介護職でキャリアアップを目指す方法はある?具体的な手段やポイントをご紹介

介護職での経験を活かしてキャリアアップしたいと考えている人は多いと思いますが、将来的にどのような仕事をしたいかを明確にすることが重要です。
今回は、「介護職でキャリアアップを目指す方法」や「介護職からほかの職種へのキャリアアップを目指す方法」を紹介しています。おすすめの転職方法やキャリアアップを成功させるために確認すべきポイントも紹介しているので、介護職のキャリアアップを考えている人は参考にしてください。
介護職でキャリアアップを目指す方法
介護職でキャリアアップすると、仕事の選択肢や給料が増えるなどのメリットがあります。ここでは、介護職の人がキャリアアップする方法を紹介しています。
今いる職場で上を目指す方法、ほかの職場への転職、新たな資格取得などで違う職種を目指すなどの方法があるので、それぞれの特徴を把握して自分に合った方法でキャリアアップを目指しましょう。
現場での経験を積み役職を目指す
介護職は資格や経験がなくても勤務することはできますが、キャリアアップを目指すなら現場で経験を積み資格を取得する方法が一般的です。言い換えると介護職は無資格から始めても高みを目指せるということです。
知識を学ぶことも必要ですが、実際の仕事を通して学ぶことや理解できることも多く、経験を積むことでスキルも身につけられます。
介護職としての経験があれば、仮にほかの介護施設に転職しても重宝される存在です。介護の現場では経験が即戦力となるので、生活環境の変化などによって違う職場で働くことになっても経験があると強いです。
また、今の職場で働き続けると、役職者として認められるチャンスもあります。キャリアアップする方法もさまざまなので、自分に合っていると感じるやり方を選択するとよいです。
独立や開業する
介護職で独立や開業をするときは、研修の修了や資格取得や一定の実務経験が必要です。介護職でキャリアアップを目指すほかの方法と比べると独立や開業する方法は、難易度が高めです。
独立や開業をおこなう場合は、介護の経験を積む以外にも起業するためのさまざまな手続きや資金調達、人員確保などあらゆる課題をこなさないとなりません。人員配置基準を満たす人員の確保や、あらゆる手続きなど直接介護職として身につけたスキル以外を発揮しないとならないため大変に感じることもあるでしょう。
人を雇うということはその人たちに給料を渡せるよう事業を軌道に乗せる責任もともないます。とくに、人員不足が問題となっている介護職でどのように人員を確保するかも大きな課題となりそうです。介護職として経験を積んでいくなかで、人脈などを築いておくことを推奨します。
資金面では開業資金なども必要で設備などを揃えることを考えると、数百万円から数千万円調達することも必要です。
経営や人材育成などにも興味がある人や、他者との関りを広く持ちたい人は向いているでしょう。
ほかの職場に転職する
介護職は施設によってもサービス形態もさまざまで、施設ごとに特徴があります。なかには、日々の業務が忙しすぎてキャリアアップする環境がないと感じる職場も。
キャリアアップが望めない場所だと役職などを目指すのは難しくなるため、ほかの職場に転職するのも方法です。ほかの職場に転職すると、新たな知識やスキルを身につけるチャンスも増えます。
また、これまでの施設とは異なるサポートなどを実践することで、幅広い知識を身につけられます。キャリアアップがしたいなら、それを目指せる環境が整っている場所を見つけるとよいです。
転職先を探すときは、各施設がどのようなキャリアアップ支援をおこなっているかに着目しましょう。
研修を受けたり新たな資格を取得する
介護職でキャリアアップを目指すときは、研修や資格を順番に取得するとよいです。介護職が目指せるキャリアアップの流れは以下のとおり。
- 無資格・未経験
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
介護の資格や経験が全くない状態で働き始めた人が次に進むステップとして“介護職員初任者研修”があります。これから介護職への就職を目指している人や介護職で働き始めた人向けのもので介護職の基本から学べます。
“実務者研修”は、介護福祉士国家試験を受験するために必須の研修です。“介護福祉士国家試験”を受験するには実務者研修と併せて介護の実務経験が3年以上必要なので、しっかりと経験を積んで知識やスキルを身につけるとよいです。
“認定介護福祉士”になるには、介護福祉士資格を取得してから実務経験が5年以上必要。そのため、キャリアアップしたいからといってすぐに上の資格や役職を目指せるわけではなく、経験を積んでいくことが重要です。
無資格や未経験からでも研修や資格取得をしながら経験を積むことでキャリアアップが目指せるため、介護職で高みを目指したい人は十分チャンスがあるといえます。
介護福祉士からほかの職種へのキャリアアップを目指す
介護福祉士の資格があれば、ほかの職種へキャリアアップを目指すことも可能です。どのような職種へキャリアチェンジできるかや、キャリアアップするメリットを紹介します。
介護福祉士の資格が取得できたら、そこからケアマネジャーへキャリアチェンジする方法も人気。ケアマネジャーはケアプランの作成や相談に乗ることがおもな業務なので、介助などを主としておこなう介護職員よりも体力的負担も少ないです。
身体的負担などを気にしているなら、介護職の経験を活かしたキャリアチェンジを選択肢にするのもおすすめです。
ケアマネジャー(介護支援専門員)へキャリアチェンジ
ケアマネジャーやケアマネと呼ばれることが多い介護支援専門員は、介護を必要とする要介護者や要支援者が介護サービスを受けられるように、ひとりひとりに合ったケアプランを作成します。さらに、施設などとの連絡調整や利用者や家族から相談を受けるなど、重要な役割を担っています。
介護福祉士の資格取得後実務経験が5年あれば受験可能で、ケアマネジャー試験合格後は“介護支援専門員実務研修”の受講が必要です。ケアマネジャーは介護職のなかでも給料が高いのも特徴で、介護職員からスキルアップを目指す手段として人気の職種です。
ほかにも、生活相談員や看護師、理学療法士などの職種にキャリアチェンジを考えるのも1つの方法となります。これらの職種は介護職として連携して携わる職種なので、関わっていくなかで興味が出てくることも珍しくありません。
生活相談員は自治体などによっては、介護福祉士の資格を持っていると生活相談員として働くことが可能な場所もあります。介護の経験を活かしてほかの職種へキャリアチェンジするのもよいでしょう。
キャリアアップを目指すメリット
介護の経験から、他職種へキャリアアップやキャリアチェンジするとメリットがあります。キャリアアップするには知識やスキルを身につけたり、資格を取得したりと労力や時間を費やすことが必須です。
それでも長い目で見たときにプラスになることの方が多いと感じるなら、他職種へキャリアチェンジするのもありです。同じ時間働いているならできることが増えて、責任がある仕事ができた方が仕事の充実度も格段にアップします。
キャリアアップを目指すおもなメリットは以下のとおり。
- 給料がアップする
- できる仕事の幅が広がる
- やりがいを感じる
これらを少しでも魅力的に感じているなら、キャリアアップを目指すことをおすすめします。
【給料がアップする】
資格がない状態で介護を続けていくよりも他職種へキャリアチェンジした方が給料がアップすることが多いです。物価高の昨今少しでも多くの蓄えをしておくのは賢い選択といえます。
また、介護は体力がなければできませんが、将来的なことを考えてキャリアチェンジを考えるのも選択肢となります。
もちろん、他職種ではなく介護の資格をとって介護福祉士や認定介護福祉士を目指しても資格がない状態で介護をするよりも給料がアップするので、仕事の充実度もアップするでしょう。
【できる仕事の幅が広がる】
キャリアアップやキャリアチェンジをすると、今までおこなっていた業務よりもできることが増えます。そのため、できる仕事の幅が広がり仕事へのモチベーションも上がるのです。
介護に対する知識やスキルも増えると、より利用者に寄り添った対応ができることにもつながり利用者からの満足度の向上も期待されます。できることが増えると周囲からも信頼され、仕事が充実するでしょう。
【やりがいを感じる】
仕事は大変と感じるシーンも多いですが、できることが増えたり頼られたりするようになるとやりがいを感じます。キャリアアップするとこれまでよりも携われる業務が増えたり、自信につながったりと精神的にもよい影響を与えます。
キャリアアップするまでには仕事上での失敗などで落ち込むこともあると思いますが、それらの経験を乗り越えキャリアアップという形で成果が感じられると仕事の士気も上がるはずです。
介護職でキャリアアップを考える人におすすめの転職方法と確認すべきポイント
介護職でキャリアアップを考えていて転職するときは、転職方法やポイントを押さえておくとよいです。転職するときはより条件がよい場所や、希望にマッチした職場を見つけたいと思うはずです。
条件がよい転職先を見つけるなら、選択肢を増やすことで納得できる転職先が見つけやすくなります。そのため、転職先はあらゆる媒体を使って探すのがおすすめです。
転職サイトを利用すると、豊富な求人数があり条件に合った職場を見つけられます。また、転職やキャリアチェンジなどどの方法でキャリアアップを目指したいかはっきりさせておくようにしましょう。
ハローワーク
ハローワークは地域密着型なので、居住地周辺の求人が見つけやすいです。また、無料で利用でき相談などもおこなっているので利用しやすいのが特徴です。
窓口での相談や、自宅にいながら求人情報をネット検索できます。条件面など気になることがあれば、求人を出している施設へ確認してくれるので1から自分で対応するというハードルが下がります。
転職先候補の担当者に直接聞きづらいことでも間に入って聞いてくれるから、気になることがない状態で話を進められるのもうれしいポイントです。また、面接などを希望したらすぐに先方と日程などの調整をしてくれるので頼れる存在です。
スピード感を持って対応してもらえるため、転職活動もスムーズに進められるでしょう。
個別で調べて直接応募する
サイトなどを利用せずに、自分で情報を調べて直接応募する方法もあります。求人サイトなどは取り扱っている求人情報にバラツキがあり、求人サイトに情報掲載を依頼していない施設もあります。
自分で求人募集を探す際は、施設ごとのホームページなどを検索して求人募集してあるか確認するとよいです。勤務地として可能な範囲の介護施設などをピックアップして、ひとつひとつ検索すると探し漏れがありません。
ただし、求人情報が掲載されているからといって連絡するのを後回しにするとほかの人に採用が決まってしまう可能性もあります。気になるところが見つかったら見学を希望するなどすぐにアクションを起こすとよいでしょう。
介護業界に特化した転職サイトを利用する
転職サイトは数も多いですが、そのなかでも介護業界に特化した転職サイトを使うのもおすすめです。希望条件を入力するとその場ですぐに募集されている施設の情報が確認できます。
なかには、スカウト機能が備わったサイトもあるので、経験などを入力すると思いもよらないところからスカウトされる可能性も。これまで介護職で経験してきたことや、キャリアを積みあらゆることに挑戦していきたいことをアピールするとよいです。
キャリアアップを支援しているサイトもあるので要チェックです。
目指す方向性を明確にする
前述したように介護職でキャリアアップを目指すには、介護の経験を積んで介護福祉士になる方法か、ケアマネジャーなどのほかの職種を目指す方法の大きくわけて2つの方法があります。
もちろん転職をして経験を積んでいくなかで思いが変わることもあるかもしれませんが、現時点でどのような道を目指したいか決めておくとよいです。転職活動をするときは、面接などでキャリアアップしたいことを伝えておきましょう。
熱意が伝わりサポートしてくれたり、採用したいと好印象に受け取ってもらえたりします。
したい仕事をおこなえる職場か確認する
キャリアアップをするには介護の経験を積むことが重要です。経験を積まないと受験資格を満たさない資格などもあります。
そのため、自分がやりたいと思える仕事内容ができる転職先でないと、長く続けられない可能性もあります。また、キャリアアップすることを前提に転職するならそのような環境が整っていることも選択基準です。
働きながらキャリアアップした職員がいるかどうかもチェックするとよいでしょう。
まとめ
介護職からキャリアアップするとさまざまな面でメリットがあります。だれもがキャリアアップできるわけではなく、研修を受講したり資格を取得したりと努力なくしてはできません。
施設によってはキャリアアップができないと感じる場所もあるので、少しでもできることを増やしたいという意欲があるならキャリアアップできる環境に身を置くことが重要です。
介護職でキャリアアップを目指すなら、どのような仕事をしたいかを明確にして、そのためにはどのような資格取得が必要かなどとるべき行動を把握しましょう。