履歴書が手書きじゃないから落とすのは本当?

「履歴書が手書きじゃないから落とすなんて本当にあるの?」と疑問に思われていませんか?
履歴書で落とされないように、パソコン作成でも問題ないか確かめておきたいと考えるのは当然です。
とはいえ、できることなら手間のかからないパソコンで作成したいと考える方もいるのではないでしょうか。
本記事では、履歴書の作成方法について企業はどう考えているのか、手書きとパソコンそれぞれの作成ポイント、注意点などを詳しく解説します。
履歴書作成で悩んでいる方は、ぜひ参考にしながら作成してみてください。
履歴書が手書きじゃないから落とすのは本当?
手書きではない履歴書は採用を見送られるといわれることがありますが、本当でしょうか?
ここでは、その答えと手書き・パソコン作成を好む事業所のそれぞれの理由を紹介します。
手書きでもパソコン作成でも問題ない
パソコンで作成したからといって、履歴書の時点で採用を落とすことはありません。
ただし、介護事業所が指定をしなかった場合に限ります。
手書きとパソコン作成、どちらかが優れているということはありません。
応募先にとって履歴書とは、記載内容から採用にふさわしい人物かを知るための資料となります。
つまり、人物像や介護業界でどのように役立つのかが把握できれば問題はありません。
とはいえ、手書きを好む企業があることも事実です。
手書きを好む企業
手書きを好む理由は、主に2つ存在します。
1つ目は「字体で性格や人となりが分かる」という理由です。
「筆跡心理学」によると、文字の書き方で大雑把な性格、細かい性格、自分に自信がある性格などが分かります。
この心理学を用いて、適合する人材であるかを見極めたいと考える事業所が存在します。
もしくは、見極めるとまではいかなくとも、どのような人物像なのか分かるから安心するといった場合もあるようです。
2つ目は「応募への本気度が知りたい」という理由です。
普段、字が丁寧でなかったとしても、本気で合格したいと思う応募先には丁寧に書こうと努力します。
その姿勢が見られるかどうかをチェックし、本気度を確かめたいというところも存在します。
パソコン作成でも問題ないと考える企業
手書きにこだわらず、パソコン作成でも問題ないと考える理由は2つ存在します。
1つ目は「内容を重視しているから問題ない」という理由です。
履歴書は作成方法よりも内容が充実していることが重要です。
そのため、人物像を深掘りできる内容であれば、パソコンでも問題ないと考えています。
2つ目は「パソコンスキルが分かるから問題ない」という理由です。
特技や資格の欄には、パソコンにまつわる資格を記入できますが、実力が伴っているかどうかはまた別の話です。
パソコンで作成すれば、スキルがあることをアピールできます。
手書きで履歴書を作成するメリット・デメリット
ここでは、手書きで作成するメリットとデメリットを紹介します。
手書きは面倒くさいと思う方もいるかもしれませんが、メリットもあります。
メリット
手書きで履歴書作成をするメリットは、以下の二つです。
- 気持ちや誠意が伝わりやすい
- 本気度が伝わりやすい
丁寧な字で書いたり、手間をかけて作成する事実があったりするため、上記のような印象を持たれやすい傾向です。
また、手書きはデジタルの文字よりも温かみや感情を感じられる面でも、印象はプラスになりやすいといえます。
デメリット
手書きで履歴書を作成するデメリットは、以下の2つです。
- 手間がかかる
- 字が丁寧ではない場合は印象がマイナスになる可能性がある
パソコンなら、書き間違えてもすぐに削除できますが、手書きだとそうはいきません。
また、修正テープ・ペンは使用できないため、最初から書き直すことになり、手間がかかります。
また、字が丁寧でない場合、本気度が低く蔑ろにされていると感じて落とされてしまう可能性もあります。
字を書くのが苦手な方は、不利になるかもしれません。
パソコンで履歴書を作成するメリット・デメリット
ここでは、パソコンで作成するメリットとデメリットを紹介します。
作成の手間が少なく効率がよいと思う方もいるかもしれませんが、デメリットもあります。
メリット
パソコンで履歴書を作成するメリットは以下の4つです。
- 効率よく作成できる
- 文字が読みやすい
- 誤字脱字を見つけやすい
- パソコンスキルがあることをアピールできる
タイピングに慣れている方なら、文字を打つのが速いため手早く作成を終えられます。
また、修正も簡単にできる点でも効率がよく、手間がかかりません。
文字が一定のサイズで整列されているため、人事の担当者が読みやすい点もメリットです。
GoogleドキュメントやWordで作成する場合、誤字脱字を指摘してくれるのも魅力です。
読み返しても気づかないこともあるため、校正機能と自身の目でダブルチェックすると精度が上がります。
介護事業所によっては、パソコンスキルがないと難しい場合もあります。
例えば、介護ソフトに利用者の記録入力や資料作成などをパソコンで行うところがあり、このような場合はパソコンスキルが必須です。
パソコンをメインに使用する事業所であれば、パソコン作成はかえってスキルがあるアピールになります。
デメリット
パソコンで履歴書を作成するデメリットは、以下の二つです。
- 感情が伝わりづらい
- 使い回しが見破られる可能性がある
デジタル文字は、手書きの文字に比べるとシャープさや冷たさを感じるといわれています。
そのため、どれだけ熱意があったとしても、伝わりきらない可能性があります。
また、注意しなければならないのは、使い回しです。
事業所名といった必要箇所を変更するだけで作成できるテンプレートは、スムーズな作成が可能です。
しかし、事業所名を変更し忘れるおそれがあります。
手書きが適しているケース
手書きの履歴書が適しているケースは、以下のとおりです。
- 字がきれいである
- 長い歴史がある介護事業所である
- 誠意や仕事への熱意を重視する介護事業所である
上記に該当するケースでは、手書きが有効です。
よい印象を与えられるだけでなく、ふさわしい人材だと前向きに検討してもらいやすい可能性があります。
パソコン作成が適しているケース
パソコンで作成した履歴書が適しているケースは、以下のとおりです。
- 応募先が多い
- 字に自信がない
複数の応募先に送る場合、手書きだと多くの時間を費やしてしまうため、パソコンでの作成がおすすめです。
また、字に自信がなくマイナスな印象にならないか心配な方も、パソコンであれば字を気にしないで済みます。
履歴書作成時のマナー・注意点
ここでは、履歴書を作成する際のマナー・注意点をお伝えします。
履歴書は採用担当者が最初に目にする重要な書類です。
内容だけでなく、書き方やマナーからも応募者の印象が左右されます。
では、さっそく見ていきましょう。
年号は統一させる
履歴書内で使用する年号は、西暦か和暦のどちらかに統一しましょう。
途中で混在するとよくない理由は、以下があります。
- 統一をルールとする事業所がある
- 読み手が確認しやすい
- 表記ゆれによる印象のマイナスを防止できる
なお、統一させるのであれば、西暦と和暦どちらを選んでも問題ありません。
ただし、中には「西暦で書く」など書式の指示がある場合があるため、よく確認しておきましょう。
もし応募先の指定がなければ、西暦がおすすめです。
平成から令和に切り替わった年を気にせず記入できるため、書き間違えを避けられます。
空欄は極力避ける
履歴書の空欄は「準備不足」「意欲が低い」と判断されるおそれがあります。
記入できる範囲でできるだけ埋めましょう。
書く内容がない場合は「特になし」と記入しておくと、丁寧さを感じられるためおすすめです。
志望動機欄や自己PR欄は空白を作らず、簡潔でも自分の強みや介護職への思いを具体的に記すと印象がよくなります。
ただ、文字数が多すぎると文字が小さくなり読みづらいため、文字の大きさも考慮しつつ、8割は埋まるようにしましょう。
敬称は貴社・貴施設・貴法人にする
応募先を記載する際は、「御社」ではなく「貴社」「貴施設」「貴法人」を使います。
「御社」は話し言葉であり、履歴書などの文書では不適切です。
言葉の選び方は、介護施設や社会福祉法人など、相手の形態に合わせます。
介護施設なら貴施設、社会福祉法人なら貴法人となります。
黒字のペンもしくはフォントカラーを使用する
履歴書は黒インクで統一するのが基本で、青やグレーの文字は正式書類には不向きです。
使用するものは、黒のボールペンまたは万年筆が適切です。
シャーペンや鉛筆を使用すると、文字を消せるため改ざんされるおそれがあるため、必ず消えないペンを使用しましょう。
パソコンで作成する場合も、文字色は黒を基本とし、フォントサイズや書体を統一して読みやすく仕上げてください。
修正テープや修正ペンは使わない
誤字や書き損じがあった場合は、修正テープで消さずに新しい用紙に書き直します。
修正跡が残ると「丁寧さに欠ける」と判断され、マイナスな印象を持たれるため注意が必要です。
もちろん、二重線で取り消すこともマナー違反です。
相手への誠実さや本気度に欠けていると思われてしまいます。
誤字脱字を細かくチェックする
履歴書は提出前に必ず読み返し、誤字脱字を確認します。
特に、施設名や担当者名の誤りは印象を大きく下げるため、注意深くチェックしましょう。
チェック方法としては、ひと晩置いてから見直したり、第三者に確認してもらったり、声に出して読んだりすると効果的です。
パソコンで作成する場合は、これらに加えて校正ツールや誤字脱字チェッカーを使用するとスムーズです。
顔写真は3カ月以内に撮影したものを選ぶ
3カ月以内に撮影した写真を使用し、背景は白か水色などの無地が基本です。
ただし、髪色やメイクなどの印象がほぼ変わらないのであれば、3カ月よりも前のものでも問題はありません。
写真は履歴書の第一印象を左右するため、清潔感のあるものを選びます。
服装はスーツまたはオフィスカジュアルを選び、笑顔は控えめに自然な表情を心がけましょう。
略称や略語は使用しない
履歴書では、学校名や資格名、勤務先名などを略さず正式名称で記入します。
例えば「◯◯大」ではなく「◯◯大学」と書きましょう。
また、言葉の略語も使用してはなりません。
特に注意しなければならないのが「ら抜き言葉」です。
普段の会話では問題ないとされる「ら抜き言葉」は、本来の正しい日本語ではありません。
TPOによって使い分けられなければ、教養がないと判断される可能性があります。
加えて、略称は採用担当者が誤解する可能性があるため、正式表記を徹底しましょう。
履歴書項目の書き方
履歴書には、採用担当者が応募者の人柄や経歴を判断するための多くの情報が含まれます。
どの項目も正確かつ丁寧に書くことで、信頼感や誠実さを伝えられます。
ここでは、各項目の正しい書き方と注意点を解説します。
日付
日付は、履歴書の提出日です。
そのため、郵送する場合は投函日、面接時に持参する場合は面接日を記入します。
なお、和暦を選んだ場合は「R」と略さず「令和」と書きましょう。
氏名
氏名は、戸籍上の正式な名前を記入します。
姓と名の間に少し空白を空けると、名前を把握しやすくなり、採用担当者の確認がしやすくなります。
ふりがな欄は、履歴書の書式に合わせます。
「ふりがな」とあればひらがなで「フリガナ」とあればカタカナで書きましょう。
住所
都道府県から部屋番号もしくは番地まで省略せずに記載します。
郵便番号も忘れずに書きましょう。
建物名や部屋番号を省略すると、連絡先としての信頼性が下がります。
住所のふりがなは、漢字表記・マンション名のところまでで問題ありません。
番地や部屋番号の数字は、ふりがなを付けると読みづらくなるため不要です。
転居予定がある場合は、現住所と新住所の両方を明記すると丁寧です。
連絡先
自宅電話か携帯電話、どちらか確実に連絡が取れる番号を記入します。
メールアドレスを記入する欄がある場合は、ビジネス用のアドレスを使用しましょう。
個人用アドレスは、メールマガジンや通販サイトの配信など不要なメールと混在し、重要なメールを見逃すリスクがあります。
学歴
最終学歴は、高等学校以上を記入し、学校名は正式名称、学部・学科まで記載します。
加えて、現在の状況に合わせて「卒業」「在学中」である旨も明確に記入します。
職歴
職歴は、時系列で古い順に書きます。
会社名や事業所名は正式名称で記入し、部署名や担当業務も簡潔に書くのが一般的です。
退職理由を書く場合は「一身上の都合により退職」と記載します。
最後に「以上」と締めるのが正式な書き方です。
免許・資格
取得した免許や資格を正式名称で記入します。
介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士など、応募職種に関連する資格を優先して書きましょう。
現在勉強中の資格がある場合は「〇〇資格取得に向け勉強中」と記載しても問題ありません。
志望動機
志望動機は、応募先の理念や仕事内容に共感した理由を具体的に書きます。
「介護に携わりたい」「人の役に立ちたい」だけでは抽象的であるため、詳細を述べるのが最適です。
例えば「利用者一人ひとりに寄り添った支援を行いたい」「前職での経験を生かして安心できる介護を提供したい」など、自分の経験や考えを交えて書くと説得力が増します。
自己PR欄
自己PRでは、自分の強みを介護の現場でどう生かせるかを伝えます。
例えば「報告・連絡・相談を徹底して、チームで連携できる」「利用者との会話を大切にし、信頼関係を築ける」など、実際の行動やエピソードを交えます。
本人希望欄
希望する勤務形態や勤務時間、通勤に関する要望などを記入します。
特に希望がない場合は「貴施設の規定に従います」と書くのが一般的です。
具体的な希望がある場合でも、柔軟な姿勢を伝えましょう。
「こうでないといけない」と思わせてしまうと「少しでも合わないと退職しそう」「難しい性格で扱いづらそう」と判断される可能性があります。
証明写真
証明写真は、一般的に最大縦4cm×横3cmで作成します。
コンビニやスーパーなどに併設された証明写真機でも問題ありませんが、プロのカメラマンに依頼するのがベストです。
表情が分かりやすく印象も上がるような照明で撮影してもらえるため、ほかの応募者と差別化しやすくなります。
手書きで履歴書を作成するポイント
ここでは、手書きで履歴書を作成する際に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
ポイントを押さえることで、正しく印象のよい履歴書に仕上がります。
ボールペンは油性・耐水性を使用する
履歴書は公的な書類として扱われるため、消えないように油性または耐水性の黒ボールペンを選びましょう。
水性インクやフリクションペンなどの消せるタイプは、時間が経つと文字が消えたり、郵送中ににじんだりする可能性があります。
ボールペンの太さは0.7mmか0.5mmを選ぶ
ボールペンの太さは、0.7mmまたは0.5mmがもっとも見やすく、文字のバランスを整えやすいとされています。
細すぎるペンだと読みづらく、太すぎると文字が潰れてしまいます。
太さは、欄の大きさに合わせて変更するのがおすすめです。
狭い欄では0.5mm、大きな欄は0.7mmとすると、読みやすい文字で記入できます。
丁寧に書く
どんなに内容がよくても、文字が雑だと印象が悪くなります。
字の上手さよりも、丁寧に書く姿勢が大切です。
文字の大きさをそろえ、行の中央を意識して記入すると整った印象になります。
パソコンで履歴書を作成するポイント
ここでは、パソコンで履歴書を作るときの基本的なポイントを解説します。
これから伝えるポイントを押さえることで、印象をよくします。
フォントを統一させる
使用するフォントは、すべて同じものに統一させましょう。
代表的なのは「MS明朝」「MSゴシック」「游ゴシック」「游明朝」です。
見出しと本文で異なるフォントを使うと見づらくなるため、全体を通して統一するのが基本です。
また、文字サイズも10.5~12ポイント程度で統一させると読みやすくなります。
テンプレートを使用する
一から履歴書を作るのは手間がかかるため、テンプレートを利用するのがおすすめです。
WordやGoogleドキュメントには、あらかじめ書式が整った履歴書のひな形が用意されています。
内容を入力するだけで、きれいに仕上げることができます。
履歴書フォーマットを選ぶコツ
履歴書にはいくつかの形式があり、応募する職種や目的によって使い分けが必要です。
一般企業への応募なら、基本項目がそろった標準的な形式が安心です。
介護や福祉の仕事に応募する場合は、志望動機や自己PRの欄が広いタイプを選ぶと、自分の思いを伝えやすくなります。
パートやアルバイト希望なら、勤務可能な曜日や時間を記入できるフォーマットが便利です。
装飾はつけない
履歴書は正式な書類のため、カラフルな文字や背景デザインは使用を避けます。
太字や下線などの強調も不要です。
レイアウト崩れがないかチェックする
パソコンで作成した履歴書は、印刷したときに余白や文字の位置がずれて見えることがあります。
レイアウトが崩れる主な原因は、フォントが相手のパソコンに入っていない場合や、文字サイズや行間が固定されていない場合などに多く見られます。
また、編集できる形式のまま送ると、相手側で表示が変わってしまう場合もあります。
防止するには、完成後にPDF形式で保存し、印刷プレビューで余白や改行位置を確認するのが効果的です。
Webで履歴書が作成できるサービス
最近では、インターネット上で履歴書を作成できる無料サービスも増えています。
テンプレートに入力するだけで自動的に整形してくれるため、パソコン操作が苦手な方にもおすすめです。
代表的なサービスには、リクナビネクストの履歴書メーカー、マイナビ転職のレジュメ作成ツール、Canva(キャンバ)、Googleドキュメントなどがあります。
まとめ
履歴書は手書きかパソコン作成かによって合否が決まるわけではありません。
もっとも大切なのは、内容に誠実さと丁寧さがあるかどうかです。
介護の仕事では人柄や思いやりの姿勢が重視されるため、方法を問わず読み手に伝わるよう意識して書くことが大切です。
手書きでもパソコン作成でも、丁寧に作成された一枚であれば、あなたの人柄はしっかりと伝わります。
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