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夜勤前の正しい過ごし方は?睡眠や食事、行動について解説

夜勤前の正しい過ごし方は?睡眠や食事、行動について解説

介護職には、夜勤を必要とする勤務形態があります。

夜勤前はどのように過ごせばいいのでしょうか。

この記事では、夜勤前の睡眠や食事、行動について解説しています。

また、夜勤中や夜勤後の過ごし方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

夜勤前の過ごし方【睡眠】

夜勤前にはどれくらい寝るべきなのでしょうか。

夜勤前の睡眠について解説します。

短時間の仮眠をとる

 

夜勤当日は、起床してから8時間後に短時間の仮眠をとると、仕事のパフォーマンスが向上するとされています。

普段朝の6時に起きる方は、14時ごろから仮眠を開始することで、質の高い睡眠を得ることができます。

夜勤前の適切な仮眠の時間は、2~3時間が目安です。

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは90分程度で変動しているため、1サイクルか2サイクルの睡眠時間を確保すれば、すっきりと目覚めることができます。

寝だめや昼寝はしない

 

夜勤に備えるために、前日に寝だめをしたり、習慣にない昼寝をしたりといった過ごし方はよくありません。

普段と違うことをしてしまうと、体に負担がかかります。

寝すぎてしまうと、頭痛や倦怠感といった体調不良になるケースも多く見られます。

睡眠のリズムが乱れることで時差ボケのような状態になったり、長時間同じ姿勢で寝たことにより筋肉痛を引き起こしたりする場合もあります。

無理に寝ようとしない

 

どうしても眠れない場合は、無理に寝る必要はありません。

精神的に自分を追い込んでしまうと、ますます眠れなくなってしまいます。

夜勤前はできるだけリラックスした状態で過ごし、眠気を感じたら仮眠をとるようにしましょう。

夜勤当日はいつもどおりの時間に起きる

 

夜勤当日の朝は、普段どおりの時間に起床することを心がけてください。

早朝に起きたり、昼すぎまで寝たりしてしまうと、生活リズムが乱れてしまいます。

いつもどおりの時間に起床するためのポイントは、前日の夜に夜更かしをしないことです。

夜勤の業務を万全の体調でこなすためには、前日の睡眠時間が6~9時間必要になります。

早めに寝て必要な睡眠時間をしっかり確保しましょう。

夜勤前の過ごし方【食事】

夜勤前はどのように食事をとるべきなのでしょうか。

夜勤前の食事について解説します。

仮眠の3時間前までにとる

 

夜勤前の食事は、仮眠の3時間前までに済ませておくのが理想です。

仮眠直前に食事をしてしまうと、消化にエネルギーが使われるため、十分に体を休めることができなくなってしまいます。

食事と仮眠の間隔を3時間あければ、夜勤の前に質の高い睡眠を得ることが可能です。

胃に優しい食事を心がける

 

夜勤前は胃に負担のかからない食事を心がけましょう。

消化のよいものを食べると、効率よくエネルギーを補給できます。

夜勤前におすすめの食事は、次のとおりです。

  • うどん
  • 豆腐
  • 白身魚
  • バナナ
  • 鶏ささみ

菓子パンや揚げ物など、脂質や糖質が多いものは、胃に負担がかかるので避けてください。

消化によいものを食べると、おなかが空きやすくなります。

夜勤中におなかが減ってしまったときのために、サンドイッチやおにぎりなどの軽食を用意しておくとよいでしょう。

食べすぎに注意する

 

夜勤前に満腹になるまでたくさん食べてしまうと、血糖値が急上昇して眠くなってしまいます。

暴飲暴食により上昇した血糖値が急激に下がると、疲労感が増してしまうので注意が必要です。

夜勤前の食事量は、腹八分目になるくらいが理想とされています。

さらに、炭水化物やたんぱく質、ビタミンやミネラルなどの栄養バランスがよい食事を意識することが大切です。

夜勤前の過ごし方【行動】

夜勤前はどのように過ごすのが正解なのでしょうか。

夜勤前の行動について解説します。

業務のスケジュールを確認しておく

 

夜勤の業務がマニュアル化されている施設であれば、出勤前にスケジュールを確認しておくと安心です。

すべてのスケジュールを頭に入れることは簡単ではありませんが、夜勤中は人員も限られているため、自分で大まかな流れを把握しておくことをおすすめします。

夜勤で担当する利用者が決まっている場合は、日勤の担当者がいる間に情報を収集しておきましょう。

余裕があれば担当外の利用者の情報も収集してください。

ある程度状況を把握していれば、不測の事態でもスムーズに対処できます。

リラックスして体力を温存する

 

夜勤前は、気負わずにリラックスして過ごすのが最良です。

もしも仮眠ができなかったとしても、体力を温存しておけば、夜勤中の疲労や眠気を軽減できます。

リラックスの方法はたくさんありますが、自宅で手軽にリフレッシュできる入浴やストレッチがおすすめです。

好きな音楽を聴いたり、好きな本を読んだりするのも、ストレスの軽減につながります。

リラックスの効果により眠気を感じた場合は、そのまま仮眠をとるのもよいでしょう。

午前中は好きに過ごす

 

夜勤当日の午前中は、普段の休日のように過ごしてください。

家から一歩も外に出ない状態だと、逆にストレスがたまってしまう可能性があります。

友達とランチに行ったり、映画を楽しんだりと、好きなことをして過ごしましょう。

午後は夜勤のために体を休める時間です。

体力を消耗してしまうので、夜勤当日の午後に予定を入れるのは控えてください。

しっかりと休息をとってから、夜勤に臨みましょう。

夜勤中の眠気を抑える方法

事前にしっかりと対策をしても、夜勤中の眠気を抑えることはできません。

ここでは、夜勤中の眠気を抑える方法を紹介します。

体を動かす

 

適度に体を動かして刺激を与えると目が覚めるので、ストレッチは眠気対策としておすすめです。

筋肉を動かすことにより副交感神経が優位になり、脳の血行が促進されて頭がすっきりします。

周りの目が気になってストレッチをするのが難しい場合は、マッサージも効果的です。

耳を刺激すると脳が覚醒しやすいので、耳を引っ張ったり広げたりして刺激を与えてみましょう。

ほかの職員と会話する

 

誰かと会話をすると脳が活性化されるため、眠気を紛らわすことができます。

眠くなってきたら、ほかの夜勤スタッフと会話を交わしてみましょう。

夜眠れなくて困っている利用者の相手をするのも、眠気対策におすすめです。

周囲に誰もいない場合は、鼻歌を歌うことで脳に刺激がいき、会話と同様の効果を得ることができます。

業務中に会話をするのが難しい場合もありますが、3分ほどの短い会話でも眠気対策に有効です。

ただし、話に集中しすぎて業務が疎かにならないよう気を付けましょう。

眠気に効くツボを押す

 

眠気に効くツボは、中指の爪の生え際にある中衝(ちゅうしょう)や手の中心にある労宮(ろうきゅう)、首の後ろにある風池(ふうち)、目頭の近くにある清明(せいめい)の4つです。

ツボ押しのポイントは、左右同時に押すことと、骨の内側にある神経に触れるイメージを持つことになります。

眠気は脳が疲れているサインでもあるので、ツボ押しをしてリフレッシュしましょう。

休憩時間に仮眠をとる

 

どうしても眠気を我慢できない場合は、休憩中に短時間の仮眠をとりましょう。

眠気を抑えながら仕事を続けてしまうと、ミスが発生するリスクが高くなります。

仮眠の時間は10~15分がおすすめです。

寝すぎないように、スマートフォンのアラームをセットしてから仮眠をとってください。

仮眠をとることには、疲労の回復や頭をすっきりさせるといったメリットが期待できます。

眠気を感じたまま仕事を続けてしまうと業務効率が落ちてしまうので、軽く仮眠をとってパフォーマンスを向上させましょう。

カフェインを摂取する

 

カフェインには覚醒作用があるので、眠気を覚ますのに有効です。

摂取してから20分程度で効果が現れ、4時間ほど持続するとされています。

効果は個人差があるので、効きすぎる場合は量を減らしたり、効かない場合は量を増やしたりと調整を行いましょう。

カフェインが多く含まれているドリンクは、次のとおりです。

  • コーヒー
  • 栄養ドリンク
  • エナジードリンク
  • 緑茶
  • 紅茶
  • ウーロン茶

カフェインが苦手な場合は、脳のエネルギー源である糖分を含む清涼飲料水や、刺激で頭をすっきりさせる炭酸水がおすすめです。

とりすぎると体の負担になるので、多くても1日に4~5杯程度に抑えましょう。

体を冷やす

 

眠気を感じたときに体を冷やすと、眠気を誘う副交感神経の働きを抑えることが可能です。

氷嚢や冷却シート、冷却スプレーなどの冷却アイテムがあれば、手軽に体を冷やすことができます。

太い血管がある首や脇の下を冷やして、効率よく体温を下げましょう。

冷却アイテムが手元にない場合は、窓を開けて空気を入れ替えたり、衣服を調節したりすることで、中心にこもった体温を逃すことができます。

涼しい環境に整えることで、心も体もリフレッシュできるでしょう。

夜勤後の過ごし方

生活リズムを元に戻すためには、夜勤後にどう過ごすのかも大切です。

夜勤後の過ごし方について解説します。

消化によいものを食べる

 

夜勤後も夜勤前と同様に、胃に優しい食事を心がけてください。

消化によい食べ物なら、体に負担をかけることなく、効率的にエネルギーが補給できます。

夜勤のプレッシャーから解放されたことで一時的に疲れを感じにくくなりますが、心身ともに疲労が蓄積しているのは間違いありません。

焼き肉やアルコールなど、夜勤明けの体に負担がかかるものを食べるのは避けるようにしましょう。

早めに帰宅して休む

 

夜勤後は、寄り道をせずに自宅に帰りましょう。

次の出勤に備えるために、規則正しい生活リズムに戻す必要があります。

業務形態によって異なりますが、2交代制の夜勤後は連休になるケースがほとんどです。

夜勤明けは短時間の仮眠をとり、夜勤業務で失った体力を回復させましょう。

普段どおりの生活リズムを心がける

 

夜勤明けに睡眠不足で長時間寝てしまう方もいますが、帰宅後の朝から夜まで寝てしまうと、昼夜逆転の生活になってしまうのでおすすめできません。

夜勤が終わって午前中に短時間の仮眠をとった後は、太陽の光をしっかり浴びて体内時計をリセットし、生活リズムが乱れるのを防ぎましょう。

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も、疲労を解消できるのでおすすめです。

シャワーを浴びて体温を上げる

 

シャワーで体を温めると、血流がよくなるため寝つきがよくなります。

夜勤後に仮眠をとる場合は、入眠したい1~2時間前くらいに、39~40℃くらいのお湯に10~15分つかってください。

湯船につかるのが理想ですが、忙しい場合はシャワーを浴びるだけでも同様の効果が得られます。

40℃以上の熱すぎるお湯は体に負担がかかるため、ぬるめのお湯にするのがベストです。

入浴剤を活用すると、リラックス効果を高めることができるでしょう。

介護職の夜勤がきつい理由

介護職の夜勤がきついと感じている方は少なくありません。

その理由について解説します。

生活リズムが崩れやすい

 

24時間体制の介護施設の場合、2交代制または3交代制のシフトが組まれているのが一般的です。

介護職員は日勤と夜勤の両方をこなさなくてはならないため、生活リズムがどうしても乱れやすくなります。

睡眠時間が十分に確保できないことで、夜勤がつらいと感じてしまう方もいるでしょう。

人手不足で休めない

 

介護職員の人手が不足しているため、夜勤の業務負担が重いと感じている方も多いでしょう。

介護施設は種類によって、次のような配置基準が決められています。

  • 特別養護老人ホーム:利用者25人に対し1人以上
  • 介護老人保健施設:利用者20人に対し1人以上
  • グループホーム:利用者9人に対し1人以上
  • 小規模多機能型居宅介護:利用者9人に対し1人以上

心身への負担が大きいことから、介護業界は慢性的な人手不足に陥っています。

介護職員の数が足りないので、日勤も夜勤も人員がギリギリの状態です。

事情があって休みたくても、簡単に休めないのが現状となります。

緊急時の対応責任の負担がある

 

夜勤中に利用者の容態が急変した場合、介護職員は緊急対応を求められます。

緊急時のマニュアルが完備されているケースがほとんどですが、落ち着いて対応することは容易ではありません。

過失によって介護事故を起こした場合は、損害賠償責任を負わなければいけません。

何かあったら自分の責任になるので、ストレスを抱えてしまうこともあります。

人の命を預かる責任が重いため、介護職の夜勤がつらいと感じる方は多いようです。

拘束時間が長い

 

介護職の夜勤による業務時間は、2交代制の場合で16時間とかなり長時間となります。

一般的な労働時間は8時間のため、約2倍の時間を拘束されることになります。

2人で夜勤を担当する場合は休憩がとれますが、1人勤務の場合は仮眠をとることすら困難です。

拘束時間の長さによる精神的・肉体的負担が重いため、夜勤がつらいと感じてしまうのでしょう。

家族や友人と過ごす時間が減る

 

夜勤のときは家族が眠っている間に働き、学校や仕事に行っているときに帰ってくるため、家族とはすれ違いの生活になります。

休みの日は遊ぶことより休息が必要になるため、外出の機会は減り、友人とも疎遠になってしまうでしょう。

家族や友人との交流が減少することで孤独感が増し、夜勤がつらいと感じる要因になります。

どうしても夜勤がつらい場合の対処法

夜勤がどうしてもつらい場合は、どうするべきなのでしょうか。

夜勤がつらい場合の対処法を解説します。

夜勤専従になることを検討する

 

夜勤の負担を減らすために日勤のみの職場に転職する方法もありますが、夜勤のみのシフトで働く夜勤専従という選択肢もあります。

夜勤専従とは、日勤を担当せずに夜勤のみを担当する働き方です。

生活リズムが逆転しますが、毎日決まった時間に睡眠がとれるメリットがあります。

夜勤専従なら、夜勤と日勤を繰り返すことによるストレスがなくなります。

日勤よりも勤務日数が少なく夜勤手当ももらえるので、比較的少ない出勤数で高い給料を得ることができるでしょう。

夜勤の回数を減らしてもらう

 

夜勤の回数が多すぎると感じる場合は、夜勤の回数を減らすことをおすすめします。

夜勤の平均回数は、2交代制の場合は月4回、3交代制の場合で月8回です。

法律的に明確な上限は設定されていませんが、労働者の健康を守るために、事業者は適切な夜勤の回数にすることが推奨されています。

平均よりも多く夜勤がある場合は、上司や担当者に相談してみましょう。

長期休暇を取得する

 

夜勤の業務負担が重くて体調が悪くなってしまった場合は、長期休暇を取得して体と心をゆっくりいたわる機会をつくりましょう。

有給休暇は従業員に与えられた権利であるため、会社や同僚に遠慮する必要はありません。

夜勤のストレスから解放されるので、心身ともにリフレッシュすることが可能です。

心身の療養のための休職であれば、休職期間中に傷病手当金をもらえる場合もあるので、治療や回復に専念できます。

休んでいる間に、復職や今後のキャリアについてじっくり考えましょう。

夜勤がない職場への転職を検討する

 

夜勤で働くことが無理な場合は、夜勤なしで日勤のみの職場への転職を検討してください。

無理をして夜勤を続けてしまうと、心身に不調をきたすおそれがあります。健康を害してしまった場合は、働くことすら困難になってしまう可能性があります。

リスクを負ってまで夜勤を続けるべきなのか、よく考えるようにしましょう。

介護業界は慢性的に人手が不足しているため、夜勤のない求人もたくさんあります。介護の資格を持っていれば、転職でも有利です。

長く働き続けることができる職場を見つけましょう。

まとめ

今回は、夜勤前の過ごし方を、睡眠と食事、行動のカテゴリーに分けて解説しました。

夜勤前に特別なことをする必要は一切ありません。基本的には、普段どおりの生活リズムで過ごすようにしてください。

必要に応じて、夜勤前の仮眠や食事で体力を回復しておきましょう。

対策を講じても夜勤中に眠くなることはあります。今回紹介した眠気の解消法を実践してみてください。

そして夜勤後は、生活リズムを戻すための行動を心がけましょう。