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【令和6年最新】訪問介護の給料はどれくらい?ケース別の給与やアップさせる方法を紹介

【令和6年最新】訪問介護の給料はどれくらい?ケース別の給与やアップさせる方法を紹介

訪問介護は、利用者の自宅で生活を支える大切な仕事です。

高齢化が進み介護の需要が増すなか、訪問介護員の給料も年々見直され、少しずつ上昇傾向にあります。

本記事では、令和6年時点の訪問介護の平均給料からケース別の違い、収入アップの具体策まで徹底解説します。

訪問介護に転職・就職を考えている方、将来を見越して収入面をしっかり押さえておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

訪問介護の給料は年々上がっている?

訪問介護に限らず、介護業界全体の給料はすべての業種と比べて低いと言われています。

しかし、2022年に行われた「介護職員等ベースアップ等支援加算」により、介護業界の給料は上がってきていると言われています。

以下の表は、令和3〜6年までの訪問介護の給料です。

 訪問介護事業の平均給与額
令和3年常勤298,370円
非常勤203,080円
令和4年常勤315,170円
非常勤219,390円
令和5年常勤332,810円
非常勤164,250円
令和6年常勤349,740円
非常勤177,090円

 

※介護職員等処遇改善加算を取得している事業所

こちらの表を見ると、訪問介護事業の常勤の給料は令和3年以降およそ17,000円ずつ上がってきています。

一方で、非常勤は令和4年から令和5年にかけて、一気に55,140円下がっていました。

これは、実労働時間数が令和5年のほうが20時間も少なくなっていることが原因と考えられます。

参照:厚生労働省:「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

参照:厚生労働省:「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

【ケース別】訪問介護の給料

ここからは、ケース別の訪問介護の給料を見ていきましょう。

継続年数や保有資格はもちろん、地域や法人の規模によっても異なるので、参考にしてください。

正社員の給料と手取り

 

訪問介護の正社員の給料と手取りは、1つ前に紹介した令和6年常勤の方の給料をもとに計算すると以下のようになります。

令和6年の常勤の給料が34.9万円、税金を差し引かれた数値(およそ0.8)をかけると、手取りは27.9万円となります。

こちらの給料は単純計算のため、自分の詳しい金額を知りたい方は給与明細や源泉徴収票をご確認ください。

パート・アルバイト・登録ヘルパーの給料と手取り

 

パートやアルバイト、登録ヘルパーの給料と手取りは以下の表のとおりです。

  令和6年令和5年
日給常勤244,520円244,580円
非常勤220,680円212,890円
時給常勤275,100円263,450円
非常勤117,560円113,920円

 

日給の場合は、令和6年と令和5年を比較しても、そこまでの差は見受けられませんでした。

時給の場合も令和6年と令和5年を比較しても、そこまでの差はないものの、常勤と非常勤の差は大きくなっています。

これは、平均労働時間に大きな差があるからだと推測できます。

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

サービス提供責任者の場合

 

サービス提供責任者(管理職)の給料も確認しましょう。

 令和6年令和5年
管理職367,190円351,740円
管理職でない322,800円306,950円

 

こちらの表からも分かるとおり、管理職とそうでない方の給料は、45,000円程度の差があります。

この結果から、サービス提供責任者(管理職)に昇進できれば、およそ45,000円の給料アップが期待できることが分かります。

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

【勤続年数別】訪問介護の給料

 

訪問介護の給料を勤続年数別に分けると、以下の表のようになります。

勤続年数令和6年の平均給与
1年310,280円
2年328,240円
3年338,100円
4年339,400円
5年339,870円
6年389,180円
7年361,800円
8年366,880円
9年351,090円
10年357,590円
11年348,330円
12年371,450円
13年368,900円
14年347,450円
15年376,870円
16年355,920円
17年353,220円
18年348,590円
19年370,740円
20年以上342,500円

 

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

 

【訪問介護の初任給】

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、経験年数0年の訪問介護員の平均給料は約26.9万円です。

「新規学卒者の性、学歴別賃金及び対前年増減率」によると、専門学校卒で222,800円、大学卒で248,300円と、大学卒と同等の金額であることが分かります。

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

 

【勤続年数が長いほど給料は上がる】

継続年数別の訪問介護の給料を見ると、継続年数が長いほど給料が上がっていますが、継続年数7年から11年ごろにかけて数値が下降傾向です。

これは女性が子育てに専念するため、働き方を時短勤務やパート、アルバイトに変更する方が増えてくることが考えられます。

 

【訪問介護の賞与】

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、訪問介護の平均賞与は38.2万円でした。

勤務年数や事業所の方針によって差はありますが、年2回の支給が一般的です。

日々の積み重ねが賞与という形で反映されるため、モチベーション維持にもつながりやすいでしょう。

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

【地域別】訪問介護の給料

 

訪問介護を含めた介護施設の給料は、地域によっても異なります。

地域平均年収
全国平均381.2万円
北海道336.2万円
宮城338.5万円
東京469.3万円
神奈川378万円
愛知382.8万円
大阪379.4万円
沖縄217.8万円

 

訪問介護の全国平均年収は381.2万円です。

上記の表だけを見ると、東京・愛知は平均を上回る年収ですが、大阪・沖縄では全国平均を下回っています。

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

【年齢別・男女別】訪問介護の給料

 

年齢別・男女別に分けた訪問介護の給料は、以下のとおりです。

年齢男性女性
平均給料366,210円344,900円
29歳以下338,710円334,670円
30〜39歳371,240円347,610円
40〜49歳379,920円344,370円
50〜59歳372,670円355,550円
60歳以上324,900円326,770円

 

給料のピークは男性が30〜49歳、女性が50〜59歳です。

女性の40〜49歳で給料が下がっていますが、これは子育てや管理職が男性のほうが多いことが考えられます。

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

【保有資格の有無別】訪問介護の給料

 

訪問介護は保有資格の有無によっても、給料が大きく変わります。

保有資格平均給与
資格なし290,620円
介護職員初任者研修324,830円
実務者研修327,260円
介護福祉士350,050円
社会福祉士397,620円
介護支援専門員388,080円

 

資格なしの場合は290,620円と30万円を切りますが、介護職員初任者研修を取得するだけで、平均給料は324,830円まで上がります。

国家資格である「介護福祉士」や「社会福祉士」を取得すれば、35万円以上の給料も期待できるでしょう。

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

【法人の規模別】訪問介護の給料

 

法人の規模別に訪問介護の給料を見ていきましょう。

法人規模平均給料
全体28.5万円
10〜99人27.9万円
100〜999人29.3万円
1000人以上28.4万円

 

規模別に訪問介護の給料を見ると、法人の規模が大きいほど給料も高い傾向にあります。

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

訪問介護とその他の介護職や業種の給料を比較

訪問介護の給料を調べている方は、その他の介護職や業種と比較したい方も多いでしょう。

それぞれの給料を比較して紹介するので、転職する際の参考にしてください。

そのほかの介護職と比較

 

そのほかの介護職との給料の比較は、以下の表のとおりです。

施設の種類平均給料
訪問介護事業所349,740円
介護老人福祉施設

(特別養護老人ホーム)

361,860円
介護老人保健施設352,900円
通所介護事業所294,440円
認知症対応型共同生活介護事業所

(グループホーム)

302,010円

 

訪問介護の給料は、上記5つの施設の中では通所介護事業所と認知症対応型共同生活介護事業所の次に給料が高い結果でした。

しかし、介護老人福祉施設や介護老人保健施設と比べると、給料はやや低くなっています。

これは、介護老人福祉施設や介護老人保健施設に夜勤業務があり、その分の手当が含まれるからだと考えられます。

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

その他の業種との比較

 

その他の業種とも給料を比較してみます。

業種の種類決まって支給する現金給与額
看護師36.3万円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士31.1万円
保育士27.7万円

 

上記の表は「令和6年賃金構造基本統計調査」を参考に、いくつか業種を選んだものです。

その他の業種と比較すると、ほとんどの業種が訪問介護事業所よりも高い給料であることが分かりました。

この結果から、福祉業界の給料は上がっていると言われていますが、まだまだ低めに設定されていることが分かります。

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

訪問介護は正社員と派遣どちらの給料が多い?

訪問介護は正社員よりも派遣で働くほうが給料は多いと言われますが、実際のところどうなのでしょうか。

「令和6年度介護事業者処遇状況等調査結果」を参考に算出してみると、以下の結果となりました。

 平均給与額実労働時間時給に換算
正社員349,740円165.4時間約2,114円
派遣(非常勤)117,560円65.1時間約1,806円

 

正社員と派遣(非常勤)の給料を時給に換算してみると、正社員のほうが308円高いことが分かります。

正社員は月給制で安定した収入が得られる一方で、派遣(非常勤)は勤務時間や日数によって収入が変動するため、安定性に欠ける可能性があります。

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

正社員と派遣のメリット・デメリット

 

正社員と派遣の給料は大きく変わりませんが、働き方や手当などの待遇には大きな差があります。

 正社員派遣
メリット賞与や退職金がある

昇給や昇進がある

福利厚生が充実している

ライフスタイルに合わせた働き方ができる
デメリット決まった時間で働く必要がある

やりたくない仕事を任せられる場合がある

勤務時間が長い

雇用が安定しない

責任のある仕事が少ない

 

上記のように、どちらにもメリットとデメリットがあるため、自分に合った働き方を選ぶのが良いでしょう。

派遣の訪問介護で給料を上げる方法

 

この章で紹介してきたように、派遣は正社員よりも給料が低めに設定されていますが、いくつかの方法を試せば、派遣でも給料アップが期待できます。

具体的には、次の2つが挙げられます。

  • 給料の高い訪問介護事業所に登録する
  • 複数の事業所に登録して働く回数を増やす

 

詳しくは次の章に記載しているので、そちらを参考にしてください。

訪問介護の給料をアップさせる方法

訪問介護を含めた介護業界は少しずつ給料が上がってきているものの、全体で見ると不十分と感じる方が多いのも事実です。

しかし、いくつかの方法を試せば給料アップが期待できるので、ここで確認しておきましょう。

アルバイト・パート・派遣の方なら正社員を目指す

 

現在アルバイト・パート・派遣で働いていて給料に不満を感じている方は、正社員を目指すことを検討してみると良いでしょう。

正社員になることで月給の増加だけでなく、賞与や退職金といった待遇も受けられるようになり、収入の安定性が高まります。

ただし、勤務時間が長くなったり、責任のある業務を担う機会が増えたりするため、自分のライフスタイルに合っているかをじっくり考えたうえで決めることが大切です。

登録ヘルパーなら複数の事業所で働く

 

登録ヘルパーの場合は、複数の事業所で働くのがおすすめです。

登録ヘルパーで働いている方の場合、1つの事業所だけでは働く時間や曜日が決められるので、希望通りにシフトが入らず収入が安定しにくいでしょう。

複数の事業所に登録すれば空いている時間で働けるようになるため、効率的に給料アップできます。

資格手当で給料をアップさせる

 

資格別の比較のところでも紹介しましたが、資格を取得しているほうが給料は上がります。

特に国家資格である「介護福祉士」や「社会福祉士」などは、資格なしと比べて6万〜10万円程度上がる可能性があります。

しかし、国家資格は勤続年数や必須科目といった条件があるので、未経験の方は「介護職員初任者研修」や「実務者研修」を取得すると良いでしょう。

昇進して給料をアップさせる

 

サービス提供責任者のところで紹介しましたが、管理職の有無によっても給料は変わってきます。

サービス提供責任者(管理職)であるかないかでは、給料が45,000円程度の差がありますので、積極的に挑戦するのがおすすめです。

ただし、管理職になるには一定の資格や経験が必要なため、先に資格を取得して経験を積んでから目指しましょう。

給料の高い施設へ転職する

 

資格の取得や昇進は実現するまでに時間がかかってしまうため、早く収入を増やしたい場合には、給料の高い施設へ転職するのも一つの手段です。

しかし、施設によっては給料や待遇は良くても働く環境が悪いケースもあるので、施設選びは慎重に行いましょう。

夜勤・早朝手当をねらう

 

訪問介護の仕事は、日勤のほかに夜勤や早朝勤務がある事業所も存在しますが、基本的には夜勤や早朝勤務のほうが時給は高めに設定されています。

積極的に夜勤や早朝勤務を希望すると、給料アップが期待できるでしょう。

給料が高い業務を行う

 

訪問介護は「生活介助」と「身体介助」が主な仕事ですが、身体介助のほうが給料は高く設定されています。

そのため、より高い収入を目指す場合は、身体介助の業務に積極的に取り組むのも有効です。

生活介助よりも体への負担は大きくなるかもしれませんが、給料アップに加えて、直接介護によるやりがいも感じられやすいでしょう。

給料が高い訪問介護事業の選び方

効率的に訪問介護の給料アップを目指す場合、給料の高い事業所の選択が欠かせません。

しかし、実際の選び方に困っている方も多いでしょう。

ここでは、給料が高い訪問介護事業所の詳しい選び方を紹介していきます。

複数の訪問介護事業所の給料を比較する

 

まずは複数の事業者の給料をチェックし、相場を理解しましょう。

ただし、給料だけで比較すると就職したときに「思った以上に人手不足だった」「賞与や待遇は良くなかった」といったことも考えられます。

就職を決める前はできる限り施設見学を行い、施設の雰囲気や職員や利用者の様子なども確認してから判断しましょう。

キャリアアップにつながるか確認する

 

訪問介護の給料アップを目指すには給料の高い施設選びも重要ですが、キャリアアップにつながるかも大切です。

キャリアアップ制度が整っている施設であれば昇給しやすくなるので、入職時に給料が低くても、長い目で見れば給料が高くなる可能性があります。

法人の大きさやサービスの種類を確認する

 

法人規模別の給料のところでも紹介しましたが、法人の大きさによっても給料は変わってきます。

一般的に規模の大きい法人や、さまざまな介護サービスを提供している法人のほうが、給料が高くなる傾向にあります。

転職や就職を考える際は、その法人がどのくらいの施設やサービスを展開しているかを事前にチェックすることが大切です。

介護保険外のサービスも行っているか確認する

 

訪問介護では、通常は介護保険の範囲内でサービスを提供しますが、事業所によっては介護保険外のサービス(自費サービス)も行っている場合があります。

介護保険外サービスとは、介護保険では対応できない内容を補うサービスのことです。

介護保険外で行うサービスは、すべて利用者が全額自己負担で支払う「実費サービス」になるため、1件あたりの報酬が高く、給料も増えやすくなります。

より多く稼ぎたい方は、介護保険外サービスも取り扱っている事業所を選ぶのがおすすめです。

まとめ

本記事では訪問介護の給料をケース別に詳しく紹介し、給料をアップさせる方法や事業所の選び方を解説しました。

給料を上げるためには、働き方を見直すことや正社員への転職、複数の事業所での勤務、身体介助などの高単価の業務に取り組むことが効果的です。

また、法人の規模や提供しているサービスの種類、自費サービスの有無なども収入に大きく影響するポイントとなります。

自分のライフスタイルや希望に合った働き方を選び、将来を見越してキャリアを考えることが、満足のいく収入とやりがいにつながるでしょう。