訪問介護とは?料金やメリットやデメリット、来てもらう条件などを解説!

「訪問介護ではどのようなサービスを受けられるの?」
「ヘルパーさんに来てもらうのに、どのくらいの料金がかかる?」
このような疑問やお悩みはありませんか?
住み慣れた場所で、介助を受けながら自立した生活を送れる訪問介護はとても魅力的です。
ただし、お願いできる内容は介護法で決められた範囲のサービスに限られています。
そこで本記事では、訪問介護のサービス内容や対象者、料金、メリットやデメリットをメインに、どのようなサービスなのかを解説します。
居住先に訪問してくれるそのほかの医療・福祉系サービスとの違いも解説していますので、訪問サービスを検討中の方はぜひ参考にしてください。
訪問介護(ホームヘルプサービス)とはどんなサービス?
自宅や高齢者住宅などに住んでおり、すべての範囲で自立した生活を送ることが難しいと悩んだときは、訪問介護サービスの利用がおすすめです。
ここでは、サービスの特徴と対象者、利用料金といった基本情報をご紹介します。
サービスの特徴を解説
介護のプロの手を借りながらであれば、自立した生活を送れるという方の支援を行うサービスです。
自宅やサービス付き高齢者住宅、有料老人ホームに住んでいる方に対し、日常生活に必要な行動を手助けします。
24時間常に支援を受けられるものではなく、決まった時間にケアを受けるものであるため、時間とサービス内容を相談する必要があります。
サービスを提供する介護士は、介護福祉士やホームヘルパーです。
介護福祉士は国家資格を取得した介護士のプロであり、ホームヘルパーは家事や介護の両面において支援するプロです。
夜間対応型サービスもありますが、本来の訪問介護とは分けられます。
もし、夜間もサービスを受けたい場合は、夜間対応型訪問介護を選択してください。
サービスを受けられる対象
訪問介護は要介護支援1以上の高齢者、もしくは40~64歳で指定疾病を患っている方を対象に提供しているサービスです。
もし、まだ認定を受けていない方は、市町村や自治体が管轄している福祉課に相談しましょう。
要支援認定の方は、訪問介護サービスではなく、介護予防訪問介護サービスとして利用可能です。
このような形で利用する場合は、訪問介護とはまた異なったサービスを受けます。
利用料金
利用料金は、利用している時間によって変動します。
費用を抑えたい方は、依頼する内容としない内容をよく検討しましょう。
なお、料金は介護保険が適用され、原則1割となっています。
本来かかる料金よりも負担額は軽減されますが、一定以上の収入がある場合は2割もしくは3割負担になります。
早朝・夜間・深夜の利用料金は、25~50%が上乗せされることを知っておきましょう。
6~8時は早朝、18~22時は夜間に該当し、それぞれ25%上乗せとなります。
22時~翌日6時は深夜に該当し、50%上乗せされた費用を請求されます。
訪問介護で受けられるサービス
このサービスでは、日常生活動作や手段的日常生活動作のサポートが受けられます。
受けられるサービスには、生活面のサポートや身体的なサポートがありますが、どこまでの範囲であればホームヘルパーにお願いできるのでしょうか。
大きく分けると、3つのサービスを受けられます。
- 身体介護
- 生活援助
- 通院時等の乗車や降車等介助
それぞれのサービス内容を具体的にご紹介します。
身体介護
実施目的は、生活の質を高めたり重症化を防いだり、自立支援をしたりすることです。
身体介護に含まれる介助内容は、食事や入浴、排泄、起床・就寝、移動や移乗、服薬、着替えです。
なお、利用者の方のみで行えるものに関しては見守り、難しいものに関しては介護士・ヘルパーが手伝います。
一緒に住んでいる家族がいる場合は、家族と介護士・ヘルパーが協力してサポートを行います。
生活援助
生活の質を高めたり自立支援をしたりする介護サービスであり、お買い物や洗濯、調理、ベッドメイク、掃除、外出を介助します。
身体介護と同様、自分でできることは見守り、難しいことは手伝ってもらう形です。
サービスの内容は、その動作だけでなく前後の動作も依頼できます。
例えば、調理を依頼する場合は調理だけでなく、買い出しや食器の準備、洗い物まで依頼可能です。
通院時等の乗車や降車等介助
名前のとおり、通院や選挙投票、銀行に行くなど、日常生活で必要な外出の移動を支援する介助です。
利用者の方だけでは、交通機関に乗ったり車を運転したりすることが難しい方に、介護タクシーを提供します。
ヘルパーなどが専用の車を運転して、外出を助けてくれます。
なお、利用料金が発生し、自己負担となるため注意してください。
訪問介護で受けられないサービス
訪問介護で提供できるサービスは、介護保険法によって決められています。
では、受けられないサービスにはどのような内容が含まれるのでしょうか。
ここでは、受けられないサービス内容を詳しく解説します。
なお、訪問介護でできないサービスについては、介護保険外のサービスに依頼できます。
もし、受けたかったサービスが対象外に含まれていたら、介護保険外サービスの利用も検討してみてください。
ホームヘルパーではなくてもできること
訪問介護ではホームヘルパー以外でできることを、介護保険法により介助できないと定められています。
例えば、ペットの散歩、庭の手入れ、修理などです。
上記の動作は、利用者の方本人に関わるものでもなければ、それをしなければ生活に支障をきたすものでもありません。
もし、これらを依頼する場合は、家事代行サービスや修理専門業者に依頼することになります。
医療行為に該当するもの
訪問介護で介護を行うのは、介護や福祉を専門としているスタッフです。
看護師ではないため、医療行為にあたることは専門外であり、依頼できません。
例えば、点滴や注射、床ずれの治療、服薬管理などです。
ただし、医療行為であっても喀痰吸引、経管栄養は依頼できる場合があります。
喀痰吸引や経管栄養は、介護・福祉系のスタッフに行う研修制度があり、修了した方は対応できるようになっています。
要介護者以外への行為
要介護者以外の方にできるサポートは、心のサポートです。
相談に乗り、ケアのストレスや不安を和らげることは可能です。
しかし、同居している家族分の食事を用意したり、洗濯物を洗ったり収納したりすることはできません。
介護保険法を適用させて受けられるサービスは、介護を必要としている方のサポートであるためです。
もし、家族分の家事も手助けしてもらいたい場合は、家事代行サービスの検討が必要です。
ホームヘルパーに来てもらう条件・流れ
ホームヘルパーに身体介護や生活援助などを依頼したい場合は、一定の条件を満たす必要があります。
また、サービスを開始するにあたって手続きも必要です。
ここでは、条件と手続きの流れを詳しく解説します。
介護認定が認められる
まずは、要介護認定を受けるための申請を行います。
これは、どの程度の介護を必要とするのかを判定するものです。
認定の判定は、コンピューターによる審査と、保健医療福祉の学識経験者による審査によって行われます。
申請は市町村の役所や役場、地域包括センターに足を運んで行うか、地域によっては電子申請も可能です。
申請後は、訪問審査を行い、家庭の状況調査や申請者本人の身体状況、認知症の有無や進行度合いなどを確認します。
審査結果は原則として1カ月以内と定められており、場合によっては1カ月近くかかることもあります。
ケアマネジャーと相談する
認定を受けたら、次はケアマネジャーと呼ばれる、施設と利用者の方をつなぐスタッフと相談します。
具体的には、介護保険制度に関するもの、事業所の選び方、ケアプランなどの相談が可能です。
認定された要介護度ごとに受けられる介護サービス内容を教えてもらったり、訪問介護でどのようなサービスを受けたいかなどを相談したりして、決めていきましょう。
ヘルパー事業所を紹介してもらう
方向性が固まったら、ヘルパー事業所を紹介してもらいます。
いくつか事業所を紹介してもらい、どこに依頼するか決めましょう。
どの事業所を選べばいいか悩む場合は、ケアマネジャーのアドバイスを聞いたり、評判を調べたりしましょう。
また、選ぶ際は利用料金を明確に説明してくれるところを選ぶことも大切です。
うやむやにされ不透明さを感じる事業所は、トラブルが発生する可能性があるため避けましょう。
担当者会議でケアプラン作成をする
依頼先が決まったら、担当者会議でケアプランを作成していきます。
ケアプランとは、何時にどのようなサービスを提供するのかを決める計画書です。
ケアプランの大枠は担当のケアマネジャーが作成します。
原案のとおりで問題がないかを、利用者の方やその家族、担当するスタッフで話し合い、完成させます。
なお、ケアプラン作成後、途中で見直しや変更を依頼することは可能です。
状況が変わり必要なサービスが増えた、もしくは不要になったサービスがあれば、ケアマネジャーに相談しましょう。
サービスを受ける
ケアプランが完成したら事業所と契約を結び、サービスを利用できるようになります。
一般的には、担当者会議後にそのまま手続きへ移行します。
書類の記入ができるよう、ボールペンや印鑑、通帳を用意しておきましょう。
万が一、相性が悪いと感じたらケアマネジャーに相談し、介護スタッフもしくは事業所の変更を相談してください。
訪問介護を利用するメリット
訪問介護を利用する前に、メリットを知っておきましょう。
よい点を知っておけば、サービスをしっかりと役立てられるためです。
なお、メリットは以下の6つが挙げられます。
- 住み慣れた自宅で過ごせる
- 個別でケアを受けられる
- 家族の負担を減らせる
- プライバシーが保護されやすい
- 家族が安心して外出・仕事ができる
- 体調の変化に気づいてもらいやすい
では、一つずつ解説します。
住み慣れた自宅で過ごせる
住む環境が異なると、住み慣れるまでは不安や緊張から来るストレスを感じてしまうかもしれません。
介護を必要することにストレスや不安を感じたとしても、住み慣れた環境があればその不安が軽減されます。
実際に、介護が必要なものの、施設への引っ越しを嫌だと感じる方も多くいます。
内閣府が行った高齢者介護に関する世論調査によると、住み慣れた自宅で生活を続けたいと回答した方は、85.6%にも上ります。
個別でケアを受けられる
集団生活を行う施設では、スタッフが複数の利用者の方のケアや介護を行っているため、完全な個別ケアは難しいケースがあります。
もちろん、一人ひとり抱えている病気や悩み、性格は異なるため、それぞれの方に合ったケア提供が求められます。
しかし、すべての利用者の方と対話して本心や潜在ニーズなどを探り、それに合ったケアを提供するほどじっくりと向き合うのは、人材不足もあり難しいのが実状です。
複数の利用者の方の動向を観察し、トラブルがないよう監督することで精一杯でしょう。
訪問介護なら、一人に対する介護ケアを行うため、じっくりと向き合ってくれます。
不安や心配事、介助の要望などを伝えて解決策を探すこともできるため、安心できる暮らしにつながるでしょう。
家族の負担を減らせる
現在の日本は老老介護が増えていたり、働きながら帰宅後に介護したり、仕事をやめて介護したりといった現状があります。
介護士のプロは、体の使い方やコツを身に付けていますが、一般の方はそのようなスキルはないでしょう。
それにより、身体介護にかかる体の負担や、精神的なストレスも大きくかかります。
訪問介護を利用すれば、プロのスキルや知識を借りられるため、身体的・精神的な負担を減らせます。
そのため、訪問介護を利用しながらできる限りの介護を行っていく形を検討してはいかがでしょうか。
プライバシーが保護されやすい
さまざまな利用者の方と一緒に暮らす施設では、完全にプライバシーを保護することは困難です。
例えば、体調が悪くなった、どのような介護を受けているのかなどの情報が、何かしらの原因でほかの利用者の方に知られることもあります。
利用者の方同士で噂話なども発生するでしょう。
訪問介護であれば、自宅で介護ケアを受けるため、介護内容などが漏れる心配はないでしょう。
家族が安心して外出・仕事ができる
高齢者が一人でいることは、家族にとって「何か起きるかもしれない」と不安に懸念する要素です。
心配で外出をできるだけ控えたり、仕事する間も気になって集中できない状況になったり、仕事を辞めたりする方も中にはいます。
訪問介護を利用すれば、決まった時間に介護士・ホームヘルパーが訪問し、様子を見てくれたり介護をしてくれたりします。
自宅にいない間の不安を軽減できるため、不安や心配から来るストレスは軽減されるでしょう。
体調の変化に気づいてもらいやすい
コミュニティへの参加が好きな方もいますが、中には人見知りなどで一人で過ごすのが好きな方もいます。
このような方は、何かあっても相談できず抱え込んだり、通院が難しく病院に行かずに過ごしたりすることがあります。
訪問介護を利用すれば、相談できるような方が周りにいなくても、訪問しにくる介護士・ヘルパーに相談可能です。
また、どのような体調なのかをよく観察することも仕事の一環であるため、体調の変化に気づいてもらえることもあります。
実際に、認知症に気づいたり、倒れていることに気づいてくれたりするケースもあるのです。
訪問介護を利用するデメリット
訪問介護の利用は、利用者の方本人と家族にとって安心できる生活を支えてくれる頼もしい存在です。
しかし、デメリットもあります。
どのような欠点があるかを知り、それをカバーするための対策を考えていくことも大切です。
- 利用拒否をする場合がある
- ヘルパーとの相性がある
- 受けられる介護サービスに限界がある
- 緊急対応がすぐに受けられない可能性がある
- 一部行為を除き医療ケアを受けられない
では、一つずつ解説します。
利用拒否をする場合がある
要介護者に訪問介護の利用を相談した際、利用を拒否する可能性があります。
拒否をする理由は、「人が苦手」「知らない人が家に入ることを避けたい」「介護支援を受けるのが嫌」などが考えられます。
理由によっては解決できる内容であるケースもあるため、もし利用を拒否された場合は、理由を聞いてみましょう。
介護業界のスタッフは、介護拒否の経験をした方が多くいるため、解決法を見つけられる可能性があります。
そのため、すぐに諦めず、ケアマネジャーに拒否していることや嫌がっている理由を伝え、一度相談してみるとよいでしょう。
ヘルパーとの相性がある
2つ目のデメリットは、ヘルパーとの相性がある点です。
介護は人と人とのやり取りであるため、相性があるのは仕方のないことでしょう。
そのため、「雰囲気が合わない」「波長が合わない」「話が合わないなど」のような場合は、ヘルパーの変更を検討することをおすすめします。
ヘルパーの変更はケアマネジャーに相談できます。
事業所ごと変更することもできるため、どのようにしたいのか改めて考え、相談してみるとよいでしょう。
受けられる介護サービスに限界がある
施設であれば、介護ベッドが置いてあったり、スロープが十分に設置されていたり、お風呂場に補助器具が設置されていたりと、バリアフリー設計がなされています。
しかし、自宅の場合は、福祉用具や補助器具の設置が十分ではないため、自宅で介護を受けられたとしても不自由に感じることもあるでしょう。
また、施設によっては医療機関と連携をとり、医療措置にすぐに取りかかれるような設備が備わっていることもあります。
自宅の場合はそのような特別な設備を設置することは難しく、医療的ケアが遅れる可能性もあるのです。
緊急対応がすぐに受けられない可能性がある
訪問介護は、先述したように24時間つきっきりで世話をしてくれるサービスではありません。
そのため、ヘルパーがいない間にトラブルが起きても、迅速に対応してもらうことは困難なのです。
例えば、廊下で滑って転倒し立ち上がれない状態になった場合、ヘルパーがいればすぐに助けてもらえますが、別のところへ訪問しに行っている場合は、ヘルパーが来るまで待つか、自力で移動して連絡するしかありません。
緊急時の対応をどのようにするのか、ケアマネジャーと事前に決めておきましょう。
一部行為を除き医療ケアを受けられない
訪問介護は、名前のとおり介護サービスを提供しています。
そのため、医療行為は医師免許や看護師免許を持つスタッフでなければできないと、法律で決まっており、処方変更といった服薬管理、床ずれの治療、点滴などの医療ケアを受けることはできません。
もし、医療ケアが必要なのであれば、訪問診療などを利用する必要があります。
ただし、経管栄養と喀痰吸引であれば、研修を終了していれば介護士が行っても問題ないため、この2つに該当する場合は訪問介護のみで十分といえるでしょう。
訪問看護と訪問介護どちらを選ぶべき?違い・向いている人を解説
ここからは、訪問系サービスの違いや向いている方の特徴を解説します。
最初に解説するのは、訪問看護です。
訪問看護とは、看護師や作業療法士、言語聴覚士、理学療法士が居宅に訪問し、リハビリや医療ケアが受けられるサービスです。
訪問看護と訪問介護どちらを選ぶべきか迷っている方は参考にしてください。
違い1:医療ケアが受けられるが介護ケアは受けられない
訪問看護では、健康状態を確認し服薬管理や治療を受けることができますが、介護ケアを受けることはできません。
受けられる医療ケアには以下があります。
- 健康管理
- 医療処置
- 身体ケア
- 医療機器の管理
- 終末ケア
- 病気や寝たきりの予防
なお、かかりつけの医療機関や医師と連携した医療ケアを受けることも可能です。
違い2:利用できる保険区分に医療保険がある
訪問看護では「介護保険」と「医療保険」2つの区分があります
それぞれの保険は年齢によって適用できる条件が異なり、内容は以下のとおりです。
<介護保険>
年齢 | 条件 |
40歳未満 | 介護保険は適用不可 |
40歳以上~65歳未満 | ・16特定疾病にかかっている ・要支援1~2もしくは要介護1~5の方 |
65歳以上 | 要支援1~2もしくは要介護1~5の方 |
<医療保険>
年齢 | 条件 |
40歳未満 | 医師により必要と診断される |
40歳以上~65歳以上 | ・介護認定を持っていない ・医師により必要と診断される |
違い3:利用条件が異なり医師からの診断が必要
違いの3つ目は、利用条件です。
訪問看護サービスでは、受けられる対象者に年齢制限はなく、医師に利用するべきだと診断された方であれば、誰でも利用できます。
訪問介護は高齢者であることが定められ、年齢に制限があり、加えて介護認定を受けることが条件です。
違い4:身体面と精神面で種類が変わる
サービスの種類は身体ケアと精神ケアで分かれており、訪問看護と精神科訪問看護があります。
精神科訪問看護では、うつ病や双極性障害など重度の精神障害を持ち、日常生活や仕事がままならない方の社会復帰をサポートします。
訪問介護でも身体面と精神面におけるケアの提供を行っていますが、医学的ケアではなく、生活援助など日常生活動作の支援をすることが役割です。
訪問看護が向いている人
訪問看護か訪問介護かで迷っている場合は、医療ケアが必要かどうかで判断するとよいです。
通院中の持病がある、終末期に入っており自宅療養を選択しているといった方は、訪問看護の利用が向いています。
重度訪問介護と訪問介護どちらを選ぶべき?違い・向いている人を解説
重度訪問介護とは、介護士が居宅に訪問し、精神的もしくは身体的に重度の障害を持っている方をケアするサービスです。
ここでは、重度訪問介護と訪問介護どちらを選ぶか迷っている方に向けて、違いと向いている人を解説します。
違い1:対象者が行動面で支援が必要な人に限られる
重度訪問介護は、行動面で支援が必要な方に限り、利用が許可されます。
例えば、重度の麻痺で寝たきりになり、誰かの支援がなければ生活できない方や生きられない方、もしくは重度の精神疾患があり通常の生活を送れない方です。
サービス内容は、訪問介護のように身体介護や生活援助、移動介助です。
違い2:2時間ルールが存在しない
2時間ルールとは、同じカテゴリーのサービス内容は2時間の空白を設けなければならないルールです。
重度訪問介護では、常に誰かの介護支援がなければ命を落としてしまうため、2時間ルールが存在していません。
違い3:障がい者福祉サービスの認定が必要
一般的な訪問介護はケアマネジャーなどに相談し、書類手続きと調査結果から認定を審査します。
重度訪問介護では、障がい者福祉サービスに申請を出し、障がい者認定を受けます。
利用できる障害者認定の条件は、障害支援区分4以上です。
加えて、二肢以上に麻痺がある、生活に欠かせない動作すべてに一部支援が必要もしくはすべて支援が必要といった条件もあります。
違い4:入院中もサービスを受けられる
一般的な訪問介護は、看護師が医療ケアや介護を行うと決まっているため、入院中のサービス提供はありません。
一方の重度訪問介護では、障害が重度で意思疎通が難しい方に限り、入院中もサービスを受けられます。
違い5:利用できる年齢が若い
一般的な訪問介護は基本的に65歳以上の高齢者を対象とし、例外として指定疾病にかかっている場合は40~64歳の方も利用が許されます。
重度訪問介護では、年齢制限18歳以上、もしくは15歳以上で児童相談所から利用を許可された方と定められています。
重度訪問介護が向いている人
重度訪問介護と訪問介護どちらにすべきか迷われた方は、年齢や障害の有無や重さを考えましょう。
つきっきりで介助をしてもらわなければ生きていけない、もしくは生活できないほどの障害を抱えている方は、重度訪問介護を選ぶべきです。
居宅介護と訪問介護どちらを選ぶべき?違い・向いている人を解説
居宅介護とは、障害を持つ方が自宅で自立した生活を送ることを支援するサービスです。
ここでは、居宅介護と訪問介護どちらを選ぶか迷っている方に向けて、違いと向いている人を解説します。
違い1:対象者が障がい者に限られる
居宅介護と訪問介護の違いは、対象者が障がい者に限られるかどうかです。
利用できる条件は、訪問介護では障害の有無を問わず、介護支援が必要な高齢者や特定疾病を持つ40歳以上の方です。
一方の居宅介護は、重度まではいかない障害を持つ方が対象者となります。
なお、65歳以上になった場合は介護保険が適用され、訪問介護に移行します。
違い2:サービス内容の範囲が広い
訪問介護では身体介護、生活援助、通院等乗降介助といったサービスを受けられます。
その一方で、居宅介護は訪問介護のサービスに加えて、生活などに関わる相談やアドバイスや生活全般の援助も提供しています。
違い3:利用するには障害支援区分認定を受ける必要がある
訪問介護は要介護認定を受ける必要があります
一方の居宅介護は、障害支援区分認定を受けることが条件です。
申請は市町村の窓口で行い、身体障害・知的障害・精神障害で障害支援区分1以上と認定されると利用できます。
違い4:料金は1割もしくはそれ以下となる
訪問介護は基本的に1割負担となり、所得によっては2割もしくは3割となります。
一方の居宅介護では、基本的に1割負担であることには変わりありません。
ただし、1割計算したサービス料金が上限金額を下回る場合は、低いほうのの金額を支払うことになります。
居宅介護が向いている人
居宅介護と訪問介護で悩んだ場合は、年齢と障害の有無の関係性を確認しましょう。
65歳未満で障害者区分の認定を受けた方は、居宅介護が向いています。
居宅介護支援・居宅介護予防支援とはまた別のサービスなので注意!
居宅介護とよく似た名前のサービスに「居宅介護予防支援」があります。
先ほどからお伝えしているのは「居宅介護支援」です。
居宅介護予防支援とは、要支援認定を受けている方が要介護まで進行しないようにするための予防サービスです。
そのため、すでに介護が必要な方は、居宅介護支援を選んでください。
まとめ
訪問介護とはどのようなサービスで、どのような方に向いているのか、対象者やメリット・デメリット、料金などをメインに解説しました。
要介護度認定を受けた高齢者で、自宅で自立した生活をしながら、難しいことを介護スタッフに手伝ってもらいたい方におすすめのサービスです。
介護保険を適用するサービスであるためできないこともありますが、利用すれば要介護者の方本人も、そして家族も助かるでしょう。