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アクティブエイジングとは?意味やWHOの定義、3つの柱と介護の取り組み

アクティブエイジングとは?意味やWHOの定義、3つの柱と介護の取り組み

アクティブエイジングとは、年齢を重ねても健康で自立した生活を送り、社会との関わりを保ちながら生きることを目指す考え方です。

言葉を聞いたことはあっても、定義やどのような取り組みが含まれるのか分からない方も多いでしょう。

本記事では、アクティブエイジングの基本的な意味や3つの柱の考え方に加え、介護現場での具体的な取り組みを分かりやすく解説します。

アクティブエイジングの考え方を正しく理解し、これからの暮らしや介護に生かしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

アクティブエイジングとは

アクティブエイジングは、高齢者が自分らしく生活を続けるための考え方として注目されています。

ここでは、アクティブエイジングの意味や提唱された背景、WHOによる定義を分かりやすく解説します。

アクティブエイジングの意味

アクティブエイジングとは、人々が歳を重ねても生活の質を高められるよう、健康・参加・安全の3つの要素を重視しながら環境を整えていく考え方です。

単に長生きを目指すのではなく、生活の質を維持・向上させながら年齢を重ねていくことが重視されており、高齢者を支援の対象としてだけでなく地域を支える一員として捉える視点が含まれています。

その人の希望や能力に応じて社会との関わりを持てる環境を整えることで、年齢や健康状態に関わらず家族や地域の中で役割を持ちやすくなり、生活の充実につながるでしょう。

また、地域活動への参加や役割を持った生活は、生きがいや社会とのつながりを維持する上でも重要とされており、孤立の防止や心身の安定にも寄与します。

こうした考え方は介護の現場にも取り入れられており、日常生活の支援にとどまらず、本人の意思やこれまでの生活背景を尊重しながら、できることを生かした関わり方が求められています。

WHOが提唱した背景

世界的に高齢化が加速するなか、医療技術の進歩によって平均寿命は延び続けていますが、それは同時に高齢者として過ごす期間が長期化していることを意味します。

それにともない、生活のサポートを必要とする人の数も増えていますが、この状態が続けば、公的な扶助や介護サービスの供給が追いつかなくなり、社会システムの維持も困難となるでしょう。

こうした状況を背景に提唱されたのが、アクティブエイジングという概念です。

現在、日本のみならず世界中で60歳以上の人口が増加し続けており、高齢者が単に長生きするだけでなく、いかに健康を保ち、社会の一員として役割を持ち続けられるかという環境づくりが重要となっています。

つまり、これからの高齢社会に求められるのは単に長生きすることではなく、一人ひとりが地域の中でつながりを持ち、自分らしく自立した暮らしを送りながら質を高めていく取り組みが求められます。

WHOが示したアクティブエイジングの定義

WHOはアクティブエイジングを、高齢者が健康、参加、安全の機会を最適化し、生活の質(QOL)を向上させながら、自立して社会参加し続けるプロセスと説明しています。

アクティブエイジングのアクティブとは、単に身体を動かすことだけを指すのではなく、以下の事柄への継続的な参加を意味します。

  • 社会的
  • 経済的
  • 文化的
  • 精神的
  • 市民的

身体の健康状態だけで高齢者の暮らし方を判断するのではなく、社会との関わりや安心して生活できる環境も考慮し、医療以外の幅広い視点からも高齢者の生活を支える考え方です。

出典:萌文社「WHO『アクティブ・エイジング』の提唱―その政策的枠組みとまちづくりチェックポイント―」

アクティブエイジングの3つの柱

アクティブエイジングは健康・参加・安全の3つの柱によって構成されており、高齢者が自分らしい生活を続けるための考え方として、介護サービスのあり方にも深く関わっています。

ここでは、3つの柱のそれぞれの意味や考え方を詳しく解説します。

健康(Health)

アクティブエイジングにおける健康とは、身体的・精神的・社会的に満たされた状態を指します。

単に病気ではない状態のことではなく、精神的な安定や社会とのつながりも健康の基準に含まれており、具体的には以下のような取り組みが重要とされています。

まず身体的な側面では、日々の生活動作を自分で行える生活機能が維持されている状態を指し、たとえ持病や障害があっても、適切なケアやリハビリによってその人が望む活動を続けられる身体状態であることが大切です。

精神的な側面では、心が穏やかで安定しており、物事に対して前向きな意欲や満足感を持っている状態を指します。

自分の人生に対して肯定的な感情を持ち、新しいことへの関心や、自分らしく生きているという実感を抱けていることが精神的な健康といえるでしょう。

社会的な側面では、コミュニティの中に居場所と役割がある状態を指します。

孤立することなく、周囲の人々と交流を持ち、社会の一員として他者から認められ、つながりを感じながら暮らせていることを含みます。

参加(Participation)

参加とは、高齢者が地域社会の中で役割を持ちながら生活を続けることを指します。

就労に加えて、地域活動やボランティア、家族との関わりなども重要な社会参加の一つです。

年齢を重ねても社会との接点を持ち続けることは、自己肯定感の維持にもつながります。

地域で支え合う関係が生まれることで、高齢者本人だけでなく家族や地域全体にとっても安心できる環境づくりに役立つでしょう。

生涯学習や地域活動へ参加する機会があることも、社会とのつながりを保つ上で重要です。

自分の経験や知識を生かせる場があると、役割を持って生活する実感を得やすくなります。

安全(Security)

安全とは、高齢者が安心して生活を続けられる環境や社会制度が整っている状態のことです。

これには、経済的な安定や住まいの確保はもちろん、医療や介護サービスを必要に応じて適切に利用できる環境が含まれます。

また、単に制度が整っているだけでなく、本人の意思が尊重され、尊厳や権利が守られながら生活できることも大切です。

年齢を重ねるにつれて生活上の不安は変化しますが、成年後見制度のような権利を守る仕組みや、地域包括支援センターといった相談窓口が身近にあることで、万が一の際にも適切な支援につながります。

こうした公的な制度に加え、地域の見守り活動やさまざまな職種による連携が取れていることが、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けるための大きな支えとなります。

アクティブエイジングが注目される理由

アクティブエイジングは、世界的な高齢化の進行を背景として注目されるようになった考え方です。

日本でも平均寿命が延びたことや社会参加の重要性が高まったことで、関心が広がりました。

ここでは、アクティブエイジングがなぜ社会的に注目されているのかを解説します。

日本の高齢化社会

日本では少子高齢化が急速に進み、65歳以上の人口は約3,600万人に達し、総人口に占める割合も約3割と高い水準になっています。

そのため、高齢期の生活をどのように支えるかは、社会全体で取り組むべき重要な課題といえるでしょう。

高齢になると身近な人を亡くす機会が増え、孤独になりやすい傾向がありますが、この孤立は心と体の両方に悪影響を及ぼします。

それを防ぐには、行政や専門家に頼るだけでなく、ボランティアや世代を超えた交流、近所同士の助け合いなどを通じて、地域全体で高齢者のつながりを育むことが重要です。

こうした取り組みが進められる中で、高齢者が周囲を支える地域の担い手として活躍することへの期待も高まっています。

高齢者がボランティア等の社会活動を通じて積極的に参加することは、本人の生きがいにつながるだけでなく、地域社会全体の活性化を促す重要な要素となるでしょう。

出典:内閣府「【第1節】高齢化の状況及び【第2節】高齢期の暮らしの動向」

健康寿命を伸ばす取り組み

健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間のことです。

高齢者の生活の質を考える重要な指標で、平成13年の健康寿命は男性が約69年、女性が約72年であるのに対し、令和4年の健康寿命は男性が約73年、女性は約75年となっており、長期的には延びる傾向にありますが、直近の調査では男性の健康寿命がわずかに短縮するなどの変化も見られます。

平均寿命が延びる一方で、健康寿命との差が大きくなると、医療や介護が必要となる期間が長くなる可能性があります。

そのため、生活習慣の改善や介護予防の取り組みを通じて、健康寿命を延ばすことが重要です。

日本では、国民の健康に向けた取り組みを通じて、運動習慣の定着や食生活の改善、生活習慣病の予防が進められてきました。

こうした取り組みは、高齢者だけでなく若い世代の健康づくりにもつながっており、生涯を通じて健康を維持するという、アクティブエイジングの考え方とも深く関係しています。

出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

高齢者の社会参加

内閣府の調査によると、何らかの社会活動に参加している高齢者は、参加していない人に比べて生きがいを感じる割合が高いという結果が出ています。

具体的には、活動に参加している層の約85%が生活の中に生きがいを見出しており、社会とのつながりが精神的な充実に関係していることが分かります。

学習活動の内容もさまざまで、料理や家事といった日常的な分野から、芸術・文化、さらにはパソコンなどの情報処理に至るまで、幅広い領域で学習が行われています。

こうした自発的な学習や活動は、単なる余暇の充実を超えて、自分自身の可能性を広げると同時に、社会との接点を維持する貴重な機会となっているのでしょう。

一方で、加齢に伴う健康状態の変化や環境の制約により、活動への参加が難しくなるケースも想定されるため、個々の状況に合わせた参加方法を模索する必要があります。

無理なく自分に合ったペースで社会に関わり続けられる仕組みを整えることは、本人の自立を支え、地域全体の活性化にもつながります。

自身の健康を維持しながら社会に関わり続けるアクティブエイジングの考え方は、持続可能な社会を築くための指針として、今後さらに重要性を増していくと考えられます。

介護分野におけるアクティブエイジング

アクティブエイジングは、高齢者ができる限り自立した生活を続けられるよう支援する考え方として、介護分野にも深く関わっています。

介護サービスや地域の支援体制は、その人らしい生活を支える重要な役割の一つです。

ここでは、アクティブエイジングにおける介護サービスのあり方を解説します。

介護サービスの役割

介護サービスは、日常生活の支援に加えて、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を続けるための基盤となります。

見守りや外出支援、買い物や調理などを通じて、安心して暮らし続けるための環境を支えています。

近年は、ボランティアやNPO、民間企業など多様な主体が関わりながら高齢者の生活を支える取り組みが広がっており、地域全体で支え合う体制が整いつつあります。

こうした取り組みは、高齢者の社会参加の機会を広げるだけでなく、元気な高齢者が地域の一員として活動することで、介護予防にもつながるでしょう。

介護サービスは支援を提供するだけでなく、高齢者が役割を持って生活できる環境づくりにも関わる存在です。

介護職に求められる視点

前述のとおり、アクティブエイジングの考え方を踏まえた介護では、その人らしい生活を続けられるよう支援する姿勢が重要です。

介護職は利用者にとって身近な存在であり、日々の関わりを通じて価値観や生活歴を理解しながら支援を行います。

できることを生かしつつ必要な支援を見極める観察力に加え、小さな変化に気づく視点や状況に応じて対応を調整する柔軟さも求められます。

生活の中での声かけや、関わり方一つひとつが利用者の意欲や安心感に影響するため、相手の立場に立ったコミュニケーションを意識することも重要です。

また、他職種と連携しながら支援を行うことで、身体面だけでなく心理面や社会的関係も含めた関わりが可能となり、生活全体を見据えた支援につながります。

こうした視点を持って関わることが、利用者の生活の質を高め、アクティブエイジングの実現を支える基盤となります。

地域包括ケアとの関係

アクティブエイジングの実現には、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられる環境づくりが重要で、この考え方を具体的に支える仕組みとして進められているのが、地域包括ケアシステムです。

地域包括ケアシステムでは、住まい・医療・介護・予防・生活支援の5つの分野が連携しながら、高齢者の生活を地域全体で支える体制が整えられています。

必要な支援が切れ目なく提供されることで、心身の状態が変化しても住み慣れた地域で生活を続けやすくなるでしょう。

生活支援や介護予防の取り組みには、地域住民やボランティア、民間団体など多様な主体が関わっており、地域全体で支え合う仕組みが構築されています。

このような環境は、高齢者が社会とのつながりを維持しながら生活を続ける基盤としても重要です。

介護職はその中で、多職種や地域資源と連携しながら生活を支える役割を担います。

高齢者施設におけるアクティブエイジングの実践例

高齢者施設では、心身の健康を保つ支援に加えて、社会とのつながりや安心して暮らせる環境づくりも重視されています。

ここでは、施設で行われている具体的な取り組みを紹介します。

身体機能を維持する取り組み

高齢者施設では、できるだけ自立した生活を続けられるよう、身体機能の維持を目的とした支援が行われています。

機能訓練だけでなく、食事や着替え、移動など日常生活の動作そのものができるように支援することも重視されており、この取り組みは生活機能の低下を防ぐことにもつながります。

また、体操やレクリエーション活動、個別機能訓練などを取り入れながら、無理のない範囲で体を動かす機会があるのは、自分自身で動く喜びや達成感を得る手段となります。

日常の中で体を動かす習慣を続けることは、転倒の予防や健康状態の維持にも関係する大切な活動です。

こうした積み重ねが、自分らしい生活を続けるための基盤づくりにつながるでしょう。

社会参加を促す活動

施設での生活においても、社会とのつながりを持ち続けることは、アクティブエイジングの実現につながる重要な視点です。

高齢者施設では利用者が役割や楽しみを持ちながら生活できるよう、園芸や料理、手工芸、音楽など、さまざまな活動が定期的に取り入れられています。

こうした活動を通じて、利用者同士や職員との関わりが生まれ、日常生活の中で自然に交流の機会を持つことができます。

また、地域住民との交流行事やボランティアの受け入れなど、施設外との接点を持つ取り組みも行われており、地域との関係を維持しやすくなるでしょう。

外部との関わりがあることで社会とのつながりを実感しやすくなり、孤立の防止にもつながります。

活動に参加するだけでなく、準備や片付けなどの役割を担う場面を設けることで、自分の存在意義を感じやすくなり、意欲の維持も期待できます。

安心して生活できる環境づくり

高齢者施設では、アクティブエイジングを支える取り組みの一つとして、安全に生活できる環境を整えることが重要であり、本人の身体状況や生活歴に配慮した生活環境を整えることで、無理なく日常生活を続けやすくなります。

例えば、転倒を防ぐための手すりの設置や動線の工夫、見守り体制の整備により、日常生活における不安の軽減につながるでしょう。

認知症のある方に対しては、生活リズムや行動の特徴に配慮した環境設計が求められ、生活動線を分かりやすくする工夫や落ち着いて過ごせる空間の確保が、混乱の軽減や生活の安定に結びつきます。

また、介護職に加えて看護職やリハビリ職が連携する体制が整っていることで、身体面と生活面の両方から支援できる環境が構築されます。

安心して生活できる環境が整うことで、高齢者は自分の力を生かしながら生活を続けやすくなるでしょう。

アクティブエイジングを実現する介護施設の選び方

いざ施設を探すとなると、何を基準に選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

長く安心して過ごすためには、健康や安全面はもちろん、社会とのつながりを保てるかという視点も重要です。

ここでは、施設選びの際に意識したいポイントを3つ紹介します。

高齢者の自立を支えるケア

アクティブエイジングの視点で介護施設を選ぶ際には、高齢者がこれまでの暮らしに近い生活を続けながら過ごせる支援が行われているかを確認することが大切です。

介護施設では安全への配慮が重視されますが、すべてを職員が代わりに行ってしまっては生活機能の低下につながるおそれがあります。

生活機能を維持するには、食事や更衣、移動などの場面で、本人が自力でできることはしてもらいつつ必要な部分を支える関わり方が重視されています。

この取り組みは生活への意欲の維持や向上にもつながるため、施設の関わり方を確認する際の基準の一つです。

また、通所介護や短期入所生活介護、グループホームなどサービスの種類によって支援の内容や生活環境は異なるので、本人の状態や希望に合った支援が受けられるかどうかも確認しておきたいポイントです。

施設見学の際は、日常生活のどの場面で本人の力を生かす支援が行われているかを確認しておくと、自立した生活を続けやすい環境かどうか判断しやすくなります。

生活の質(QOL)を重視した取り組み

介護施設を選ぶ際には、安全に生活できる環境が整っているかだけでなく、生活の質(QOL)を大切にした支援が行われているかも確認したいポイントです。

介護におけるQOLとは、高齢者が心身ともに満たされ、日々の生活の中で幸福を実感できているかを示す考え方であり、その感じ方は本人の価値観やこれまでの生活によって異なります。

そのため、外部から一律に評価できるものではなく、本人が何を大切にしているかを理解し、それを尊重した関わりが求められます。

こうした視点を踏まえると、施設での過ごし方にどの程度本人の希望が反映されているかを確認することが重要です。

起床時間や食事の時間、日中の過ごし方などに選択の余地がある施設であれば、自分らしい生活を維持しやすくなります。

見学の際には、日課が一律に決められているか、それとも個々の生活スタイルが尊重されているかを確認すると、支援の考え方を把握しやすくなります。

家族との連携やサポート体制

介護施設を選ぶ際には、家族との連携体制が整っているかどうかも重要なポイントです。

高齢者が安心して生活を続けるためには、施設職員と家族が情報を共有しながら支援する必要があり、生活状況や健康状態の変化について定期的に説明がある施設では、家族も状況を把握しやすく安心感につながります。

面会のしやすさや相談のしやすい雰囲気も確認しておきたい点であり、日常の様子を気軽に質問できる環境が整っていることで、支援の方向性を共有しやすくなるでしょう。

また、看護職やリハビリ職など他職種と連携した体制が整っていれば、医療面や生活面の変化にも柔軟に対応しやすくなります。

施設と家族が協力しながら支援する環境は、本人がその人らしい生活を続ける上で重要な要素といえます。

アクティブエイジングを支える介護サービスの役割

アクティブエイジングを実現するためには、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるよう支える介護サービスの存在が重要です。

ここでは、介護サービスの役割や介護職の仕事、利用までの流れを解説します。

介護サービスが担う役割

介護サービスは、高齢者の生活を多面的に支える役割を担っています。

高齢化が進む中で生活の質を維持するためには、介護サービスを単なる生活支援の場として捉えるのではなく、高齢者が自分らしく生活を続けるための基盤として位置づけることが重要です。

そのためには、できないことを補うケアにとどまらず、本人のできることや潜在的な能力に目を向け、自立を支える関わり方へと転換していく必要があります。

例えば、自分でやりたいという意欲を引き出す声かけや、生活歴や価値観を踏まえたケアプランの作成が、自立支援につながります。

こうした支援を支えるのが、介護職の専門的な判断と多様なサービスの連携であり、要介護状態にあっても、社会との関係を維持しながらその人らしい生活を送りやすくなるでしょう。

介護サービスは単なる生活支援にとどまらず、高齢者が地域の中で主体的に暮らし続けるための重要な基盤といえます。

介護職の仕事とやりがい

介護職は日常生活を支える専門職であり、身体的な支援だけでなく、利用者一人ひとりの価値観や生活歴に寄り添った関わりが求められます。

ここでは、介護職の具体的な仕事内容と、現場で感じられるやりがいについて解説します。

介護職の仕事

介護職は食事や入浴、排せつ、移動といった日常生活の支援を中心に行う仕事です。

利用者の身体状況や生活環境に応じて適切な介助を行い、安全に生活できる環境を整えることが求められます。

転倒や体調変化を防ぐための見守りや、日々の体調確認なども重要な業務に含まれます。

身体的な支援に加えて、生活歴や価値観を理解しながら関わることも重要であり、利用者が安心して過ごせるような関係づくりも業務の一つです。

日々の会話や関わりを通じて信頼関係を築くことで、より適切な支援につなげやすくなります。

また、看護職やリハビリ職、ケアマネジャーなどと連携しながら支援を行い、生活全体を見据えたケアを提供することも大切です。

情報共有を行いながらチームで支援にあたることで、利用者一人ひとりに合ったサービスを継続的に提供できる体制が整えられます。

介護職のやりがい

介護職のやりがいは、利用者の変化を身近で実感できる点にあります。

適切なケアやリハビリを通じて、これまでできなかった動作ができるようになるなど、支援の積み重ねが成果として表れる場面に立ち会えることは大きな魅力です。

利用者が自分らしさを取り戻していく過程や、本人や家族から直接感謝の言葉をもらえる経験は、仕事へのやりがいにつながります。

さらに、時間をかけて信頼関係を築いていく過程も重要な要素です。

入所当初は距離を感じていた利用者が、継続的な関わりの中で心を開いていく過程は、支援の意義を実感しやすい場面です。

日々の関わりを通じて誰かの役に立っていると感じられることが、介護職としてのやりがいと成長につながるでしょう。

介護サービスの利用や相談の進め方

介護サービスの利用を検討する際は、住んでいる市区町村の窓口や地域包括支援センターへ相談することから始まります。

介護に関する不安や生活上の困りごとについて幅広く相談でき、必要に応じて制度や手続きの案内を受けることが可能です。

介護保険サービスを利用するには要介護認定の申請が必要となり、申請後は訪問調査や主治医の意見書をもとに審査が行われ、要介護度に応じて利用できるサービス内容が決まります。

認定結果が要支援の場合は、地域包括支援センターが中心となって介護予防ケアプランを作成します。

もし要介護と認定された場合は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーがケアプランを作成する流れです。

ケアプランは本人や家族の希望を踏まえて作成されるため、日常生活で困っていることや希望する支援内容を具体的に伝えることが重要です。

また、認定結果が非該当であっても、市区町村の介護予防事業や生活支援サービスを利用できる可能性があり、状況に応じた支援を受けられるかもしれません。

こうした手続きをスムーズに進めるためにも、まずは地域包括支援センターへ相談し、全体の流れを把握しておくことが大切です。

まとめ

アクティブエイジングとは、高齢者が生活の質(QOL)を保ちながら自分らしく暮らし続けることを目指す考え方です。

心身の健康に加えて、社会参加や安心して生活できる環境づくりまでを含むのが特徴です。

アクティブエイジングの柱となるのは健康・参加・安全の3つであり、これらが相互に関わりながら高齢者の生活を支えています。

介護施設を選ぶ際には、自立支援の考え方や生活の質(QOL)への配慮、家族との連携体制などを確認し、本人の希望が尊重される環境かどうかを見極めることが大切です。

もし介護サービスの利用を検討する場合は、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談し、状況に応じた支援を整理することで、適切なサービスを選びやすくなります。

アクティブエイジングの視点を理解することは、高齢者本人の暮らしだけでなく、家族や支援者が今後の生活を考える上でも役立つでしょう。