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介護職の給料はどれくらい上がる?2026年度の賃上げ動向について解説

介護職の給料はどれくらい上がる?2026年度の賃上げ動向について解説

介護職の給料は、ほかの職種に比べて低いといわれていますが、2026年以降に給料は上がるのでしょうか。

本記事では、介護職における2026年の賃上げ動向について解説します。

介護職の平均給料や、給料を上げる方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

2026年度に介護職の給料は上がるのか

 

2026年以降、介護職の給料は上がるのでしょうか。

臨時で実施される予定の報酬改定や、対象者について解説します。

6月に介護報酬2.03%引き上げの方針

 

介護報酬改定は原則3年おきに実施されますが、厚生労働省は処遇改善に係る部分だけ、2026年の6月に前倒しで実施する方針を定めました。

介護報酬臨時改定による介護報酬の引き上げ幅は、+2.03%になる見込みです。

なお、2025年12月には賃上げの補正予算が成立し、2025年12月から2026年5月までの半年間、月額最大1.9万円の補助金が用意されています。

補助金と介護報酬臨時改定により、介護職の処遇改善に向けた賃上げの動きが加速しているといえるでしょう。

パートや契約社員も対象

 

補助金や介護報酬の引き上げは、正社員の介護職員だけでなく、パートや契約社員も対象です。

厚生労働省も「雇用形態に関わらず、介護業務に従事する職員全体の処遇改善につなげること」と通知しています。

また、派遣労働者であっても、処遇改善加算の対象とすることは可能です。

「賃金改善を行う方法等について派遣元と相談した上で、対象とする派遣労働者を含めて処遇改善計画書や実績報告書を作成すること」としています。

出典:厚生労働省

介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について

出典:厚生労働省

『介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A(第1版)』の送付について

支給額は事業所の裁量による

 

職員一人ひとりにいくら配分するかは、国が決めるのではなく、それぞれの事業所が最終的に決定する仕組みです。

配分方法については一定のルールが定められていますが、具体的な評価基準や分け方は事業所に任されている部分が少なくありません。

勤続年数や資格、日頃の貢献度をどう評価に反映させるかは、それぞれの法人の考え方によって異なります。

同じような仕事内容であっても、勤務先の判断によって受け取れる金額に差が出る点に注意しましょう。

職種間の分配ルールを緩和

 

以前は「介護福祉士等の経験技能ある職員に重点的に配分する」というルールがありましたが、2024年6月に導入された介護職員等処遇改善加算により、職種間の分配ルールは緩和されました。

現在は「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとしますが、事業所内で柔軟な配分を認めます」とされています。

出典:厚生労働省

『処遇改善加算』の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引き上がります

手続きと書類保存のルールがある

 

手続きの際の事務的な手間を減らすため、提出書類への資料添付は原則として求められません。

ただし、都道府県から内容の確認を求められた際には、根拠となる資料をすぐに出せるように準備しておく必要があります。

そのため、関係する書類には2年間の保存義務がある点を覚えておきましょう。

介護職への賃上げ以外の支援

 

2026年に実施される介護業界への支援は、賃上げだけではありません。

介護分野への賃上げ以外の支援について詳しく解説します。

介護事業所のサービス継続支援

 

物価高騰に苦しむ事業所への経営安定化策として、次のような支援が予定されています。

 

  • 移動・光熱費の補助
  • 食材料費の高騰分への補助
  • 災害時の備品購入(発電機・備蓄物資等)

 

訪問系介護サービスには最大50万円、通所系介護サービスには最大40万円の補助が行われる予定です。

これは、移動距離が長くコストがかさむ地方や、山間部の実情を重視した設計になっています。

また、施設系介護サービスでは食材料費や夏季の熱中症対策など、日々の運営コストの上昇が補填されるため、事業を継続するための意味合いが強い直接的な支援です。

出典:厚生労働省

介護分野における医療・介護等支援パッケージ及び重点支援地方交付金の活用について

テクノロジー導入・協働化・経営改善支援

 

介護業界の人手不足を補うため、最新の機器を導入する際の費用を助成する制度が進められています。

対象となるのは、主に次のようなツールです。

 

  • 介護ソフト
  • 見守り機器
  • インカム
  • 共有端末

 

こうした機器を活用し、少ない人数でも質の高いケアを維持する体制への切り替えを後押しします。

また、制度をより多くの事業所に活用してもらうため、相談窓口も設置されています。

出典:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業

 

人材不足分野への集中支援

 

介護業界で人材不足が顕著な訪問介護とケアマネジメントに対して、集中的な支援が行われます。

支援の具体的な内容は、次のとおりです。

 

  • 中山間地域でのサテライト拠点設置
  • 事業所の多機能化(通所と訪問など)
  • 業務負担軽減(シャドウワーク支援等)
  • 潜在ケアマネの発掘・採用支援

 

ケアマネジャーに関しては、オンライン研修や教材作成の支援もあります。

介護職の給料における直近の賃上げ動向

 

介護職員処遇改善加算は、2009年10月に導入された介護職員処遇改善交付金をきっかけに始まりました。

その後、制度の見直しを繰り返しながら、現在は介護職の給料を支える重要な仕組みとなっています。

ここでは、2024年~2025年にかけて実施された、介護職の賃上げ動向を紹介します。

2024年2月:介護職員処遇改善支援補助金

 

2024年2~5月にかけて一時的に実施されたのが、介護職員処遇改善支援補助金です。

介護職員等ベースアップ等支援加算を算定している事業所が、対象となります。

金額の目安は、介護職員一人あたり月額6,000円相当です。

なお、月額6,000円を全員に配分するのではなく、事業所が職員の能力や貢献度に合わせて支給する金額を変動させることが可能でした。

出典:厚生労働省「『介護職員処遇改善支援補助金』のご案内

2024年6月:介護職員等処遇改善加算の一本化

 

介護職員処遇改善3加算の終了に伴い、2024年6月から介護職員等処遇改善加算が開始されました。

複雑だった介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の3つを一本化した恒久的な制度です。

これにより、国は2月からの月額6,000円と合わせて、介護職全体で月額7,500円(2.5%)のベースアップの定着を推進しました。

しかし、一本化されたからといって、すべての介護職員の給料が7,500円上がったわけではありません。

配分ルールが緩和されたとしても、事業所の裁量による部分が大きくなっています。

出典:厚生労働省

『処遇改善加算』の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引き上がります

2024年12月:補正予算による賃上げ支援

 

2024年12月に厚生労働省は、806億円の補正予算による賃上げの支援を決定しました。

この予算額は介護職員一人あたり、54,000円の一時金が支給できる金額といわれています。

なお、この補助金は職場環境改善等の経費に充てるほか、介護職員の人件費に充てることを可能としています。

支給対象となるのは、介護職員等処遇改善加算の取得事業所です。

出典:厚生労働省「令和6年度厚生労働省補正予算の概要

介護職の平均給与と推移

 

続いては、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所の、介護職員の平均給料と推移を紹介します。

月給で働く介護職の平均給与

 

令和6年度の月給で働く介護職の職種別の平均給与は、次のとおりです。

 

職種平均給与
介護職員338,200円
看護職員384,620円
生活相談員・支援相談員353,950円
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、機能訓練指導員362,800円
介護支援専門員375,410円
事務職員317,620円
調理員272,240円
管理栄養士・栄養士323,810円

 

正社員として働く職員の中でも、特に看護職員や介護支援専門員の給与水準が高い傾向にあります。

これは高度な専門知識や資格、実務経験が求められる役割であり、それに見合った評価が給与に反映されている結果だといえます。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

時給で働く介護職の平均給与

 

令和6年度の時給で働く介護職の職種別の平均給与(常勤)は、次のとおりです。

 

職種平均給与
介護職員246,020円
看護職員306,830円
生活相談員・支援相談員264,670円
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、機能訓練指導員258,850円
介護支援専門員319,800円
事務職員224,690円
調理員203,570円
管理栄養士・栄養士237,720円

 

時給制であっても、フルタイム(常勤)で働く場合は月給制より10万円近く低くなることが分かります。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

月給で働く介護職員の平均給与の推移

 

月給で働く介護職員の過去10年間の平均給与の推移は、次のとおりです。

 

年度平均給与額
平成27年280,250円
平成28年289,780円
平成29年290,120円
平成30年300,970円
令和元年300,120円
令和2年315,850円
令和3年300,990円
令和4年317,540円
令和5年324,240円
令和6年338,200円

 

過去10年間の推移を見ると、介護職員の給与は右肩上がりで増え続けています。

平成27年には約28万円だった平均額が、令和6年には約33.8万円にまで達しました。

10年間で5万円以上の引き上げが実現しており、現場の待遇改善に向けた国の取り組みが着実に形になっている証拠です。

出典:厚生労働省「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

時給で働く介護職員の平均給与の推移

 

時給で働く介護職員の平均給与の推移は、次のとおりです。

 

年度平均給与額
平成27年201,180円
平成28年206,640円
平成29年204,450円
平成30年213,590円
令和元年206,090円
令和2年218,210円
令和3年221,040円
令和4年229,770円
令和5年234,380円
令和6年246,020円

 

正社員ほど給与額は上がっていませんが、パートやアルバイトとして働く介護職員の給与も、10年で4万円程度上昇していることが分かります。

出典:厚生労働省「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

介護職の給与を引き上げようとしている背景

 

政府が介護職の給与を引き上げようとしている理由や、その背景について解説します。

物価の上昇

 

臨時報酬改定が前倒しで実施されるのは、物価高騰に対応するためです。

2021年から始まった物価上昇の影響により、介護職員の生活費や介護施設の光熱費、食費が上昇し、運営コストの負担増加が事業所の経営を圧迫しています。

賃上げが実施される目的は、介護職員の生活を維持するためと、事業所の経営を維持するためです。

政府は緊急な対応が早急に必要と判断して、2027年の報酬改定を待たずに、臨時報酬改定を実施します。

介護職員の人手不足

 

臨時報酬改定が実施される背景には、介護ニーズの増加に伴う介護職員の人手不足も挙げられます。

都道府県が推計した介護職員の必要数は、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人と発表されました。

高齢化の進行に伴い、今後も介護職員の人材不足は深刻化する可能性が高いでしょう。

政府としては、以下のように総合的な介護人材確保対策に取り組むとしています。

 

  • 介護職員の処遇改善
  • 多様な人材の確保・育成
  • 離職防止・定着促進・生産性向上
  • 介護職の魅力向上
  • 外国人材の受入環境整備

 

出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

他職種との賃金格差がある

 

介護職と他職種との賃金格差も、賃上げ政策の要因になります。

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、正社員の平均給与は545万円と報告されています。

前述のとおり、介護職員の令和6年度の平均給与は338,200円であり、年収に換算すると約405万円です。

この賃金の差が人手不足を招く原因になっているため、国は今後もさらなる処遇改善を続けていくでしょう。

介護職の給与を上げる方法

 

介護職員が給与を上げる具体的な方法は、以下のとおりです。

 

  • 管理職を目指す
  • 夜勤のシフトを多くする
  • 同じ施設で長く働く
  • 介護系の副業をする
  • 転職を検討する

 

給料を上げるためのポイントについて、詳しく解説します。

管理職を目指す

 

施設長や管理者などの役職に就くと、役職手当がつくため給与アップが期待できます。

管理職として働く職員と、そうでない職員の給与は以下のとおりです。

 

役職実労働時間平均給与
管理職164.1時間378,110円
管理職でない162.8時間327,720円

 

実労働時間は大きく変わりませんが、管理職の平均給与が約5万円高いことが分かります。

管理職を目指すには、介護の専門資格はもちろん、チームをまとめる力や事業所を運営する視点も欠かせません。

現場で経験を積みながら着実にキャリアを積み上げていくことが、高年収への近道です。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

夜勤のシフトを多くする

 

夜勤を担当すると基本給に加えて夜勤手当が支払われるため、収入がアップするでしょう。

資格の取得や昇格を待たずに、今の働き方のままで手取り額を増やしたい場合、夜勤の回数を増やすのは一つの方法です。

ただし、夜間の仕事は体力的な負担が避けられません。

生活リズムが崩れることで疲れが取れにくくなったり、慢性的な睡眠不足に陥ったりするおそれもあります。

収入アップのメリットは大きいですが、自身の健康状態やプライベートとのバランスを考え、無理のない範囲でシフトを調整するのが賢明です。

同じ施設で長く働く

 

勤続年数が長ければ長くなるほど、給料は上がっていく傾向にあります。

介護職員の勤続年数別の平均給与額は、以下のとおりです。

 

勤続年数平均給与
1年(勤続1年~1年11カ月)298,760円
2年(勤続2年~2年11カ月)309,630円
3年(勤続3年~3年11カ月)316,080円
4年(勤続4年~4年11カ月)322,370円
5年(勤続5年~5年11カ月)331,010円
10年(勤続10年~10年11カ月)337,300円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

勤続年数が10年の職員と1年の職員を比較すると、3万円以上の差があることが分かります。

勤続年数によって昇給がある事業所の場合は、地道にコツコツ働き続けることで給料アップが狙えるでしょう。

利用者やほかの介護職員との信頼関係も深まりやすいので、同じ事業所で長く働き続けるメリットは多いといえます。

介護系の副業をする

 

本業とは別に介護の副業を始めることも、収入を上げる有力な手段です。

勤務先の就業規則で副業が認められていれば、培ってきたスキルを別の現場で生かして報酬を得られます。

まずは少ない日数から挑戦し、本業とのバランスを保ちながら進めていくとよいでしょう。

職場環境を変えて働くことで新しいケアの方法を学べるなど、収入面以外でのプラスも期待できます。

ただし、自身の負担にならないペースで挑戦し、無理のない範囲でスケジュールを組むのが大切です。

資格を取得する

 

資格を取得すると資格手当が支給されたり、基本給がアップしたりする可能性があります。

保有資格別の、介護職員の平均給与額を比較してみましょう。

 

保有資格平均給与
なし290,620円
介護福祉士350,050円
社会福祉士397,620円
介護支援専門員388,080円
実務者研修327,260円
介護職員初任者研修324,830円

 

介護の資格の中でも、上位資格として位置づけられている資格は平均給与が高い傾向にあります。

スキルや知識の証明になるので、資格手当の支給や基本給のアップが期待できるでしょう。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

転職を検討する

 

給料を上げるための手段として、別の職場への転職を視野に入れることも大切です。

介護職の給与は勤務先の運営方針や地域によって異なるため、同じような業務内容であっても、職場が変わるだけで手取り額に数万円の差が出ることも珍しくありません。

事業所によっては、特定の資格を高く評価して手厚い手当を支給したり、安定した賞与制度を整えていたりと、独自の待遇を用意しています。

今の職場での昇給ペースに限界を感じているなら、ほかの求人条件と現状を冷静に比較し、より正当な評価を受けられる環境を探すのもおすすめです。

自分の市場価値を客観的に把握することで、将来のキャリアプランをより具体的に描けるようになります。

介護職の給与アップにおすすめの資格

 

ここでは、資格手当がもらえる可能性のある資格をいくつか紹介します。

介護福祉士

 

介護福祉士は、日常生活に支障がある人に対し、専門的なスキルと知識をもとに介護を行ったり、介助者に対して指導を行ったりできる国家資格です。

介護福祉士の受験資格を得る方法は、以下の3つです。

 

  • 3年以上の実務経験+実務者研修を修了する
  • 指定された養成施設等を卒業する
  • 福祉系の高校で必要な科目を履修する

 

誰でも受けられる資格ではないため注意しましょう。

社会福祉士

 

社会福祉士は、福祉分野で活躍できる国家資格です。

支援を必要とする対象者を多角的にサポートする職種であり、今後さらなる需要の高まりが見込まれています。

受験資格を得るためには、福祉系の4年制大学や短大、短期養成施設、一般養成施設のいずれかを卒業(修了)することが必要です。

試験は科目数が非常に多く出題範囲も広いため、合格率は例年20~50%前後で推移しています。

働きながら取得を目指すなら、早い段階から計画的に学習時間を確保するのが合格へのポイントです。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

 

ケアマネジャーになるには、介護福祉士などの法定資格に基づく業務、または特定の相談援助業務において、通算5年以上かつ900日以上の実務経験を積むことが主な条件です。

試験は「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」の2つから構成されており、それぞれでおおむね70%以上の正答率を出すことが合格の基準とされています。

学習方法は独学や通信講座が一般的ですが、介護系資格の中でも難易度は高く、勉強期間として半年程度を見込んでおくことをおすすめします。

日々の業務と並行して無理なく継続できるよう、余裕を持ったスケジュールで合格を目指しましょう。

介護福祉士実務者研修

 

介護福祉士実務者研修は、国家資格である介護福祉士の試験を受けるために受講が必須とされている研修です。

単に受験資格を得るためだけでなく、実践的な知識と技術を深く学び、より質の高いサービスを現場で提供することを目指しています。

実務経験や保有資格を問わず受講できるのが特徴で、介護の世界で着実にキャリアを積み上げ、専門性を高めていきたい方にとって重要なステップといえます。

介護職員初任者研修

 

介護職員初任者研修は、介護の基礎知識や技術を体系的に学ぶための入門的な資格であり、取得すると活躍の場を大きく広げられます。

取得にあたっては、民間のスクールや通信講座を利用するのが一般的です。

全130時間のカリキュラムを履修したのち、修了試験に合格することで資格を得られます。

取得までにかかる期間は最短で1カ月ほどで、働きながら目指す場合は夜間や土日に開講されているコースを上手に活用し、無理のないスケジュールで学習を進めましょう。

介護職の賃上げに関する注意点

 

報酬改定により、すべての介護職員の給料が上がるわけではありません。

ここでは、介護職の賃上げに関する注意点を解説します。

事業所が経営難の場合は上がりにくい

 

施設や事業所の経営が苦しい状況では、職員の待遇を改善するのは容易ではありません。

利益率がマイナスで赤字の場合は、介護職員の給料アップを図る余裕がないからです。

実際に昨今の物価高や人手不足の影響を強く受け、経営難や倒産に追い込まれる事業所も少なくありません。

さらに、大手の介護事業所による処遇改善の推進により、大手と中小の間で賃金格差が発生し、人手不足がさらに深刻化していくおそれがあります。

正社員以外は昇給が難しい

 

正社員として働く介護職員は勤続年数による昇給が期待できますが、アルバイトやパートなどの非常勤の方は、長く勤めても昇給が難しいのが現状です。

 

勤続年数平均給与(月給・常勤)平均給与(時給・非常勤)
1年

(勤続1年~1年11カ月)

298,760円124,430円
2年

(勤続2年~2年11カ月)

309,630円119,180円
3年

(勤続3年~3年11カ月)

316,080円127,110円
4年

(勤続4年~4年11カ月)

322,370円130,190円
5年

(勤続5年~5年11カ月)

331,010円132,330円
10年

(勤続10年~10年11カ月)

337,300円126,640円

 

月給・常勤で働く介護職員は10年間で3万円以上も上がっていますが、時給・非常勤で働く介護職員は10年働いても大きく上がっていません。

介護業界で長く働き続ける場合は、正社員として働いたほうが給料が上がりやすいことが分かります。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

法定福利費により賃上げの効果を感じにくい

 

介護職員の給料が引き上げられても、実際の手取り額ではその効果を実感しにくい場合があります。

大きな要因は、額面のアップに伴って差し引かれる社会保険料などの「法定福利費」にあります。

例えば、1万円の賃上げが行われたとしても、健康保険や厚生年金などの本人負担分(約15%)が差し引かれるため、実際に増える手取り額は8,500円ほどに留まります。

国が示す賃上げ額には、この会社負担分の増加分も含まれている場合が多く、結果として職員が受け取る給与明細上の昇給額は、期待していたよりも控えめな数字になりがちです。

物価高が続く中で、この目減り感をどう解消していくかが、今後の処遇改善における課題といえます。

賃金調整される可能性がある

 

事業所によっては、賃金調整を行っている可能性もあります。

そもそも処遇改善加算を受けるためには、基本給や手当を上げることが必要です。

経営難の事業所は総人件費が上がらないようにするため、処遇改善手当の新設・増額と同時に、従来の手当を減額したり廃止したりする可能性も指摘されています。

事業所の賃金調整によって処遇改善手当が支給されても、給料が上がっていないという事態が発生するのです。

介護職の賃上げに関するよくある質問

 

最後に、介護職の賃上げに関するよくある質問に回答します。

今後の課題は?

 

報酬改定が実施される際の懸念点は、利用者の支払う自己負担額が増えることです。

事業所は自己負担額の増加を利用者が納得するように説明し、どれだけスムーズに補助金から報酬改定に移行できるかが、今後の課題として挙げられます。

介護職の給料が低い理由は?

 

全産業と比較して介護職の給料が低いといわれる理由は、以下のとおりです。

 

  • 介護報酬がすべての事業所で一律のため
  • 昇給の回数が少ないため
  • 業務量に対して給料が見合っていないため

 

慢性的な人手不足が続いている業界であり、事業所で働いている介護職員は業務負担の重さに対して給料が低いと感じざるを得ません。

介護保険に頼ったサービスのため、事業所も利益を増やしにくいのも原因の一つです。

自分の給料が上がらない場合は転職すべき?

 

賃上げが給料に反映されていない場合は、還元率が低い可能性があります。

資格や勤続年数の割に給料が低いと感じたら、ほかの事業所の給料を確認し、自分の市場価値を認識した上で行動することをおすすめします。

まとめ

 

物価高や深刻な人手不足を受け、政府は補助金や報酬改定を通じて介護現場への支援を強化しています。

2024年から2025年にかけての賃上げムードは追い風ですが、制度の仕組みや経営状況は事業所ごとに異なるため、すべての職員が等しく恩恵を受けられるとは限りません。

自らの収入を確実に高めるには、資格取得による手当の受給や、管理職へのキャリアアップが効果的な手段です。

もし今の環境で正当な評価が得られないと感じるなら、培ったスキルを武器により待遇のよい職場へ転職することも検討しましょう。