【介護コラム】近くて遠いー第4話ー

ケアリッツも今月からは11期目に突入!
これからもよろしくお願いします。

第四話

デイサービスに送り出しはするものの、単位数の関係もあって迎え入れは叶わずにいたが、帰宅後はコタツに潜り込み、そのまま朝を迎えることもしばしば。

主治医からも脱水、低温火傷等のリスクが心配という話が出ており、ようやくドイツ在住の娘も「このままでは良くない」と、上限単位を越えてでも安全を取りたいという気持ちになり、夕方の迎え入れの対応と、どうしても他社のヘルパーが対応できない朝の送り出しの枠について、新たにヘルパーを導入することになったそうだ。

Yさんがヘルパーのアイドルになるのにさほど時間はかからなかった。決して寝起きは良い方ではないが、起きるのを渋っているところへお気に入りの犬のぬいぐるみ(ママちゃんと名付けられていた)を持っていくと、「あらぁ、どうしたの?」「いい子にしてたの?」と、心底大事そうに愛で始め、寝ぼけ眼はどこへやら、すっかり上機嫌で起きてくる。

その様に、私も含め、訪問するヘルパーは皆心を奪われてしまうのであった。

自宅は近くではない、むしろ遠い道のりを時間をかけて訪問していたが、距離など全く気にならないほど、訪問が一日の中の楽しみになっていた。

再開までに要した数年間で認知症はきちんと進行しており、時にはとんちんかんなやり取りも合ったが、いつでも楽しかった。日々はあっという間に過ぎていき、コタツの必要のない季節がやってきた。

CURATOR
コラム著者/佐近健之 (介護支援専門員・介護福祉士・社会福祉士)
東京都出身。介護現場経験を経て、現在は介護人材の教育を担当しています。
音楽好きのビール党です。
Illustrator/エム・コウノ
千葉在住。デイサービススタッフとして勤務しています。
休日はイラスト、マンガ描いてます。似顔絵などイラストのご相談承ります!