介護ロボットの見せた可能性

現在、政府なども力を入れている分野が「介護ロボット」です。
介護ロボットには、物理的な作業を助けるサイバーダイン社が手掛ける「HAL」のような、いわゆるパワーアシストスーツのようなものと、ソフトバンク社の「Pepper」のような、コミュニケーションに重点を置いたロボットの2つの方向性があります。

今回発表されたニュースは、後者のコミュニケーションロボットの可能性を示した実証実験の結果でした。

国立研究開発法人「日本医療研究開発機構(AMED)」は、昨年8月~今年3月にかけて、全国98の施設における866人の高齢者に対して、Pepper、PALRO、SOTAといった17種類、1000台ものコミュニケーションロボットを配置して、自立度がどう変わるかを追いました。
自立度の判定にはWHOの指標を使い、洗顔や整髪がひとりでできるか、更衣ができるか、トイレに独力でいけるか、など日常自立度を測る60項目の聞き取り調査を行って、ロボット導入前後で結果がどうなるかを比較しています。

その結果、なんと34.1%にあたる296人の状態が改善し、特に自身の健康管理に関する「セルフケア」、歩行・手足の利用などに関する「運動・移動」、行事への参加などに関する「社会生活」といった3分野で特に効果がみられたそうです。

実際に、寝たきりでなかなかベッドから動かなかった方が、ロボットからの声がけに反応しお茶を入れにリビングに出たり、車椅子ばかりだった方が呼びかけに応じて歩行器を使ったり、という現象もみられたとのこと。

これまでコミュニケーションロボットの位置づけはあくまで、高齢者の癒しやストレス解消・楽しみといった側面が強かったのが実際のところです。

実際、我々のデイサービスでも、一度SOTAのデモをやってみたことがあります。実際にレクで活用してみるととてもかわいかったですし、利用者の皆様も非常に楽しんではくれました。
ただ、そうした用途ではなかなか大きなコストをかけられないことも事実であり、導入には至りませんでした。

今回の結果のように、リハビリにも効果を示した、となると、今後こうしたコミュニケーションロボットの導入が新たに検討する事業者も出てくる可能性があります。

とはいっても、現状では、介護度が軽くなることに対して介護業者のインセンティブはあまりないのが実情です。なので、コミュニケーションロボットのさらなる普及には、各家庭での導入を促進させるか、これらのロボットに政府が補助金を出す、ないしは事業者に対して介護度が軽減したことに対するインセンティブを厚くする、などの取り組みも合わせて必要かもしれません。

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。