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【ROOTS】「好きなことは仕事にしたくない」と選んだ道で見つけた目標

【ROOTS】「好きなことは仕事にしたくない」と選んだ道で見つけた目標

【ROOTS】は、当社で働いている社員の方を紹介するコーナーです。

 

ケアリッツには毎月大勢の方が入社されています。どのような方がどのように活躍しているのか、インタビュー形式で紹介します。これから介護職へ転職を考えている方や、経験は無いものの介護に興味がある方々は、是非参考にしてください!

 

今回紹介するのは 宮前平事業所 山崎 あやめ(ヤマザキ アヤメ)さん

2019年3月に正社員入社。「好きなことは仕事にしたくない」と、なんとなく踏み込んでみた介護の世界。施設とは違う在宅での介護に触れ、山崎さんが今何を思っているのかなど、幅広くお話を伺ってきました。

 

ターニングポイント

-なぜ介護に興味を持つようになったのですか?-

高校3年の進路を決めるタイミングで、特に「これを学びたい」っていうことが無かったので、進学ではなく就職を選びました。通っていた高校は進学校だったので、創立以降初めての就職希望者に、学校側はどうアドバイスをして良いかわからなくてあたふたしている様子だったのを覚えています。中学からずっとバスケットボール部で、散々体を動かしてきたので、「もう動きたくないな」と、最初は事務職を探していたんですが、ハローワークの窓口で相談をした際に、「事務職は人気でなかなか求人が出ない」、「介護職であれば直ぐにでも紹介できる」という話をされて、それを学校側に伝えたら老健(介護老人保健施設)を紹介されたので、そのまま流れで就職することにしました。今思うと、ちょうど祖父が他界したタイミングだったということもあったのかもしれませんが、当時はとにかく好きなことは仕事にしたくなかったので、全く未知の世界ではありましたが、特に抵抗はなかったですね。私は漫画やイラストを描くことが好きで、小さい頃は漫画家さんやイラストレーターの仕事にあこがれたこともあったんですが、仕事として向き合うとなれば、世間の需要に合わせたものを描かなければならないことも出てくるじゃないですか。何というか、それで好きなことが嫌いになってしまったら嫌だなと思って、好きなことは趣味にして、仕事は仕事としてきちんと線が引けることをしようって考えるようになりました。

 

専門職としてのこれまで

-実際に介護の世界に飛び込んでみてどうでしたか?-

母親が介護の仕事をしているので、排泄介助は絶対に業務としてあるだろうなとは思っていましたが、「排泄物って誰でも出るものだし、それを自分で処理できなくなっただけでしょ?」って思っていたので、介助に対しての抵抗感は全くなかったです。逆に排泄介助以外は全て看護師さんの役割だと勝手に思っていたので、食事介助や入浴介助もあるということに驚いたくらいです。就職した老健には古い体質が残っていて、今でいうとモラハラのようなことが日常的にありました。「説教部屋」と呼ばれる個室に連れていかれて、そこで先輩に怒鳴り散らされるなんていうこともありましたね。ただ、バスケットボール部での経験のおかげで、体育会系の精神が鍛えられていたので、当時は、「私が悪いんだから叱られて当たり前」くらいに解釈していたと思います。とはいえそんな環境だったので、同僚は次々に退職していきました。私は引き際を見極めるのが昔から本当に苦手で、「辞めるなんて言ったら周りはどんな風に思うんだろう」とか、「辞めたら何をすればいいんだろう」、「収入がなくなると困るな」なんてことを考えているうちにズルズルと、気付けば10年以上の月日が流れていました。お陰様で、「身体介護と名が付くものはなんでもこい!」といえるくらいに介護技術が身につきました。それでも、なんとなく流れで始めた仕事という意識は変わらなかったので、前職で働いている間は頑なに、「介護福祉士の資格は取らない」って宣言していました。なんだか、取ってしまうともう介護の世界から出られなくなってしまうような気がして、ずっと避け続けていたんです。資格を取らないままキャリアを積んでいくうちに、「他の仕事も経験してみたいな」という気持ちがちらほらと浮かぶようになりました。事務職へのあこがれも残っていたので、いよいよ、「介護の仕事に区切りを付けよう」と、退職の気持ちを固めた時、ふと、「これで終わりにしたら今までの歩みが無駄になってしまわないか?」という気持ちが湧いてきたんです。もちろん何一つ無駄なことなんてないんですけど、証のようなものが欲しくなって、それで一念発起して介護福祉士の取得に踏み切りました。要はけじめ受験ですね。苦手な勉強を一所懸命に頑張って、無事に合格して、「これですっきり介護の世界から離れて事務職を探せるぞ!」って、そうなると思っていたんですが、今度は急に、「せっかく取った資格なのに生かさないなんてもったいない」って思うようになったんです。それでインターネットで色々と調べてみたら、サービス提供責任者という仕事を知り、訪問介護の道に進んでみることにしたんです。

 

ケアリッツへの転職

-ケアリッツに転職してみていかがですか-

実は、「サービス提供責任者=事務職」だと思っていました。介護の資格や経験を活かしながら事務職ができるなら、今の自分にピッタリと思って応募したんですが、しっかりとご利用者宅に伺ってケアもするということで、世の中甘くないなと。それでも、いざサービス提供責任者として働いてみると、現場を知っておくことの大切さがすごくよくわかるようになりました。業務上ケアマネ(介護支援専門員)さんとやり取りをすることが多いんですが、ご利用者の最近の様子を聞かれて、「行ってないんで分かりません」というわけにはいかないじゃないですか。しっかりと信頼関係を築くためにも、事務的なことだけではなく、介護の現場にも入れる環境がすごくありがたいなと思っています。それでも入社したばかりのころは、「訪問介護とはなんぞや」という状態だったので、生活援助(日常的な家事のお手伝い)には苦労しました。「自分以外の人の買い物の仕方が分からない」、「掃除機の掛け方が分からない」といった具合だったので、ご利用者にはたくさんご迷惑をおかけしました。介護って身体介護だけじゃないんだなって、改めて仕事の幅の広さを教えてもらいましたね。中には介護拒否のある方もいらっしゃいますが、「自分の家というテリトリーの中に他人が入ってきたら嫌だよね」、「テリトリーに他人を入れてでもやって欲しいことなんだから充当させよう」という気持ちで向き合っているので、ストレスに感じることはないです。なんだかんだ肌に合っている仕事なんだなって、働きながら日々感じることができています。

 

これから

-今後の目標を聞かせてください-

今年ケアマネ試験を受験しようと思っているんです。サービス提供責任者の業務を通して色々なケアマネさんと関わるうちに、「どうしてその考えに至ったんだろう」って考えることが増えてきました。でもその理由についてはケアマネ側に立ってみないと理解できないことだと思うので、チャレンジすることにしたんです。なんとなく流れで始めた仕事ですが、今は、「ずっと介護か、介護に関わる何かを仕事にし続けていきたい」って思えるようになりました。実は社会人になってからコスプレをすることが趣味で、大自然の中にロケをしにいくくらいはまっているんです。コスプレを職業にしている人もいますけど、スキンケアとか、流行りのキャラクターのコスプレをしないといけなかったりとか、やっぱり好きだけでは出来ないよなって思うんです。なので、嫌いではなくて肌に合うことを仕事にしながら、好きなことは趣味として続けながら、私らしくこれからも進んでいこうと思います。

 

常に俯瞰でご自身を、そして周りのことを見ることができている山崎さん。現状を一つ一つ丁寧に分析しながら、自分なりのベストを貫いていく生き方は、とても清々しく、凛々しく映りました。ワークライフバランスの大切さを、改めて教えてもらう貴重な時間にもなりました。本当にありがとうございました!