介護福祉士に年齢制限はある?40代・50代・60代から目指す方法と働き方

介護福祉士を目指すにあたり「年齢制限はあるのか」「40代や50代からでも資格を取得できるのか」と不安に思う方もいるでしょう。
介護福祉士国家試験には年齢制限がなく、受験資格を満たせば何歳からでも挑戦できます。
ただし、介護職の採用条件や定年は勤務先によって異なり、介助業務を続けるための体力も必要です。
本記事では、介護福祉士国家試験の受験資格や未経験から資格を取得する方法、身体的な負担を抑える工夫、年齢や体力に合った職場の選び方を紹介します。
介護福祉士の受験や資格取得に年齢制限はない
介護福祉士の受験や資格登録に年齢制限は設けられていません。
年齢を理由に資格を諦める必要はなく、40代・50代はもちろん、60代以降でも資格取得を目指せます。
ここでは、受験と資格登録それぞれの年齢制限について解説します。
介護福祉士国家試験は何歳でも受験できる
介護福祉士国家試験には、年齢による受験制限はありません。
一定の受験資格を満たしていれば、40代・50代はもちろん、60代からでも国家試験に挑戦できます。
そのため「今から介護福祉士を目指すには遅いのでは」と、年齢を理由に諦める必要はありません。
介護の仕事を始めた時期が遅くても、必要な経験や知識を身につけることで資格取得を目指せます。
ただし、受験には所定の要件を満たす必要があります。
具体的な受験資格や資格取得ルートについては、次章で詳しく解説します。
介護福祉士の資格登録にも年齢制限はない
介護福祉士として正式に資格を取得するには、原則として国家試験に合格したうえで、介護福祉士の登録手続きをする必要があります。
また、資格登録にも年齢制限は設けられていないため、登録資格要件を満たし、法令で定められた欠格事由に該当しなければ、年齢を問わず登録できます。
そのため、50代や60代で国家試験に合格した場合でも、必要な手続きを行えば介護福祉士として登録することが可能です。
さらに、介護福祉士の資格には「一定の年齢に達すると失効する」といった仕組みもありません。
ただし、実際に何歳まで働けるかについては、勤務先の定年制度や希望する働き方によって異なります。
介護福祉士や介護職員の平均年齢と年齢層
介護の現場では、若年層だけでなく40代・50代を中心とした幅広い年代が働いています。
65歳以上の職員も一定数おり、中高年から介護業界に入って働き続けることも珍しくありません。
ここでは、介護職員の平均年齢や年齢層について、データをもとに紹介します。
介護職員の平均年齢と年齢構成
公益財団法人介護労働安定センターの「令和7年度介護労働実態調査」によると、調査に回答した介護労働者全体の平均年齢は49.5歳でした。
また、職種別に見ると、訪問介護員なら51.1歳、介護職員は47.8歳となっています。
平均年齢が40代後半から50歳前後となっていることからも、介護業界では中高年の職員が多く活躍していることが分かります。
そのため、介護の仕事は若いうちから始めなければならない職種ではありません。
40代・50代から介護業界への転職を考えている方にとっても、年齢だけを理由に諦める必要はないといえるでしょう。
出典:介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」
65歳以上の職員も活躍している
介護業界では、65歳以上の職員も現場で活躍しています。
令和7年度介護労働実態調査では、全国の従業員に占める65歳以上の割合は訪問介護員で14.5%、介護職員で8.6%でした。
この結果からも、介護の仕事は65歳を超えても続けられる可能性があることが分かります。
ただし、同じ介護職でも身体的な負担や勤務形態は職場によって異なります。
年齢を重ねても長く働くためには、夜勤の有無や介助量、勤務時間などを確認し、自分の体力や生活に合った職場を選ぶことが重要です。
出典:介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」
介護福祉士国家試験の受験資格
介護福祉士国家試験の受験資格を得る方法は、主に「実務経験・養成施設・福祉系高校・EPA」の4つのルートです。
それぞれ必要な経験や学習内容が異なるため、自分がどのルートに該当するのか確認しておきましょう。
ここでは、それぞれの受験資格と必要な条件について詳しく解説します。
介護現場での実務経験を活かす場合
すでに介護職として働いている方は、実務経験ルートで介護福祉士国家試験を目指せます。
このルートでは、対象となる介護業務の実務経験に加えて、実務者研修の修了が必要です。
なお、実務経験と実務者研修は、どちらを先に終えなければならないという決まりはありません。
介護の仕事を続けながら実務者研修を受講し、受験資格を満たすことも可能です。
一定の実務経験を積む
実務経験ルートでは、原則として従業期間3年以上かつ従事日数540日以上を満たす必要があります。
ここでいう従業期間とは、対象となる施設や事業所、職種で在職していた期間を指し、従事日数は実際に介護等の業務を行った日数を指します。
従業期間と従事日数の条件を両方満たさなければ、受験資格とはなりません。
また、介護事業所で働いていれば、すべての勤務が実務経験として認められるわけではありません。
介護職員や訪問介護員など、主な仕事が介護等の業務である職種が対象です。
生活相談員や事務員、介護支援専門員など、主な業務が介護ではない職種は原則として対象外となります。
そのため、受験を予定している場合は、自分の勤務先や職種が実務経験の対象になるか事前に確認しておきましょう。
実務者研修の修了
実務経験ルートで国家試験を受験する場合は、3年以上の実務経験に加えて実務者研修の修了が必要です。
実務者研修では、介護過程や認知症、障害、医療的ケアなど、介護福祉士として必要な知識や技術を体系的に学びます。
なお、無資格から受講する場合のカリキュラムは450時間で、修業年限は原則6ヶ月以上です。
介護職員初任者研修などをすでに修了している場合は、一部の科目が免除されることがあります。
また、受験申し込み時点で研修を終えていなくても、所定の期限までに修了する見込みであれば申し込みが可能です。
働きながら介護福祉士を目指す場合は、国家試験の申込時期から逆算して受講を始めるとよいでしょう。
介護福祉士養成施設に通う場合
大学や短期大学、専門学校などの介護福祉士養成施設で必要な知識と技能を学び、卒業することで国家試験の受験資格を得るルートもあります。
文部科学大臣・厚生労働大臣の指定した学校や、都道府県知事の指定を受けた養成施設が対象です。
なお、養成施設ルートには、資格取得に関する経過措置があります。
令和13年度末までに養成施設を卒業する方は、卒業後5年間は国家試験を受験しなくても、または合格していなくても介護福祉士として登録できます。
さらに、その期間中に国家試験に合格するか、卒業後5年間継続して介護等の業務に従事すれば、5年経過後も登録を継続できます。
一方で、令和14年度以降に養成施設を卒業する方は、介護福祉士になるために国家試験への合格が必要です。
出典:社会福祉振興・試験センター「平成29年4月1日から令和14年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業した方の介護福祉士経過措置登録について」
福祉系高校を卒業した場合
福祉系高校で指定された教科・単位を修めて卒業した方も、介護福祉士国家試験の受験資格を得られます。
平成21年度以降の入学者の場合、社会福祉基礎や介護福祉基礎、生活支援技術、介護実習など、指定されたカリキュラムを修了していることが条件です。
ただし、入学した年度や学校の区分によって受験資格の条件が異なります。
例えば特例高校等の対象者は、卒業に加えて9ヶ月以上の介護等の実務経験が必要です。
福祉系高校を卒業している方は、入学年度や修了したカリキュラムを確認したうえで、自分がどの区分に該当するか確認しましょう。
EPA介護福祉士候補者の場合
経済連携協定(EPA)に基づいて来日したインドネシア・フィリピン・ベトナムのEPA介護福祉士候補者にも、専用の受験ルートがあります。
具体的には、EPA介護福祉士候補者として受入施設で研修を受けながら就労し、原則として3年以上介護等の業務に従事することで、国家試験を受験できます。
EPAルートで申し込む際は、EPA候補者確認書など所定の書類を提出する必要があります。
介護職員初任者研修は必須ではない
介護福祉士国家試験の実務経験ルートでは、介護職員初任者研修の修了は必須要件ではありません。
無資格から介護職として働き始め、対象となる実務経験を積みながら実務者研修を修了すれば、国家試験を受験できます。
一方で、初任者研修では身体介護をはじめとする介護の基本的な知識や技術を学べます。
初任者研修を修了していると、実務者研修の一部科目が免除され、受講時間を短縮できる点もメリットです。
介護福祉士になるために必ず必要な資格ではないものの、未経験から介護の基礎を身につけたい方にとっては、取得を検討する価値のある研修といえます。
未経験から介護福祉士を目指す方法
未経験から介護福祉士を目指す場合は、実務経験の対象となる介護職として働きながら受験資格を満たしていく方法があります。
将来の資格取得を見据えて、仕事内容だけでなく研修制度や資格取得支援の有無も確認して職場を選びましょう。
ここでは、未経験から資格取得を目指す際の仕事選びと職場選びのポイントを解説します。
実務経験として認められる介護の仕事を探す
未経験から実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合は、国家試験の実務経験として認められる仕事に就く必要があります。
実務経験の対象となるのは、介護職員や訪問介護員など、主な業務として介護等に従事する職種です。
また、高齢者分野では、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護など、幅広い施設・事業が対象に含まれています。
一方、同じ介護事業所で働いていても、事務員や介護支援専門員など、主な仕事が介護等の業務ではない職種は原則として対象になりません。
求人へ応募する際は、仕事内容だけで判断せず、将来的に介護福祉士を目指していることを伝え、実務経験として認められる職種か確認しておくと安心です。
研修制度や資格取得支援のある職場を選ぶ
働きながら介護福祉士を目指す場合は、研修制度や資格取得支援が整った職場を選ぶこともポイントです。
介護未経験の場合、日々の業務を覚えながら実務者研修の受講や国家試験の勉強を進める必要があります。
そのため、研修費用の補助や受講に合わせた勤務調整、試験対策などの支援があれば、仕事と資格取得を両立しやすくなります。
職場を探す際は給与や勤務時間だけでなく、どの資格が支援対象になるのか、費用補助の条件や研修内容まで確認し、資格取得まで継続して働きやすい環境かを見極めましょう。
40代・50代・60代から介護福祉士を目指せる理由
介護福祉士は40代・50代・60代からでも目指せる資格です。
年齢を重ねてから介護業界へ転職する場合も、それまでの仕事や生活で培った経験を介護現場で活かせます。
ここでは、年代ごとに活かせる経験や、資格取得を目指す際のポイントを紹介します。
40代は社会人経験を介護の仕事に活かせる
40代から介護職へ転職する場合、これまでの社会人経験を仕事に活かせることが強みです。
例えば、介護現場では利用者への介助だけでなく、家族への対応や職員同士の情報共有、多職種との連携など、さまざまな場面でコミュニケーションが求められます。
前職で身につけた接客力や調整力、報告・連絡・相談の習慣などは、業種が異なっていても役立つでしょう。
また、仕事上のトラブルや人間関係などを経験してきたことで、状況に応じて冷静に対応しやすい点も40代ならではの強みです。
介護の知識や技術は入職後に身につける必要がありますが、これまで培ってきた経験が無駄になるわけではありません。
新しい知識を学びながら社会人経験を活かすことで、介護職として成長していけます。
50代は人生経験を利用者との関係づくりに活かせる
50代は仕事だけでなく家庭や子育て、親との関わりなど、さまざまな経験を重ねている方が多い年代です。
こうした人生経験は、利用者やその家族との関係づくりに活かせる場合があります。
介護では、利用者それぞれの生活歴や価値観を尊重しながら接することが大切です。
自分とは異なる考え方を持つ相手と関わってきた経験があれば、相手の話を聞きながら状況に合わせて対応する力を発揮しやすいでしょう。
また、利用者の家族と年代が近い場合には、介護を担う家族の立場や悩みに共感しやすいこともあります。
介護の専門知識や技術を新たに学びつつ、これまで培った対人スキルを組み合わせることが、50代から介護福祉士を目指すうえでの強みになります。
60代からでも資格取得を目指せる
60代から介護の仕事を始め、介護福祉士を目指すことも可能です。
そもそも、介護福祉士国家試験には年齢による受験制限がないため、必要な受験資格を満たせば60代以降でも受験できます。
また、実際に介護業界では65歳以上の職員も働いており、特に訪問介護員では高齢の職員が一定の割合を占めています。
年齢だけを理由に介護の仕事や資格取得を諦める必要はありません。
また、60代は利用者との年齢差が比較的小さいことから、過去の出来事や生活習慣などを共通の話題にしやすい場合があります。
長年の社会生活で培った対人関係の経験も、利用者とのコミュニケーションに活かせるでしょう。
一方で、資格取得までに必要な期間や働き続けられる年数、体力面も考慮する必要があります。
長く続けるためにも、自分の状況に合った働き方を考えながら資格取得を目指すことが大切です。
中高年から介護福祉士を目指すメリットと注意点
中高年から介護福祉士を目指すことには、安定した需要が見込まれるほか、専門性や収入面での向上を期待できるメリットがあります。
一方、資格取得との両立や新しい職場環境への適応など、事前に理解しておきたい点もあります。
ここでは、中高年から目指すメリットと、資格取得や転職にあたっての注意点を詳しく解説します。
需要の安定により安心して働ける
介護職は、今後も一定の需要が見込まれる仕事です。
厚生労働省によると、介護職員の必要数は2022年度の約215万人に対し、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人に増えると推計されています。
そのため、中高年から新しい仕事を始める場合「転職後も長く働けるのか」と不安を感じる方もいるでしょう。
将来的にも介護人材の確保が必要とされていることは、介護業界へ転職するうえでの安心材料の一つです。
ただし、求人状況や採用条件は地域や事業所によって異なるため、希望する地域の求人も確認したうえで転職を検討しましょう。
出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
資格取得によって専門性を高められる
介護福祉士を取得する過程では、介護の基本だけでなく、認知症や障害、医療的ケア、介護過程など幅広い知識を身につけます。
実際に介護現場では、利用者の身体状況や生活環境に合わせて、適切な介助方法を考える力が求められます。
実務経験だけでなく体系的な知識を身につけることで、これまで経験則で行っていた介助についても、根拠を踏まえて考えられるようになるでしょう。
また、介護福祉士は国家資格であるため、自分が介護に関する一定の知識や技術を身につけていることを示せます。
中高年から介護業界へ入った場合も、経験を重ねながら専門職として成長していける点は資格取得のメリットです。
資格手当やキャリアアップが期待できる
介護福祉士を取得すると、勤務先によっては資格手当が支給され、収入アップにつながる場合があります。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所に勤務する月給・常勤の介護職員のうち、介護福祉士保有者の平均月給は約35万円でした。
また、資格取得後に経験を積めば、現場のリーダーや主任、管理職などを目指す選択肢も広がります。
一定の実務経験などの要件を満たしてケアマネジャーを目指すことも可能です。
ただし、資格手当の有無や金額、キャリアパスは勤務先によって異なるため、求人票や就業規則などを確認しておきましょう。
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」
仕事や家庭と資格取得を両立する必要がある
働きながら介護福祉士を目指す場合は、仕事や家庭生活と並行して、実務者研修の受講や国家試験の勉強を進める必要があります。
特に中高年では仕事だけでなく育児や家事、家族の介護などを担っている方もいるでしょう。
限られた時間のなかですべてをこなそうとすると、身体的・精神的な負担が大きくなる可能性があります。
そこで、資格取得を目指す際は、通学日や学習時間をあらかじめ確保し、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
家族に協力を求めるほか、研修の受講日を考慮してシフトを調整してもらえる職場や、資格取得支援制度のある職場を選ぶと、仕事と勉強を両立しやすくなります。
年下の上司や先輩から指導を受ける場合がある
40代・50代・60代で未経験から介護業界へ転職すると、自分より年下の職員が上司や先輩になる場合があります。
たとえ前職で長い社会人経験や管理職経験があったとしても、介護現場では新人として介助方法や事業所独自のルールを教わる場面があります。
そのため、年齢や前職での立場にこだわると、指導を受け入れにくくなったり、職員同士の連携に影響したりする可能性があります。
これまでの経験を活かすことは大切ですが、介護に関する知識や技術については新たに学ぶ姿勢も必要です。
分からないことは確認し、年齢に関係なく相手の経験や知識を尊重することで、新しい職場にもなじみやすくなるでしょう。
介護福祉士の身体的負担を軽減する方法
介護の仕事では、移乗や入浴、排泄介助などで腰や膝に負担がかかることがあります。
年齢を重ねても無理なく働き続けるためには、力任せの介助を避け、正しい身体の使い方や福祉用具を取り入れることが大切です。
ここでは、介護の身体的負担を軽減するための具体的な方法を紹介します。
ボディメカニクスを身につける
身体的な負担を減らすには、ボディメカニクスを身につけることが有効です。
ボディメカニクスとは、骨や筋肉、関節などの働きを利用し、できるだけ少ない力で身体を動かす考え方です。
具体的には、介助時に足を前後や左右に開いて身体を安定させる、膝を曲げて重心を低くする、利用者との距離を近づけるなどの方法があります。
また、腕や腰だけに力を入れるのではなく、脚や背中などの大きな筋肉を使うこともポイントです。
正しい姿勢や動作を身につけることで、腰や関節への負担を分散しながら介助しやすくなります。
福祉用具やノーリフティングケアを取り入れる
移乗や体位変換を人の力だけで行わず、福祉用具を活用することも身体的負担の軽減につながります。
例えば、スライディングシートやスライディングボードを使用すれば、利用者の身体を持ち上げる動作を減らせます。
自力での移乗が難しい場合には、移乗用リフトやスタンディングリフトを活用する方法もあります。
こうした「持ち上げない・抱え上げない」介助を取り入れる考え方が、ノーリフティングケアです。
介護職員の腰痛予防だけでなく、利用者の身体状況に合わせて安全な介助方法を選ぶことにもつながります。
一人で無理に介助しない
自分より体格の大きい利用者の移乗や、立位が安定しない利用者の介助などは、一人で無理に行わないことが重要です。
なぜなら、力任せに介助すると、腰や肩を痛めるだけでなく、バランスを崩して利用者を転倒させるなど、事故につながる恐れもあるためです。
介助に不安がある場合は、ほかの職員に協力を求めたり、適切な福祉用具を使用したりしましょう。
また、利用者が自分でできる動作まで介護職員がすべてする必要はありません。
残っている身体機能を活かしてもらうことは、利用者の自立支援になるだけでなく、介護する側の負担軽減にもつながります。
その日の体調や利用者の状態によって必要な介助量も変わるため、無理をせず安全に対応することが大切です。
日頃から体調管理をしておく
介護職として長く働くためには、介助方法を工夫するだけでなく、自分自身の体調を整えることも欠かせません。
なぜなら、介護では立ち仕事や身体介助に加え、夜勤がある職場もあるため、腰痛や肩こり、疲労、睡眠不足などが重なる場合があるからです。
仕事の前後にストレッチをする、十分な睡眠を確保する、バランスのよい食事を心がけるなど、日頃から身体を整えておきましょう。
また、痛みや強い疲労を感じているにもかかわらず無理を続けると、症状が悪化して仕事を続けることが難しくなる可能性があります。
身体の違和感や不調が続く場合は我慢せず、早めに上司へ相談したり必要に応じて医療機関を受診したりすることも大切です。
年齢にかかわらず、自分の体力や体調を把握しながら無理のない働き方を続けることが、介護職として長く活躍することにつながります。
年齢や体力に合った職場を選ぶポイント
介護職として長く働くためには、年齢だけでなく体力や生活リズムに合った職場を選ぶことが大切です。
勤務時間や介助量、職員体制などを事前に確認し、無理なく続けられる環境かを見極めましょう。
ここでは、勤務条件や職員体制、施設ごとの働き方を確認するポイントを紹介します。
夜勤の有無や勤務時間を確認する
介護職は、勤務先によって夜勤の有無や勤務時間が大きく異なります。
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの入所施設では夜勤を含むシフト勤務が一般的ですが、デイサービスやデイケアは日中の利用が中心のため、基本的に夜勤はありません。
また、訪問介護も日中中心の事業所が多いものの、24時間対応のサービスを提供している場合があります。
夜勤は生活リズムが乱れやすく、年齢や体調によって負担の感じ方も異なります。
求人を見る際は「夜勤なし」という表記だけで判断せず、早番・遅番の時間帯や夜勤回数、残業の有無まで確認しましょう。
資格取得の勉強と両立したい場合も、生活リズムを整えやすい勤務形態を選ぶと学習時間を確保しやすくなります。
福祉用具や人員配置を確認する
同じ種類の介護施設でも、福祉用具の導入状況や職員数によって身体的な負担は変わります。
例えば、移乗用リフトやスライディングシート、スライディングボードなどを導入している職場では、人力で利用者を抱え上げる場面を減らしやすくなります。
ノーリフティングケアや腰痛予防の研修を実施しているかも確認しておきたいポイントです。
また、人員に余裕がある職場では、負担の大きい介助を複数人で行いやすく、急な欠員が出た際にも一人あたりの業務量が増えにくい傾向があります。
求人票だけでは実際の介助方法まで分からないこともあります。
面接や施設見学の際に、福祉用具の使用状況や一人介助・二人介助の基準、日中や夜間の職員体制を確認しておくとよいでしょう。
施設や事業所ごとの働き方の違いを確認する
介護職の仕事内容や負担は、施設・事業所の種類によって異なります。
例えば、特別養護老人ホームでは要介護度の高い利用者への身体介護が多い一方、複数の職員で連携して介助できる場合があります。
一方で、デイサービスは日勤中心ですが、入浴介助や送迎、レクリエーションなどを担当することがあります。
また、訪問介護では、利用者の自宅を訪問して生活援助や身体介護を行います。
原則として一人で訪問するため、自分で状況を判断する力も必要です。
さらに、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームは、施設によって利用者の要介護度や提供するサービスが大きく異なります。
このように、施設の種類だけで働きやすさを判断せず、利用者の介護度、主な業務、1日の訪問・介助件数などを確認し、自分の体力や希望する働き方に合っているかを見極めましょう。
介護福祉士は何歳まで働ける?定年や年齢制限
介護福祉士の資格そのものに定年はありませんが、正社員として働ける年齢は勤務先の定年制度によって異なります。
定年後も再雇用やパートなどに切り替えて、介護の仕事を続けることは可能です。
ここでは、介護福祉士の資格における年齢制限や、定年後の働き方について解説します。
介護福祉士は年齢を問わず活躍できる
介護福祉士の資格には「何歳まで」という上限がなく、一定の年齢に達したことで資格が失効することもありません。
そのため、60代や70代になっても、勤務先の条件や自身の体力などに問題がなければ、介護福祉士として働き続けることができます。
実際に介護現場では65歳以上の職員も働いており、年齢を重ねた後もこれまでの介護経験や利用者対応のスキルを活かせる仕事です。
正社員の定年年齢は勤務先によって異なる
介護福祉士として正社員で働く場合、定年年齢は資格ではなく勤務先の就業規則によって決まります。
なお、高年齢者雇用安定法では、定年を定める場合は60歳以上とする必要があります。
65歳未満の定年を設けている事業主には、65歳までの定年引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれかによる雇用確保措置が義務付けられています。
また、70歳までの就業機会を確保することも事業主の努力義務です。
就職・転職時には定年年齢に加えて、継続雇用制度の有無や雇用上限年齢も確認しておきましょう。
出典:e-GOV「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」
定年後も再雇用やパートで働ける場合がある
定年を迎えても、再雇用制度を利用して同じ事業所で働き続けられるケースも珍しくありません。
再雇用後は、嘱託職員や契約社員などに雇用形態が変わり、勤務時間や担当業務、給与などの条件が定年前と異なる場合もあります。
また、正社員としての勤務を終えた後に、パートへ切り替えて勤務日数や時間を減らす方法もあります。
そのため、フルタイム勤務が体力的に負担になってきた場合でも、短時間勤務や日勤中心の働き方を選べば、これまでの経験を活かしながら仕事を続けやすくなるでしょう。
定年後も働きたい場合は、再雇用の対象年齢や契約条件、勤務時間などをあらかじめ確認し、自分の体力や生活に合った働き方を選ぶことが大切です。
まとめ
介護福祉士国家試験には年齢制限がなく、必要な受験資格を満たせば40代・50代・60代からでも資格取得を目指せます。
また、介護職が未経験の場合も、実務経験の対象となる施設や職種で働きながら経験を積み、実務者研修を修了することで国家試験の受験につなげられます。
一方で、介護福祉士として長く働くためには、資格取得だけでなく、自分の年齢や体力に合った職場を選ぶことも大切です。
夜勤の有無や勤務時間、介助量、福祉用具や人員配置などを確認し、無理なく続けられる環境を探しましょう。
介護福祉士の資格そのものに定年はありません。
そのため、正社員として定年を迎えた後も、再雇用やパートなど働き方を変えながら経験を活かせる場合があります。
年齢だけで諦めず、自分に合った資格取得の方法と働き方を検討してみてください。






