menu

【2026年】外国人介護人材の受け入れ制度まとめ!現状や問題点も解説

【2026年】外国人介護人材の受け入れ制度まとめ!現状や問題点も解説

日本の介護業界は人手不足が深刻化しており、多くの施設が外国人介護人材の受け入れを進めています。

しかし、初めて外国人雇用を検討している担当者の中には「受け入れ制度の仕組みがよく分からない」と悩んでいる方もいるでしょう。

本記事では、外国人介護人材の受け入れ制度について分かりやすく解説します。

介護業界における外国人雇用の現状と課題も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【2026年】外国人介護人材の受け入れ制度まとめ

介護分野における外国人材の受け入れ制度(在留資格)には、以下の4種類があります。

制度調整機関目的
EPA(経済連携協定)国際厚生事業団(JICWELS)二国間の経済連携の強化
在留資格「介護」なし(各事業所)専門的・技術的分野への外国人の受け入れ
技能実習監理団体または企業日本から諸外国への技術移転(国際貢献)
特定技能登録支援機関一定の専門性と技術を有する外国人の受け入れ(人手不足のカバー)

いずれも日本の介護業界で外国人が働くための制度ですが、就労可能な期間や業務、求められる要件などに違いがあるので、自社の実情に適した制度を選ぶことが重要です。

外国人介護人材の受け入れ制度①EPA(経済連携協定)

EPA(経済連携協定)とは、日本と特定国の経済連携強化を目的とした制度です。

ここでは、EPAの基本情報や受け入れ要件などを解説します。

EPAの基本情報

EPAとは、特定の国や地域の間で貿易や投資を促進するための条約です。

日本では「インドネシア」「フィリピン」「ベトナム」と二国間協定を締結し、各国から介護福祉士候補者の受け入れを行っています。

EPAで来日する外国人は介護や看護に関する一定の知識を有しており、母国で日本語研修を受けている点も特徴です。

在留期間は原則4年で、受け入れ先の施設で働きながら、介護福祉士(国家資格)の取得を目指して研修に取り組みます。

介護福祉士の資格取得後は在留期間を制限なしで更新できるため、本人の希望があれば永続的に日本で働いてもらうことが可能です。

出典:公益社団法人国際厚生事業団「EPA介護福祉士候補者 受入れについて」

EPAの特徴

EPAによる外国人の受け入れには次のような特徴があります。

  • 人材の質が一定している
  • 国や地方自治体からの支援がある
  • 候補者と受け入れ施設のマッチングが難しい

EPA介護福祉士候補者は、母国で一定水準の介護や看護に関する教育を受けた人材です。

日本の国家資格の取得を目指す制度であり、国や地方自治体から支援を受けられるのも特徴です。

自治体の中には外国人介護人材に対する補助金を交付しているところも多いため、積極的に活用するとよいでしょう。

さまざまなメリットがあるEPAですが、1年間の受け入れ上限数が決まっており、マッチングが難しい点に注意が必要です。

受け入れに必要な条件

EPA介護福祉士候補者の受け入れ要件は以下のとおりです。

要件
インドネシア【学歴・資格】
①母国にある看護学校の修了証書Ⅲ以上取得者
②母国にある大学の看護学部卒業者
③上記以外の大学又は高等教育機関から修了証書Ⅲ以上の学位を取得し、政府により介護士認定を受けた者
※①~③のいずれかに該当する者

【日本語能力】
日本語能力試験N4程度以上

フィリピン【学歴・資格】
①母国にある看護学校の卒業者
②母国にある高等教育機関から学位号を取得し、政府により介護士認定を受けた者
※①または②のいずれかに該当する者

【日本語能力】
日本語能力試験N4程度以上(調整中)

ベトナム【学歴・資格】
母国での3年制または4年制の看護課程の修了者

【日本語能力】
日本語能力試験N3程度以上

一方で、EPA介護福祉士候補者の受け入れ施設には以下のような基準が設けられています。

  • 定員30人以上の施設であること
  • 介護職員数(候補者を除く)が法令に基づく配置基準を満たすこと
  • 常勤介護職員の4割以上が介護福祉士であること
  • 日本人と同等以上の報酬を支払うこと
  • 適切な研修体制を確保すること
  • 候補者の宿泊施設を用意すること
  • 帰国担保措置の義務を果たすこと

EPA介護福祉士候補者と受け入れ施設のマッチングは、日本唯一の調整機関である国際厚生事業団(JICWELS)が行います。

そのため、職業紹介事業者や労働者派遣事業者にあっせんを依頼することはできません。

出典:公益社団法人 国際厚生事業団「2027年度版 EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者受入れパンフレット」

出典:厚生労働省「インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」

受け入れの流れ

EPA介護福祉士候補者の受け入れの流れは次のとおりです。

  1. 調整機関への求人登録申請
  2. 受け入れ希望機関の要件確認
  3. 求人登録および職業紹介契約・受け入れ支援契約の締結
  4. 求人情報の提供
  5. 就労希望者の募集・審査・選考
  6. 調整機関による面接および受け入れ希望機関による現地合同説明会
  7. マッチング
  8. 雇用契約の締結
  9. 日本語研修および介護導入研修
  10. 受け入れ施設での就労・研修

EPAによる外国人の受け入れを希望する施設は、国際厚生事業団への求人登録申請が必要です。

受付期間内に専用システムからアカウントを取得し、所定の必要書類を提出することで求人登録申請が完了します。

外国人介護人材の受け入れ制度②在留資格「介護」

在留資格「介護」とは、専門的・技術的分野への外国人の受け入れを目的とした制度です。

ここでは、在留資格「介護」の特徴や受け入れの流れなどを解説します。

在留資格「介護」の基本情報

在留資格「介護」とは、外国人が日本の介護業務に従事するための在留資格です。

通称「介護ビザ」と呼ばれており、深刻化する人手不足への対応として創設された背景があります。

在留資格「介護」を持つ外国人材は、介護福祉士の資格を取得しているのが特徴です。

高い専門性を有しており、幅広い業務を任せられるため、即戦力としての活躍が期待できるでしょう。

また、在留期間の更新回数に制限はなく、家族の帯同も認められています。

国家試験に合格する必要はありますが、外国人労働者と受け入れ施設の双方にとってメリットが大きい在留資格といえます。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『介護』」

在留資格「介護」の特徴

在留資格「介護」には次のような特徴があります。

  • 業務内容の制限がない
  • 安定したキャリア形成につながりやすい
  • 取得のハードルが高い

在留資格「介護」は従事できる業務に制限がないため、訪問系サービスや単独での夜勤も可能であり、介護分野における在留資格の中ではもっとも専門性が高い資格といえます。

家族の帯同が認められている点も特徴で、日本での生活基盤を整えやすく、長期的なキャリア形成を見据えた就労がしやすい環境となっています。

更新回数に制限がなく、一定の条件を満たせば日本で継続して働き続けられるのも大きなメリットです。

日本での長期就労を望む外国人労働者や受け入れ施設にとって、在留資格「介護」は魅力的な選択肢となるでしょう。

なお、同資格を取得するためには、一定の実務経験を積んだ上で国家試験に合格する必要があるので、ほかの在留資格と比べて取得のハードルが高いのも特徴です。

受け入れに必要な条件

在留資格「介護」における受け入れ要件は以下のとおりです。

  • 介護福祉士の資格を取得していること
  • 日本の介護施設と雇用契約を結んでいること
  • 職務内容が「介護」または「介護の指導」であること
  • 日本人と同等以上の報酬を受けること

なお、2020年4月の法改正により、在留資格「介護」は養成施設ルートだけでなく、実務経験ルートからの取得も可能となりました。

出典:公益社団法人 国際厚生事業団「在留資格『特定活動(EPA介護福祉士)』から 在留資格『介護』への変更について」

受け入れの流れ

在留資格「介護」における受け入れの流れは次のとおりです。

  1. 在留資格「留学」「技能実習」「特定技能1号」などで入国(EPAも含む)
  2. 所定の取得ルートにて介護福祉士の資格を取得
  3. 雇用契約の締結
  4. 受け入れ施設での就労

注意点として、在留資格「介護」には受け入れ調整機関が存在しません。

よって、学校側や有資格者が自主的に受け入れ先を探したり、事業者側が自ら採用活動を行ったりする必要があります。

外国人介護人材の受け入れ制度③技能実習

技能実習とは、日本から諸外国への技術移転による国際貢献を目的とした制度です。

ここでは、技能実習の基本情報や受け入れ要件などを解説します。

技能実習の基本情報

技能実習とは、発展途上国などの外国人を実習生として受け入れ、OJT(職場内訓練)を通じて技術を移転する制度です。

実習生は入国後、1~2カ月間の講習を受けることが義務づけられており、この期間は日本語や介護などに関する基本的な知識を学びます。

入国初年度は「技能実習1号」の在留資格で滞在し、試験に合格すれば「技能実習2号」「技能実習3号」への移行が可能です。

技能実習では1号から3号までの移行により、最長5年間の滞在が認められています。

※2027年4月より、現在の「技能実習制度」は廃止され、新たに「育成就労制度」が開始される予定です。

出典:公益財団法人 国際人材協力機構「育成就労制度とは」

技能実習の特徴

技能実習には次のような特徴があります。

  • 他業者への転職リスクが低い
  • 監理団体によるサポートがある
  • 悪質なブローカーによるあっせんのリスクがある

技能実習で来日する外国人は原則として転職ができないため、他業者への転職リスクが低い制度です。

そのため、人材配置の計画が立てやすい点は事業者側にとって大きなメリットといえるでしょう。

また、技能実習では監理費は発生しますが監理団体のサポートを受けられるため、送り出し機関との契約や入国後講習などを一括で対応してもらえます。

手続きをスムーズに進めやすく、受け入れ側の負担軽減にもつながります。

一方で、監理団体によってサポートの質に差があり、近年では業務怠慢や不当請求が問題視されている点には注意が必要です。

悪質なブローカーによるあっせんのリスクもあるため、依頼先は実績や体制を確認した上で慎重に選びましょう。

受け入れに必要な条件

技能実習生(来日する外国人)の主な要件は以下のとおりです。

  • 18歳以上であること
  • 帰国後に修得した技能を要する業務に携わる予定があること
  • 日本語能力試験N4の合格または同等以上の能力を有していること

実習実施者(受け入れを行う事業者)の主な要件は以下のとおりです。

  • 開設から3年以上経過している
  • 技能実習責任者を選任している
  • 技能実習指導員を選任している(修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有する)
  • 生活指導員を選任している
  • 技能実習生の受け入れ人数の上限を超えない

技能実習指導員については、実習生5名につき1名以上選任しなければなりません。

加えて、指導員のうち1名以上は介護福祉士の資格を有する者、もしくは同等以上の専門的な知識と技術を有する者(看護師など)である必要があります。

出典:厚生労働省「技能実習生に関する要件」

受け入れの流れ

技能実習生の受け入れの流れは次のとおりです。

  1. 監理団体との契約
  2. 監理団体による候補者の募集・選定
  3. 受け入れ企業による面接・採用
  4. 技能実習計画の作成・認定申請
  5. 在留資格認定証明書の交付申請
  6. 入国後講習
  7. 実習生の受け入れ

なお、技能実習生の受け入れ方法には「団体監理型」と「企業単独型」の2種類があります。

受け入れ方法概要
団体監理型監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の受け入れ企業で技能実習を行う方法
企業単独型受け入れ企業が海外の現地法人や取引企業などの職員を受け入れ、技能実習を行う方法

上記のうち、企業単独型は海外に支店や取引先を持つ企業でなければ利用できません。

さらに手続きや講習を自社で行う必要があるなど利用のハードルが高く、9割以上の企業が「団体監理型」による受け入れを選択しています。

出典:厚生労働省「企業単独型と団体監理型の比較」

外国人介護人材の受け入れ制度④特定技能

特定技能とは、一定の専門性と技術を有する外国人の受け入れを目的とした制度です。

ここでは、特定技能の特徴や受け入れの流れなどを解説します。

特定技能の基本情報

特定技能とは、国内人材の確保が難しい産業分野において、人手不足を解消するために創設された在留資格で、介護分野では「特定技能1号」の外国人材を受け入れています。

対象となる外国人は技能試験と日本語試験の合格者であり、介護現場で最長5年の就労が可能です。

期間内に介護福祉士の資格を取得した場合には、在留資格「介護」に変更し、永続的に日本で働けます。

出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」

出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」

特定技能の特徴

特定技能には次のような特徴があります。

  • 即戦力人材を確保できる
  • 幅広い業務を任せられる
  • 同業他社に転職するリスクがある

特定技能は人手不足の解消を目的とした制度であり、即戦力となる外国人の受け入れを前提としています。

基本的な介護・日本語スキルを備えた人材を確保できるため、早い段階での活躍が期待できるでしょう。

また、特定技能外国人には身体介護をはじめ、レクリエーションの実施や機能訓練の補助など幅広い業務を任せられます。

単独での夜勤も認められており、一定の条件を満たした場合には訪問系サービスに従事することも可能です。

ただし、特定技能外国人は同一業務区分内での転職が認められており、受け入れ施設の待遇が悪ければ同業他社に転職する可能性があるため、十分な注意が必要です。

受け入れに必要な条件

特定技能1号における人材側の主な要件は以下のとおりです。

  • 18歳以上であること
  • 技能試験と日本語試験に合格すること

一方で、事業者側の主な要件は以下のようになっています。

  • 適切な雇用契約を結ぶこと
  • 外国人の支援体制が整っていること
  • 外国人の支援計画が適切であること

受け入れ機関は外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、対象者への支援を適切に実施することが義務づけられています。

さらに特定技能外国人の受け入れ後は、出入国在留管理庁およびハローワークへの各種届出が必要です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~」

受け入れの流れ

特定技能1号における受け入れの流れは、対象となる外国人の居住地(日本と海外)によって異なります。

日本に在留している外国人を受け入れる場合の流れは、以下のとおりです。

  1. 外国人が技能・日本語試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 雇用契約の締結
  3. 1号特定技能外国人の支援計画の策定
  4. 地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行う
  5. 「特定技能1号」に在留資格を変更
  6. 受け入れ施設にて就労開始

一方で、海外から来日する外国人を受け入れる場合の流れは以下のようになります。

  1. 外国人が技能・日本語試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 雇用契約の締結
  3. 1号特定技能外国人の支援計画の策定
  4. 地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付を申請
  5. 在留資格認定証明書を受領
  6. 在外公館に査証(ビザ)を申請
  7. 入国後、受け入れ施設にて就労開始

出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~」

介護業界における外国人雇用の現状

日本の介護業界は深刻な人手不足が続いていますが、外国人材の受け入れ状況はどのようになっているのでしょうか。

ここでは、介護業界における外国人雇用の現状について解説します。

外国人介護人材の受け入れ状況

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会が実施したアンケート調査では、以下のような結果が報告されています。

項目概要
調査対象7,726施設(全国の介護施設が対象)
有効回答数1,837施設(回答率23.7%)
外国人材を受け入れている施設824施設(回答数の44.9%)
外国人材の受け入れを検討している施設192施設(回答数の10.5%)
外国人材を受け入れていない施設821施設(回答数の44.7%)

上記のとおり、日本の介護業界では多くの施設が外国人材を受け入れていることが分かります。

また、受け入れている施設の57.4%が「今後も受け入れを増やしたい」と回答していることから、外国人材への期待の高さがうかがえます。

出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和6年度 外国人介護人材に関する実態調査報告書」

外国人介護人材の在留者数

日本における外国人介護人材の制度別の在留者数は、以下のとおりです。

制度在留者数
EPA(経済連携協定)3,252人(うち資格取得者452人)
※2025年3月1日時点
在留資格「介護」10,468人
※2024年6月末時点
技能実習15,909人
※2023年12月末時点
特定技能(1号)44,367人
※2024年12月末時点

上記のように、介護分野では特定技能による外国人の受け入れが多い傾向があります。

これは特定技能外国人が一定の専門性と技術を有しており、即戦力として高い価値を持つことが影響しているでしょう。

出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」

外国人介護人材を採用するメリット・デメリット

外国人介護人材の採用は人手不足の解消につながる一方で、言語や文化の違いへの対応が求められます。

ここでは、メリットとデメリットに分けて解説します。

メリット

外国人介護人材を採用する主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 人手不足の解消につながる
  • 職場の活性化が期待できる
  • 新たな文化を学べる

ここからは、各メリットを解説していきます。

人手不足の解消につながる

外国人介護人材の受け入れは、慢性的な人手不足の解消につながる手段の一つです。

夜勤や休日勤務を含めたシフトに対応できる人材を確保しやすく、現場の負担を分散できるでしょう。

在留資格によっては一定期間以上の就労が可能であり、継続的な雇用を前提とした人材を確保しやすいのもメリットです。

人員体制の安定化によりサービスの質を維持しやすくなるため、結果として施設運営の効率化にもつながります。

職場の活性化が期待できる

異なる文化や価値観を持つ外国人スタッフを受け入れることで、職場に新たな視点が加わり、組織全体の活性化につながるケースがあります。

日常的なコミュニケーションの中で相互理解が進みやすくなり、職員同士の関係性が深まることで、風通しのよい職場になるかもしれません。

また、新しい環境で働くことに前向きな人材も多く、業務に真摯に取り組む姿勢が周囲によい影響を与える場面も見られます。

多様な人材が関わることで組織に刺激が生まれ、結果として職場全体の雰囲気や働きやすさの向上につながります。

新たな文化を学べる

現場に新しい視点やサービスをもたらすのも、外国人スタッフを採用するメリットの一つです。

日本人スタッフは他国の文化や価値観に触れる機会が増えるため、そこから新しいアイデアが生まれる可能性があります。

食事や遊びなどを通じた文化交流が行われることで、利用者にとっても普段とは異なる体験につながるかもしれません。

外国人スタッフは単なる労働力の補填にとどまらず、職場に新しい視点をもたらす存在としても期待されています。

デメリット

外国人介護人材を採用する主なデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • コミュニケーションの問題が起こる場合がある
  • 教育に多くの時間と労力がかかる
  • 生活面での支援が必要になる

それでは、各デメリットについて詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションの問題が起こる場合がある

外国人介護人材は一定の日本語能力を有していますが、現場では言葉の違いによるコミュニケーションの難しさが生じる場合があります。

日本語能力には個人差があり、試験の結果だけでは実務でのやり取りのしやすさを判断しきれない点にも注意が必要です。

そのため、分かりやすい表現でゆっくり伝える、困っている様子があれば早めに声をかけるといった配慮が求められます。

必要に応じてイラストや動画など言葉以外の手段を取り入れることで、意思疎通を図りやすくなる場面もあるでしょう。

文化や価値観の違いから認識のずれが生じることもあるため、相互理解を深める取り組みを進めることが、円滑なコミュニケーションにつながります。

教育に多くの時間と労力がかかる

外国人介護人材の受け入れでは教育に一定の時間と労力がかかるので、限られた人員で運営する現場では負担に感じるかもしれません。

言語や業務の進め方に違いが生じるため、現場に慣れるまで継続的なサポートが求められます。

一方で、母国で介護や日本語に関する教育を受けている人材もおり、基礎的な知識や技能を備えているケースもあるので、育成を進めることで現場の戦力として活躍できる可能性があります。

生活面での支援が必要になる

外国人材を採用する場合、住居の手配や日用品の支給など生活面での支援が求められます。

また、行政手続きの支援も必要となるため、適切なサポート体制を整えましょう。

介護職で外国人雇用を成功させるためのポイント

外国人雇用を成功させるためには、以下のような支援や配慮が欠かせません。

  • 日本語学習を支援する
  • 安心して働ける環境を整える
  • 職場の異文化理解を促進する

ここでは、各ポイントについて解説していきます。

日本語学習を支援する

介護現場では職員同士や利用者との円滑なコミュニケーションが求められるので、日々の業務を進める上で日本語の理解が欠かせません。

書類作成や資料確認といった事務作業も発生するため、業務に必要な日本語へ早期に慣れてもらうことが重要です。

日本語学習の主な支援方法としては、次のようなものが挙げられます。

  • OJTおよび研修の実施
  • 日本語学習教材の提供
  • 専門サービスの活用(介護職員向けの日本語教室など)

外国人介護人材の日本語能力には個人差があり、入国時のレベルだけでなく採用後の習得スピードにも違いが見られます。

そのため、一人ひとりの理解度や課題に応じて支援内容を調整することで、業務への定着を進めやすくなるでしょう。

安心して働ける環境を整える

外国人スタッフに長く活躍してもらうには、安心して働ける環境づくりが欠かせません。

労働環境や生活環境が十分に整っていない場合は業務への集中が難しくなり、パフォーマンスの低下や早期離職につながる可能性があります。

日本と海外では働き方や生活習慣、価値観に違いがあるため、外国人特有の事情にも配慮した対応が求められます。

例えば、相談しやすい体制を整えたり、困りごとを早期に把握できる仕組みを用意したりすることで、不安を軽減できるでしょう。

業務面だけでなく生活面も含めて環境を整えることで、安心して働き続けやすくなり、結果として職場への定着にもつながります。

職場の異文化理解を促進する

外国人介護人材を受け入れる場合、言葉の違いだけでなく文化や価値観の違いにも配慮する必要があります。

介護に対する考え方や対応の仕方に違いが見られることもあり、認識のずれが誤解や摩擦につながるケースも少なくありません。

こうした課題を防ぐには、日常的にコミュニケーションを取りやすい環境を整え、互いの考え方を共有できる機会を増やすことが大切です。

研修やミーティングを通じて価値観の違いを理解することで、職員同士の信頼関係構築につながります。

相互理解が進むことで連携が取りやすくなり、結果としてサービスの質の向上にもつながるでしょう。

外国人介護人材に対するよくある誤解

最後に、外国人介護人材に対するよくある誤解を3つ紹介します。

以下の内容も参考にしながら、外国人材の受け入れについて検討しましょう。

日本人よりも安く雇用できる

「外国人介護人材は日本人よりも安く雇える」という考え方は、適切ではありません。

国籍を理由に賃金や福利厚生などの労働条件に差を設けることは認められておらず、公平な待遇が前提となります。

制度の趣旨を理解した上で適切に受け入れることが、安定した雇用環境につながります。

誰でもすぐに日本語を覚えてくれる

外国人にとって日本語は習得の難易度が高い言語とされており、短期間で身につくとは限りません。

語彙の多さに加えて擬音語や擬態語など特有の表現も多く、実務で使いこなすには一定の時間が必要です。

介護現場では専門用語に加えて地域特有の言い回しに触れる場面もあり、理解に時間がかかることがあります。

外国人介護人材は一定の日本語能力を備えていますが、すぐに業務で使いこなせると考えるのは現実的ではありません。

安定的に人材を確保できる

外国人介護人材は人手不足の解消につながる一方で、早期離職を選ぶケースも見られ、安定的な確保につながらない場合があります。

離職の主な理由としては、次のようなものが挙げられます。

  • 労働条件への不満
  • 人間関係のストレス
  • 入社前後のギャップ
  • 将来に対する不安

定着率を向上させるためには、外国人材に配慮した職場環境の整備と労働条件の改善を進めることが重要です。

まとめ

外国人介護人材の受け入れ制度にはEPA(経済連携協定)・在留資格「介護」・技能実習・特定技能の4種類があります。

それぞれ採用できる人材や受け入れ要件が異なるため、自社の実情に適した制度を選ぶことが重要です。

外国人雇用には人手不足の解消といったメリットがある一方で、言語の壁や受け入れ体制の整備など、対応すべき課題もあります。

こうした課題を踏まえて準備を進めることで、現場への定着を図りやすくなります。

制度の特徴を正しく理解し、自社に合った形で受け入れを進めていきましょう。