【ROOTS】「ちょっと待って」が自分の口癖になってしまっていることに気が付いて、「これじゃダメだ」って思ったんです

【ROOTS】は、当社で働いている社員の方を紹介するコーナーです。
ケアリッツには毎月大勢の方が入社されています。どのような方がどのように活躍しているのか、インタビュー形式で紹介します。これから介護職へ転職を考えている方や、経験は無いものの介護に興味がある方々は、是非参考にしてください!
今回紹介するのは 西新事業所 本田 奈々美(ホンダ ナナミ)さん
2025年9月に正社員入社。10年以上ある介護職キャリアの9割以上を訪問介護で積み上げてきた本田さん。施設勤務時代の経験談もあわせて、色々とお話を伺ってきました。
ターニングポイント
-なぜ介護に興味を持つようになったのですか?-

パチンコ屋さんとかラーメン屋さんとか、接客業を転々としながらシングルマザーとして子育てをしてきたんですが、ふと先々のことを考えた時に、「学もないし、資格らしい資格も持ってないし、このままじゃいけないよね」と思って、職業訓練校で受講できるカリキュラムの中から、私でも受講できそうな講座はないかと探してみたんです。看護系も興味はあったんですが、学歴のところで条件が合わなくて・・・・・・。なにか近しいものはないかと探して、「介護職員基礎研修(現在は廃止)」の講座を見つけたのがきっかけでした。介護は全くの未経験でしたけど、自分の身内に何かあったときにも役に立ちそうだし、やってみて合わなかったらやらなければ良いしくらいのつもりで、学んでみることにしたんです。いざやってみたら思ったよりも面白くて、介護保険の制度のこととか難しい内容もありましたけど、「へえ、そういうことをする仕事なんだ」って、興味関心が膨らんでいきました。排泄介助の話とかを聞いても、全然抵抗を感じることはなかったですね。
専門職としてのこれまで
-実際に介護の世界に飛び込んでみてどうでしたか?-

資格を取っている時の実習でお世話になった法人にたまたまママ友が勤めていて、「資格取ったらうちにおいでよ」って誘ってもらったので、そのままそこでお世話になることにしたんです。てっきり施設勤務だと思ってそのつもりでいたんですけど、ふたを開けてみたら訪問介護配属で、そのまま流れでキャリアがスタートした感じですね。働き始めて思ったのが、「家事ばっかりだな」ってことでしょうか。田舎だったこともあるんでしょうけど、要介護3くらいの方でも現役で畑仕事とかされていて、お願いされることと言えば、「代わりにスーパーまで買い物に行ってきて」といった具合で、稀に、ご家族がいけないときに時々通院の付き添いがあるくらいで、身体的な介護はほとんどありませんでしたね。それでも5年続いたので、訪問介護そのものは肌に合っていたんだと思います。ただその時はパート雇用だったので、手取りがびっくりするくらい少なくて・・・・・・。ちょうど子供がスポーツ特待生で高校に入ることになったんですが、どうしても諸々お金がかかるようになったので、「高校の3年間だけ介護から離れよう」と決心して、工場に転職して3年働きました。当初の予定だとその後元いた訪問介護に戻るつもりだったんですが、息子が福岡にある専門学校に進むことになったんで、「一緒に着いて行っちゃえ」と思って、福岡で介護の仕事を探すことにしたんです。エージェントさんからの勧めもあって施設に就職することにしたんですが、改めて身体介護をするのがほぼほぼ初めてだったので、他の同僚の人たちの手際の良さに、「私、足手まといになってんじゃないかな」って、最初の頃はずっと思ってました。だって、私が一人オムツ替えている間に他の人は三人くらい終わってるんですから。なので、施設勤務をしていた2年半くらいの期間は、介護技術の面でかなり鍛えられましたね。働いていて痛感したのは、「私は施設に向いていない」ってことです。ある日、「ちょっと待って」が自分の口癖になってしまっていることに気が付いて、「これじゃダメだ」って思ったんです。施設はどうしても大勢を相手にしないといけないんですが、「トイレに行きたい」とか、「部屋に戻りたい」とかって、誰か一人が言うと次から次にお呼びがかかるんです。でも一度に対応してあげられるのはどうしてもお一人までなので、本心では今すぐにでもどうにかしてあげたいのに、「あの人動くけんさぁ、ちょっと待っとってよ」って、ある程度頭がクリアで理解してくださる方に伝えて後回しにさせてもらったり、そういうのがどうしても無理で、イライラするようになっていって、「このままじゃご利用者にきつく当たってしまう」って思ったので、退職することにしたんです。息子が通っていた専門学校が3年制で、もうあとは試験受けて卒業するだけっていうところまで来ていたので、「好きなことをやろう!」と決めて訪問介護に戻ることにしたんです。やっぱり、たった一時間とかかもしれませんけど、お一人のために親身になってサービスできるっていうあの感じが、一番私には合っていたんですね。それから4年ほど別の会社で訪問介護の仕事に就いて、サ責(サービス提供責任者)の経験もさせてもらいました。訪問介護から離れていた6年弱の間で介護保険の制度が大分変っていたので、改めてルールを覚え直したりすることができて、良い勉強になりました。ただ、「本田さん来月からサ責やけん」って感じで急に任されたこともあって、業務内容を把握することに加えて、ケアマネ(介護支援専門員)さんへの連絡とか、休みの日までかかってくるスタッフさんからの電話とか、売り上げを意識することとか、それまでの、「言われた通り働けばいい」っていう状況ではなくなったのはちょっと大変でしたね。
ケアリッツへの転職
-ケアリッツに転職してみていかがですか-

私の母が熊本に住んでいて、以前母がケガをしたときに福岡と熊本を行き来していたことがあったんですけど、福岡と熊本間の移動だけでも結構しんどかったんです。今、息子が神奈川県の方にいるんですけど、「今後もし私に何かあって、息子が福岡まで来なければならないってなったら、移動距離も大変だしお金もかかるし、だったら私が関東に行ってしまおう!」って思ったのがきっかけで転職活動を始めたんです。いくつか候補はあったんですけど、ケアリッツは関東圏に沢山事業所があったので、選考を受けさせてもらいました。あと仕事が終わったらナイターっていうくらい野球が好きで、特にヤクルトスワローズの大ファンなので、関東に異動したら神宮球場にも通いやすくていいなと。

入社してすごく感じているのは、「ご利用者の雰囲気が今までとは大分違うな」ということです。前の職場だと、例えば半身に麻痺があると、「私出来ないからあれもそれもやって!」みたいな方が多かったんですが、今は、「それは私が自分で出来るから大丈夫」っていう具合に、意欲的な方ばかりなんです。「うう、手伝いたい!」って思うんですけど、そこはグッと我慢しながら、ご本人が頑張ろうとしている気持ちを応援しています。一緒に働いている同僚については、私が見る限りではありますけど、介護技術のレベルをもう少し上げて欲しいなと思っています。ただ、前職は、「出来そうにないことはやりません」っていうスタンスの人ばかりだったのに対して、今は、「出来ないことでも頑張ってできるようになろう!」っていう気持ちでご利用者と向き合っているスタッフさんばかりなので、伸びしろいっぱいの事業所だなって感じながら働いています。人柄もすごくいい人ばかりなので、毎日楽しいです!
これから
-今後の目標を聞かせてください-

サ責になりたいです。ケアリッツではサ責になるための試験がちゃんと用意されていて、前職みたいに急に振られてやりながら体で覚えるみたいな仕組みではないので、ちゃんと勉強して、ちゃんと試験に受かって、頼れるサ責を目指していきたいですね。あと叶うのであれば管理者までは経験してみたいなって思ってはいます。これは純粋な好奇心で、経営するってどんな感じなんだろうなっていうのを一度でもいいから味わってみたくて。それとやっぱり関東圏への異動ですね。本当は今すぐにでも行きたいくらいなんです。息子とヤクルトスワローズのそばで働けたら最高ですね。介護の現場に出るのがしんどくなってきたらケアマネを目指してみるのも良いのかなとも考えてはいるので、受験する、しないは別として、今の内から時々過去問を解いたりはしてみようかなと思っています。
終始笑いの絶えないインタビューで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。ご家族に対しても、仕事に対しても、ヤクルトスワローズに対しても、「好き」の矢印を真っ直ぐに向けることができるお人柄は、関わる人全員からの熱い信頼となって返ってくることでしょう。貴重なお話、ありがとうございました!






