯蓄で賄わなければなりません。
さらに50代以降は家の修繕費や病気の治療費、両親の介護費用などが必要になることもあり、急な出費で資産計画が崩れないように余裕を持って準備しておくことが大切です。
勤務形態
配偶者の給料などで生活資金が比較的安定している場合は、正社員にこだわらず、派遣社員、パートやアルバイト、業務委託なども選択肢の一つです。
正社員に比べて勤務時間や勤務日数が柔軟に選べるため、私生活への負担も大きくありません。
派遣社員は有期雇用になりますが、仕事探しから就職後まで派遣会社のサポートが受けられ安心です。
パートやアルバイトでも、職場によっては一定の条件で社会保険の加入が可能ですので、面接時に聞いてみましょう。
業務委託を選んだ場合は社会保険には入れず、年末調整や確定申告もご自身で行う必要がありますが、柔軟な働き方が可能です。
配偶者の扶養内で働きたい場合は、収入が一定額を超えないように事前に確認し、面接の際にもはっきり伝えておきましょう。
リスキリングのための時間
職種によっては、資格の取得が必要になることもあります。
ほかにもPCのスキルや専門知識が求められることもあり、働き始めるまでにリスキリングのための時間をどれくらい確保できるかを考えておきましょう。
過去に経験のある仕事でも、業務内容や使うツールが大きく変わっていることもあるため、仕事の内容を確認しておくことが必要です。
体力
50代では、若い頃に比べるとどうしても体力の低下を感じやすくなります。
働き始めたことで体を壊してしまうのは避けたいところです。
足腰に不安がある場合は重労働や立ち仕事は避け、デスクワークが主体の仕事や短時間の勤務を検討しましょう。
50代から仕事を始める際の注意点
50代での就職はメリットも多い一方で、よいことばかりではありません。
予想されるトラブルをあらかじめ理解し、事前に対策を整えておけば未然に防ぐこともできるでしょう。
50代から仕事を始める際に注意しておくべきことを紹介します。
上司が年下
50代で就職すると、年下の上司のもとで働くことは少なくありません。
年下の上司から指摘や指導を受けたことでプライドが傷つき、無益な衝突が起こってしまうと、お互いにストレスを抱くばかりか業務にも悪影響です。
上司からしても年上の部下はやりにくいと感じている可能性を理解し、感情的な対応は控え、上司を陰で支えられるように立ち回りましょう。
新しい機器の使い方が分からない
多くの職場でDX(デジタル化)が進められており、過去に経験のある仕事であっても、見たことがないITツールが多数取り入れられていることがあります。
「使い方が分からないと言ったらバカにされそう」と心配して、誰にも聞かずにやり過ごそうとするかもしれませんが、疑問がある場合は遠慮せずに質問することも必要です。
インターネットで調べたり、若い社員に使い方を教えてもらったりしましょう。
メモを取るなどして、何度も聞かなくても済むように心がけることも大切です。
若い世代の話に入れない
50代で新しい職場に入ると、新しい人間関係の構築やコミュニケーションのギャップに戸惑ってしまうことも多くあります。
自分以外が若い世代ばかりだと、なかなか話に入っていけずに孤立してしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、趣味や日常の些細な話題など、若い世代とも何かしらの共通点を見つけることが話題を広げるカギになります。
ただし「昔はこんなに大変だった」「今の若い人は楽でいい」といった発言は、距離を近づけるどころか、むしろ世代間の溝をつくってしまうことになるため控えましょう。
50代の女性が仕事を探す際のポイント
仕事を探す際には、ご自身のライフスタイルや将来設計が実現できるように、勤務の希望や条件が一致しているかを確認しておかなければなりません。
同じ職種でも職場によって規定が異なる場合があります。
想像と違ったということがないように、事前の確認と準備は怠らないようにしましょう。
業界の事前調査
仕事を始める上で、その業界の情報収集は欠かせません。
せっかく資格を取得したのに「思っていた仕事内容と違った」「資格で得た知識が使えなかった」ということもあります。
インターネットで調べるほかに、可能であれば実際にその業界で働いている人の話を聞いたり、口コミ情報を参考にしたりすることで、より理解が深まるでしょう。
定年がないこと
50代で働き始める場合、定年の有無は重要です。
自身が60歳以降も働きたいと思っている場合は、それに合った就業規則の職場でないといけません。
正社員を定年した後も、嘱託社員として働けるかも確認しておきましょう。
雇用側にとっても長く働いてもらえる人材は歓迎されやすいので、自身の希望をしっかりと伝えることが大切です。
優先順位
50代からの就職は20代に比べると選択肢が限られ、希望どおりの働き方や職場がすぐに見つからないこともあります。
焦らずじっくりと探す姿勢は大切ですが、希望する条件には優先順位をつけて、ある程度の妥協は仕方ないと判断することも必要です。
すべての条件を満たす理想の職場がすぐに見つからなくても、まずは経験を積みながら次のチャンスを広げていく考え方も有効です。
自分の強みや得意なことを生かせる職場で働くうちに、新たな可能性が見えてくることもあるでしょう。
楽しさややりがい
長く働き続けるためには体力的な負担が少ないだけでなく、働いていて楽しいと思えたり、やりがいを感じられたりすることも大事な要素です。
ストレスを感じる場面があっても、楽しさを実感できたり誰かに感謝されたりすることを原動力として仕事を続けている方はたくさんいます。
誰かと話をしながら進める仕事や一人でコツコツと行う仕事など、自身にとって楽しいと思えることを軸に探すことも大切です。
50代女性に適した仕事7選
50代女性が実際に多く働いている仕事をいくつかピックアップします。
これまでの経験を活用でき、かつリスキリングの必要が少ない職種もあり、未経験でも始めやすい仕事です。
介護士
介護士は、疾患や障害によって介護を必要とする高齢者や障害者の身の回りの世話を行います。
高齢化が進む現代において介護分野の需要は今後も拡大が見込まれており、就職面では売り手市場が続いています。
一部の業務は無資格でも入職が可能ですが、長く安定して働くには「介護職員初任者研修」の受講がおすすめです。
資格を取得することで業務の幅も広がり、待遇面でも有利になるケースが多いでしょう。
ナースエイド
ナースエイドは、病院内で看護師の補助として患者の身体介助や医療器具の管理、シーツ交換、病室内の清掃などを担当します。
女性が多く活躍している職種でもあり、50代女性にとっても働きやすい環境といえるでしょう。
就職時に特別な資格や経験は必要ありませんが、指示を正確に守る姿勢や責任感、幅広い年代の患者と良好なコミュニケーションを取る力が求められます。
事務職
事務職は書類作成やデータ入力、電話応対などのデスクワークを中心に、職場によってさまざまな業務を担当します。
受付業務を兼ねるケースもあり、来客対応やビジネスマナーも重要です。
事務職は正社員・パート・派遣と多様な雇用形態で求人があり、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすい点も魅力です。
家事代行
家事代行はお客様の自宅を訪問し、掃除・洗濯・料理などの日常的な家事を代行する仕事です。
特別な資格や経験は必要なく、50代女性にとっても始めやすい職種といえます。
多くの事業所で掃除のコツや洗剤の使い方、接客マナーなどの研修が用意されており、未経験からでも安心してスタートできます。
日常生活で培ってきた家事スキルが、そのまま仕事に生かせる点も大きな魅力です。
調理補助
調理補助は特別な資格や経験がなくても、基本的な料理の知識があればスタートできる仕事です。
勤務先は飲食店やホテルに限らず、病院や学校、介護施設など幅広い分野に広がっています。
飲食店では夕方以降の勤務が中心になることが多い一方で、学校や介護施設では早朝からの勤務が一般的です。
自分のライフスタイルや働きたい時間帯に合わせて職場を選びやすいのも、大きな魅力といえます。
家庭での料理経験を生かしやすく、50代女性にとっても挑戦しやすい職種です。
清掃
清掃スタッフはオフィスビルや学校、病院など、さまざまな場所で清掃作業を行います。
景気に左右されにくく、清掃という業務自体がなくなることはほとんどないため、長期的に安定して働ける職種といえます。
専門的な資格がなくても始めやすく、体力に自信があれば年齢を重ねても続けやすい仕事です。
決まった作業を丁寧にこなすことが求められ、コツコツと取り組める方に向いています。
保育補助・ベビーシッター
保育士として働くには保育士試験に合格する必要があり、難易度も決して低くありませんが、保育補助であれば資格がなくても始めることができます。
子どもと接することが好きな方にとっては、やりがいを感じやすい仕事です。
ベビーシッターも無資格で始められる職種ですが、民間のベビーシッター資格を取得しておくと、就職や依頼を受ける際に信頼性が高まり有利になるでしょう。
家庭や子育ての経験を生かせる点も、50代女性にとって大きな魅力です。
50代女性が持っていると就職や転職に有利な資格
50代で仕事を探すなら、資格を持っているほうが有利です。
ここでは、就職や転職に生かせる資格を紹介します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職で働くための基礎的な知識と技術を証明する資格です。
介護の仕事に従事することを希望するのであれば、年齢や経験を問わずに誰でも取得できます。
介護業界への就職や転職、キャリアアップの際に役立つので、介護職が未経験の方が取得しておいて損はありません。
この資格があれば、ホームヘルパーとして働くこともできます。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識とスキルがあることを証明する国家資格です。
受験資格に年齢制限はなく、誰でも受験できます。
ITパスポートの合格率は50%前後で安定しているため、勉強する時間が確保できれば、50代でも取得するのは難しくありません。
ITに関する専門用語が多く出題されるため、しっかりとした対策が必要です。
ITパスポートは、総務や経理、一般事務、営業など、パソコンを使用する仕事に役立ちます。
日商簿記検定
日商簿記検定は、企業の取引記録を帳簿に記録・集計し、企業の経営状態を明らかにする簿記と呼ばれる技能の習得度を表す資格です。
1~3級まであり、簿記に関する基礎的なことが学べるのは3級、採用で有利になるのは2級以上になります。
簿記検定試験に合格すると資格が取得できますが、2級の合格難易度は高めです。
通信講座を利用して勉強する方法や、独学で勉強する方法があります。
簿記は一般事務や営業事務、自営業など、幅広い仕事に役立つ資格なので、取得しておけば職業選択の幅も広がるでしょう。
登録販売者
登録販売者は、ドラッグストアやスーパーマーケットで一般用医薬品が販売できる資格です。
風邪薬や鎮痛薬などの一般用医薬品を扱える資格のため、年齢に関係なく安定した需要が期待できます。
ドラッグストアやスーパーマーケットのほかに、薬局や薬を扱うバラエティショップなど、働ける職場は多種多様です。
正社員ではなくアルバイトやパートとして働けるので、50代が取得すればライフスタイルに合わせて仕事ができるでしょう。
医療事務
医療事務は、診療報酬請求や医療保険制度に関するスキルや知識を証明できる民間の資格です。
無資格でも医療事務として働くことは可能ですが、取得しておけば医療事務の仕事に役立ちます。
医療事務の民間資格の種類は、診療報酬請求事務能力認定試験や医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)、医療事務技能認定試験などです。
年齢制限はないので、50代の方でも問題なく取得できます。
医療事務の資格の種類によって難易度が異なるので、どの資格が必要なのかを、あらかじめチェックしておきましょう。
調剤薬局事務
調剤薬局事務は、薬局でのレセプト業務や会計業務を担当できる知識とスキルがあることを証明する資格です。
調剤薬局事務の資格にはいくつかの種類がありますが、どれも受験資格がないので、年齢や経験に関わらず誰でも受験できます。
最近では、ドラッグストアに調剤薬局が併設されるケースが多く、需要も高くなっています。
この資格を持っていれば、50代でも調剤薬局の求人で採用されやすくなります。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、クライアントのキャリアを支援する専門家であることを証明する国家資格です。
受験資格として、国が認定する養成講座を150時間受講する必要があります。
年齢制限がないので、50代でも取得が可能です。
キャリアコンサルタントの資格があれば、ハローワークのような公的機関や、人材派遣会社、一般企業の人事部で働く際に役立ちます。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)は、金利や税制、保険、老後などの幅広いお金の知識があることを証明する資格です。
2級以上は受験資格に実務経験や3級の取得が必要になるので、未経験の50代であれば3級からの挑戦をおすすめします。
なお、転職の際に有利になるのは2級以上です。
金融や保険、不動産業界で働く際に持っていると役立ちます。
MOS
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、WordやExcelに関する基礎知識やスキルを持っていることを証明する資格です。
取得難易度は公開されていませんが、一般の場合で約80%、上級の場合で約60%といわれています。
50代が挑戦する場合でも、一般は比較的難易度が低いため、合格できる可能性は高いでしょう。
WordやExcelはさまざまな企業で導入されています。
この資格を持っていれば、事務職への就職や転職に有利です。
ITスキルをアピールできるので、在宅で働きたい方が案件を獲得するときにも役立つでしょう。
50代女性に適した働き方
50代女性には、どのような働き方が合っているのでしょうか。
おすすめの雇用形態を紹介します。
派遣社員
一度退職していてブランクがある50代女性におすすめなのが、派遣社員です。
派遣社員であれば、これまでの経験を生かした働き方ができます。
派遣社員として働くメリットは、派遣会社に登録するだけで自分に合った職種を紹介してもらえる点です。
派遣先の企業で評価が高ければ、正社員として働くことも夢ではありません。
しかし、選ぶ派遣会社によってはミスマッチが発生する場合もあります。
ミドル世代向けの仕事をメインで紹介している派遣会社を選びましょう。
パートやアルバイト
自分が希望する時間帯だけ働きたい50代女性におすすめなのが、パートやアルバイトです。
扶養内やフルタイムなど、個人の希望に合わせた多様な働き方ができます。
パートやアルバイトとして働くメリットは、働いた時間の分だけ間違いなく給料がもらえることです。
時給で換算されるので、残業代が出ないといったトラブルが起こりにくくなっています。
ノルマもないので、正社員よりもプレッシャーを感じずに働けるでしょう。
パートやアルバイトには法律で定められた定年はありませんが、企業によっては設定されている場合もあるので、応募する前に就業規則をチェックしましょう。
フリーランス
クライアントから業務委託で仕事を受注するフリーランスは、自宅で働きたいと考える50代女性におすすめです。
パソコンとインターネット環境さえあれば、自宅以外の場所でも働けます。
フリーランスとして働くメリットは、自分の好きなように働けることです。
家事や介護の隙間時間に仕事をこなすことができるので、仕事と家事の両立がしやすくなっています。
フリーランスは自分で仕事を探す必要があります。
デザインやライティングなど、自分の得意分野の仕事を探しましょう。
起業する
専門的な知識や特別なスキルを持っている50代女性なら、起業するのがおすすめです。
広告や宣伝にSNSを活用すれば、初期費用を抑えながらビジネスをスタートできます。
起業のメリットは、長く培ってきた知識やスキル、人脈を生かせることです。
貯蓄や退職金を活用したり、支援制度を活用したりできるので、資金面でも有利になるでしょう。
家事代行サービスや終活カウンセラーなど、趣味や特技を生かして起業を成功させたケースもあります。
ただし、起業にはリスクや責任が伴うので、事前調査で事業のプランを作成する必要があります。
契約社員
しっかり稼ぎたいと考えている50代女性には、契約社員がおすすめです。
正社員登用制度を設けている会社であれば、正社員を目指すこともできます。
契約社員のメリットは、毎月安定した収入を得られることです。
老後に向けた資産形成にも役立ちます。
いずれ正社員になりたいと考えているなら、未経験ではなく、これまでに経験してきた職業を選ぶことがポイントです。
知識やスキルをアピールできれば、即戦力として採用されるでしょう。
50代女性が仕事を探す方法
50代女性が自分で仕事を探すのは簡単ではありません。
自分に合う仕事を探す方法を紹介します。
シニア向けの求人サイトを活用する
求人サイトにはさまざまな求人情報が掲載されていますが、シニア向けの仕事に特化している求人サイトを選べば、円滑に仕事探しができます。
年齢層や周辺地域など、条件を絞って検索することも可能です。
求人サイトはスマートフォンやパソコンがあれば、場所や時間を選ばずにアクセスできるのがメリットになります。
利用料金が無料としているサイトが多く、求人情報が豊富なのも強みです。
求人情報を比較しながら、より希望に近い仕事を探したい方に向いています。
ハローワークを利用する
ハローワークとは、誰でも自由に利用できる公的な職業紹介所です。
窓口の職員に相談や質問ができるので、退職してからブランクのある方も円滑に仕事探しが始められます。
ハローワークのインターネットサービスを利用すれば、自宅で仕事探しをすることも可能です。
全国の市区町村にあるので、地域に密着した求人を紹介してもらえるのが、ハローワークのメリットになります。
求人の内容と実際の職場環境に相違がある場合は、しっかりとアフターフォローをしてくれるので安心です。
リファラル採用
リファラル採用とは、知人や友人から紹介された企業で面接を行い、基準を満たしていれば正社員として採用されるやり方です。
すでに勤めている人からの紹介なので、信用が得られやすい採用方法になります。
正社員として雇ってもらえることや、事前に職場の雰囲気を把握できるのが、リファラル採用のメリットです。
退職からブランクのある方でも、安心して仕事を始めることができます。
採用にかかる人件費のコストが抑えられるので、企業側にもメリットがある採用方法といえるでしょう。
アルムナイ採用を利用して再雇用してもらう
アルムナイ採用とは、退職した企業を再雇用する制度です。
在職社員からの推薦がある場合や、元上司から連絡が来る場合もあります。
培ってきた実績やスキルが生かせるので、即戦力として活躍できるのがアルムナイ採用のメリットです。
企業側も能力を理解しているので、自分の力が発揮できる部署に配属してもらえます。
興味のある方は、以前働いていた企業にコンタクトをとってみましょう。
転職エージェントを活用する
自分が希望する条件の仕事を見つけやすいのが、転職エージェントです。
希望条件を登録しておけば、エージェント側が条件に合った仕事を紹介してくれます。
転職エージェントを利用するメリットは、短期間で好条件の仕事が見つかる可能性があることです。
また転職先への応募や、面接のサポートをしてくれるサービスも活用できます。
詳しい労働条件の交渉も代行してくれるので、仕事探しの時間がとれない場合は上手に活用してみましょう。
シルバー人材センターを利用する
シルバー人材センターは、働きたいシニア世代に臨時的かつ短期的な仕事を紹介するサービスです。
報酬はそこまで高額ではありませんが、地域に密着した仕事が多いので、地域社会への貢献にもつながります。
シルバー人材センターを利用するメリットは、同世代の働きたい仲間と出会えることです。
会員同士が協力しながら一緒に働くシステムになります。
派遣会社に登録する
派遣会社に登録しておけば、これまでの経験やスキルを生かせる職場を紹介してもらえます。
紹介された企業での働きぶりが評価されれば、正社員になることも夢ではありません。
特別な資格やスキルを取得している方は、派遣会社に登録して、長期間続けられる仕事を見つけましょう。
50代女性におすすめの定年のない職種
年齢制限がある職種だと、長く勤めることが難しくなっています。
ここでは、50代女性におすすめの定年のない職種を紹介します。
不動産業界
不動産業界は、一定の需要が発生する分野なので、企業によっては定年制を廃止しているところもあります。
働きながら不動産に関する資格を取得すれば、キャリアアップも可能です。
不動産取引では契約や書類作成が主な業務になるため、体力に自信のない50代女性でも無理なく働けるでしょう。
IT業界
IT業界は、社会のデジタル化により急成長を続けています。
IT関連のスキルや知識を身に付けておけば、退職後にフリーランスとして働くことも可能です。
なお、50代が就職や転職する場合は経験者採用が基本となるため、過去にIT業界で働いた経験が必要となります。
介護業界
介護業界は、高齢化社会による需要の増加により人材が不足しています。
資格がなくても働けるので、経験やスキルのない50代女性でも挑戦しやすいでしょう。
働きながら資格を取得できれば、手当がもらえるので収入アップも期待できます。
定年がない施設も増えてきているので、体力的に問題がなければ、長く働き続けることができるでしょう。
コンサルティング業界
コンサルティング業界は、社会人として働いてきた経験を生かして、コンサルティングや講師として起業する50代の女性が多く見られます。
実務経験を中小企業や個人事業主に向けて発信することは、大きなビジネスのチャンスにつながります。
近年ではオンラインで講座を開くケースも増えているので、在宅で働くことも可能です。
キャリア支援業界
キャリア支援業界は、人材不足に悩む企業と多様化する求職者の働き方への対応が求められているため、ニーズが高まっています。
これまでの経験を生かしてハローワークに勤めたり、企業や教育機関から業務委託を受けたりしている50代女性も少なくありません。
信頼感があることから、同世代へのキャリア支援も期待されています。
物流業界
物流業界は、インターネット通販の拡大により人手不足が深刻な状況のため、安定した需要があり50代の女性でも長く働き続けられる可能性があります。
商品の仕分けや梱包、検品など、スキルや経験がなくても仕事を始められるのがメリットです。
シフトも自由に組めるので、家庭と仕事が両立しやすいことも魅力になります。
50代女性が在宅で出来る仕事
介護や家事などの理由から、在宅での仕事を希望する50代女性も少なくはありません。
在宅で出来る仕事を紹介します。
コールセンター
コールセンターは、顧客に電話をかけたり、クレーム対応をしたりする仕事ですが、出社せずに自宅で仕事に取り組むことも可能です。
稼働時間も自分で決めることができるので、家事や介護に追われる50代でも取り組みやすくなっています。
コールセンターで働くためには、資格やスキルは必要ありません。
臨機応変な対応が求められるため、社会人経験があるほうが採用時に有利です。
データ入力
データ入力は、クライアントから依頼された画像やpdfなどのデータを、Excelに入力する仕事です。
ライティングのように文章を考える必要がないシンプルな業務なので、経験のない50代女性も安心して取り組めます。
基本的なパソコンスキルを持っていれば、案件を受注することが可能です。
コミュニケーションも最低限で済むため、黙々と一人で作業をしたい方に向いています。
Webデザイン
Webデザインは、企業の公式サイトやキャンペーンページ、コンテンツのデザインを担当する仕事です。
スキルやセンスが必要だと考える人も少なくありませんが、デザインスクールの通信講座を活用すれば、50代からでも最短2カ月程度で仕事が受注できるようになるでしょう。
実績が増えれば単価の高い案件も受注できるようになるので、前職がデザイナーだった方はもちろん、未経験の方も挑戦してみましょう。
SNS運用
SNS運用代行とは、企業や個人のSNSアカウントを開設したり、依頼された内容の動画の撮影・編集や、投稿、管理を担当したりする仕事です。
SNSに興味があるなら、50代でも問題なく取り組めます。
スキルもある程度必要ですが、センスが問われる仕事のため、特別な資格は必要ありません。
未経験の場合でも、副業として気軽に始めることができるでしょう。
オンライン講師
オンライン講師は、インターネットを介して、生徒に知識やスキルを教える仕事です。
小学生向けの家庭教師や、中学生向けのビジネス英会話、シニアや子ども向けのパソコンやスマホ教室など、仕事の内容はさまざまですが、すべて在宅でこなせます。
特定の知識やスキルがあるなら、自由な時間に働けるオンライン講師がおすすめです。
翻訳
翻訳は、英語が得意な方や外国に住んでいた経験がある50代女性におすすめです。
文章の翻訳や翻訳データの編集・校閲など、翻訳は誰にでもできるわけではないので、単価も高く設定されています。
語学スキルがある方は、安定した需要と収入が得られる翻訳がおすすめです。
50代から仕事に就くなら介護職がおすすめ
50代から仕事を探すなら、介護職をおすすめします。
人手不足による需要の高さと、未経験でもOKな求人が多いことが理由です。
また、働きながら資格を取得すれば、スキルアップも可能になります。
実際に50代から介護職を始める方も多く、60代になっても介護職を続けている方も少なくありません。
介護職は50代から一生出来る仕事といえるでしょう。
ケアリッツでは訪問介護スタッフの正社員を募集中
訪問介護サービスを提供しているケアリッツでは、介護スタッフの正社員を募集しています。
正社員の比率が多く、安定して働くことができます。
男女比も均等で偏りがなく、幅広い年齢層の方が在籍しています。
ケアリッツで安心・安全な働き方を実現しましょう。
まとめ
今回は、50代女性が一生出来る仕事をカテゴリー別に紹介しました。
転職や就職を有利に進めるためには、資格の取得が必須です。
雇用形態を確認して、自分に合った働き方を選ぶことも大切になります。
定年のない職種を選べば、長く働き続けることができます。
在宅で取り組める仕事を選べば、隙間時間を有効に活用できるでしょう。





