【介護コラム】その日が一日でも先であるようにー第11話ー

グループホームに住む認知症の男性とヘルパーとの実話

前略 先日は夜勤明けでお疲れにもかかわらず、丁寧なご説明を頂きありがとうございました。本人の意向を聞き取れた経緯を、まるで自分のことのように嬉しそうに話す姿に胸を打たれ、その時の思いを記したく筆をとった次第です。思えばこのところ、あなたの以前のような心からの笑顔をお見かけしていなかったように感じておりました。認知症という病気と向き合いながら、一人一人の個性を尊重した生活を陰ながら支えていくのは、想像しがたい激務かと存じます。私たちの時代と違って、終身雇用という言葉が死語になりつつある今、こういった仕事を腰掛け程度に考えている方も少なくないと思います。そんな中で、いつでも笑顔で入居者の方々と向き合い、また、私たちを出迎えてくださる姿に、いつも感謝を覚えておりました。
その笑顔が最近どこか曇りがちになっていたように感じていたので、説明の席で久しぶりに満面の笑顔を拝見することができ、本当に嬉しく思いました。とはいえ、もし心のどこかに新しい目標や夢があるようでしたら、是非叶えるために進んでいってください。このような手紙を書いたことで、ひょっとしたらプレッシャーを感じてしまわれるかもしれませんが、一度きりの人生です、大いに羽ばたいてください。ただ、その日が来るのが一日でも先でありますように。 早々

CURATOR
コラム著者/佐近健之 (介護支援専門員・介護福祉士・社会福祉士)
東京都出身。介護現場経験を経て、現在は介護人材の教育を担当しています。
音楽好きのビール党です。
Illustrator/エム・コウノ
千葉在住。デイサービススタッフとして勤務しています。
休日はイラスト、マンガ描いてます。似顔絵などイラストのご相談承ります!