混合介護の指針が自治体に通知 – 今と何が変わるのか?

昨今、介護業界でとかく話題にあがる、「混合介護」の話題。
こちらについて、厚労省がある程度のルールや指針を自治体に通知した、というニュースが先月ありました。

訪問介護の間にペットの世話も可 厚労省がルール明確化 (朝日新聞)

ただ、業界でよくよく耳を傾けていくと、混合介護に関して「ビジネスチャンス!」などと盛り上がっているのは、実は某コンサルティング会社だったり、行政だったり、と、あまり現場で実際にサービス提供をしているサイドからの声は上がってきていないように思います・・・

いったい、混合介護を取り巻く環境はどうなっているのでしょうか?

混合介護とは

混合介護、というのは、簡単に言えば、介護保険で対応する介護サービスに、自費サービスを混ぜて提供することが出来る、というものです。例えば、介護保険でサービスを提供している合間に、介護保険では対応できないような電球の交換やペットの世話、草木の水やり、などが可能になるわけです。

今回の記事では、厚労省が具体的に、サービスの前後や合間に、利用者のペットの世話や自宅の草むしりができることなどを示し、他にも

  • 外出支援の後、利用者が娯楽などのために立ち寄る場所に付き添う
  • 通院介助の後、見守りなど院内介助を行う
  • 同居家族の部屋の掃除や買い物

といった、介護保険でできないサービスを自費で提供できる、と定めたとのこと。

どうでしょう、サービスの自由度が上がり、お客様にとっても非常に良いことのように思えますね!現場をあまり知らない、あるいはルールだけを知っているコンサルや行政から見ると、素晴らしい画期的な制度と思えます。

これまでとの違いは?

しかし、実を言うと、これまでとあまり現場から見ると大きな変化は起きていないのです。

まず、自費のサービス提供はこれまでも普通に行われています。介護保険を使わないサービスについては、これまで逆に法的に何も定められていなかったがゆえに、非常に自由でした。もちろん、今でも家族の部屋の掃除やデパートへの買い物、散髪の付き添い、外出の付き添いなども普通に行われています。

変わったところで言うと、介護保険サービスの最中に混ぜることができる、という点なのかもしれませんが、訪問介護では記録上は身体介護・生活援助・自費などを分けて報告しているものの、実情を言えばまとめてxx分、という形でサービスをしているのが実際のところです。
なので、実はこちらも、作業自体を見ると大きく変わるわけではない、と言えます。

また、現実から言えば、電球の交換や草むしりなどは、こっそり無料でヘルパーがサービス提供中にやってしまっていることもよくあります。これを、今更急に、xx円いただきます!と宣言できるか、というと現実的には難しいでしょう。

そしてよくコンサル会社などが、「介護保険外のサービスを行うことで、新たな収入源となり収益アップ!」と言っているのをよく見かけます。

しかし、これも正直なところ、間違い、と言わざるを得ません。

なぜなら、自費のサービスの単価は、介護保険サービスの単価よりも一般的に低く設定しているからです。例えば身体介護を1時間やると1割負担の場合自己負担は400円弱となります。
しかし、これを自費でやるからといって、なかなかその10倍の金額をいただく、というのは難しいのが現状です。実際は単価を3000円くらいに設定している会社が多いかと思います。

そうなると、ただでさえ人手が足りない、リソースが足りない、という業界構造の中で、誰が好き好んで単価の低いサービスにリソースを割くでしょうか。

正直なところ、普段介護保険サービスをたくさん使ってくださっているお客様に対してのサービス、という感覚で行っているのが自費サービスなのです。

というわけで、個人的には正直なところ、混合介護に対しては若干悲観的な見方をしてしまっているのが現状です。ただ、ルール的な面がまだ自分の中でも100%理解できている自信がなく、実際はまだ気づいていないビジネスチャンスが眠っている可能性も一方でありうるとも思っています。

もし、混合介護がビジネスチャンスだ!とお考えの方がいれば、ぜひその理由などを聞いて勉強させていただきたい、と思っています!

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。