在宅介護であったらうれしい便利グッズや介護保険でレンタルできる介護用品を紹介!

在宅介護をおこなう人は少しでも負担を減らせる方法を考えるのがおすすめで、そんな人に試してほしいのが介護便利グッズです。便利グッズがあると、介護をするときの手助けになります。
今回は、「在宅介護で役立つ便利グッズ」や「介護用品のレンタルや費用補助が受けられる介護保険」を紹介しています。在宅での介護をおこなっている人は参考にしてください。
在宅介護で役立つ便利グッズを利用シーンごとに紹介!
在宅介護をしている介助者は要介護者に多くの体力や時間を使うため、少しでも負担を減らす工夫をするとよいです。介助者、要介護者のどちらにとっても役立つ便利グッズを使用するのがおすすめです。
- 食事グッズ
- 入浴グッズ
- 寝室グッズ
- トイレグッズ
- 生活グッズ
それぞれの場所やシーンごとに、便利グッズを紹介しているので参考にしてください。
食事グッズ
食事は毎日欠かせないもので、人によって食事の回数は異なるものの1日に3回程度おこなうものなので食事グッズは使用する頻度も多いです。食事がしやすくなる介護便利グッズがあると自ら食べようという意欲につながるなど期待できる効果もあるため、気になるものがあれば購入を検討してみてください。
【介護用食事エプロン】
食事の食べこぼしや飛び散りなどで、衣類や寝具などへの汚れを防げる介護用食事エプロンは食事には欠かせないものです。衣類に食べ物や飲み物がこぼれると衣類を着替えさせたり、衣類を洗ったりとしなければならないことも増えます。
しかし、介護用の食事エプロンがあれば食事を中断する必要もありません。サッと拭いたり水で洗ったりするだけで簡単に汚れが取り除けるからストレスもかかりません。
【取っ手付き茶碗】
茶碗がつるつるして持ちづらいと感じている人には、取っ手が付いている茶碗を用意すると持ちやすいので食べやすくなり、茶碗を落としたりすることも減ります。通常の茶碗を押さえるには手を大きく開いたり容器を持つ握力が必要だったりしますが、力を多く入れなくても持てるから手の力が入りづらい人にももってこいです。
落としても割れず軽いタイプのものがベストです。
【ハンドル用スポンジ】
スプーンやフォークなどは柄が細く上手く力が入らず持ちにくいと感じる人も多いです。そんな人にはハンドル用スポンジが重宝します。
スポンジのなかにスプーンやフォークを入れてスポンジ部分を持つと持ちやすく滑りづらいです。そのため、握力が弱い方もスプーンやフォークを使いやすくなります。
【吸い飲み】
寝たきりなどで体を起こすのが難しい人には吸い飲みを用意しましょう。寝たままの状態で水分補給がおこなえるので便利です。
本体を軽く押すと中身が出てくるタイプや、ストローがついたタイプなどさまざまです。汁物などに対応したものであればそのままでは食べづらい味噌汁なども食べられます。
誤嚥対策が施されたものだと、水分補給による誤嚥のリスクも減らせます。
入浴グッズ
入浴介護は転倒などの危険が多く潜んでいる場所なので、安全に入浴できるよう手助けしてくれる便利グッズの使用を推奨します。入浴は介助者も体力を使う部分なので、少しでも負担が減らせるものがあるなら利用しない手はありません。
【お風呂滑り止めマット】
お風呂は水分があるので滑りやすく危険です。リラックスできるお風呂で転倒をするとお風呂自体が怖いと苦手意識を持つことにつながります。
そんな悩みを解消するのが滑り止めがついたマットです。浴槽内と洗い場の両方に使用できるものであればどちらにも敷いておくとお風呂場で滑る心配がいりません。
【入浴サポートクッション】
浴槽で体に力が入りづらい状態だと思わぬ事故が起こるリスクが高くなります。入浴をサポートしてくれるクッションは浴槽内で体位が保持できる仕様だから、安定した状態でお風呂を楽しめます。
また、クッションタイプは柔らかいため、硬さを感じずにゆったりと入浴できるのもうれしいポイントです。
【ひじ掛け付シャワーベンチ】
入浴介護をするときは、しっかりと安定して座っている状態だと介助する人も安心してシャンプーなどがおこなえます。とくにおすすめなのは、背もたれとひじ掛けがついて長時間座ってもくつろげて安全性に優れているタイプです。
立ったり座ったりという動作も楽におこなえるから無駄な力を入れずに体への負担も少ないです。折りたたみ式を選ぶと場所もとらずに済みます。
【入浴介助エプロン】
入浴介助ではエプロンがあると、水濡れなどを気にせず介助できます。防水タイプで軽くて脱ぎ着しやすいものだと着脱や、着けているときも使いやすいです。
入浴介助をしているときは目が離せないことも多いので、使いやすいものを選びましょう。
寝室グッズ
介護度が上がると寝室で過ごすことも多いため、快適に過ごせる工夫をするとよいです。快適に睡眠できる状態が整っていないと、ストレスなどを溜める原因にもなります。
肌触りや機能性にこだわった寝室の介護便利グッズも多いです。
【床ずれ防止マットレス】
寝たきりの状態だと床ずれを起こしやすくなります。体重がかかっている部分への圧迫、摩擦、湿気などの要因によって起こり、治るまでに数ヵ月程度の期間を要すことも。
そんな床ずれを防ぐには、床ずれを防止するマットレスが活躍します。体圧を分散、熱や湿気を排気して床ずれになる原因を取り除いてくれるものがおすすめです。
【移乗補助具】
車椅子からベッドへ移動するときは抱きかかえて介助すると介助者と要介護者のどちらにも負担になってしまいます。場合によっては腰を痛めるなど体を痛めることにもつながります。
移動補助具を使用すると介助者がこれまでよりも軽い力で移動させられるため負担も軽減できるというのも魅力です。また、要介護者が自身の力で移動をおこなうのをサポートできるため、QOLの向上にもつながります。
【体位変換器】
寝たきりの人は床ずれを起こしやすいので、常に同じ体位にならないように定期的に姿勢を変えてあげるようにします。体位変換器はベッド上で通常時よりも力を使わずに身体を移動させられるグッズです。
おむつ交換などをサポートするものもあるので、おむつを交換する頻度が高い人などにも重宝します。
【防水シーツ】
おむつをしていてもずれが生じていたり、尿量が多かったりするとベッドなどに尿が漏れてしまう可能性もあります。そうなると、洗濯などが大変で要介護者の心身状態にも影響を与えます。
防水シーツはそんなもしもにも備えられるため、用意しておいて損はありません。肌触りや吸汗性などがよいものだと使用感も抜群です。
トイレグッズ
排泄はデリケートなものなので、要介護者の心に寄り添った対応が必要です。1日のうちでも多くの回数を占めるため、不快にならないような対策を考えるとよいです。
本人がおこなえそうな部分は任せるためにも、便利グッズを活用して排泄がしやすい環境作りに努めましょう。
【トイレ手すり】
トイレでは立ち上がるときの動作で力が入らないと感じる人も多いので、手すりを取り付けるのも方法です。トイレを挟んで固定するタイプや、壁に取り付けて使用するタイプなどがあります。
手すりの幅が広いと掴みづらいと感じることもあるため、選ぶときは掴みやすいサイズ感かどうか確かめるとよいです。
【補高便座】
関節痛など関節の曲げ伸ばしがつらい人には、トイレに深く座る動作が難しい場合もあります。そんな方には便器を高くすると膝を曲げる負担が少なくなるため、不快感も軽減できます。
補高便座は高さが出るため、膝への負担を少なくしたい人は検討する価値ありです。柔らかい素材のものを選ぶと座ったときの痛みも最小限で済みます。
【おむつカバー】
おむつを使用しているならおむつカバーを併用するのもおすすめです。使い捨てタイプや繰り返し使用できるタイプがあるので、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
体型に合わせて調整しやすい仕様や、締め付け感がないものなど使い勝手にこだわった商品も多いです。漏れを防げて履きやすい、履かせやすいものだと介助者も要介護者も苦になりません。
生活グッズ
介護度を選ばずに日常生活で使用できる便利な介護グッズをピックアップしました。ものによっては100円均一など安価で手に入るものもあるので、チェックしてみてください。
【お薬カレンダー】
要介護の人は薬を飲む機会も多いため、飲み忘れがないように気をつけることが重要です。とくに、朝、昼、晩などで1日のうちでも数回にわけて飲む場合はわかりやすいように対策をしましょう。
お薬カレンダーはそんな薬の飲み忘れを防ぐ効果が期待できます。カレンダータイプのものだと介助者と要介護者の両方が一緒に確認できるためコミュニケーションも図れます。
【お薬タイマー】
薬を飲む時間は決まっている人も多いと思いますが、意識していてもつい忘れてしまうことも。そんな人におすすめできるのはお薬タイマーです。
事前に設定した時間になると音や光でお知らせしてくれるから飲み忘れを防げます。先ほど紹介したお薬カレンダーと併せて使うと、飲み忘れゼロが叶います。
【呼び出しブザー】
介助者は1日中要介護者の隣にいるとは限りません。食事の準備などで目を離すこともあるため、トラブルが発生したときに知らせる呼び出しブザーは揃えておきたい介護便利グッズです。
異常を音や光で知らせてくれるからすぐに駆けつけられます。
介護グッズを揃えるなら介護保険を利用するのも検討しよう
介護に必要なグッズを揃えるときは、介護保険を利用するのも方法のひとつです。レンタルや購入費用の補助を受けることで、費用面の負担も少なくできます。
ここでは、介護保険でレンタル可能な介護用品と購入費用の補助が受けられる介護用品をそれぞれ紹介しています。介護グッズだからといって介護保険が必ず使えるわけではないので注意しましょう。
介護保険でレンタル可能な介護用品
介護保険を使うと福祉用具をレンタルできるものがあります。レンタル料金は利用料の1割が自己負担となることが多いですが、利用者の所得が一定額を超えると2割から3割負担となります。
また、福祉用具貸与制度は介護保険の利用上限が決まっているので支給限度額の範囲のものであれば1割から3割の自己負担で利用可能です。言い換えると、利用上限額を超えたものを選択すると超過分の金額は利用者が全額自己負担することになるため注意が必要です。
支給される限度額は要介護、要支援度によって異なるためそれぞれの状況に応じて支給限度額を確認しましょう。また、介護度によってもレンタルできる福祉用具が異なります。
要支援者と要介護者の介護レベルはそれぞれ以下のとおりです。
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
下にいくにつれより多くの介護を必要とする状態です。レンタル可能な介護用品を介護レベルと照らし合わせると以下のとおりです。
要支援1・要支援2・要介護1
- 手すり
- 歩行補助杖
- スロープ
- 歩行器
要介護2・要介護3・要介護4・要介護5
- 手すり
- 歩行補助杖
- スロープ
- 歩行器
- 車いす
- 車いす付属品
- 特殊寝台
- 特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト
- ※自動排泄処理装置※(要介護4・要介護5のみ)
要支援1、2、要介護1の方はレンタル可能な品数が少ないですが、以下の疾患で福祉用具が必要と医師が判断すれば要介護2から5までの人が対象となっている福祉用具についても介護保険でレンタルできる場合があります。
- パーキンソン病
- 末期がん
- ぜんそく発作等による呼吸不全
- 心疾患による心不全
- 嚥下障害による嚥下性肺炎
それぞれの状態に合わせてレンタルできる福祉用具や自己負担額などを確認しましょう。
介護保険で購入費用の補助が受けられる介護用品
介護保険を利用して購入できる介護用品もあります。レンタルよりも購入した介護用品を使いたい人は要チェックです。
- 腰掛便座
- 入浴補助用具(入浴用いす、 浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具の部分
- 自動排泄処理装置の交換可能部
- 排泄予測支援機器
先ほど紹介したものはレンタルできる介護用品でしたが、こちらは購入するタイプです。レンタルのものは介護度に応じて対象となるものが決まっていましたが、購入においては要支援1から要介護5までの方が対象となるため介護度による制限がありません。
年間で税込10万円までと上限は決まっており、上限を超えた部分に関しては全額自己負担です。また、指定を受けた事業者以外から購入すると介護給付が受けられないため、対象事業者からの購入をおすすめします。
介護便利グッズを利用するときに確認しておくべきポイント
介護便利グッズはさまざまなものがありますが、利用するときは確認しておくべきポイントがあります。同じ商品であっても機能面や価格などの違いが見られることを押さえておきましょう。
介護便利グッズの選び方(使いやすさ)
介護便利グッズを選ぶときは、使いやすさを重視して選ぶとよいです。困っている状態や悩みを解消できるものかどうかをチェックしましょう。
ネットなどで購入する場合は、その商品を購入した人の口コミなどが確認できる場合があるので参考にするのもおすすめです。
介護便利グッズの購入先(100均、介護用品通販サイト)
介護便利グッズは店頭、ネットでの購入が可能です。店頭で購入する場合はホームセンターや100円均一などに販売されています。
実際に手に取って見くらべてみたい人は店頭での購入が向いています。便利グッズを買っても必ず使用するとは限らないので、使用するか定かではないものはまずは100円均一などで手に入る安価なものから試すのもありです。
ネットで購入する場合は介護用品の通販サイトなどから購入できます。そのサイトから購入した人による評価や口コミが確認できるため、商品のリアルな使用感がわかるのもうれしいポイント。
また、ネットで購入する場合は店頭に出向く必要もないので手軽に隙間時間での購入が叶います。
まとめ
在宅介護をおこなうときはするべきことも多いので、介助者の負担を少しでも減らす工夫が必要です。介護便利グッズを活用すると介助者はもちろん要介護者もうれしい効果が期待できます。
介護保険など利用できる制度をチェックして、レンタルや購入を検討するのも方法です。