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ケアプランとは?作成の流れや書き方、意識したいポイントまで詳しく紹介

ケアプランとは?作成の流れや書き方、意識したいポイントまで詳しく紹介

ケアプランとは、介護をどんな目的で、どんなサービスで支えていくかをまとめた大切な計画書です。

介護保険を使って支援を受けるには、このケアプランが欠かせません。

しかし、「そもそも何を書くの?」「どんな流れで作るの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ケアプランの意味や作成手順、書き方のコツ、作成時に意識したいポイントまでを詳しく紹介します。

ケアプラン作成の目的や書き方の手順を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ケアプランとは?

介護を受ける方が安心して暮らせるようにするためには、支援の内容を整理したケアプランが必要です。

この計画書には、介護の目的や提供されるサービスの内容などがまとめられています。

ここでは、ケアプランの目的や種類、作成に関わる人、介護計画書との違いについて紹介します。

介護サービスの目的と内容を整理した計画書

 

ケアプランは、介護を行う上での目標やサービス内容を明確にまとめた計画書です。

「介護サービス計画書」とも呼ばれ、介護保険におけるサービスを利用する際に必要な書類の一つです。

そのため、適切な介護を受けるためには、このケアプランを作成しなければなりません。

希望するサービスや個々によって記載される内容は大きく異なり、作成時に必要な介護認定やご本人の身体の状態に合わせたプランが作成されます。

ケアプランを作成する目的

 

ケアプランの作成は、利用者が適切な介護を受けられるようにすることが大きな目的です。

また、記載される内容には、身体の状態や病名などがあるため、心身の状態を確認する目的でも使用されます。

記載されたさまざまな内容をもとに、ご自身やご家族、さまざまな関係者が相談しながら、適切な介護サービスが決定・開始されます。

ケアプランの種類

 

ケアプランは、介護度や施設によって作成される計画書が異なります。

具体的には、以下の3つがあります。

 

  • 居宅サービス計画
  • 施設サービス計画
  • 介護予防サービス・支援計画書

 

それぞれ詳しく紹介していきます。

 

<居宅サービス計画>

こちらは、在宅介護を希望している要介護1〜5に認定された方が対象の計画書です。

利用できる主なサービスには、以下が挙げられます。

 

  • 訪問系(訪問介護・訪問入浴・訪問看護・訪問リハビリ・居宅療養管理指導)
  • 通所系(デイサービス・通所リハビリ)
  • 短期入所(ショートステイ・短期入所療養介護)
  • そのほか(福祉用具レンタル・在宅改修)

 

居宅介護を利用する際は、この計画書の作成が求められます。

 

<施設サービス計画>

こちらは、施設での介護を希望している要介護1〜5の方が対象の計画書です。

利用できる主な施設には、以下が挙げられます。

 

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム):身体介護・生活援助・健康管理など
  • 介護老人保健施設:身体介護・生活援助・リハビリ・医療ケアなど
  • 介護療養型医療施設:医師による診断・リハビリ・医療ケアなど

 

施設での介護支援を受ける際は、この計画書の作成が求められます。

なお、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を利用する場合は、要介護3以上でなければ利用できません。

 

<介護予防サービス・支援計画書>

こちらは、要支援1〜2の方を支援する目的で作成される計画書です。

利用できるサービスには、以下が挙げられます。

 

  • 訪問系(訪問介護・訪問入浴・訪問看護・訪問リハビリ・居宅療養管理指導)
  • 通所系(デイサービス・通所リハビリ)
  • 短期入所(ショートステイ・短期入所療養介護)
  • そのほか(介護予防福祉用具レンタル・介護予防在宅改修)

 

主に介護予防を目的とした、サービスが利用可能です。

こちらの計画書は、地域包括支援センターに勤める社会福祉士やケアマネジャーが作成します。

ケアプランを作成する人

 

ケアプランは、ほとんどのケースで介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成しますが、1人で行うわけではありません。

また、希望するサービスによっても作成者は異なります。

詳細は、以下のとおりです。

 

サービス作成者
在宅介護居宅介護支援事業所に勤める介護支援専門員
施設介護施設に勤務している介護支援専門員
介護予防地域包括支援センターに勤める社会福祉士や保健師、介護支援専門員

 

上記の作成者が中心となり、ご本人やご家族、さまざまな関係者が集まって協議しながら進められます。

ケアプランと介護計画書との違い

 

ケアプランには、よく間違えられるものの一つとして「介護計画書」と呼ばれる書類があります。

2つの違いは、目的と作成者、そして記載される内容です。

以下に詳しい違いを表で紹介します。

 

ケアプラン介護計画書
目的最適な介護を提供するのが目的個別の支援方法を検討し、現場で実施に移すのが目的
作成者主に介護支援専門員サービス提供事業者ごとの担当スタッフ
記載内容利用者の心身状態や病名

利用者の目標設定

提供する介護サービス

具体的な介護ケアや実施方法

利用者の目標設定や振り返り

 

このように、ケアプランは介護を受ける際に必要な全体的な計画を整理した書類ですが、介護計画書はその中で実施されるケアを詳細に明記したものです。

ケアプラン作成の流れ

ここからは、ケアプランを作るまでの過程を分かりやすく解説します。

先に流れを紹介すると、以下のようになっています。

 

  1. インテーク(初回面談)
  2. アセスメント(利用者の現状把握)
  3. ケアプランの原案作成
  4. サービス担当者会議
  5. ケアプラン原案の見直し・再提示・合意
  6. ケアプランの完成・交付
  7. サービス利用開始
  8. モニタリング(振り返り)

 

それぞれ以下で詳しく紹介しますので、確認していきましょう。

インテーク(初回面談)

 

インテークとは、初めて行う面談のことです。

ご本人やご家族の簡単な情報や困りごと、希望などを大まかに把握していきます。

面談方法は、直接会って行われるほかに、電話でもやり取りできます。

アセスメント(利用者の現状把握)

 

次に、アセスメントの作成を行います。

アセスメントとは、利用者の現状を把握するための指標のことで、ご本人の身体や生活状況、希望などが記載されているのが特徴です。

作成する際は、より具体的かつ個人の価値観の偏りを避けて現状把握をする必要があります。

そのため、厚生労働省が作成基準として示している点検様式の「課題分析標準項目」が用いられることがほとんどです。

ケアプラン原案の作成

 

アセスメントの結果を踏まえて、必要とされる支援や対応内容を整理し、ケアプランの素案を立てていきます。

 

  • 必要なサービスや内容
  • 利用回数
  • 利用時間
  • 特記すべきポイント

 

これらをまとめて原案を作成していきます。

なお、原案はご本人やご家族が確認するため、専門用語が多くならないように、分かりやすい言葉を使用することが大切です。

サービス担当者会議

 

次に、できあがった原案をもとに、提供されるサービスが適切であるかを関係者が集まって話し合います。

協議する際は、ケアマネジャーのほかに、ご本人やご家族、主治医などが参加します。

なお、サービス担当者会議は厚生労働省令によって開催が義務付けられているため、ケアプラン作成に欠かせない工程となります。

ケアプラン原案の見直し・再提示・合意

 

次に、サービス担当者会議で得られた意見や内容をもとに、見直し・再提示・合意に進みます。

見直しは、修正がある場合に必要ですが、ない場合はその場で合意に進んで構いません。

見直しがある場合は修正を行い、ご本人やご家族に再提示し、問題なければ合意に進みます。

ケアプランの完成・交付

 

ご本人やご家族が合意すれば、これで完了です。

完成後は、ご本人とご家族、さらに関係するサービス提供先へ共有します。

なお、交付する際は同意書に自署もしくは記名、押印をもらう必要があります。

サービス利用開始

 

サービス提供事業所は、交付されたケアプランをもとに個別支援計画書を作成し、完成後に合意されればサービス利用開始となります。

なお、個別支援計画書に関しても、ご本人やご家族の合意が必要です。

モニタリング(振り返り)

 

ケアプランは作成して終わりではなく、その後も定期的なモニタリングが必要です。

モニタリングは、要介護者で月1回、要支援者で3ヶ月に1回行う必要があり、提供されたサービスの振り返り・再評価が行われます。

修正すべき点があれば見直しを行い、適切な対応がなされているかブラッシュアップしていきます。

ケアプランの書き方

1つ前の章でケアプランを作るまでの過程を紹介してきましたが、ここからはより具体的な書き方を紹介していきます。

書き方の基本を押さえることで、より分かりやすく実現性の高いケアプランを作成できるようになります。

ケアプラン作成は7つの構成に分けられる

 

ケアプランの作成は、主に7つの構成に分けられます。

種類によって書類が少し異なるため、ご本人がどのサービスを利用するか確認が必要です。

以下では、居宅サービスを受ける際に記載が求められる項目と、作成時に注意すべきポイントを順に解説します。

1.第1表「居宅サービス計画書(1)」

 

こちらの書類では、次の項目について記入していきます。

 

項目ポイント
初回・紹介・継続初めて利用する場合は「初回」を選択

ほかの事業所などから紹介された場合は「紹介」を選択

継続する場合は「継続」を選択

利用者名・生年月日・住所必要事項を記入する
作成者・作成事業所・事業所の住所必要事項を記入する
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果利用者やご家族がどうしたいのかを詳しく記入していく

利用者とご家族の希望は分けて明記する

意向をまとめて、今後必要な支援についても明記する

認定審査会の意見及びサービスの種類の指定利用者が所有する被保険証を確認し、明記すべき内容があれば転記する
総合的な援助の方針利用者の意向に対して、とるべき具体的な方針を明記する
生活援助中心型の算定理由3つの項目に当てはまる箇所にチェックする

 

こちらには「総合的な援助の方針」を記入していきます。

次に紹介する第2表、第3表により詳しい内容を明記していきますが、第1表はそれらを整理した内容を明記していきます。

2.第2表「居宅サービス計画書(2)」

 

こちらの書類では、次の項目について記入していきます。

 

項目ポイント
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)アセスメントや希望をもとにニーズを記載していく

解決したい課題だけではなく「◯◯がしたい」といった内容まで記載する

目標(長期目標・短期目標)長期目標は、最終的にクリアできた状態を記載する

短期目標は、長期目標までの段階的な状態を記載する

目標の期間短期目標の期間とサービスの期間は同じにする

期間が分からないときは、開始日時のみ記入する

援助内容設定した目標に対する、具体的な方法や利用する事業所を記入する

「いつまでに、誰が、どのように行うか」を明確にする

すでに利用しているサービスがあれば、合わせて記入する

 

ここでは、「利用者の課題や目標、具体的な援助内容」を記入していきます。

3.第3表「週間サービス計画表」

 

こちらの書類では、次の項目について記入していきます。

 

項目ポイント
曜日・時間・サービス内容第2表で整理した内容を参考に作成する

ご家族から受けている援助がある場合は、そちらも記入する

主な日常生活上の活動ご本人の1日の過ごし方を記入する

「起床」「朝食」「体操」などでOK

週単位以外のサービスそのほかの援助などがあれば記入する

(例)福祉用具レンタル、月2回の病院受診など

 

ここでは、「1週間のスケジュール」をポイントに記入していきます。

4.第4表「サービス担当者会議の要点」

 

こちらの書類では、次の項目について記入していきます。

 

項目ポイント
会議出席者サービス担当者会議に出席した方を記入する

スタッフは「所属または職種と氏名」を記入する

ご家族は「氏名と続柄」を記入する

検討した項目話し合った内容を分かりやすく箇条書きで記入する

事情により欠席者がでた場合は、事前にその方に連絡し、検討内容や連絡した期日を記入する

検討内容検討した内容をまとめて記入する

必要であれば発言者や具体的な内容も記入する

結論協議した内容の結論を記入する
残された課題時間内に解決しなかった項目や課題があれば、次回の会議日時や開催方針などを記入する

 

記載する内容は、要点をまとめたものになるため、必要に応じて別途書類を用意するケースもあります。

5.第5表「居宅介護支援経過」

 

こちらの書類では、ケアプラン作成の経緯や進行内容を記入していきます。

「年月日」の欄には日時と何を行ったのかを記入します。

例えば、初めてのインテーク(初回面談)であれば、その日の年月日と「初回電話(面会)」などと記入するのがよいでしょう。

内容には、何を行ったのかを具体的に記入していきます。

ポイントとしては、主観が入らないように、客観的事実を記載することが重要です。

6.第6表「サービス利用票」

 

こちらの書類では、次の項目について記入していきます。

 

項目ポイント
提供時間帯サービスの提供時間を記入する

「0:00〜24:00」で記入する

サービス事業者・事業所名利用する事業所の名前を記入する

法人名は記入しなくてもよい

予定・実績提供されるサービスの予定回数と実際に行われた回数を記入する

福祉用具レンタルについては記入しなくてもよい

保険者確認印・届出年月日利用者がケアプランを作成した場合に記入が必要

ケアマネジャーが作成した場合は不要

区分支給限度基準額・限度額適用期間介護保険証に記載されている支給限度額(単位数)とその適用期間を転記する

 

こちらの書類には、提供される予定のサービスと、実際に提供されたサービスの実績を記入します。

なお、介護保険外のサービスを利用している(予定している)場合は、記載する必要はありません。

しかし、利用者の全体像を把握するためにも、第2表または第3表に書いておくのがよいでしょう。

7.第7表「サービス利用票別表」

 

こちらの書類では、次の項目について記入していきます。

 

項目ポイント
事業所名・サービスコード利用する事業所と受けるサービス内容を記入する

同一事業所から複数のサービスを受ける場合は、サービスコードも記入する

サービス単位/金額サービスの単位数(金額)を記入する

小数点以下は四捨五入する

 

こちらの書類は、利用する事業所と具体的なサービス内容、そしてサービス単位数(金額)を記入していきます。

利用できるサービスは、支給限度基準額内に納める必要があるため、超えている場合はご本人の希望や各事業所間の調整により割り振っていきます。

なお、こちらの書類は利用者の明細書のようなものであるため、記載ミスがないよう注意が必要です。

書く順番は第2表→第3表→第1表

 

ここまで、ケアプランの具体的な書き方を紹介してきましたが、書く順番は「第2表→第3表→第1表」がおすすめです。

なぜなら、この順番で書く方法が最も効率的だからです。

第2表ではご本人のニーズ(課題)や目標、必要な援助内容を決め、その次に第3表の1週間のスケジュールと主な活動内容を決めます。

そして、最後に第1表の総合的な援助の方針を記載すれば、第2表と第3表を確認しながら記載できるため、効率的に書きやすくなります。

ケアプランはご本人や家族の作成も可能

ケアプラン作成は、ご本人やご家族が作成することも可能です。

「セルフケアプラン」とも呼ばれ、自身で作成できることから、希望を直接伝えやすいメリットがあります。

基本的にここまで紹介してきた流れと同じように作成しますが、必要書類のみ市区町村の介護保険課でもらえることを覚えておきましょう。

セルフケアプランを作成する際の注意点

 

セルフケアプランは、ご本人やご家族の希望を直接記入できるところがメリットですが、いくつかの注意点もあります。

例えば、作成や情報収集、事業所とのやり取りなどを自分で行う必要があるため、場合によっては手間や時間がかかる可能性があります。

また、介護度によっては自治体から認められないケースもあるため、注意が必要です。

ある程度の知識が必要となるため、少しでも難しいと感じるなら依頼するほうが手間なく進められるでしょう。

ケアプランの作成後に行われること

ケアプランは作成して終わりではありません。

モニタリングや細かな変更などが行われ、提供されるサービスは適切だったか、利用者に変化はなかったかなどの確認が必要です。

ここでは、ケアプラン作成後に何が行われるのかを具体的に紹介していきます。

ケアプランの再作成(モニタリング)

 

ケアプラン作成後は、1ヶ月〜半年程度に1度モニタリング(振り返り)を行う必要があります。

モニタリングでは、次に紹介する3つの内容が確認されます。

 

<生活の改善やニーズの変化は見られたか>

ケアプランは、利用者が適切な介護サービスを受けられるようにすることが目的です。

そのため、提供されたサービスが適切だったか、生活は改善されたか、ニーズの変化は見られたかなどを確認する必要があります。

生活が改善されていれば問題ありませんが、適切でなかった場合やニーズの変化があった場合は再作成が必要です。

 

<利用者の負担額に間違いはないか>

サービスの利用が始まったら、経済面にも目を向ける必要があります。

いくら利用者の生活が改善できても、提供されるサービスにはお金がかかってくるため、経済的な負担がかかっていればサービスが継続できなくなります。

もし、負担額に問題があれば修正が必要です。

 

<ほかに生活の中での課題はないか>

ケアプラン作成後にサービス提供が開始されると、ご本人はもちろんご家族の生活が大きく変わることも少なくありません。

生活が大きく変わると、新たな問題が発生することもあるため、モニタリングの際に細かく確認する必要があります。

もし、新たな問題が発生している場合は、再作成を視野に入れながら進めるようにしましょう。

 

<モニタリングの頻度>

モニタリングの頻度は、提供されるサービスによって異なります。

居宅介護サービスであれば、1ヶ月に1回と決められており、利用者の自宅に訪問して実施されます。

施設サービスであれば、3ヶ月もしくは半年に1回程度の実施が必要です。

モニタリングは決められた期日から1ヶ月以上空いてしまうと、減算の対象となるため注意しましょう。

細かな変更

 

ケアプラン作成後は、サービスが適切でなかったなどの理由から、細かな変更が実施される場合もあります。

細かな変更が必要になった際は、基本的にアセスメントから作成を行う必要があります。

しかし、以下の場合は取り消し線での変更が可能です。

 

●    サービスの利用日・曜日変更(ご本人やご家族の体調不良など一時的なもの)

●    サービスの利用回数変更

●    利用者の住所変更

●    事業所の名称変更

●    目標期間の変更

●    同等品の福祉用具に切り替え、単位数のみが変わるケース

●    サービスや目標はそのままで、別の事業所に切り替えるケース

●    目標はそのまま、達成手段となるサービスだけを変更するケース

●    担当するケアマネジャーを交代するケース(新担当者は利用者および関係者と面識が必要)

 

細かな変更が必要になった場合は、取り消し線を引いて変更箇所が分かるように記載してください。

また、変更した理由を第1表の余白に記載し、第5表に「変更理由」「変更年月日」「変更内容」を記載してください。

介護度が変更されたら再度作り直す

 

ケアプラン作成後に介護度が変更されたら、再度作り直す必要があります。

介護度が変わると、利用者のニーズや適切なサービス内容が大きく変わるからです。

こちらは簡単な修正は認められず、アセスメントからケアプランまでを初めから作成する必要があります。

ケアプランを作成する際にケアマネジャーが意識したいポイント

ケアプランは、単にサービス内容をまとめるだけでは、利用者にとって本当に意味のあるプランにはなりません。

ここでは、作成する際に意識しておきたい大切なポイントを紹介します。

利用者とご家族が中心であることを意識する

 

ケアプランは、専門職のための書類ではなく、利用者と家族の生活を支えるための計画書です。

支援者の都合で進めるのではなく、本人の希望や価値観を最優先に考えることが重要です。

信頼関係を築きながら、本人と家族が納得できるプランづくりを意識しましょう。

利用者のニーズに優先順位をつける

 

ケアプランでは、利用者の要望をそのまま並べるのではなく、何が最も生活に影響を与えるかを見極めることが重要です。

ニーズを挙げるだけでは、何に困っているのか、どうしていきたいのかが明確になりにくくなります。

急を要する課題と、長期的に取り組む課題を整理することで、より現実的で成果の出やすいプランになるでしょう。

自立を目的としたプランになっているか意識する

 

ケアプランを考える際は、「この支援が自立につながっているか」を常に確認することが重要です。

サポートしすぎると依存を招くこともあるため、できる限り本人の力を生かす工夫を取り入れ、自立した生活を意識しましょう。

ケアプランは定期的に見直す

 

利用者の心身状態や生活環境は日々変化します。

そのため、ケアプランは一度作って終わりではなく、定期的な見直しが欠かせません。

モニタリングを通じて現状を確認し、必要に応じて柔軟に内容を更新することが大切です。

利用できるサービスの範囲が異なることに注意する

 

介護保険サービスには、要介護度や自治体によって利用できる範囲や単位数に違いがあります。

理解していないまま進めてしまうと、費用が間違ったり、サービスが提供できなくなったりするため注意が必要です。

制度の制約を踏まえた上で、利用者の希望に近い形を提案できるよう、柔軟なプランニングを心がけましょう。

面談の際に利用者やご家族に聞く内容のポイント

 

面談では、身体の状態だけでなく、生活の中で困っていることや希望する暮らし方を丁寧に聞き取ることが大切です。

具体的には、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

 

  • 何を支援してほしいか
  • どのように暮らしたいか
  • 医師から助言や指示はあるか
  • 言える範囲の経済的な状況や家庭事情

 

これらを聞くためには信頼関係も重要になるため、一方的にならず、共感を示しながら行うことが大切です。

利用者やご家族にわかりやすい文章で書く

 

ケアプランは、利用者と家族が内容を理解できることが前提です。

専門用語を避け、誰が読んでも分かる言葉で書くことを意識しましょう。

難しい表現を簡潔にまとめることで、説明の際もスムーズになります。

介護負担の軽減が目的の「ケアプランデータ連携システム」

ここまで紹介してきたとおり、ケアプラン作成にはいくつかの流れがあり、また、半年に1回のモニタリングなどを含めると、業務負担になりかねません。

そこで、開発されたのが「ケアプランデータ連携システム」です。

ケアプランデータ連携システムは、「公益社団法人 国民健康保険中央会」と「厚生労働省」が連携して開発した、作成業務の負担軽減を目的としたシステムです。

このシステムは作成業務における、以下の業務を簡潔化できるようになっています。

 

  • 書類や郵送、FAXなどの事務作業
  • 転記ミスをなくす
  • 書類の管理

 

簡潔化に大きく貢献できるのが、事務作業で手書きや印刷などがデータ作成や送信だけで済むようになり、時間をかけずに作成できるようになります。

費用は年間21,000円(月額1,750円)かかりますが、人件費や郵送費などの削減に繋がるため、業務を簡潔化したい事業所は取り入れてみることをおすすめします。

まとめ

本記事では、ケアプランの目的や種類を解説し、具体的な流れや書き方についても紹介してきました。

ケアプランは、介護を受ける人も支える人も、安心して前向きに暮らすための大切な道しるべです。

制度や手順を知っておくことで、納得のいく支援を受けやすくなります。

本記事を参考に、より実践的なプランづくりを心がけましょう。

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