実は働きたい潜在介護士が多数?2025年問題の一つの解決策とは。

非常に興味深いニュースを見つけました。
もしかすると、現在介護業界において一番の問題と言っても過言ではない、人材不足の問題に対して一筋の希望の光となりうる話かもしれません。
介護職として働きたい… 潜在人材の4割が回答 積極的な支援策を 日本総研
潜在介護士って何?
ここでいう、潜在介護士とは何か、というと、
- 介護の現場にいた経験はあるが既に離れている人
- 経験はないが介護福祉士の資格を持っている人
のことを意味します。
例えば、家族の介護のために資格だけとってみたが他業界で働いている方、介護の業界で働いていたが今は違う業界で働いている方、あるいは介護職として働いていたがその後結婚して退職、専業主婦をしている方、などが対象となってきます。
彼らについては、基本的には働こうと思えばすぐに現場で働くことが出来る即戦力人材、とも言えます。
もちろん、未経験なので技術がない、ブランクがあるのでなかなか慣れない、といった問題はあるでしょうが、無資格未経験と比べれば、企業側から見て育成コストは天と地ほどの差が生じます。
潜在介護士の現状
1030人の潜在介護士からインターネット調査で有効回答を得た、という今回の調査。
まず、潜在介護士は現在何をやっているか、という疑問に対しては、介護職の経験がある人で40.9%、経験のない人で36.3%が、現在は何も仕事はしていない、ということがわかりました。
つまり、介護経験者・有資格者で現在介護の仕事をしていない場合、他の仕事についているひとは6割程度しかおらず、残りは皆単純に働いていない、という結果です。
この結果はどう思われますか?介護が嫌になり他の職種で働いている、という人の率がもっと高いのかと思っていましたので、個人的には結構意外でした。
そして、この働いていない4割のうち、多くは専業主婦であるようです。つまり、結婚・出産を機に介護の仕事を辞めてしまい、そのまま復帰せずに主婦を続けている人が多い、ということでしょう。
潜在介護士の就業意向
今後介護業界で働きたいか、という質問には、残念ながら半数以上が「いいえ」と答えているようです。ただ、逆に全体の4割程度はすぐに、あるいはいずれは介護業界で働きたいという意向があるそうです。
詳しく見ると、男女ともに30代以下では5割以上が少なくともいずれは働きたいとの意向を有しており、男性においては60代以上でも3割近くが就業の意向を有していました。つまりは、若い世代や男性のリタイア世代においては、介護業界で再度働きたいという意向が強い、と言えます。
つまりは、主婦が時短で働けるようにする仕組み、そして高齢でも雇用を継続できるような制度作りを行うことが人手不足の解消における大きな施策となりうる、ということになりますね。
結論だけ見るとなーんだ、当たり前じゃん、という結果にも見えますが、重要なのはこれが明確にファクトで示されたということ。
これまでは何となくそうかもしれない、という雰囲気でこうした制度の整備が議論されていたものが、明確に効果があると今回の調査で分かった、ということが重要なのかなと思っています。
ちなみに、同じ調査内で、介護現場での経験年数が3年に満たない常勤の介護職員2732人に対し、働き始める前と後で感じたイメージのギャップについて聞いています。
4割程度がイメージ通り、と答えている一方、「思ったより悪かった」は施設系で25.8%、訪問系で21.2%、通所系で16.2%となっており、彼らの離職意向は当然強い、という結果となったようです。
こちらも当然の結果にも思えますが、重要なのは、「現実と入社前のイメージのギャップ」に問題があるという部分です。つまり、現実がそれほど悪い物でなかったとしても、入社前にやたらとイメージアップを図るような美辞麗句を並べることも、結果離職を招いてしまう、ということです。
よい印象を持ってもらうために、頑張って会社の良い点をプレゼンするのも良いですが、逆に仕事の大変さ、厳しさもしっかり伝えておくことが、離職を防ぐ一番の方法なのかもしれません。
例えば、我々がやっている訪問介護業務は、1人1人のお客様に対して、1対1でサービスを行う仕事です。お客様の生活にまで踏み込むような深いケアができ、強い信頼関係をお客様と結ぶことが出来る反面、クレームやセクハラ、盗難を疑われるといったお客様とのトラブルも多い仕事だったりします。
会社としては、こうしたトラブルが起きた時に真に受けてスタッフのせいにしてしまうのではなく、客観的に双方の話をしっかり聞いて、どうすべきかジャッジをする、場合によってはお客様に注意をしサービスを中断するという方針で運営していますが、こうした内容をしっかり、応募者に対しても説明するよう心がけています。
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