介護に外国人人材の受け入れ促進を、と首相が表明

2025年問題とも言われる、介護業界における人不足の問題。
最近のニュースでは、2035年にはもっと需給の差が広がるといった見通しも示されるなど、国家的にも深刻な問題となってきています。

人材不足解消のため、常々外国人人材の活用、というのが議論にあがってきていました。
昨年の9月からは、ビザの要件が緩和され、これまでは認められなかった外国人介護士のビザが認められるようにもなりました。

今回のニュースによると、首相も自ら外国人介護士について言及をし、骨太の方針に織り込んでいくことを強調したとのことです。

介護の人手不足解消へ「幅広く即戦力となる外国人材を受け入れる」 首相表明

どうやら、介護士向けのビザを認めた昨年の改正に加え、今後は入国管理法の改正、在留資格要件の緩和などが議論されていくことになりそうです。

これまでの外国人介護士を取り巻く動き

外国人介護士に対する規制はどのように変わってきたのでしょうか。

そもそも、永住者、永住者や日本人の配偶者といった人、あるいは特定の職業に関わる人が在留資格、即ちビザを得ることができる、というのが入国管理法の仕組みです。

特定の職業とは、学生などの留学に加え、外交、医療、IT技術者、教育関係、宗教関連、その他高度専門職などを指します。

ビザの思想とは、日本にとってプラスになるような優秀な人材のみに、在留する資格を与える、逆に言えば日本のインフラにぶら下がってしまうような、能力の低い外国人・無職/ニート/不良外国人には住む資格を与えない、というものです。

これまでは介護は、こうした在留が許可される職種には含まれていませんでした。
そのかわり、二国間協定という形で、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国の間でのみ、EPA協定という形の条約を締結してきました。いわゆる特例、ということですね。

内容としては、人数枠を限定した上で一定の能力のある候補者を選定し、日本国内で介護や看護の研修を受けてもらい、その後日本で介護福祉士や看護師の資格を取得できれば、引き続き就労を許可する、といったものです。

しかし、国も限定され、条件も厳しく、そもそもの目的がむしろそれらの国に対する支援の意味合いが強いもので、日本の人手不足を助けてもらう、という趣旨のものではなかったため、人手不足を補う効果は限定的だったのです。

そこで、昨年の9月に、日本の専門教育機関で教育を受け介護福祉士の資格要件を満たした外国人に対して、介護ビザを発給することが決まった、というわけです。

厳密には、留学ビザで入国し、専門学校で2年勉強をして資格を取得した段階で、留学ビザから介護ビザに切り替えることができる、といった仕組みです。いったん資格を取ってしまえば、帰国してしばらくして、また介護ビザで入国・就業も可能、となっています。

これにより、これまでは介護で日本で就業することが不可能だったミャンマー、バングラデシュ、マレーシアといった国からも、介護人材を受け入れることができるようになりました。

今後の課題

今後、この要件をさらにどう緩めていくのでしょうか?
おそらく方向性としては、いわゆる専門教育機関ルートの介護福祉士だけでなく、実務ルートの介護福祉士も許可するような方向になっていくのかもしれません。
例えば、1回に限り介護で就業中であれば5年まで在留が可能(1年毎に審査で更新?)、その間に実務者研修を終了し介護福祉士を取れば、介護ビザに切り替えが可能、とかでしょうか。

ただ、外国人人材の受け入れには、ビザ以外にも文化の違いや語学力など、現場レベルでは見過ごせない大きな問題がいろいろとあります。こうした部分を解消することなく在留条件を甘くするだけでは、まだまだ外国人人材が人手不足解消の切り札、とはならないように思います・・・

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ケアリッツマガジン運営者 Yuri
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