【介護コラム】 目と目を合わせて - 第5回- 普通の生活を維持するために

その日一日を滞りなく過ごすために、僕には沢山のヘルパーさんの手が必要です。
いつ、何を手伝ってもらって、それにはどれくらいの時間が必要で、といったことをまとめ、時間割を考え、ヘルパーさんの事業所へ依頼をします。

通常は、マネジャーに該当する方が本人に代わって行ってくれるところを、僕の場合は全て自分で行っています。もちろん、希望通りの時間で調整してもらえるとは限らないので、前後30分のズレは許容範囲。
その分、確保してほしい時間が短くならないようにお願いしています。

ヘルパーさんの技量は人それぞれ。なので、誰が来ても、約束の時間にはちゃんと終わるよう、内容を詰め込みすぎないようにしたり、福祉用具を揃えたり、出来る限りの準備は怠りません。
時間に余裕があること、方法に選択肢があることで、ヘルパーさんの気持ちにはゆとりが生まれ、コミュニケーションの量が増えていきます。

僕にとっての「普通」の生活がどういったものなのかを理解してもらうためにも、コミュニケーションの量は重要です。僕の「普通」を分かってもらえると、顔色、声、体の動きなどに変化があれば、すぐに気付いてもらえます。

「大丈夫ですか」と聞かれ、時には遠慮して「大丈夫ですよ」と答えても、「無理しないで行きましょう」と、声にならない声を汲んでもらえたりもします。「普通」といっても、人間なので、体調にも気分にも波があって当たり前。そんな波の振れ幅も含めて、お互いに「普通」を理解し合えている関係が理想的だと思います。

皆さんの手を借りながら、僕の暮らしの中にある「普通」という点の一つ一つが線でつながっていき、今日も滞りなく、一日が過ぎていきます。

コラム原案/安部隼人
障害者の目線から、社内での研修講師をしたり、啓蒙活動のためのレポート作成等を担当しています。
晩酌のお供はカニカマ派です。
Illustrator/エム・コウノ