【ROOTS】「介護の仕事になんて絶対に就かない!」って、心底そう思っていました

【ROOTS】は、当社で働いている社員の方を紹介するコーナーです。
ケアリッツには毎月大勢の方が入社されています。どのような方がどのように活躍しているのか、インタビュー形式で紹介します。これから介護職へ転職を考えている方や、経験は無いものの介護に興味がある方々は、是非参考にしてください!
今回紹介するのは 高幡不動事業所 松田 千晶(マツダ チアキ)さん
2025年3月に正社員入社。思春期に身内の介護を経験したことで、介護の仕事に対して強い抵抗感を覚えたという松田さん。就かないと決めていた介護の世界に足を踏み入れるまでの経緯や、実際に働いてみて感じたこと、これからの展望など、色々なお話を伺ってきました。
ターニングポイント
-なぜ介護に興味を持つようになったのですか?-

私が中学生の頃に、当時58歳の祖母が進行性の筋委縮系の難病を患ってしまったんです。年齢的に、両親も祖父もまだまだ働き盛りだったこともあって、必然的に祖母の介護は私や姉が担うことになりました。1階に祖父母が住んでいて、私たちは同じ家の2階で暮らしていたんですが、祖母に手伝いが必要な時には、1階から呼び鈴を鳴らして知らせてくるというルールになっていました。「寝返りを打たせて欲しい」とか、「薬を飲ませて欲しい」とか、頼まれたことをやるだけではあるものの、思春期真っ盛りの私にとってはそれがものすごいストレスで、爆音で音楽をかけてみたり、部屋に閉じこもって聞こえないふりをしてみたりと、抗ってみたこともありました。年齢が若いこともあってなのか、祖母の症状はどんどん進行していって62歳で亡くなったんですが、その時はとにかくホッとしたのを覚えています。「介護の仕事になんて絶対に就かない!」って、心底そう思っていました。
大人になって子育てが落ち着いてきたタイミングで、飲食店でのアルバイトと地域活性化のためのボランティア活動を始めました。人と関わることも、お客さんに喜んでもらうための工夫も全部好きだったので、飲食店での接客はすごく肌に合う仕事でした。また、地域活性化のボランティアも、世代を問わずに沢山の方との交流することができたので、やりがいを感じていました。とくにご高齢の方からはいろんな話を聞かせていただけたので、すごくためになることが多かったですね。ただ、「どこかでちゃんと正社員として働きたいな」という想いは常にあって、でも飲食店でのバイトを辞める勇気もなくて、もやもやしていた折に、バイト先のお店が閉店することになってしまったんです。「これは一歩踏み出すチャンスかもしれない!」と思い、就職活動に踏み切ることにしたんです。高校時代の恩師からよく、「お前は笑ってさえいればちゃんと上手くいくから、笑顔を絶やさないようにしなさい」って言われていたことを思い出して、「笑顔が生きる」、「飲食店のアルバイトで学んだ接客も生きる」、「ボランティアで培ってきたご高齢の方とのコミュニケーションも生きる」職業は何だろうと考えていったら、「あれ、これは介護職なのでは?」と閃いてしまったんです。あんなに、「絶対にやらない!」って決めていたはずの職業なのに、不思議なものですね。そこからは一気に走りだしていました。タイミングがちょっとでも違ったらきっとそうはなっていなかったと思うので、巡り合わせには本当に感謝しています。
子どもがいるので夜勤ができないのと、運転免許がないので送迎対応ができないということで、就職先は訪問介護一択でした。エージェントさんにそのことを伝えて最初に紹介されたのがケアリッツで、資格も取らせてもらえるし、成長企業ということだったので、これも何かの巡り合わせかなと思い、面接を受けて、内定をいただいて、それで今に至っています。
専門職としてのこれまで
-実際に介護の世界に飛び込んでみてどうでしたか?-

中学生の頃に祖母の介護をしていたとき、「排泄だけはやらなくていい」と母に言われていたんです。多感な時で臭いとかがどうしても受け付けられなかったりしたので、せめてもの配慮だったと思います。なので、排泄介助だけはちゃんとできるのかどうか、不安で不安で仕方がありませんでした。それで看護師をしている姉に電話をして、「子供たちのウンチは愛せるけど、お年寄りのウンチはちゃんときれいにしてあげられるか自信がない!」って相談したんです。そうしたら、「全然なんてことないから大丈夫、大丈夫」って言われて、なんだかその一言でストンって気持ちが楽になったんです。お姉ちゃんが言うんだったらそうなんだろうなって。おかげで今ではすっかり余裕というか、むしろきちんとお通じが出ていると、「よっしゃよっしゃ」くらいに思えるようになっています。もちろん最初から上手にできたわけではなくて、初めて自分一人で訪問するってなった時には、車椅子への移乗(乗り移りの介助)も車椅子でスロープを下りるのも、麻痺がある人を側臥位(上向きから横向きに姿勢を変える介助)にするのも、全部が全部怖くて、何かあったらどうしようって不安でいっぱいでした。その際、入社時からずっと同行させてもらっていたサ責(サービス提供責任者)さんが神様みたいな人で、近隣の事業所からも、「最初にあの人と一緒に回れるなんて幸せ者だよ」って言われるくらいのすごい方なんですが、4月の冷たい雨の降る中、仕事はとっくに終わっているにも関わらず、私が抱えている不安を全部聞いてくれて、全部にアドバイスをしてくれて、安心できるまでとことん話を聞いてくださったんです。そのおかげで勇気が湧いて、やってみよう、やるしかないって気持ちになれたので、感謝しかありません。それ以降も、間近で介護されている姿を見させていただきながら、たくさん勉強させてもらえた経験が今の私に繋がっています。最初に実際にケアをした方のことは今でもはっきりと覚えています。寝たきりの方で、オムツ交換をするんですが、介護の基本的な要素が全て詰まったような手順で展開していくケアだったので、見学をしていたときから、「最初はこの人のケアからやってみたいな」って密かに思っていたんです。それが叶ったものだから、なんだか実際に触れた時には感極まってしまって、泣きながらおむつ交換をしていました。ご利用者はきっと戸惑っていらっしゃったと思いますけど。それから色々なお宅に伺っていますが、どのお宅に行くのも全部違った楽しみが待っているので、この仕事を引き当てたのは運命だなって感じています。今までで一番印象深い方は、すごくプライドの高い認知症の女性のケースですね。週に5日、生活のありとあらゆることのお手伝いで伺うんですが、そのうち4日間は私が入らせてもらっていました。気難しい方ではあったんですが、日を追うごとに段々と信頼関係が深まっていくのを感じていました。そんなある日、玄関をガチャって開けたら、目の前にその方が立っていて、私の顔を見た途端、「松田さん助けて」って泣きだしたんです。よく見ると、すっかり混乱されていたようで、ズボン下に尿取り用のパッドをつけたまま失禁していらっしゃいました。本当にプライドの高い方で、人に対して、「助けて」なんて絶対に言うような方ではないのが分かっているだけに、「ああ、この方の暮らしの一部になれたんだな」って、すごく感慨深い気持ちになったことを覚えています。まだまだどうしても慣れないケースで言うと、ターミナル(終末期)のケアですね。慎重に体に触れても、「痛い痛い」って言われてしまうとどうしていいかわからなくなるというか、私が未熟だからなのかなって不安になります。もちろんすぐに神サ責さんに相談させてもらって、「誰がやっても痛いことに変わりはないよ」ってアドバイスをいただきはしましたが、どうしても申し訳ない気持ちにはなってしまいます。少しずつでも、自分なりの関わり方みたいなものが見つけられるように成長していきたいですね。
ケアリッツへの転職
-ケアリッツに転職してみていかがですか-

周りのスタッフがみんな介護経験者ばかりなので、すごく頼もしい環境に配属されたなって感じています。なんでも聞けるし、雰囲気もアットホームだし、すごく良い職場なんです。あと自転車で回れるっていうのがいいんですよ。季節ごとの草花とか、鳥とか、虫とか、四季折々の変化を肌で感じながら仕事ができるのが最高です。ご利用者との会話のきっかけにもなりますしね。車で回っていたらわからないことだし、施設に勤めていても感じられないことなので、ありがたいなって思っています。こないだなんてキジがいたので、思わず写真に撮ってご利用者にも、「桃太郎のお供がいたよ」って見せて盛り上がってきました。

それと、制服がないのがまた良いんです。ポロシャツにチノパンみたいな制服をイメージしていたんですけど、服装が自由だったので、お洒落を楽しみながら働けるのも気分があがります。それにご利用者って私たちの服装をすごくよく見ていて、今日なんかも、「ヒヨコみたいで可愛いわね」って褒めてもらいました。なので、手拭き用のタオルも含めて、仕事着のバリエーションは豊富に揃えています。

この自転車と服装の二つの要素は、私が働くうえですごく大事なものなので、どちらも整っている環境っていうのも働きやすさに繋がっています。あと、生活援助(一般的な家事の代行)があるのも大きかったです。介護といえば身体介護とばかり思っていましたけど、在宅介護だと家事の支援も依頼があるんですよね。家事は全部大好きなので、「私の得意が生きる!」って、すごく嬉しくなっちゃいました。訪問介護を選んで大正解でしたね。
これから
-今後の目標を聞かせてください-

現場に出てご利用者と関わるのがとにかく楽しくて仕方がないので、これからも沢山の方と関わっていきたいです。ポジション的な目標は描いていませんが、まだ初任者研修の資格しかもっていないので、実務者研修、介護福祉士っていう順で資格は増やしていきたいです。最初はとにかく覚えるしかなかったことも、いま改めて教科書とかを見返してみれば、違って見えることも多いと思うんです。なので、ポジションのためというよりは自分の研鑽のために、着実に資格は増やしていきたいと思います。あと、上の子が来年受験生になるので、進路が決まるまでは勉強のために色々な楽しみを我慢しなければならないと思うので、私は私で一所懸命に働いて、受験を終えた再来年の夏に子供たちを連れて故郷の北海道に一週間くらい旅行に行くのが今のモチベーションになっています!

週末の休みは子供たちとの時間に当てつつ、平日にいただいているお休みは完全に自分のために使うことにしていて、都心に出て、昼間からクラフトビールを飲みに行くっていうのも、オンオフの切り替えになっていますね。

なのでこれからも、クラフトビール、北海道旅行、資格取得を短期、中期、長期の目標として据えながら、楽しく働いていこうと思います!
周囲からのアドバイスを素直に受け止め、きちんとご自身の推進力に変えることができる松田さんには、必要な時に必要な言葉が自然と集まってくるのでしょうね。その一言一言にいつでも感謝を忘れずにいる姿勢は、ご利用者からみても同僚から見ても、「信頼できる人」として映ることでしょう。貴重なお話、ありがとうございました!





