介護に新たな入門資格が登場!?

厚生労働省が、介護の経験がない人を対象にした全国共通の入門研修制度を創設する方針を決めた、というニュースが報道されました。(7/10 Yahoo news)

具体的には、初任者研修の下位に位置付けられる資格を新たに創設し、介護保険の概要、着替えやトイレへの移動の介助、緊急時の対応など、介護に関する最低限の知識と技術を教える、とのこと。
時間数は初任者研修などに比べると非常に短時間の30-40時間で、昔のヘルパー2級の資格のように、試験は行わない方針だそうです。

昔存在していた、ヘルパー3級、のようなイメージでしょうか。
行う業務としては、施設における簡単な介助や配膳、掃除など、ということなのですが・・・

狙いとしては高齢者や女性が、介護労働に参加するハードルを下げること、とのことなのですが、正直個人的にはプラスの効果は見込めないのでは?と思っています。

まずひとつに、そういった補助業務は今では無資格者が行ってくれており、特にこれまで問題は生じていません。敢えてこうした資格を用意するとなると、資格の価値を担保するために、資格を持っていないとできない業務を規定する必要があります。そうすると結果としては、無資格で今はできているのに今後はできない業務が発生することになり、むしろ介護参入へのハードルは上がってしまうように思えます。
実際、現状では無資格で補助的な業務を行っている方の多くが、働きながら初任者研修の資格を取得し、本格的に介護の仕事に携わるようになっている現実があり、その入り口を狭めてしまうことに他ならないと思います。

また、これまで厚労省は、資格の難易度を上げたり取得を困難にすることで、介護資格の社会的地位向上を目指してきたはずです(介護福祉士を取るのに、実務者研修が必要になったのもこの一環でしょう。)。
ここで、試験もなく30時間で簡単に取れる資格によって介護業務に参入できる、となれば、今以上に、「介護なんて誰でもできる仕事」というイメージが助長される結果となるのではないでしょうか?

全体的に、厚労省が打ち出す介護人口を増やすための施策は、場当たり的なものが多いように感じています。
やはり、現場へのヒアリングやデータ分析などをもっとしっかりと行い、ロジックや数字にしっかり裏付けされたような効果的な施策を打ち出していってほしい、と思っています。

CURATOR
ケアリッツマガジン運営者 Yuri
普段の業務に加えて、いろいろと記事を書いて情報発信しています。プライベートでは女子力高めなことが好きです。