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介護職の退職理由には何がある?円満退職する方法や退職時に確認すべきポイントを紹介

介護職の退職理由には何がある?円満退職する方法や退職時に確認すべきポイントを紹介

介護職を退職する人は多いと耳にしたことがある人もいると思いますが、実際どのような退職理由があるのかを紹介しています。スムーズに退職するためにはポイントを押さえて行動することが重要です。

今回は、「介護職で退職を決めたらとるべき行動」や「今の職場を退職するときに確認すべきポイント」を紹介しています。自分の人生を後悔しないためにも、今の介護職の現場から退職したいと思っている人は参考にしてください。

介護職の離職率は高いのか?

冒頭で、介護職を退職する人は多いという声に触れましたが、実際の離職率データを見ると、そのイメージとは異なる実態が浮かび上がってきます。

まずは、最新の統計データを基に、介護職における離職率の実態と推移について解説していきましょう。

介護職の離職率は全体平均より低い

公益財団法人介護労働安定センターが実施した調査によると、訪問介護員と介護職員を合わせた2職種の離職率は12.4%でした。

一方で、厚生労働省の調査によると、同年の全産業平均離職率は14.2%となっており、介護職の離職率は全産業平均を1.8ポイント下回っています。

2022年以降、介護職の離職率は全産業平均を継続して下回っており、離職率の高い職種という位置付けは変わりつつあるといえるでしょう。

出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」

出典:厚生労働省「雇用動向調査」

介護職の離職率は改善傾向にある

過去5年間の離職率データを振り返ると、2020年度に14.9%だった数値が2024年度では12.4%まで低下しています。

職場環境の整備や待遇改善など、業界全体の取り組みが定着率の向上に繋がっており、介護職の離職率は改善傾向にあることが見て取れます。

出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」

介護職の退職理由とその背景

介護職は需要がある職業ですが、退職を考える人も少なくありません。退職を決めるのはネガティブなことが原因となることも多く、いくつかの要因が重なっていることもあります。

ここでは、具体的な退職理由を紹介しています。今、介護職の職場を退職したいと考えているなら理由がマッチしているか確認してください。

辛いと感じる場所に身を置き続けるのは、身体にも心にも影響を及ぼす可能性があるため対策が必要です。

職場の人間関係がよくない

介護職の退職理由として多く挙がるのが人間関係の問題です。介護職は人と接する機会が多く、コミュニケーションを取りながらおこなう業務です。

介護職の人が関わる人たちは以下のとおりです。

  • 利用者
  • 利用者の家族
  • 他職種の職員

利用者と関わることはもちろん、その家族や同僚や上司以外にもさまざまな職種の人たちと接します。ほかの職種の職員には、医師や看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、生活相談員、福祉用具専門相談員などあらゆる職種や部署の人たちとの関りが必要不可欠です。

それぞれの職種などで連携が取れていなかったり、要望などが異なったりすれば関係が上手くいかず業務にも影響が及ぶことも。また、経営者と現場では重視していることなどに違いがありストレスが溜まることもあります。

多くの人たちと連携しなければならない職種なので、そのような人間関係によるストレスがあったり、苦手と感じる人がいたりすると退職したいと感じるでしょう。なかには、仕事を押し付けたり、理不尽なことで怒ったりするなどパワハラをおこなう人もいます。

そのような人がいる限りストレスは溜まり続けます。過度にストレスが溜まった状態を続けるとうつや、適応障害などの病気になる可能性も。

自分を守るためにもそのような環境からは離れることも1つの手段です。

収入や待遇面が業務内容と合っていない

介護の現場には身体的な負担を伴う業務もあり、人手不足の状況下では一人ひとりにかかる責任や業務量も相応に大きくなります。

それにもかかわらず、仕事内容に見合った収入が得られていないと感じることが、退職を考えるきっかけになるケースも少なくありません。

収入や待遇面への不満は単なる金銭的な問題にとどまらず、自分が正当に評価されていないという気持ちとも結び付くため、離職意向を高める要因になっている傾向です。

職場によっては待遇に差があることも考えられるため、現在の報酬が自分の貢献に見合っているか、あらためて確認してみるのもよいでしょう。

業務内容に不満がある

介護職の業務は多岐にわたりますが、職場によっては業務に大きく偏りがある場合もあります。身体的に負担が大きい仕事ばかり担当しなければならないなど業務内容に不満があると、仕事を退職しなければ現状が変わらないと感じるでしょう。

また、希望していた業務に関われなかったり、思っていたような業務内容と大きく違いが見られたりする場合なども仕事へのやる気がなくなり退職を考えるようです。仕事は人生において大きなウエイトを占めているので、やりがいが感じられなかったりネガティブな思いが強くなったりすると精神的にも追い込まれます。

入職時に聞いていた業務内容と異なる場合などは、職場自体に不信感を抱くことにもつながります。

事業方針と自分の考え方の相違

自分の考えと事業所の運営方針や経営層の判断が異なることで、少しずつストレスが積み重なっていき、退職へと繋がるケースもあります。

例えば、ケアの質よりも効率や数字を優先する、職員からの改善提案が聞き入れられない風潮があるといった職場では、自分の介護観を発揮できないもどかしさを感じてしまうこともあるでしょう。

介護職として働くうえで、利用者にこのようなケアを提供したいという思いや信念を持っている人は多くいます。

現在の職場で利用者のために働き続けることができるのかという悩みから、転職を真剣に検討し始める方は珍しくありません。

事業所の理念や運営方針に共感できるかどうかは、長く働き続けるうえで重要なポイントといえるでしょう。

ほかによい条件の職場を見つけた

介護職といっても職場によって業務内容や、職員にかかる負担割合なども大きく異なります。同じような給料で現状よりも負担が少ない、働きやすい環境が整っている職場があるとほかの職場で働きたいと思うことは当然です。

とくに、今の職場に不満を抱えているときに条件のよい職場を見つけたらチャンスと感じ転職を考える人も多いです。やりがいが感じられず不満を抱えたまま働き続けるよりも、自分の能力を活かせる場所がほかにあるなら違うところへ転職するのも1つの方法といえます。

キャリアアップが見込めない

キャリアアップを見据えて、より成長機会の多い職場へと転職を決断する介護職員も少なくありません。

介護職には、介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)など、経験やスキルを積み上げることで取得できる資格が複数あります。

こうした資格取得を通じて、専門性を高めながら着実にキャリアを築いていきたいと考える人にとって、そのための環境や仕組みが整っていない職場では不満を感じやすくなります。

資格取得への支援制度がない、昇給・昇進の基準が不透明、上のポジションが長期間固定されているといった状況では、キャリアアップの機会が限られていると感じ、転職を考えるきっかけとなります。

介護職を退職した人によくある声

実際に退職・転職を経験した介護職員はどのような変化を感じているのでしょうか。

ポジティブな変化を実感できた人がいる一方で、新たな課題に直面した人もいます。

ここでは、介護職を退職した人によくある声を紹介していきましょう。

人間関係の悩みが解消できた

最初に挙げるのは、介護職を退職することで人間関係の悩みが解消でき、日常的なストレスが減ったという声です。

サービスの利用者や職場の同僚など、多くの人と関わる介護職において、どうしても解消できなかった人間関係の悩みが、転職によって改善するケースがあります。

環境を変えるには大きな決断も必要ですが、これまで感じていた人間関係のストレスが軽減されれば、仕事のやりがいも感じられやすくなるでしょう。

給料がアップした

転職を機に収入が増えたという声も聞かれます。

事前にしっかりとリサーチして、より条件のよい職場に移ることができれば、転職後に収入アップを実現することは十分可能です。

待遇面での不満が転職のきっかけだった場合、条件が改善されることで仕事への満足度も上がり、長く勤め続けるモチベーションにも繋がります。

趣味を楽しめる時間が増えた

身体的な負担が大きい職場から、業務の偏りが少ない職場へと転職したことで、プライベートの時間が増えたと感じる人もいます。

残業が減ったり休日がしっかり取れるようになったりすることで、趣味や家族との時間を充実させられるようになったという声も多い傾向です。

働き方のバランスを整えることは、長期的なキャリア継続にとっても重要なポイントと言えます。

新たなスキルを習得するのが大変だった

退職後に別の職場や異なるサービス形態に転職した場合、新しい業務のやり方やルールを一から学ばなければなりません。

これまでの経験がそのまま通用するとも限らず、業務内容にもよりますが、慣れるまでの期間は苦労したという人もいます。

特に介護職から他業種へ転職した場合、業界特有の知識や技術を習得する負担が大きくなることも想定しておく必要があるでしょう。

現在進行形で転職を検討しているなら、新たなスキルを習得するのが大変だったという声もあることを、しっかりと理解しておいてください。

収入が減少した

転職先の条件によっては、退職前と比べて収入が下がるケースもあります。

たとえ同じ介護職であっても、夜勤の有無や各種手当、雇用形態など、それぞれの職場で給与体系が異なる点には注意が必要です。

収入ダウンを防ぐためには、転職前に給与の内訳まで丁寧に確認しておくことが大切です。

月給だけでなく、年収ベースや昇給の見通しも含めて比較するようにしましょう。

介護職で退職を検討すべき職場の特徴

職場の環境によっては、できるだけ早く転職するほうが自分のためになる場合もあります。

以下に挙げた内容は、介護職で退職を検討したほうが良い職場の特徴です。

現在の職場に当てはまる項目がある場合は、退職や転職を検討してみましょう。

研修制度が整っていない

介護の現場では、新しく入職した職員が安心して業務に就けるよう、OJT(職場内訓練)を含む研修制度が整っていることが重要です。

研修らしい研修がないまま現場に配置されると、知識や技術の習得が遅れるだけでなく、精神的な不安も大きくなります。

体系的なキャリア支援がない場合、自身のスキルアップも見込みにくいため、早期離職を検討すべき環境といえるでしょう。

相談できる上司がいない

仕事上の悩みや困ったことを相談できる上司・先輩が職場にいないと、不安なまま働くことになり、精神的な疲弊を招く恐れがあります。

介護現場では、利用者対応や職員間のトラブルなど、自分だけでは解決しにくい問題が生じることも少なくありません。

そういった場面で頼れる人がいない場合、問題が解消されないまま積み重なっていく恐れもあるため、決して安心して働ける環境とはいえないでしょう。

そのため、相談できる上司がいない介護の現場も、早めに転職を検討したい環境のひとつとして挙げられます。

ハラスメントが常態化している

パワーハラスメントやセクシャルハラスメントが日常的に起きている職場は、ただちに退職を検討すべき環境です。

理不尽な叱責や過度な要求が繰り返される環境は、心身に深刻なダメージを与えます。

ハラスメント関係の問題は個人の努力だけで改善できないものもあるため、自分の健康を守ることを最優先に考えましょう。

上司に相談しても解決が難しい場合、転職という選択肢を含めた対応も必要です。

無理な働き方が習慣化している

サービス残業が当たり前になっている、退勤後や休日にも連絡が入ってくる、違法な医療行為が見られるなど、法令や労働基準法に違反するような働き方が常態化している職場は要注意です。

こうした環境は、身体的・精神的な疲労の蓄積だけでなく、いざというときに法的なリスクを負わされる可能性もあります。

上記のような環境においては、無理な働き方に慣れてしまうのではなく、現在の状況を客観的に評価することが重要です。

そのうえで、状況の改善が難しい場合は、自身を守るためにも転職を含めた選択肢を検討する必要があるでしょう。

介護職を退職する前にできること

退職は、キャリアや生活に大きな影響を及ぼす判断です。

後悔のない選択をするには、事前の準備を丁寧に進める必要があります。

退職を考え始めたときは、すぐに行動に移すのではなく、以下の内容を実践してみてください。

退職したいと思う理由を明確にする

最初に確認しておきたいのは、辞めたいのは今の職場に対する不満なのか、それとも介護という仕事そのものへの不満なのかという点です。

この点を明確にしないまま転職してしまうと、職場を変えても状況が改善しないケースがあります。

転職先の職場が変われば働き方そのものが変わる可能性もあるため、問題の本質がどこにあるか見極めることが大切です。

まずは、以下のポイントを一つずつ確認していきましょう。

自分の気持ちを整理する

退職を意識し始めたときは、自分の気持ちを丁寧に棚卸ししてみましょう。

一番辛いことは何か、どのような状態になれば仕事を続けられると感じるか、職場の何が変われば満足できるか、といった問いを自分に投げかけることで、退職の動機をより鮮明にできます。

感情的になっているタイミングでは判断が歪みやすいため、体調が整っているときにじっくりと考える時間を設けることが大切です。

一時的な感情による衝動的な退職は、後悔に繋がりやすいので注意しておきましょう。

相談によって改善できないか検討する

自分の気持ちを整理して問題点が明確化できたら、現在の職場の中で解決できないか検討してみましょう。

問題の種類によっては、直属の上司や信頼できる先輩に状況を相談することで、業務の調整やシフトの見直し、担当変更といった対応で解決が可能な場合もあります。

自分だけで抱え込まずに、声を上げることが解決の糸口になる場合もあると認識しておきましょう。

ただし、相談したとしても状況が改善される見通しが立たない場合や、ハラスメントのような深刻な問題が背景にある場合には、転職も含めて今後の働き方を考えてみることが大切です。

スキルアップで改善できないか検討する

退職を考えている理由が、業務に自信が持てない、将来が不安といった要素を含んでいる場合は、資格取得や研修参加によって状況が好転する可能性もあります。

例えば、介護福祉士実務者研修の受講やケアマネジャー資格の取得に向けた勉強を始めることで、自身のスキルに対する自信がつき、職場での立ち位置が変わることもあるでしょう。

スキルアップによる改善の可能性を検討し、それでも状況が変わらない場合は、転職を検討するタイミングといえます。

自己分析をおこない今後のプランを立てる

退職を決めたら次の職場が同じような原因で辞めたいと感じないように、徹底した自己分析をおこなうとよいです。

なぜ退職したいかを明確にしておかないと転職したとしても同じような理由に苦しむ可能性もあります。

自己分析する必要性

転職活動を始める前に自己分析を行うことで、自分の強みや適性、価値観を明確にできます。

退職したい理由もしっかり整理できていれば、次の職場に求める条件も自然に絞り込めるでしょう。

また、自分がどのような環境で力を発揮できるか、どのような働き方が長続きするのかを把握しておくと、ミスマッチのない職場選びを実現できる可能性が高まります。

転職を希望する業種・職場がすでにある場合にも、足りないスキルを明確化して、しっかりと準備することが可能です。

プランの立て方

自己分析が終わったら、転職後のキャリアプランを具体的に描いてみましょう。

例えば、3年以内に介護福祉士を取得してリーダー職になる、訪問介護から施設介護に移って夜勤のない働き方にシフトするなど、自分の理想像を定めます。

次に、その理想像から逆算して足りないスキルや知識や経験を明確にし、取るべき行動を計画しましょう。

その際に、目標と期間をセットで考えておくと、行動の優先順位が付けやすくなります。

プランが明確になると、転職先に求める条件をより具体化できるため、求人探しや面接準備もスムーズに進めることが可能です。

新しい職場についてリサーチしておく

自己分析を経てキャリアプランが描けたら、転職先の候補を探す段階に入ります。

新しい職場を探すときに確認しておきたい具体的なポイントは、以下のような内容です。

  • 仕事内容
  • 給料
  • 職場環境

求人票などにはどのような業務内容をおこなうかや、給料や待遇面などが記載されています。すぐに確認できる情報の時点で、その職場が候補になるのかどうかをふるいにかけます。

あまりに条件を厳しく設定していると選択の幅が狭まってしまうため、明らかに考えられない条件でなければ候補としておくとよいです。採用されるまでの一般的な流れは以下のとおり。

  • 情報収集
  • 書類提出・応募
  • 書類選考
  • 面接

応募の時点でイメージしていた仕事内容も、面接などで詳細を聞くなかでイメージが違うと感じることも珍しくありません。仮に、気になる点が出てきたらしっかり確認し決めることが重要です。

また、職場環境は可能なら雰囲気を確かめるためにも、見学ができるのならばしておいた方がよいです。求人サイトなどを使うとその職場で働いていた人の現場の声などがわかることもあります。

できる限りの情報を集めて、後悔しない職場探しをおこなうようにしましょう。

介護職の退職の伝え方と注意点

退職の伝え方や手順を誤ると、退職日までの期間が働きにくくなったり、引継ぎに支障が出たりすることがあります。

退職時の伝え方や注意点として、以下のポイントを押さえておきましょう。

円満に退職できるように伝え方を工夫する

退職を決めたらできる限り円満退職ができるような行動をとりましょう。退職する理由はネガティブなものも多いですが、そのままの理由を伝えるとその後の雰囲気が悪くなる可能性が高いです。

前述したように退職を伝えても1ヵ月程度は勤務する必要があるので、正直に退職理由を伝えることで雰囲気が悪い状態で過ごさなければならなくなります。場合によっては、ほかの部署や系列施設などへの異動を打診される可能性もあります。

それも環境を変える選択肢の1つではありますがほかの職場で働きたい、違う業界へ転職したいという思いがあるならネガティブな発言は控えた方がよいです。できる限り円満に退職したいと考えているなら、以下のような理由を伝えるとよいです。

  • 結婚や出産
  • 病気
  • 家庭の事情
  • キャリアアップ

結婚や出産などの環境の変化にともない退職することは珍しくありません。むしろ、おめでたいことでプラスの理由となります。

しかし、事実ではない場合はそれがわかったときに気まずくなることも。病気治療なども納得せざるを得ない退職理由です。

また、家族の介護や家族の転勤などが理由の場合も引き止めづらいため、退職を受け入れてもらえるでしょう。キャリアアップもポジティブな印象で受け取ってもらえます。

“今までとは異なるサービスを提供する環境で学びたい”や“学びたいことができて勉強したい”など前向きな表現だと悪い印象を与えづらいです。

退職を伝えるタイミング

退職を申し出る際は、できる限り退職日までの余裕を持って報告しましょう。

一般的には、退職希望日の1か月以上前に上司へ伝えるのが望ましいとされています。

引継ぎ業務の時間を確保するためだけでなく、職場が後任の採用や人員調整を進める猶予を設けるためにも、早めの申し出が必要です。

なお、就業規則に退職申し出の期限が定められている場合は、その規定を優先しましょう。

法律上では、退職の2週間前に意思表示をすれば退職できるとされていますが、円満退職を目指すなら、就業規則の定めに従った行動を取ることが基本です。

また、繁忙期や人員が極端に不足している時期は、特別な理由がない限り、退職を申し出るタイミングとしては避けたほうが無難でしょう。

退職は直属の上司に伝える

退職の意思は、最初に直属の上司へ伝えることが基本的なマナーです。

同僚や別の上司にあらかじめ話が漏れてしまうと、直属の上司に不信感や不快感を与えかねません。

人間関係が複雑な職場でも、報告の順序を守ることが大切です。

退職の意志を伝える際は、業務の合間や大勢の人がいる場ではなく、事前に時間を確保してもらうよう声をかけ、落ち着いた環境で話しましょう。

メールや電話ではなく、できる限り対面で伝えることが、誠実さを示すうえでも重要なポイントです。

決定事項として伝えるのがポイント

退職を伝える際は、相談ではなく報告として伝えることがポイントです。

「退職を考えているのですが…」という言い方だと、上司に検討の余地があると受け取られ、引き止めや説得の口実を与えてしまいます。

退職の意思を明確に伝えることで、職場側も今後の対応をスムーズに進めやすくなります。

退職時期を明確に伝える

退職を申し出る際には、具体的な退職希望日を伝えるようにしましょう。

「〇月末をもって退職させていただきたいと考えております」と、明確に言い切ることがポイントです。

職場との協議で退職日が調整される場合もありますが、最初の段階で自分の希望日を伝えておくことで、退職の意思を明確に伝えられます。

引き止めへの対処方法

介護職で退職を申し出ると、上司や施設長から引き止められるケースも珍しくありません。

「もう少し待ってほしい」「条件を改善する」と提案されることもありますが、自身の考えや希望に沿って判断することが大切です。

「お世話になったことには感謝しているが、自分のキャリアを考えての決断です」というように、引き止めに対して感謝の気持ちを伝えながら退職の意思を説明すると良いでしょう。

退職に関する話し合いでは、双方が納得できる形で手続きを進められるよう、落ち着いて対応することが求められます。

業務の引継ぎはしっかりやっておく

職場に不満があって退職する場合でも、業務の引継ぎはしっかりおこないましょう。とくに、担当している利用者がいれば引継ぎをおこなっていないと迷惑をかけてしまうので注意が必要です。

上司に判断を仰ぎ誰に引き継ぐか、どのように引継ぎをおこなうかを相談します。ほかにも受け持っている仕事があれば、すべて引継ぎを終わらせてから退職日を迎えましょう。

介護職の面接時に退職理由を聞かれたときの対処方法

転職活動の場で避けて通れないのが、面接での退職理由に関する質問です。

採用担当者が何を確認しようとしているのかを理解したうえで、適切な伝え方を準備しておく必要があります。

返答次第で面接官に与える印象は変わるため、転職を成功させるためにも、以下に挙げる内容は押さえておきましょう。

面接官が確認したいこと

退職理由を尋ねる面接官の意図は、単に過去の事情を把握することではありません。

以下に挙げている、応募者の人となりや定着性、仕事への姿勢を総合的に見極めることが主な目的です。

早期退職しないか

採用にはコストと時間がかかるため、面接官は入職してもすぐに辞めてしまわないかという点を慎重に判断しています。

退職理由を聞くのは、転職を繰り返す傾向があるのか、それとも長く働いてくれる人材なのかを見極めようとしているからです。

そのため、長期的に勤務できる人材としての信頼感を示す説明が求められます。

周囲と協力して働けるか

介護の仕事はチームで行うものであり、職員同士の連携や協力が欠かせません。

面接官は退職理由に関する質問で、協調性があり、チームの一員として誠実に働ける人材かどうかも確認しています。

そのため、退職理由を伝える際は、他者への批判に終始するのではなく、自分自身がどのように状況に向き合ったかを添えることが重要です。

仕事に対する熱意

退職理由を通じて、面接官は応募者が介護という仕事そのものに、どれだけの思いを持っているかも見ています。

「ただ条件がよいから転職した」という印象ではなく、「この職場でこのような介護を実現したい」という前向きな動機が伝わると、採用担当者の評価も高まるでしょう。

退職理由を話す際は、今後どうしたいのかというビジョンとセットで伝えるのがおすすめです。

ネガティブな理由はポジティブに変換して伝える

面接で退職理由について話す際は、実際の経緯がネガティブなものであっても、そのまま伝えるのは避けたほうが良いでしょう。

前職への不満ばかりを退職理由として伝えると、採用担当者にマイナスの印象を与えやすく、入職後も同じような理由で早期退職するのではないかと思われる可能性があります。

そのため、退職の動機は自分がより成長したい・実現したいことに結びつけて、ポジティブに言い換えることが重要です。

代表的な退職理由ごとに具体的な伝え方の事例を以下に挙げているので、前向きな姿勢をアピールするための参考にしてみてください。

人間関係が原因の場合

人間関係の問題をそのまま伝えてしまうと、新しい職場でもトラブルを起こしそうといった誤解を与えてしまう恐れがあります。

そのため、人間関係が原因で退職した場合は、人間関係への不満ではなく、自分が目指す理想の職場環境に焦点を当てた表現に変換する方法がおすすめです。

具体的には、よりよいチームワークが実践できる職場でスキルを発揮したい、コミュニケーションを重視した職場で、利用者様に寄り添ったケアを実現したい、といった伝え方が挙げられます。

併せて、自分で努力した点や、前職での経験から何を学んだかを添えると、転職理由への理解を得やすくなるでしょう。

給与・待遇が原因の場合

給与・待遇が原因の場合も、不満をそのまま伝えるのは避けましょう。

このケースでは、待遇面の改善を求めるというよりも、自身の成長や貢献への意欲を前面に出す表現がおすすめです。

具体的には、正当に評価される環境でモチベーションを高く持って働き続けたい、これまで積み上げてきた経験やスキルを適切に評価してもらえる職場でさらに成長していきたい、などの伝え方が挙げられます。

職場の理念・方針への不満が原因の場合

運営方針への不満を退職理由として伝える場合は、批判的な表現を避け、自分が追求したい介護の姿を主軸にした伝え方がおすすめです。

例えば、「利用者一人ひとりに寄り添ったケアを実践したいと考え、より理念に共感できる職場への転職を決意しました」のように伝えることで、前向きな転職理由として説明できます。

応募先の理念や方針に共感している点を具体的に述べられると、意欲が伝わりやすくなるので、伝え方を工夫してみましょう。

体調不良や家庭の事情が原因の場合

体調不良や、家族の介護・育児といった個人的な事情を理由とする場合は、基本的にそのまま正直に伝えて問題ありません。

この場合、採用担当者が気にするのは、現在は働ける状態にあるかという点です。

そのため、現在の状況を補足しつつ、安心感を与える表現を心がけましょう。

具体的には「現在は体調が回復しており、就業に問題はありません」「家庭の事情が落ち着いたため、あらためてキャリアを積んでいきたいと考えています」といった伝え方が挙げられます。

面接でやってはいけないこと

最後に、面接でやってはいけないこととして、退職理由を話す際のNG行動について解説します。

採用に悪影響を及ぼすこともあるため、以下のような言動は避けておきましょう。

前職での不満を述べる

前職の職場や上司、同僚への不満を面接の場で話すことは、極力避けておきましょう。

採用担当者に、問題を人のせいにする傾向がある、また同じことを繰り返すかもしれない、といった印象を与えてしまう恐れがあります。

どれほど正当な不満があったとしても、批判的な発言は控えることが面接における鉄則です。

面接は、次の職場で何を実現したいかを伝える場であると認識しておき、前向きな内容に集中するよう心がけましょう。

嘘をつく

面接で好印象を与えたいという気持ちから、実際とは大きく異なる内容で退職理由を伝えるやり方もおすすめできません。

採用担当者の面接経験や、介護業界での繋がりや照会で、事実が判明するリスクがあります。

また、嘘の情報で採用されたとしても、入職後に発覚してしまえば、人間関係に歪みを生じさせる原因にもなります。

ネガティブな理由であっても、ポジティブな言い換えの工夫をしながら、事実の範囲内で誠実に伝えることが重要です。

まとめ

介護職の退職を考えるときに重要なのは、なぜ辞めたいのかという動機を丁寧に掘り下げることです。

人間関係の問題、収入への不満、キャリアの行き詰まり感など、退職の理由はさまざまですが、その原因が今の職場特有のものなのか、それとも自分の働き方に関わるものなのかによって、取るべき行動が変わってきます。

転職後の後悔を減らすポイントは、退職に向けて動き出す前に、自分の気持ちをしっかり整理し、自己分析を通じて今後のキャリアプランを具体化しておくことです。

また、退職を伝える際の手順や、面接での退職理由の伝え方を事前に準備しておくことで、次のステージへ進みやすくなります。

退職を検討している場合は、今感じている不満や悩みを、次の職場選びに活かすための材料として捉え、前向きに行動していきましょう。